Daiwa It's ICV 150R (DH)

ダイワ イッツ ICV 150R

  コストパフォーマンスに優れている、クラス以上のドラグ、巻上げ、ウルトラフリー等の性能、操作性も良い、そしてカウンター付で小型、軽量、船釣り派には欠かせない。
 しかしソルトでの使用はメンテナンス周期も早いに越したことは無い様です、耐久力の有無ではなくて使い続けていると(放置していても同じですが)確実にトラブルは襲いかかってきます。

バッテリー交換 1

 先ずは電池の交換からですが、”交換は作業が複雑な為当社アフターサービスご利用下さい。(有料)”と成っていますで・・できるだけ・・・時間(通常7〜16日)と予算(電池代と手数料)に、ゆとりの有る方はサービスにお願いしましょう。
 この先は時間、又は予算が無い!又は研究、実験、好奇心目的の為に、いかなるリスクが伴っても構わない方のみ先へ行って下さい。

バッテリー交換 2

 上の画像参照、長いネジ2本を外しLSプレートを開けます、ICモジュールを固定する2本のネジ(大きい方)はプラマイなので普通のドライバー(プラスならナンバー1番)で解除出来ます、しかしモジュールの蓋を開ける為には残りの2本のネジ(小さい方)も解除する必要が有ります、しかし最近の物はここに特殊ネジが適用されています。
 3年程前に購入したDHハブルハンドル(赤色の方)には普通のプラスで00番となっていました。

バッテリー交換 3

 特殊ネジの専用ドライバーは携帯電話やポータブルのゲーム機やミュージックプレイヤー等に良く使われるタイプの物です、持ち合わせが無くても頭部が埋め込みで無いので精密級ラジオペンチ等でネジ頭を直接つかんでも回す事は出来るでしょう。
 交換する電池はコイン型リチウム1次電池2032(外径20ミリ厚み3.2ミリ)
 蓋を開けるとアラーム音用の圧電素子(スピーカー)ケーブル2本が繋がっているので切断等のダメージを与えない様に注意が必要です。

バッテリー交換 4

 電池は中央部を指先で少し押さえながらスライドさせれば抜き取る事が出来る、古い電池を外したら出来るだけ素早く新しい電池をセットしましょう(道糸などの設定がメモリーから消えない内に)
 電池のセットが出来たら電源ボタンを押して起動を確認。
 表示がOKなら、そのまま蓋を閉めても良いのですが画像のシールパッキン(Oリング)が上手くはめ難い物。

バッテリー交換 5

 シリコン系のグリース出来るだけ薄く両面に塗布してから、画像フックの様なツールを使って蓋側の段部にOリングをセットしておきます、この状態でケーブルを咬み込まないよう注意しながら蓋を押しこみます。内部の空気が圧縮されるので戻ろうとするので押さえながら蓋を回転させ方向をネジ穴に合わせて、ネジ止めします。
 後はLSプレートを組付けて完成!\(^o^)/
・・・実に複雑な作業でした・・・

ハンドルノブ

 ハンドルノブは端部のキャップを引き抜く、キャップには小さな穴が有り、これを利用して引き抜く、ダブルハンドルも同じ。
 ネジを外すとハンドルノブが抜ける。
 先端部は標準ではプラベア仕様と成っているがステンレスボールベアリングと交換出来る(SMR74ZZ サイズ 7×4×2.5)
ベース部分はベアリングのスペースは無い。

ハンドルキャップ

 画像の様にマイナスドライバー等を使って裏側の爪を押し上げる(爪折れに注意)

ハンドル

 キャップが外れたら、ナット、ハンドル、ワッシャー、ドラグナット、スタードラグ、スプリングワッシャー×4枚、ドラグホルダー、ハンドルベアW、まで後で順番、方向が分かる様に外していきます。

RSプレート

 ネジ4本を外すとRSプレートが開く、ワンウエイクラッチ、リテイナー、ピニオンメタルカーラー、メカニカルブレーキノブ、Oリング

ワンウエイクラッチ

 トラブル発生率が最も高いのがこれ、巻上げるとハンドルがガリゴリしたり、とか固まったり、とか重症だと逆回転したりします。
 錆びてしまうと交換余儀なしですが高価!一部分錆びが発生すると近隣のパーツ(ベアリング等)にまで感染するので分解してしっかりチェック、C型のリングを外す事で分解が出来る構造、樹脂製ホルダー(緑色)を引き出して8本のコロ(ピン)、缶の内側を要チェック。

