平成14年第1回市議会定例会の開催に当たりまして、市政運営の基本方針などについて、ご説明申し上げます。
1 はじめに
平成14年度は、私の市長としての任期の最終年度であり、折しも市制施行60周年の節目の年度を迎えるに当たりまして、改めて初心に立ち返り、わがまち高槻の発展と36万市民の幸せを願い、決意を新たにいたしております。
さて、今日の我が国は、バブル崩壊後10年以上も政治・経済・社会などあらゆる分野において、疲弊した既存のシステムの改革が叫ばれながら、それらが充分に進まず、また、有効な解決策を見い出せないという閉塞感に覆われ、混迷のさ中にあります。地方自治体においても、長引く景気の低迷により、税収の大幅な落込みや地方交付税の見直しが予想されるなど、今後においても厳しい財政運営は避けられないところであります。
このような状況のもと、国におかれては、昨年6月の経済財政諮問会議で「今後の経済運営及び経済社会の構造に関する基本方針」、いわゆる「骨太の方針」を出し、七つの改革プログラムに基づいて改革の実行に努められ、また、地方自治にかかわっては、国と地方との事務事業の見直しや、市町村合併の促進、地方財政制度等を含めた聖域なき構造改革に取り組まれておられます。しかし、今、重要なことは、実際に我が国の構造問題がどう改革され、その先に、責任と自立に基づくパラダイムシフト、すなわち、21世紀における我が国の新しい社会の枠組みが、どう構築されるのかということであります。
そして、今、国、地方自治体、国民各層が生活者を基点とした構造改革を実現するために、各々自立し、自ら律することにより、改革のエネルギーを沸き立たせる必要があります。
私は、平成11年5月に高槻市長に就任して以来この3年間、健全で将来を見据えた都市経営を進めることが、市民生活を豊かにして、活力あるまち高槻を創造することになり、また、そのことが、より地方自治を推進して、強化することにつながるものであると認識し、市政運営を担ってまいりました。
このような認識のもと、自主財源の乏しい中にあって、第四次・第五次の行財政改革を通じて、事務事業の見直しや歳出の抑制・削減、職員定数の適正化等を進め、経常収支比率は府内でも上位に位置し、財政の健全性を維持してまいりました。
私は、これらの効率的・効果的な行財政運営システムの構築を目指した行政づくりを進めつつ、市政の政策目標として、「安心して暮らせる平和な高槻づくり」、「あたたかさとやすらぎが息づく高槻づくり」、「わがまち高槻と誇れるまちづくり」を掲げて、この間、広範な市民の協力のもと、第四次の総合計画の策定を始め、環境基本条例の制定や、環境基本計画の策定、「ISO14001」の認証取得等、地球環境に配慮した取組みも進めてきました。
さらには、長年の懸案でありました、市街地再開発組合が施行するJR高槻駅北地区市街地再開発事業や、土地区画整理組合の阪急上牧駅北特定土地区画整理事業の促進等、都市の魅力を創出し、良好な市街地を形成する等、人々の快適な暮らしに不可欠な都市基盤の整備や、社会資本の充実等に努めてまいりました。
これらの取組みにより、今日では、都市の魅力や機能も充実してきており、市民の定住志向や、人と人との交流、ふれあいも高まってきています。
地方分権が進む中、これからの地方自治体は、住民に身近な行政について、自らの決定と責任において、できる限り担っていくべきであり、そのためには、国と地方との適切な役割分担のもと、地方税財源の充実確保や、受益と負担の関係を明らかにしていく必要があります。
そこで、本市といたしましては、地域住民のニーズに沿った効率的、効果的な行政を実現し迅速な処理を図る「地域性」や、総合的な政策の立案とその選択が可能な行政の「総合性」、住民への情報公開と責任ある参画を基調に、市民が主役の「住民自治」を基本に、自治体運営を進めていくことが重要であると考えております。
現在、本市は、平成15年4月の中核市移行に向け、全庁挙げてその取組みを進めております。
中核市への移行は、保健所の設置を始めとして、移譲される様々な事務権限を活用して個性的、創造的なまちづくりに向けた施策を展開することが可能であり、そして、そのことが地方自治の拡充につながるものであると存じております。
私は、このことをしっかりと基本に据え、今後、大阪府へ指定申出をするため、市議会の議決をいただいた後に、政令公布への手続きを進めてまいる所存でございます。
