☆確定利回り

固定金利の保険というのは、契約当時の予定利回りが契約終了まで変わる事は有りません。
現在は歴史上で類を見ない程の超低金利時代です。
ただ、この超低金利は今後も続くというかというと、絶対にありえません。

金融自由化により、海外の銀行が日本に本格的に進出しています。
ご存じかもしれませんが、ドイツやアメリカの銀行金利は4〜6%複利が当たり前です。
そう、4%をきった段階で『ストライキ』が起きてしまうぐらいなのです。

現在の日本の金利自体が『異常』なのです。

ゼロ金利政策が終わり、海外の銀行が日本に参入している昨今、日本の銀行も
金利をあげざるを得ない状況になります。(いわゆるインフレ)
そうしないと銀行が潰れてしまうので。

金利の上昇に伴い、いずれ保険会社も予定利回りをあげざるを得ません。
そうしないと銀行等に顧客が流れてしまいますから。

確かに『解約金を減らして保険料を安くする』というこの保険のしくみ自体は
いいのですが、『予定利率がもっと上昇してから』加入してはじめてメリットがある商品といえます。

市場金利が上昇すると容易に想定できる現在、この保険に入るメリットはあまりありません。

金利が上昇し、途中で他の商品にかえようにも『解約金が低く設定されている』
商品ですから、通常の終身よりたちが悪いですしね。

具体的に示していきます。

終身(長割)200万・・・年41630円(37歳加入で60歳まで)

総払込合計=41630円×23年=957490円
60歳での解約金・・・・・・・・・約120万 円

※払込終了時点の解約金は保険金額の約6割です。

これを年平均積立て複利で表すと、約1.84%になります。

銀行等で金利が1.84%複利以上になったら、銀行に預けた方がトク。
※これは生保にもいえる事です。

複利2%程度なら、近々なるでしょう。
現在でも公社債は2%程度で回っていますしね。
そうなった場合、同じ額を銀行に預けていった方が貯蓄率がよくなります。
この程度の金利商品は加入しているだけ無駄です。


因みに、アリコのドル建て利率変動型終身保険は 為替リスクこそあるものの
最低利率が3.0%(実質は、4%以下にはここ近年なっていない。)

保障性を重視して期待を持たせるならば、ソニー生命の変額終身保険でも
予定利率が3.5%保障なのだから、やはり長割終身は低い。

 

☆インフレ

あと一つ、致命的な弱点があります。
インフレに対応していない点です。
インフレとは『物価上昇』『金銭価値の低下』という事です。
そう、今の100万と将来の100万では全く価値が違ってしまう可能性が高いという事です。

例をあげます。
昭和48年時点での大卒の初任給・・・・7〜8万
現在の大卒の初任給・・・・・・・・・・約18万

20年ちょっとで倍以上値段が変わったという事がわかります。
終身保険は確定利回りで長期のものです。

はたして現在と同じ貨幣価値でしょうか?
同じ20年ちょっと後、きっと今の金額の半分以下の価値にしかなっていないでしょう。

そういう意味でも、この『長割終身』はお勧めできません。

☆結論

仕組み自体は悪くはないのですが、現在絶対に入ってはいけない保険のひとつです。
よく『今より利率がよくならなかったら・・・』などと聞きますが、逆に聞きたいです。

『本当に今より絶対利率がよくならないのですか?』と。

長割終身(東京海上日動あんしん生命)
現在では、あんしん生命に関わらず、同様の保険が
アフラックの「WAYS」など、他社でも主流となり
別段 珍しくはなくなった保険ですが・・・
しかしながら、このタイプの保険のメリット(というのかな?)
は、単に月払いの保険料が通常の終身保険より安い・・・
というだけのものなのだ。
しかし、当然デメリットは 契約期間中の解約の場合は
解約返戻金が、通常の終身保険のそれよりも 約3割〜4割カットされて
しまう為、途中での見直しには向かない保険なのだ。
そこで、なぜ あえて 私が 入ってはいけない保険 だと言うのか?
それは 結論を言うと、契約期間中は「無言の解約阻止行為」とも
とれる保険内容なのだ。
下記に理由を示しているので どうぞ!