先生:さっきラジオで、恐れ多くも天皇陛下が
    もう戦争はしないと放送なさったんや
木村:ほんまに戦争終わったんですか?
先生:  うん・・
文田:バンザ〜イ!日本勝った!!
    バンザーイ!!バンザーイ!!
古西:戦争が終わるちゅうことは、勝ったんや
中村:そうや、とうとう勝ち抜いたんや!
 
子供達は日本の勝利を信じて疑わずに
おおはしゃぎして「勝ち抜く僕ら小国民」
を歌いだす
しかし先生や和尚さんは戸惑っている
寮母が突然座り込んで大声で泣き出す
鳥居:おばさん泣かんときいな
   日本勝ったんやで
文田:ほっといたらええわうれし泣きや
寮母:何も知らんと、あんたたちゃ
    日本は負け立つよ
先生:おばさんの言うとおり
   日本は 負けたんや
呆然とする子供たち
松井:先生日本は神の国やし
    絶対負けへんのと違うんですか
杉村:神風は吹かへんのですか?
先生:無条件降伏した
木村:無条件・・・降伏・・・・
加納:先生!先生は<日本は絶対勝つ>言うたやろ
  <勝つためには何でも辛抱せえ、欲しがるな>
 言うたやないか!そやからみんな辛抱してきたんや
先生:・・・・・
中村:日本負けた・・・日本負けた・・・
    うちのお父さんなんのために死んだんやろ
文田:悔しい
先生:みんなに教えてきた一番大きなことが・・・
   間違いになってしもうた
西澤:なあ・・・戦争済んだんやったら家へ帰れるのやろ
荒川:え?帰れる?  いつ?
鳥居:ほんまに帰れるんか?
古西:そうや!戦争が終わったし、帰れるんや!
3・4年の子供達は口々に帰れると騒ぐ
松井:あかん!!
   日本は負けたんやで!京都に帰ってみ
   敵がどんどん入ってきて、家は燃やしよるし
   人は殺しよる昔からの戦争の本読んでみ
   みんなそうなってる
鳥居:ほ、ほなお母ちゃんや妹は
松井:そんなもんどうなるかわからへん
文田:ばか!そんなことあらへん、あらへんわい
  僕、今から京都へ帰って竹槍で敵を突き刺したる
  お母ちゃん待っててや!
  死んだらあかんで!
  やったる!やったるんや!お父ちゃんの敵や!
  先生かて、お前ら自分の力でやりとげ言うたやんか
  あほ!  せんせいのあほ! 兵隊のあほ!
  なんで、僕が大きなるまで辛抱できんのや。
  あほ! 大将のあほ! 大臣のあほ! 
  和尚さんもあほや! 
  あんな安もんのラジオで何聞いたんや  あほ!!
  
先生:文田
木村:文田、帰るんやったら、みんな一緒に帰ろ
  一人やったら道わからへんぞ
先生:みんな一緒に来たんや。
    帰る時は一緒や、な、文田