一方、市町村合併問題につきましては、市町村の在り方や住民の生活に大きくかかわる重大な問題であり、関係住民や事業者等に様々な機会をとらえて、合併に関する情報等を提供することにより、積極的な議論や検討ができる環境づくりに努めてまいります。また、本市と島本町が行政間の事務レベルで構成する「高槻市・島本町広域行政勉強会」においても、広域行政等の在り方について、調査・研究を進めてまいります。
こうした中において、本年度は総合計画の2年次に当たり、また、3か年の実施計画の中間年でもあります。そこで、計画の推進に当たっては、市民・事業者・大学等との協働したまちづくりの取組みや、少子高齢社会、情報化社会への対応、環境先進都市を目指す取組みや産業の振興、教育の改革に取り組んでまいります。さらには、JR高槻駅北地区市街地再開発事業を始めとする中心市街地活性化や、第二名神自動車道の整備促進等、活力あるまちづくりに向けた都市基盤の整備等を重点に、財政計画との整合性も図り、不断の行財政改革を進めながら、その実現に努めてまいります。
さて、私たちは、現在、21世紀の社会にまだ確固たる展望を見い出せずにおりますが、この歴史的転換期において改革の道を歩んでいくには、負担や忍耐も伴いますが、そこには大きく飛躍し前進する可能性も多く存在しております。
歴史を振り返ってみると、物事を大きく変えてきたきっかけは、自由闊達な創意とひたむきな工夫であります。
市政運営においても、物事の本質・原点が何であるか、また、施策の目的が何であるかを常に考え、そこから派生する事象に創意・工夫をこらし、的確に対応していくことが重要であると考えております。
私は、今後におきましても、後の世代に過度な負担を回すことなく、健全で活力のある都市経営を目指して、今日の社会・経済情勢の厳しい現実を直視し、そして、それに立ち向かい、総合計画が目指す「心ふれあう 水とみどりの生活・文化都市」の実現に向け、全力を尽くしてまいる決意であります。
2 平成14年度におけるまちづくりの基本方針
さて、平成14年度におけるまちづくりの基本方針でありますが、本年度は、先にも述べましたように、中核市移行に向けた取組みを進める重要な年度であるとともに、総合計画の2年次に当たり、同計画の六つの施策大綱に沿って、具体的な施策を着実に展開してまいります。その基本的な考え方を、簡略に、ご説明いたします。
まず、「心がかよう共につくるまちづくり」であります。
今世紀は「人権の世紀」とも言われ、人権尊重の高まりは世界的な潮流となっています。本市においても、市民の一人ひとりが平和を愛し、すべての人の人権が尊重され、自分らしく、いきいきと暮らせる地域社会の実現に向けて、その取組みを進めてまいります。平成13年度未にいわゆる「地対財特法」が失効することから、同和問題につきましては、一般施策の中で適切な対応を図ってまいります。
少子高齢化の一層の進展、家族形態の多様化など、社会・経済情勢は大きく変化しております。こうした変化を見据え、男女が性別にとらわれることなく、その個性と能力を十分に発揮できる社会の実現に向けた「男女共同参画計画」を策定いたします。
市民と行政との協働による、まちづくりの気運が醸成される中、地域活動の分野で大きな役割を担うコミュニティ活動について、引き続き支援を行うとともに、これからのまちづくりのパートナーとして期待されるボランティア・NPO活動等、市民活動を促進するための「(仮称)市民活動センター」の整備等、その基盤づくりを進めてまいります。
さらに、コミュニティの輪を広げ、市民との協働によるまちづくりを図るため、市民、事業者、学生等と直接ふれあい、将来のビジョンなどを語り合う、「市民と市長とのふれあいトーク」を実施してまいります。
このような取組みを通じ、心がかよい個性が共に発揮できるまちづくりを推進してまいります。
次に、「やさしさとやすらぎのまちづくり」であります。
核家族化が進み、少子高齢社会の中、介護保険制度の導入や社会福祉の基礎構造改革による措置から契約へと福祉全般にわたって、新しい枠組みづくりの動きが進んでいます。
そして、平成15年度からは、障害者の選択によるサービスの利用が可能となる支援費制度の導入が予定されており、その導入準備等に適切に対応してまいります。
一方、地方分権に伴う事務の移譲により、本年度から、精神障害者の手帳交付や相談業務等の精神障害者福祉業務が、新たに大阪府から市へ移譲されますので、住民に身近な自治体として精神障害者の福祉サービスの向上に努めてまいります。
