極秘プロジェクトとは?
                   
おー アンダーグラウンドな感じだ!
 

そもそも極秘プロジェクトとはなんぞや?

   結局のところ「カミさんに内緒」という意味でアリマス。  他に意味なし。   なーんだ。
その後バレまして、晴れて
公認プロジェクトに格上げになりました。めでたしめでたし。

プロローグ

実は1本ギターを作る事になったのです。
材の調達メーカーはワーマスwarmothです。
実は以前よりwormothのサイトは良く見ており、何か機会があればとは思っていました。
そんな折、VANZANDTの今夏の限定10本35万の59’ストラトの発表があり、
そのスペックを見ていて、以前より考えていたことを実現しようと考えました。
V社の物は1PCのスワンプアッシュのブロンドで、ルックスは大好きなのですが、
私はヴィンテージドンズバでは無く、そこに今の要素を入れてみたいと思ったのです。
基本は伝統的なストラトだけれど、ハードウェアには今の機能を使っている。そんな感じです。
なーんだそれじゃ アメスタじゃん!  ということになるのですが、せっかく作るのなら
もう少し拘ったものにしていこうとの計画がむくむくと・・・・・・
特にブリッジはGOTOH−WILKINSONのVS-100
ぺグもGOTOHのHAPクルーソンタイプのロック式のもので。
PUも手持ちのVANZANDTのシングルがあるし・・・

そしてあわてものの私はwormoth社に注文を入れてしまったのです。
組上げて頂ける職人さんの段取りや話もつかないうちから・・・
あわてていくつかの工房に見積もり依頼を出しました。
BODYは1PCのライトウェイトスワンプアッシュ
ネックはフレームメイプルonブラジリアンです。
フレットはジムダンロップの6150番 いわゆるジャンボタイプ。
ワーマスのスタンダードグリップには3種類あって、STANDARD、FATBACK、BOATNECK
あと別注仕様としてCLAPTON、SRV、WOLFGANG、WIZARDとあります。
今回はSTANDARDで、ラヂアスはWARMOTHRADIUSといいましてヘッド側10”
ボディ側16”と1本のネックの中で、ポジションが上に上がるほど
指板カーブがなだらかになるタイプです。  で 22フレット。
ブリッジのルーティングはWILKINSONのものにしてもらいました。
一緒にブリッジを頼めばスタッドまでやってくれるので、そこまでを依頼。
3Sレイアウト のトップルーティングです。

材はワーマスのサイト内に”SHOWCASE”という仮仕上済みのBODYやNECKを何百とUPしてある
コーナーがあって、そこで選びます。
BODYなどは重さなども明記されていましてスワンプアッシュでも色々ありますが
このBODYは3ポンド5オンスとありますので、未塗装で1.5kgぐらいです。
そのときの画像です。


これらの発注と細かい部分の打ち合わせはアメリカWORMOTH社の担当BILLさんとメールでのやり取り。
こちらの怪しい英文メールに優しく対応してくれ、無事梱包されて航空便で送られてきました。
運輸業者はUPSで国内に入るとヤマト運輸の担当です。
しかし早いです。アメリカのワーマスを出たのが8月2日で、8月の5日の朝10時には通関も済ませて、
我が家に到着。

そのとき撮っておいた「スッピン」状態のBODYとNECKです。



さて、ここからは、日本国内でのお仕事です。
工房側への発注は
持ち込みBODY及びNECKの下地調整と塗装。
(BODYはかなりシースルーのブロンド。ラッカー希望です。  
ネックはやや黄金色がかったラッカー塗装)
ナットはおまかせで。(一般的な牛骨がよいか、グラファイトが良いか・・)  
ネックはフレットエッジの処理を依頼。
ハードウェアはGOLDで統一です。
ぺグもGOTOHのHAPクルーソンタイプのロック式(GOLD)
ストリングリテーナーはローラータイプでいきます。
POTはCTS CRLの5段スイッチ ジャックはスイッチクラフトなどUSA製で。
コンデンサはこちらからの持込です。
ブースター的なものは今回付けません。
その他ねじ類金物関係一式。 サイズのあるものは、インチ−USAサイズで統一。

こちらで持ち込むもの
BODY ワーマスにて加工済み GOTOH−WILKINSONのスタッドはインストール済み
NECK ワーマスにてフレット打ちまで加工済み
PICKUP  VANZANDT TRUEVIN×2(リア センター)  BLUES×1(フロント)

ピックガード ベッコウ色 同色トレモロカバー
ブリッジ GOTOH−WILKINSONのVS-100G
VOL TONEツマミ PICKUPカバー (これらは手持ちのFENDER)
コンデンサースプラグBLACKCAT0.047μFD(上の写真)

