点滅式電気ウキ

点滅式に改造だ!

 大阪湾の防波堤、太刀魚が釣れはじめると何処も満員御礼、海面に浮かぶ電気ウキの数は見事、ハンパではありません、当然の様に皆さん釣り具店で購入した某メーカ製の良く似た色に輝度、形状の物ばかりです、うっかりするとどれが自分のウキなのか解らなくなった事有りませんか?
 誰でも持ってる何処にでも有る市販の電気ウキを改造して点滅式のバッチリ目立つ自分だけの電気ウキにカスタマイズしちゃいませんか? 最近青色や白色発光の物も見かけますが点滅式はコストが掛る為なのか今の所見かけません、又、微妙なアタリを見分ける必要の無い遠投用の大形ウキは点滅する事で何処に有るのか、が認識出来る方が有利です。

 ただし苦労はつきもの多少の半導体を扱う技術も必要となる、画像ハンダ付けに苦労の跡が。(内部の樹脂をすこし溶かしてしまった!しかし防水には支障ないので問題無し)

改造可能な電気ウキは?

 電子回路を追加してオン/オフさせて点滅させる為、当然の事ケミカル発光式の物はダメ、又、乾電池とバルブ(電球)式の物もダメです。
 発光ダイオード(赤色LED)とリチウム電池(3ボルト)で点灯させるタイプのみ可能で、フロート内部に電子回路が組込めるスペースが必要です、3〜5号の大きさなら大半は可能でしょう。
 上側画像はFuji製の自立(普通5号)、内部のキャップ状の部分は接着されていないので簡単に改造出来る、スペースも十分有り正にうってつけ。
 下側画像の右側はNational製の中通しタイプ、2個のLEDと2個のリチウム電池を使用するタイプで配線は露出型です、電池ホルダーの部分がしっかり接着されていてフロート本体からは外す事は出来ないが配線は見えるので改造可能。
 一方左側はMamiya-OP製で自立5号、スペースは十分だが電池ホルダー円筒部の接着を外す必要が有る、さらにトップの部分には電子回路を入れるスペースは無いので電線を取出す為の加工が必要。(配線の取出し方は下記参照)

必要部品表

1 リチウム電気ウキ
 失敗覚悟の市販リチウム電池式電気ウキ

2 IC
 標準ロジック74HC00 叉はAC00
(QUAD 2 INPUT NAND)フラットパッケージ(SOP)

3 抵抗
 チップ抵抗 470KΩ (474) = 4個

4 コンデンサA
 タンタル コンデンサ 1uF/25V

5 コンデンサB
 メタライズドポリプロピレンコンデンサー 0.1uF (104)

6 ケーブル
 耐熱電線 単線0.32程度 最低3色

7 工具、他
 半田ゴテ、極細ハンダ、テスター、ニッパー、ピンセット、コーキング接着剤、なんといっても根気

8 リチウム電池
 当然、別売のリチウム電池も必要

 電気ウキは釣り具店、電子パーツの入手は下記参照。
共立電子産業 http://www.kyohritsu.com
秋月電子通商 http://www.akizuki.ne.jp/ 通販
小沢電気商会 http://www.ifnet.or.jp/~hatabo/o-index.html 通販
門田無線電機
http://www.venus.dti.ne.jp/~iichiro/INDEX.HTM 通販
その他電子部品取扱い店

3本の配線を取出す

 必要部品の入手が出来たら改造に取掛かろう、まずフロートから3本の配線を取出す必要がある、電池のマイナス側と電池のプラス側、それとLEDのプラス(アノード側)だ、図の様に電池とLEDのマイナス側は接続されたままで良いが、電池プラス側とLEDのプラス側とは切断しなければならない、どちらがプラス側なのか間違えないようにテスターでチェックしてから切断しましょう、リチウム電池のボディー側がプラス、ピン側はマイナスですから要注意です、尚、切断場所はバッティリーホルダー側から出ているリード線は半田付けしにくい質なのでLEDのリード線側を切断すると良い。
 図のマミヤ製は接着部分を慎重に引抜き電線の通路3ケ所を削るなどして加工し確保しなければならない、半田付けは楽に出来るが、半田付け部は収縮チューブなどを被せて絶縁処理をしておいた方が良いでしょう。
 一方松下製は外せないので細身先の半田ゴテでプラス側切断後、樹脂製本体を溶かさない様に注意して配線を取出す。

電子回路の組立

 ICの裏面から見た実体配線図です、青線は手前の裏面、赤線はICの表面に配線します。
まずICの裏側に抵抗を瞬間接着剤で仮固定してから半田付けします、次にリンク配線した後コンデンサーを半田付けします、タンタルコンデンサー1/25の配線はICを挟み込む様に裏表に配線します。(+-極性は無視します)
 最後に3本の配線を必要最少限の長さにカットしてから電子回路に半田付けします。
 本来プリント基板に面実装するチップ部品は非常に小さくて手作業で半田付けするには少々苦労します、何かで固定して手際よく、しっかりと半田付けしましょう。(やる気と根気が必要)

組付け

 電子回路にはエポキシまたはコーキング剤で被いフロート内面に接着して出来上がり。画像はマミヤに電子回路をアッセンブルしたもの、撮影の為IC表側と裏側エポキシ処理前の状態です。
 実使用時はコンクリートのケーソンにぶつけたりで想像以上の衝撃が加わる為しっかり固定しましょう、また電子回路は海水が少しでも染込んだらショートして動作しなくなるので完全に防水する意味で処理しましょう。

最後に

 シンプルな非安定マルチバイブレーターを2段組み合わせた物で部品リストの定数で確実に動作するはずです、点滅周期は気に入らなければ抵抗とコンデンサの値を変えてみて下さい、赤色超高輝度LDEは発光時の消費電流が多くロジックICではドライブ力が不足気味で電池直結で点灯した時より多少暗く感じます、又、点灯ON時間が4分の1になる為、リチウム電池の消耗は少なくて済みますが電子回路の電力消費も有るので4倍長持にはならないです。
 スペースに余裕が有ればICピン番号7 14間の電源に出来るだけ大きな容量のコンデンサーを入れて下さい。