− 第28話 教育方針 −
実家に帰ったとき、母親に言われた。
「ダメもとで、受けるだけでも受けさせといた方が
エエんちゃうかって、Nくん言うてはったで。」
Nくんは1つ歳上の私の従兄弟で、彼の子も私の子より1つ歳上である。
受けるって言うのは、中学受験の話で、Nくんの子供は
中高一貫教育の県立校に通っている。
中学受験で受かれば(試験は面接と作文)、
高校受験のために中学で塾通いさせるより
親の経済的な負担、子供の学習の負担、共に
楽チンである、とのことだった。
帰宅してヨメダに話した。
「中高一貫校やと高校受験が無いから楽やって話やで。」
独演会が始まった...
「その話は前にも聞いた。
ダメもとでとりあえず受けさせろって言うんやろ。
自分がしゃべったことも覚えてへんのか?
受かったら入学させんとアカンねんで。
何でわざわざ遠い中学校へ通わせんとアカンの?
そんなもん、親の見栄や。
大体な、子供に楽をさせる必要なんて無いやないの。
オッサン、高校受験にどれだけの苦労をしたのか、
どういう努力をしたのか、あたしに言うてみ?
普通はな、努力は自分の肥やしになるねん。
きちんと努力してる人は、努力の大切さを分かってるから
自分の子供に楽をさせようとは絶対に思わへんのや。
オッサンは中途半端な努力しかしてへんくせに、
頑張ったつもりでおるからタチ悪いねん。
そんなんやからしんどかった思いしか
残ってへんのんじゃ。
中途半端なヤツが偉そうなこと言うな。
嵐が治まるのを待つしかありません...