テイルズ オブ ファンタジア
動き出す四人


「待てよ!クレス」

俺は出て行ったクレスを引き止める。

「何のようだ?チェスター」

この声・・・以前の・・・俺たちが知っているクレスとは別人のような、冷たい声・・・

「何のようかはないだろ!生きてるなら生きてるって何で連絡をよこさなかったんだよ!!」

「そうだよ!クレス!何で教えてくれなかったのよ!」

「・・・伝える必要も・・・伝える時間もなかったからな」

「なっ!?」

「いい加減にしろクレス!今回の敵は強力だ!しかも下手をすればダオスを味方に加えるそうじゃないか!」

「クラースさん・・・・。ケイラ、伝えてくれたんだね」

「約束・・・だからな」

「クラースさん。聞いたでしょ?敵は強力なんですよ・・・・あなた達では歯が立たないぐらいの・・・」

「なっ・・・」

「現にさっきだってみんなは手が出せないじゃないでしたか」

確かにそうだった。

俺達は敵を前にしながらも攻撃をすることが出来なかった。

「ミントは僕が助けます・・・・。邪魔・・・・しないでくださいね」

そういうとクレスの周りが光で覆われる。

時空転移か・・・!

「おい!まだ聞きたいことが・・・」

ビュン!!

俺の言葉も聞かずに、クレスはどこかへと飛んでいったのであった。

「クレス・・・・」





「まったく・・・どうしたものかな。まったく」

「決まってるだろ!クラースの旦那!俺たちも黒騎士団のアジトに攻め込むんだよ!!」

はぁ・・・変わってないな。

お前も・・・

「確かに・・・クレスが今度向かうとすれば黒騎士団のアジトだろう。だが・・・・その場所は誰が知ってるんだ?」

「それは・・・・。
 ケイラは何か知らないのか?」

「残念ですが・・・・俺も詳しい場所は・・」

万策尽きた・・・・といった感じだな。

「あの・・・・黒騎士団の居場所は分かりませんが、クレスさんの居場所なら分かりますよ」

何!?

「本当か?すず」

「ええ。さっきクレスさんのマントにある種の香水を付けときました。私達忍者だけがかぎつけられる特殊なものですが・・・」

「だが、クレスは時空転移を使ったのだぞ?」

「ええ。ですが黒騎士団はもともとユークリッドが本拠地だったと聞きます。きっとアジトもその近くにあるはずです。
 そしておそらく・・・・クレスさんも」

「その香水の効果範囲は?」

「半径30キロなら大丈夫です!」

「よし!じゃとりあえずはユークリッドに向かうとでもするか」

「そうだな。とりあえずはそこに行って情報を集めるしかないな」

そして俺たちはクレス達を追ってトーティスの北の町。ユークリッドへと向かったのである。


アーティの感想
クレスの一人称は僕に・・・だったら、二話のあれは他の誰かでしょうか?
もしかしたら、仲間に出会って、クレスが昔を思い出したのか、ただ単に私の勘違いだったのか(まてっ
さて、次項はいよいよ戦闘ですかね。