eoさんの旅ノート
出港〜マウイ島1日目 ここ カウアイ島〜帰国

ハワイ諸島クルーズ  プライド・オブ゙・アメリカ号で

マウイ島2日目 〜 ハワイ島コナ

船3日目 2011年4月11日 マウイ島2日目

   今日も晴れ。日本語ガイドツアー「ハレアカラ噴火口」に参加。非常に寒いことがあるので暖かい服装で、という注意があり、用意していた防寒具全部を持って行った。

 午前8時半集合で、バスでハレアカラ国立公園へ向かう。
 火山地形のなだらかな斜面を、草原から溶岩石の無機質な広がりへと変わっていく景観も、なかなか見ごたえがある。  バスはぐんぐんと山頂めざして上っていった。
ハレアカラ国立公園  3000mの山頂地点に到着。ここからの景色も素晴らしい。

 のんびり写真を撮ったりしていたが、もっと上の方に登っていく人々があるのに気付いた。3050mの本当の山頂だそうだ。
 見物時間は30分ほどだ、間に合うだろうかと思いながら、慌てて登っていく。

 3050mからの景観は更に素晴らしい。息を切らせながら登ってよかった。

 しかし、ここは暑い。上着を脱いだ。

 「時間だよ!」の声に、ゴロゴロした岩だらけの斜面の細い道を、飛ぶように駆け降りた。ころげ落ちなくて良かった!
 バスに戻った時は時間ぎりぎり。  日本語ガイドさん、「本当の山頂まで行くなら50mほどの登りがあって展望も素晴らしいが、見物時間は30分なので、そのつもりで!」ぐらいの説明はしてほしかったな。

 山頂にいる時から、雲が下からみるみる上がってくるのが見えていたが、バスが降るにつれ、霧が多くなる。ほどなく、バスは視界もない霧の中をゆっくりと降りている。霧の中を下から上ってくる乗用車も多かったが、残念ですねえ、頂上は霧の中だと思うよ。早起きしなくっちゃあ。

 船では、今日はドレスコードは「フォーマル」となっている。但し、船内新聞には「ドレスアップされても、されなくても結構です。」と。
 夕食の場では、実際にドレスアップしている人々もあったが、少数派。
 この船はカジュアル船なので「フォーマルの日」はもともと無かったものを、恐らく、「フォーマルの日があってほしい」の声に押されて「フォーマルの日」を設定したのだろう。
 「フォーマル」であれば「フォーマル」として船全体の雰囲気でそれを盛り上げてこその楽しみがあると思うけれど、しかし、これでは、なんとなく中途半端。「カジュアル」なら「カジュアル」の楽しみ方に徹底した方がいいような気もします。

 今日の夕食は「リバティー」で。
 料理のメニューは「スカイライン」と同じだが、レストランそのものの内装が違う。「スカイライン」がアメリカの現代風?であるのに対して、「リバティー」は古典的だそうである。確かに、全体に落ち着きがあってシックな感じ。灯りは……「スカイライン」に比して断然明るい。テーブルには「スカイライン」と同じ、ろうそくのような灯りが1つだけだが、天井や周りの明るさは充分だ。明かる過ぎず、しかし、メニューの文字はしっかり読めるし、勿論、サーブされた料理の色合いもばっちり見える。当たり前のことなのだが……。
 料理も美味しい。今日のディナーは満足。

船4日目 2011年4月12日 ハワイ島ヒロ

 今日も晴れ。早朝、ヒロ到着。朝8時半集合で、日本語ガイドツアー「火山国立公園」に参加。
 ハワイ火山国立公園が、現役の活火山が生み出した火山特有の景観を見にゆくツアーである。

 ごろごろとした溶岩石の原や、溶岩が柔らかく溶けて広がって、表面が平らに固まり、まるで水のない湖のようになった地形を見る。”湖”を横断するように細い道があり、そこを人が歩いている。この火山国立公園をぐるりとめぐるハイキングコースがあるようだ。。
ハワイ火山観測所  
 ハワイ火山観測所では、煙を噴き上げる、壮大なクレーターが一望できる。

