開業間もない歯科医の家庭に保険提案をした時の事・・・
当然、開業したばかりで 器材などは一部リースであったものの
当然の事ながら、借金をしての開業であった。
僕は、必要保障額を1億円として 法人向け商品の提案をしたのだった。
一通りの 必要補償額も理解していただき 契約までもう少しのところで
その歯科医の奥さんが、「こんなに毎月 保険料支払っていたら うち
やっていけないわ。 もっと安い保障でいいわ。」と、結果的には
その半額の保障となったのであった。
それから 約1年後 その歯科医さんは 急病にて亡くなられたのだった。
もちろん通常通り 保険金は支払われたのだったが・・・
葬儀が終わり、保険金給付の手続きを進めている最中の事・・・
その奥さんが「ちょっと あなたさぁ 保険のプロだと 言ってたわよね!
言わせてもらうけど、こんな保険金じゃ 私達が残り生活していけないじゃない?
この医院の借金返したら、そのお金 消えちゃうのよ! あなたね、
自分でプロだと言ってたんだから、私ひとりくらい どうして あの時
説得できなかったのよ!」と 罵声を浴びせられました。
遺族感情から考えて、僕は 心の中で「何言ってるんだ。大反対したのは
あなたじゃないか・・・」と 思う反面、確かに 僕はプロを自負しておりましたから
強く説得できなかったのは、僕の認識の甘さであったと
痛感いたしました。
それからは、堂々と「小銭追いかける人の小銭の手助けはしません。
私は、あなたの将来を考えて ここまでのプランを出しています。」
と言える仕事を心がけるようになりました。

ある歯科医の家族・・・