また、高齢者や障害者が住み慣れた地域で、安心して暮らせるように「自助・互助・公助」を基本とした自立支援の取組みを、引き続き進めます。
うの花養護幼稚園については、その発展的解消を目指し、市内の就学前知的障害児が一貫した指導・療育を受けられるよう、知的障害児通園施設と「(仮称)第2めばえ教室」を建設して、その体制の充実に努めてまいります。
少子化が進む中、次代を担う子どもたちが健やかに育つよう、親・大人が果たすべき義務や責任を自覚し、家庭、地域、企業、行政が協働して子育ち、子育てを支える地域社会づくりに向けた取組みを進めてまいります。深刻化している児童虐待については、福祉・保健・医療機関、保育・教育機関、地域等が連携して、虐待の早期発見・対応に向けたネットワークづくりを検討してまいります。
今日、人々の生活状況の変化やニーズの多様化が進む中にあって、民間の活力を活用し、老朽化した市立東天川保育所の建替え等、市民が多様な支援サービスから選択ができるようにサービスの提供に努めてまいります。
なお、中核市移行における保健所の設置・運営が適正に行えるよう、十分な準備を進めてまいります。
これらの取組みを通じて、保健・医療・福祉の連携による総合的なサービスの提供に努めるとともに、市民一人ひとりが共に支え合い、助け合い、住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。
次に、「ひとが輝く育みのまちづくり」であります。
教育は、今大きな変革期にあります。次代を担う子どもたちを、創造性豊かで人間性と知性にあふれた人材に育てることが、教育改革の大きな課題であります。そのためにも、学校園における教育活動を改革するとともに、家庭や地域との協力連携のもとに、相互の教育力を向上させることが急務であり、これらの取組みを進めている教育委員会を支援してまいります。
本年度より実施される完全学校週5日制や、新学習指導要領に対する取組みとしまして、基礎・基本を重視した学力の向上に努めるとともに、学力の習熟度を計るため学力テストを導入してまいります。また、子どもたちが、主体的に考え学習し課題解決していくための「総合的な学習の時間」において、環境教育人の取組みや学習田を活用した体験学習など、人間性豊かな「生きる力」を培ってまいります。さらに、教職員研修の充実により教職員の意識改革や資質向上を図るとともに、学校評議員制度の全校導入による学校運営の改革を進めてまいります。
一方、完全学校週5日制を踏まえ、地域活動コーディネーター育成講座の開設や学童保育室の充実、また、総合型地域スポーツクラブのモデル事業推進など、家庭及び地域の教育力の向上に努めてまいります。
また、歴史の息吹くまちづくりとしまして、高槻城三の丸跡地に来春開館する「(仮称)歴史遺物展示館」での近世歴史遺産等の展示公開を行うとともに、国指定史跡今城塚古墳を始めとする三島古墳群の重要な歴史遺産の調査や整備を推進するなど、本市固有の重要な遺産の活用を図つてまいります。さらには、市民の手で実施される「ジャズストリート」や「わくわくストリート」等が、多くの来訪者を迎え、市民が誇れるまちかど文化として定着するよう、市民の自主性を尊重する中で、引き続き支援をしてまいります。
このような取組みを通じ、心豊かで創造性に富む育みのまちづくりに努めてまいります。
次に、「調和のとれた都市環境のまちづくり」であります。
都市基盤・都市施設の充実は、都市の魅力であり、中心市街地の再生・整備は、人を引き付け、経済活動や交流を盛んにして都市を活性化し、その魅力を一層高めます。本市の中心市街地は北摂で最も活力ある商業地域の一つでありますが、市内及び近隣都市から更に多くの人が訪れる魅力ある街を目指してまいります。
21年間にわたる関係者のご努力が実を結び、平成16年度の完成に向けて工事が進捗いたしますJR高槻駅北地区市街地再開発事業につきましては、中核市となる本市の北の玄関口として、駅前広場等の公共スペースの提供、ターミナル機能や商業・業務機能の刷新、さらには、都心居住の促進等を図るため支援してまいります。また、鉄道駅及びその周辺のバリアフリー化につきましては、平成16年春の完成を目標に高槻駅構内にエレベーター、エスカレーターを設置するJR西日本と連携を図るとともに、「交通バリアフリー法」に基づく「移動円滑化基本構想」の作成に利用者や関係者との理解と協力のもと着手してまいります。
