− 第19話 愛車は○菱 −
とある休日のまったりとした午後のこと。
ヨメダが車で10分ほどの所にあるスーパーへ
買い物に行くと言うので、
「ついでに隣の電気屋でCDR買うてきて。
このDM持っていったら安うなるみたいやから。」と言うたら、
「CDやったら分かるけど、Rて何やねん、Rて。
そんなワケの分からんもん、買うのイヤ。」
・・・・・・・・ふぅ。
仕方なく私も一緒に行くことにした。
3時のおやつにビールを飲んでいた私は、
ヨメダの車の助手席に乗せてもらう。
荒い運転にハラハラ、ドキドキである。
さらに、昨今メディアを賑わしている
ヒシガタが3つくっついたマークが
ステアリング中央に燦然と輝いている。
余計にハラハラ、ドキドキである。
「お前、この車、大丈夫か〜?
何かあったらすぐに逃げられるように
心の準備しとけよ。」と言うたら、
「へ?何で?」
「何でって、このマーク何やねん。
目ぇ開けて、よう見てみい。」と言うと
「げ! 何や、このマーク?!
騙された!」
「って、誰に騙されてんねん。 って言うか、今まで
知らへんかったってどういうことや?」と
つっこむのも空しく、軽く聞き流され、
「でも、□村モータースはエエ人やから、
○菱の車でも、きっと大丈夫やわ。」
「□村モータースがエエ人かどうかは、
○菱とは関係ないやろ。
それ以前に、□村モータースがエエ人って、
どういうことやねん。」とつっこむのも更に聞き流し、
「ま、それにもし何かあっても、このあたしやで。
ぜ〜んぜん、平気。だいじょぶ、だいじょぶ。」
そうでした。
過去、ヨメダは数々のトラブルを
巻き起こしているので、交差点の真ん中で
急に車が動かなくなる位のことでは
決してうろたえたりしない強い心を
持っているのを忘れていました...
「で、この車、何ていう名前なん?
ミラ?」
(゜◇゜) 今、何て?...