精神安定剤


あの頃から 墜ち始めた  何年か前の夏の昼下がり
その時の心の棘は まだ 浅いところに刺さっていた
耐えきれなくなって 刺さったモノを抜こうとしたんだ 多分
なかなか棘は抜けなくて 無理に抜いたら
身体を流れる紅(あか)が 私を染めた

それは 始まりに過ぎない

墜ちてゆく 深い深い場所へ…
果てなど無いのだろう とどまることも知らずに
壊れながら 傷つきながら
唯 奈落の底へ


あの頃から 墜ち始めて 何年か過ぎた冬の闇月夜
あの時の心の棘は もう 深いところまで刺さっていて
耐えきれなくなった 刺さったモノは抜けないハズなのに
無理矢理棘を抜こうとして 無駄にもがいた
染めてただけの紅が 流れ落ちる

もう 戻れない

落ちてゆく 紅い赤い悲しみ…
痛みも無いのだろう とどまることも出来ずに
更に深く 心削って
唯 奈落の底へ


僕を優しく包み込む 唯一の希望(光)
あなたがいるから まだ立ち直れるところに留まっていられた

けれど

紅い悲しみは 流れ落ち
痛みもあるのに 留まることを忘れ
深さを増す度 心を削って
ただ 墜ちるところまで…

深く二度と立ち直れないところまで
果てなど知らない 止まることも出来ず
精神崩壊 肉体崩壊
何処までも 墜ちるところまで……


後書?

下書きの方には、何かの歌詞のような雰囲気が↑以上にありました(汗)
下書きの方も↑の方も、それぞれ納得出来ないところと妙に気に入っているところとがあります。
精神崩壊はわかるけど、肉体はどうすれば…と思っていたのですが結局、
精神〜とリンクさせるような表現に走ってみました。

実際の精神安定剤はこんなものではないですが(多分)、一応、比喩なのでいいかな…と思い、
使ってみました(よくねぇし;)

この詩の内容を誰か一人でも理解してくれる人がいればな…と、密かに思っていたりします;;