上記の組込みセッティング一式を見積り依頼しました。

あと余分な作業として、私の手持ちのVANZANDT STV54年型へのフラートンセット(手持ち)の換装
(この作業で浮いてくるTRUEVINが今回のセンターリアになります)
もうひとつ、私所有のES-335(65年)のナット交換を同時に依頼。

実は3社ほど上記のいきさつと内容をメールで打って、お返事をもらったわけです。
堺のカルロスギターさん 大阪玉造のJOEFORESTさん 奈良王子のO2ファクトリーさん
どこも丁寧なお返事と見積もりを返して来てくれまして、散々迷ったのですが、最終的には
カルロスさんにお願いする事になりました。
ポイントは、地の利(一番近い)お値段(他より)年季(多分一番年長)ですかね。
まあこのあたりまでが、2004年の7月ぐらいから8月下旬ごろまでの流れです。
今度の休みぐらいにカルロスさんとこへ様子を見に行ってこようかな・・・


と言ってるうちに、完成しましたよ〜  とのメールが・・・・
注文して約1ヶ月のお仕事でした。
カルロスさん   さすが!   手早い。

ヘッドロゴはしゃれでやったらあかんことをしてるので目隠しです。
                                  うーん COOLだ!  (自画自賛)

家に持って帰ってピックガードの養生をはがして(かさぶためくり好きですか?)
↑の写真でシール貼ってあるでしょう?これは「危険!セルロイドは激しく燃える!炎や熱い物をを決して近づけないで!」
と書いてあります。 JIMIが見たら何ていうでしょうね。 「ふーん。燃えるのか。じゃあ油でもかけたらもっと燃えるかな?」

でレポです。 まず、軽いです。いやほんま。これは持った瞬間に分かりますね。
ちなみに家の体重計で計ってみましたら、3kgとちょっとです。3.1kgか3.2kgぐらい。
出音なんですが、PUをフロントとセンターリアで分けている影響が大きいのでしょうが、1本のストラトから、かなりいろんな
キャラが引き出せそうです。フロントはかなりふっとい音。 センターリアはチャリーンとした抜けのいい音。
ハーフトーンもいい感じ。 ブリッジは定評あるタイプなので、バッチリ。
ノイズ対策も導電塗料の新しい奴をカルロスさんが塗ってくれているので(黒でなくて灰色のタイプ)OK。
何でも携帯電話のブーンというノイズもカットするらしいです。
塗装は見ての通り「うすうす」のブロンド。      (いやーん 透けちゃう〜  って感じ)←あほ
生地もひろいまくりですが、これがまた渋いです。
ラッカー塗装は塗ってパフ掛けしてから、完全乾燥まで6ヶ月ぐらいはかかるそうです。
と言う事は、まだまだ目痩せして生地に食い込んでくるわけですな。   うーん 渋すぎ。
ネックはちょっと焼けて黄変したラッカー色で吹いてもらっています。これがトラ杢を浮き立たせてます。
ブラジリアンの流れるような木目とあわせて、芸術的なネックになりました。

ぺグはGOTOHのHAPMというポスト高調整のできるロッキングぺグ。
しかもぱっと見は普通のクルーソンと変わらない。
これなら1弦2弦でもナットまでの角度を稼げるので、ストリングガイドは省略できるかなあ?と考えていたんです。
カルロスさんも同意見で「無しで行けるなら無いほうがいい」との考えで現状そうなってます。
ところが、1つだけ問題発生。 普通に弾いてるだけなら全然大丈夫なのですが、1弦だけストリングポストを
限界まで下げてもほんの少し角度が足りないようで、1弦Eの開放でチキンピッキン的に引っ張り上げて「パキーン」と
やると、ぺグとナットの間で共振して、音が伸びない。  ほんのちょっとのこと あと数ミリのことなんですが。
カルロスさんにはストリングガイドを送ってもらって、こちらで自分でつけようと思っていますが迷っています。
Eの開放でパキーンは結局のところKEYがEのシャッフルぐらいしか使わないんです。
そのためだけにネックに穴をあけて余分な摩擦を生むストリングガイドをつけるべきか否か・・・・うーーーん。悩む。

(この間約3日)
悩んだ結果、ストリングガイドをつけることに決定。 自分で挑戦。 失敗できないなあ。
まずヘッドのそれらしきところにマスキングテープで養生。実際に現物を合わせながらビス位置を決定します。
大体5弦のぺグの真横あたり。これは手持ちのカスタムショップのストラトと同じ位置にしておきます。
ビスの先は充分とがっていますから、ケガキ代わりにマーキング。 センターを出して軽くキリでもみます。
そして電動ドリルで細目の穴を開けて、あとは取り付けるだけ。   でもちょっと緊張しました。
俗にカモメ型と呼ばれる60年代スタイルのストリングガイドのゴールド色。
その後カルロスさんにナットの再調整をしてもらって、バッチリ復活。
「パッッキーン」 やっぱりFENDER系はこうでなくちゃ。
まあ