テイルズ オブ ファンタジア
第二話「夢の中で」
「クレスさん!早く逃げてください!」
遠くでミントの声が聞こえる・・・
僕は無意識に声の方に走っていった。
「ミント!何やってるんだ!はやく・・・
誰だ!お前達は!」
僕はミントの後ろにいる人影を見た。
「おや・・・知ってると思ったが?」
「ふざけるな!」
はやくしないと火が回って家が崩れるんだ。
「黒騎士団といえば思い出していただけるかな?」
「!?」
確かに・・・漆黒の鎧を身に纏った姿、まさしく黒騎士団。
「でも、隊長のマルスは死んだ!これ以上何を望む!」
「マルス・・・か。あいつなど隊長などではない!
私が黒騎士団隊長ラウル・クラーケンだ!」
「くっ・・・何が望みだ?」
「何、マルスと同じことだ。
ダオスを復活させようと思ってな」
「何をバカな!?
ダオスは僕達が倒した!それをどうやって復活させるというんだ!」
「今から死ぬ人間に何を言っても無駄!」
「くっ!」
「おっと動くなよ!動いたらこの女の命はないぞ」
「くっ・・・」
「そうそう・・・思い出すな。
トーティスを襲った日のことを・・・」
「!?」
「ミゲールもバカな男だ。マリアを見捨てれば勝てたというのに・・・」
こいつが・・・こいつが父さんを・・・・
トーティスの無関係な人達・・・父さん・・・母さん・・・アミィちゃんを・・・
「そうだ・・・こいつにはまだ利用価値がある・・・
おい、こいつをラボに運べ!」
後ろにいた兵士が僕に近づいてくる。
抵抗は出来ない。
すれば・・・ミントが殺される。
後ろに鈍い衝撃が走る・・・
僕は・・・そして意識を失った・・・・
「ぐあああああぁぁぁ!!!!」
今日もまた実験をされる。
薬・・・薬・・・薬・・・
薬漬けの毎日が続く。
「やはり・・・トールの機械と人間を融合させるのは無理があるか・・・」
最近・・・
味覚がなくなった・・・
嗅覚もなくなってきている気がする・・・・
とうとう、僕は山奥に破棄された。
連中は僕のことを死んだと思ってるみたいだ。
だが・・・!
僕はまだ死んでいない・・・
かならず生きてミントを取り戻す・・・
僕はわずかに残っている体力を振り絞り人道に向かった・・・
「おい!大丈夫か?」
「・・・」
「まだ息はあるみたいだな・・・。よし!」
瀕死の僕を運んでくれる人がいた・・・
それが僕と、技術士ケイラ・ミリアルドとの出会いだった・・・
「これでどうだい?」
ケイラは僕の看護に一生懸命だった。
半年間の静養を得て、僕の体はだいぶ健康になってきた・・・
もっとも失った味覚と嗅覚はどうにもならないが・・・
あと、視力のダメージも大きかった。
僕はほとんど何も見えない状態だった。
ケイラは、そんな僕にバイザーを作ってくれた・・・
お陰で常人程度には視力が見えるようになった。
「うん。だいぶいいよ!ありがとう」
「な〜に。どうってことないって」
「じゃ・・・僕はそろそろ行くよ」
「・・・安心しろ。ちゃんと伝えておく」
「すまない・・・
また来るよ。この戦いが終わったら・・・きっと」
「まってるからな!」
そうして僕はケイラのもとから去った。
ミントを取り戻すため・・・そして奴らに復讐するために・・・
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
俺は、暗闇の中目が覚めた・・・
「また・・・同じ夢か・・・」
今日もまた同じ夢・・・
昨日も一昨日もその前も・・・
「ミント・・・きっと俺が救い出してみせる・・・それまで待っててくれ」
アーティの感想
クレスの一人称が俺になってますね。
もし僕なら、もっぱらネ○ティと叫んでるところでしたのに(まてっ)
復習者という仮面を被って、これからどうなるかは期待です。
もしすずが出てくるなら、16歳が希望ですね(またパクリ)