阪急上牧駅北特定土地区画整理事業につきましては、駅前の優良な市街地の形成を図るため、引き続き土地区画整理組合に助成を行ってまいります。
一方、市内幹線道路の整備につきましては、国道171号の渋滞解消、十三高槻線の整備を国・府に要望してまいります。また、第二名神自動車道等の整備につきましては、国の動きを注視しつつ、関係機関と連携し、積極的に国等に働きかけるとともに、関連する道路の整備や周辺の土地利用等についても検討を進めてまいります。
公園・緑地につきましては、萩谷総合公園で野球場を完成し本年秋に供用を開始するとともに、緑が丘公園の拡張整備を完了してまいります。
また、「(仮称)川添公園」の整備に向け実施設計をしてまいります。
これらの取組みを通じて、活力のある良好な都市環境のまちづくりに努めてまいります。
次に、「安全で快適なまちづくり」であります。
今日、都市型社会等に起因して多発する事件・事故・災害、高齢化の進展や環境への認織の高まる中で、安全・安心な生活環境や環境にやさしい社会の実現は、重要課題になってきております。
これらに対応する取組みとして、消防情報ネットワークシステムを活用し、迅速・適確な救急活動に努めるとともに、大阪府下では初めての試みとして、三島救命救急センターと連携を図りながら、緊急通報と同時に医師が同乗した特別救急隊による救護活動を試行し、救命率及び社会復帰率の向上を目指してまいります。さらに、毒物・劇物・放射性物質等による特殊災害に、適切に対応できる体制を整えてまいります。
環境問題につきましては、「たかつき環境市民会議」を組織し、市民・事業者の環境負荷低減の行動計画である「たかつきローカルアジェンダ21」の策定に取り組んでまいります。一方、「ISO14001」の運用により、市が率先して環境負荷に対する持続的改善に取り組むとともに、公用車は更新時、原則として軽自動車に切り換えてまいります。中核市移行に伴い移譲される産業廃棄物関連事務については、適切な対応ができるよう条例制定等の準備をしてまいります。
また、本市において初の国際会議となる「第10回国際環境複合影響会議」を支援してまいります。
防犯関係につきましては、警察等と連携を密にしながら犯罪を未然に防ぎ、安全な社会の実現に努めてまいります。
これらの取組みを通じて、市民と共にいのちと環境を大切にするまちづくりに努めてまいります。
最後に、「にぎわいと活力のあるまちづくり」であります。
景気が低迷し、失業率が高まるなど、経済情勢は、引き続き厳しい状況が続いております。昨年から、・市内の企業経営者の方々を直接訪ね、意見交換を行っておりますが、厳しさは、本市においても例外ではありません。このような状況下にあっては、地域の活力を高め、雇用を確保するとともに都市経営を支える産業の振興を図ることが、何より重要であります。そこで21世紀初頭における本市産業の在り方と、展開すべき振興方策を示す産業振興ビジョンの策定を進めるとともに、高槻商工会議所と協働し、産業情報サイトの拡充、産学連携の推進、起業家育成施設実験事業、並びに、中心市街地活性化推進事業などの事業展開を図ってまいります。また、緊急地域雇用創出特別交付金を最大限有効に活用することにより、雇用就業機会の創出に努めるとともに、就労相談業務の充実を図ってまいります。
多様な公益的機能を有する森林や農地についても、森林ボランティア制度の正式発足や農作業の受委託支援、並びに、遊休農地等を活用した学校学習田の普及拡大を図るとともに、地産地消の推進及び教育的観点から、市内すべての小学校の給食に高槻産米ヒノヒカリを本格的に導入するなど、本市の貴重な財産として保全を図りつつ、活用してまいります。
これらの取組みを通じて、産業の振興と元気で活力あふれるまちづくりに努めてまいります。
以上六つの施策大綱に沿って、基本的な考えを説明してまいりましたが、平成14年度の主要な施策につきましては、新総合計画の体系に沿って、別紙にまとめておりますので、ご参照いただきますよう、お願いいたします。
3 行財政運営の基本的な考え方
第一は、健全で持続可能な行財政運営の推進であります。
先行きの見えない厳しい経済状況の中で、次世代に過度な負担を回すことなく、都市経営の視点を持って、健全な行財政運営を維持していくことが、今一番大切なことであります。
今日の社会経済情勢の低迷に伴う大幅な税収の落込みが、財政状況を圧迫する現実を直視し、コスト意識を堅持するとともに、受益と負担の関係を常に念頭において、更なる行財政改革に努めてまいります。