ドライブギヤー

 ラチェットギヤまでをギヤーシャフトから抜き取る、ドラグディスク類は順番に注意。

RSプレート内確認

 お邪魔なドライブギヤーが居なくなって、組付け状態の確認。

ピニオン

 クラッチ押しバネ2本、ピニオンギャーとクラッチプレートとワッシャー2枚付、ラインストッパー、クラッチカムレバー、カムキックバネ、を外す。
 キックレバーバネもフレーム側は抜いておく。

ギヤーシャフト

 シャフトプレートを固定している頭の大きい(トラス)とナベ頭とのネジ、2本を外すとギヤーシャフトと周辺パーツ組付け状態でフレームから離脱します。
 ナベネジ側にはフレームとの間に小さな真鍮ワッシャーが有るので紛失しない様注意が必要です。
又、画像には無いのですが、シャフトカーラーの先(奥)フレームの穴の中にシムリング(SUS 9×7×0.1)が有ります、こちらもパーツリストに表記されていないので紛失や組付け場所に要注意です。
 次にキックレバーとスプリングを外します、この周辺のグリースは劣化して潤滑性能が悪くなるとキックレバーの動作に影響を与えハンドルを回してもクラッチが戻らなくなったりするので、古いオイルや汚れはパーツクリーナー等できれいに落としましょう。

 シャフトリティナーを外して分解した状態の画像です、シャフトカーラーは標準には黄銅色の(BC9×5×3)メタルベアですがステンレスボールベアリング(SMR95ZZ)と交換が出来ます。



クラッチカム

 クラッチカムプレートのネジ(トラス)1本を外します。

クラッチプレート

 クラッチカムプレートを引き抜いて、クラッチレバー、クラッチカムを外します。

LSプレート

 LSプレートを開け、パーミングプレート(表示部の窓枠)を外します。

フィンガーカバー

 オシレーティングポストを固定するネジを外してポストを引き抜くとフィンガーカバーを外す事が出来ます。

ICモジュール

 ICモジュールを固定するネジ(大きい方)2本を外しフレームから引き抜きます。
 表示部と繋がるフィルムリボンケーブルにダメージを与えない様に注意です。
 ICモジュール側にLSボールベアリングSUSサイズ3×8×4 (693H ZZ)が有る。

スプール

 スプールを引き出します。
 左側にはカウンター用のマグネットと、遠心ブレーキ、それぞれ2個有ります。
ブレーキカーラー(樹脂製)は小さいので紛失に、又、この軸は細いので破損にも注意です。
 右側にはスプールボールベアリングSUSサイズ11×5×4 (DDL1150ZZ)が有ります、これを外すにはスプールピンを引き抜く必要が有ります、これもトラブル多発部分、錆びて固まるが分解が厄介。

レベルワインド

 ポールホルダーナットを外してポールを取り出す、左(LSプレート)側のEリングを外しウオームシャフトを引き抜く。
 ウオームシャフトカーラーは標準はプラベア仕様、これもステンレス製ボールベアリングと交換出来るサイズ 9×5×3 (SMR95ZZ)

フレーム左側

 全てのパーツが外されフレームだけの状態。

フレーム右側

 グリースアップ済みの状態なので見苦しい事をお詫び致します。

フレーム上〜

 フレームを含め各パーツは、パーツクリーナーとブラシ又は超音波洗浄機に放り込むと綺麗に成ります。

スプリング

 最後に、キックバネは組付け時に方向を間違えやすいので注意が必要だ。
 画像左側(太い方)は両端部の曲がり長さが違う、短い方がクラッチカムプレート側で長い方はフレーム側。
 画像右側(細い方)は上方向(コイル軸芯から垂直方向に曲がっている方)がキックレバー側で、右下方向(4時方向)コイル円周からストレートにのびる方がフレーム側。これを間違えるとキックレバーがラチェットギヤーと空振りと成る為にハンドルを回してもクラッチインが出来ない症状が出ます。