レギュレータ

レギュレータについて

 発電機の交流電力を直流に整流し常時バッテリィに給電し続けるとバッテリィはやがて満充電の状態になります、さらに充電を続けると過充電となってしまいバッテリィの寿命を著しく縮める事になってしまいます。
 そこでバッテリィの電圧を監視し発電機からの電流を制御してバッテリィの過充電を防ぐ為にレギュレータ(充電制御装置)なる物が必要になるのです。
 レギュレーテット・レクチファイアーの事を通称レギュレーターと呼ばれており、レクチファイアー(整流)とレギュレート(充電制御)の機能が有ります。製造メーカは新電元の物が大半の様です。

レギュレーター

 トーハツからは5馬力用としてはサポートされていません、しかしセルモーター設定の有るクラスには有りますので純正部品をオーダーするのが良いでしょう。
 画像はトーハツ4スト8/9.8PS用の純正オプションパーツで、最終項に接続方法などが記載されています。
 しかし、これと同じ物が有ります、二輪車用(主に原チャリ)のレギュレータです、中古やスクラップなら安値で入手出来ます。しかし、二輪車用のレギュレータと言っても様々な種類が有ります、接続方法やどんなタイプの物が使えるのでしょう?

 2輪用の一般的なダイナモタイプと呼ばれる物です、6本以上の線が有るのが特長です。動作はダイナモで発電した3相交流を全波整流してバッテリィに給電される、DC電圧制御回路は茶色線にて電圧を測定して内部の基準電圧(14.5Vに設定してあると思われる)以上になるとサイリスタ(SCR)をオンさせてバッテリィへの給電を制限する。オルタネータタイプの発電機をむりやりに黄色線3本の内のいずれか2本に繋げれば全波整流のレクチファイヤとして充電は出来ますが制限電圧である14.5Vになるとサイリスタによってショートさせられる状態になってしまうので良くありません、茶色線を無接続(開放)にしてしまえば問題は無いのですが、それではレギュレータの機能が死んでしまいます。このタイプは使えません
 ミニバイク用のオルタネータタイプで外形には色々有りますが内部回路構成は同じで4本線しか無いのが特長です、ただしバッテリィ電圧6V仕様が有るので注意が必要です。小型船外エンジンのオルタネーターコイル(発電コイル)は単相なのでこのタイプの物が使えます。動作は白色の線に単相交流を加え1個のサイリスタ(SCR)で半波整流されバッテリィ側の電圧が14.5V近辺に上昇すると電圧制御回路が働きサイリスターをオフさせます、黄色の線はヘッドライトに加わる交流電圧を監視し電圧が上がり過ぎると、サイリスターをオンさせて逆相の半波をショートさせて電圧を制御する、これは球切れを防止する為の物なので充電制御とは無関係です。尚、電線の色はメーカーによって異なるので要注意です。ただし半波整流なので発電機の電力を半分しか取り出せません。下に実体接続図を示します。
全波整流で接続

 貴重な発電パワーを全波整流で能率良く取出してレギュレート出来ない物なのか、下記の様な接続を考えてみました。
レギュレーターを2個とダイオードでブリッジ接続してしまう方法です、完全な全波整流回路の構成なのですが問題と言うか、疑問と言うか。
 レギュレーターがサイリスターを使用している為、その特性上交流を加えないと動作出来ない物、結果、制限電圧に達してもオフ出来ないまま、ただのダイオードとなってしまうのではないか、と、思ったのです。なぜなら2個のレギュレーターを切替える為にマイナス側にダイオードを入れてしまうと各々のレギュレーターには逆電圧は加わりません、よって最初から交流ではなく直流しか加わらない為です。
 しかし実際に接続して実験してみるとサイリスターは不思議と動作します、バッテリィ側が制限電圧である14.5ボルトに達するとオフ出来る様です、すなわちレギュレート機能は損なわれませんでした。

実装

 全波整流接続でバッテリィーへの実装です。黒色の樹脂板は低発泡エンビ板、補強の為コ−ナ−部は熱曲処理、ブリッジダイオードとレギュレータは放熱の為アルミ板に固定、黄緑色のベルトは持ち運び用ハンドルです。

オルタネーターを強化する

 トーハツ2スト5馬力の発電能力は低く、アイドリング時には魚探の消費電力の方が多くなってしまってバッテリィーはどんどん放電して行きます。バッテリィーを大容量化すると重くなってしまうので発電機の能力を出来うる限りにアップさせる事にしました。

コイルを巻き替える

 トーハツ2スト4/5馬力用、純製のオルタネーターコイルを解いてみる、ホルマル線の径は1.0ミリで約230ターン巻いてあった。この時の画像が無いのが申し訳ないのですが、解くだけでもかなりの難作業と成ったのは言うまでもない事です。後戻りもできませんし・・・
 結局コイルすべてを巻換える事にしました、線径は同じ1.0ミリを使用、巻数は・・・巻けるだけ巻く!
 コイルの部分をあまり太らせてしまうと図の部分のスペースが無い為、巻数は350ターン程が限界の様です。
 結果、アイドリング回転で10W程度の発電量が確保出来る様に成りました、エンジンさえ始動していれば常時バッテリィーはフル充電の状態と成りました。

実装

 トーハツ純正のレギュレーターを実装しています。タイプは当然にオルタネーター用で全波整流型です、コンパクトで発熱もほとんど無いのでパネルカバーの内側アルミ板に取り付けています、出力側のガラス管ヒューズは廃止しポリスイッチを採用しています。
 尚、トーハツ標準の仕様ではレギュレーターはエンジン側に内臓と成っていますが、バッテリィー側に設置した方が都合が良いからです。
 高圧で交流の方が送電効率が良い(エンジンからバッテリィー迄を細ケーブルが使える)
 レギュレーターとバッテリィーを切り離すと逆接防止に保護ヒューズが必要と成る、これはレギュレーター回路の特性上バッテリィーを逆接させるとショートになってしまい即レギュレーター焼損と成ります(常時接続してしまえばその必要は無い)

実装

 エンジン(オルタネーター)への接続ケーブル、電動リールなどのワニクチクリップ用のターミナル(フューズ無し)、魚探と無線機用出力コネクター(フューズ有り)、キャリング用のベルト、そしてギュレーターをセットしたバッテリィーユニットです。
 このレギュレーターは4本線で接続は
黄色と白色はオルタネーターへ
赤色はバッテリィーのプラス極へ
黒色はバッテリィーのマイナス極へ