本年度は、第五次行財政改革大綱実施計画の最終年でもあり、行政評価システムの本格導入に向けた取組みの強化など、計画に掲げた項目の目標達成に全力をあげてまいります。
また、次期大綱実施計画につきましては、現在、国で進められている地方分権改革推進会議での審議の動向を見守りながら、21世紀の新しい都市経営の在り方を見据え、自治体経営の質的改革につながるよう具体化に向けて検討してまいります。
総合計画に基づく3か年の実施計画の遂行に当たりましては、財政計画との整合性を図る中で、市民ニーズや施策の優先度を見極め、必要に応じローリングを加えてまいります。
また、財政運営の健全性の確保と透明性を高めるため、昨年度から実施しました事業別予算や決算のバランスシートに加え、新たに行政コスト計算書につきましても検討をしてまいります。 さて、この4月から実施されるペイオフ対応につきましては、今日の金融情勢の動向を見ながら、金融機関の財務状況の把握や運用手法の検討など、適切な資金管理に努めてまいります。
第二は、中核市移行に向けた行政運営の展開であります。
中核市への移行に当たりましては、保健所準備室を設置するとともに、大阪府から移譲されます権限に伴う関係条例の整備を始めとする必要な事務につきまして、万全の体制で進めてまいります。また、中核市移行後の権能を活かした本市の在り方につきまして、「(仮称)中核市推進計画」の策定に取り組んでまいります。
さらには、市民が、市政やまちづくりに参加する権利と義務、そして、その手法を規定する.「(仮称)まちづくり条例」を市民参加のもとで検討するとともに、行政の透明性を確保する観点から、情報公開条例の見直しを行うため、懇話会を設置し、改正に向けて検討してまいります。
一方、中核市移行に伴い、新たに実施することとなる事務の習熟を図るため、大阪府への職員の派遣研修を行うとともに、各種の研修をより一層充実させ、行政運営′を担う職員の意欲と能力の向上に努めてまいります。また、組織の活性化につきましては、民間人の登用や新たな係長級昇任資格試験制度など、時代の変化に対応した人事制度の導入を図ってまいります。これらの取組みを通じまして、市民の視点に立った行政サービスを実践できる「勇気・元気・やる気」のある職員の育成に努めてまいります。
以上、ご説明申し上げました基本的な考え方に基づきまして、議員各位を始め、市民各界各層のご意見、ご要望等も勘案しつつ、編成いたしました平成14年度の予算案の総額は、
一般会計で、 971億 8,123万8千円
特別会計で、 1,039億 5,234万3千円
合わせまして、 2,011億 3,358万1千円
とし、一般会計につきましては、対前年度当初予算比で、1.9%減の予算編成といたしております。
4 むすび
以上、平成14年度におきます市政運営の基本方針について、ご説明申し上げてまいりました。
冒頭にも申し上げましたように、本市は、平成15年1月1日で市制施行60周年を迎えます。今日、私たちがこの時代に身を置くことができるのは、時をつなぎ、歴史をつづってきた先人たちの努力の賜物であり、来年は、市民と共に簡素な中にも厳かに60周年を祝い、飛躍の決意を固めたいと存じております。
さて、時代は、まさに21世紀の新しい日本を創り出すための叡知の結集と、その努力を強く求めております。
歴史に学べば、時代の変革期にこそ、古きものと新しいものとの葛藤と、そこから産み出される活力により、社会が変化し、進化することを証明しています。
今日の先行き不透明な状況のもとで、将来にわたって、責任ある市改運営を行っていくためには、市政全般をよく見渡して、市民の皆さんに十分な説明責任を果たしつつ、施策・事業の選択と集中による、最も効果的な行政を進めていくことが、重要ではないかと考えております。
そのためにも、職員の一人ひとりが時代の変化を見据え、時代に合った新しいものの創造と、変化がもたらすチャンスに果敢に挑戦し、そして、「21世紀に飛躍する魅力あふれる成熟都市高槻」の実現を目指していくことが大切なことであります。
私は、「至誠の感ずる所、天地も之が為に動く。」という心構えで、足元を固め、全職員の先頭に立って前へ進んでまいる決意でございます。
何とぞ、議員各位、並びに、市民の皆様におかれましては、今後の市政の推進に、一層のご支援、ご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、施政方針といたします。 |