 展望台の説明板によれば、作家マーク・トウェインが1866年にここを訪れた時には、まだ盛んに溶岩が噴出していたという。

 説明板には、高く噴き上げてさらに滝のように流れ落ちる真っ赤な溶岩を、マーク・トウェインがカルデラの縁に立って見ている様子が描かれている。
ハワイ火山観測所2  

 壮大なクレーターの景観も素晴らしいが、そのまわりの草原の広がりも素晴らしい。

 その全体が火山が作り出した景観なのだろうが、濃い褐色のクレーター周辺を見た後に見ると、ここの草原の草色には、なにか優しさを感じる。

   今夜は、キラウェア火山の真っ赤な溶岩流が海に流れ込む様子を船上から眺められる”溶岩展望”の予定だったが、昨夜に配布された日本語版船内新聞に、「キラウェア火山展望は中止となりました! ……火山分裂地域からの噴火が中断している状態……誠に残念ですが……」と大きく書いてあった。
 キラウェア火山の溶岩流の船上からの展望はこのクルーズの見所の一つだったはずで、私達は、船の予約の際、このためにわざわざ、バルコニーからの溶岩展望を期待して、陸地が見られる右舷のキャビンを確保したのだ。本当に残念だ。
 翌日、コーディネーターMさんに、溶岩展望が中止になる、つまり、見られないことはよくあることなのかを訊いてみた。「最近は見られないことが多いですね。」の返答。見られる確率はどのくらい?と訊くと「なにしろ、自然相手なので……」の返答。

 Mさんに悪気があるわけでは全くないと思うが、しかし、私の持ち前の猜疑心がむらむらと湧き上がってきた。実は、英語版船内新聞がこれについて全く触れていないことに、私は不審感を抱いたのだ。

 実際は、”溶岩展望”の可能性はかなり低いのではないだろうか。”溶岩展望できますよ”という案内表示は、プライド・オブ゙・アメリカ号やノルウェージャン社が発行したのではない、日本の旅行社作成のパンフレットにだけあるのかも知れない。
 ”溶岩展望できますよ”のパンフレットを見てクルーズに参加した日本人以外には、”溶岩展望”についてはもともと期待もしていない、それが”できない”ことは驚くことでもないことなのかも知れない。英語版船内新聞を読む人々には、「”溶岩展望”できない」ことを通知するまでもない、極く普通の事態なんじゃないのか……私の猜疑心はますますエスカレートしていった。

 今回”溶岩展望”できなかったことは、本当は、私達の単なる不運であり、大抵は、できているのかもしれません。しかし、”溶岩展望”は、私達がこのクルーズを選んだ理由の大きな一つだった。私達には、このクルーズに”溶岩展望”が欠けることは、実に、実に、残念なのだ。なので、私の邪推がこうして渦巻くことになったのだ。

船5日目 2011年4月13日 ハワイ島コナ

 今日も晴れ。今日は私達は予定がなく、のんびり。午前10時頃、コナへ行ってみる。ここだけは大型船は接岸できないということで、テンダーボートを利用。
 コナの岸を目の前にして、なぜかテンダーボートが停まってしまった。見ると、ボートの横を数人が泳いでいる。見回すと、多くの人数が泳いでいる。みんな同じ方向(岸)に向かっていて、どうやら、水泳大会のような感じ。全員が岸に泳ぎ着いたところで、それまで停まっていたテンダーボートが岸に向かって動いた。テンダーボートの接岸場所の直ぐ横が海水浴場になっているようだ。
 海水浴場になるだけあって、海の色が素晴らしく美しい。しかし、浜と言えるほどのものはなく、海とは低い堤防を挟んだだけで土産物屋がごちゃごちゃと並んでいる。

 スーパーマーケットに行ってみようと、船内新聞に付いていた地図を頼りに、歩いた。日本から持参したガイドブックにも、コナの街は10分もあれば歩いてまわれる、と書いてあったので、軽い気持ちで歩き出したのだ。

 暑い! 延々と続く舗装された通りを、強い日差しが照り付ける。しかも、歩いている通りと地図とが一致しない。仕方なしに、土産物屋がごちゃごちゃと並ぶテンダーボートの接岸場所まで戻り、再び、大きな通りを選んで歩き出した。スーパーマーケットらしい建物が見えたので、それを目指して歩く。しかし…暑い。しかも登り道だ。
 やっと着くと、スーパーマーケットの冷房の中に飛び込んだ。

 商品に期待したほどのものはなく、コナコーヒーの袋をいくつか買って、外に出てみると、なんと、シャトルバスがあるではないか。
 勿論!シャトルバスに乗って帰った。シャトルバスはテンダーボートの接岸場所に到着。シャトルバスは、当然、その、テンダーボートの接岸場所から出発したのである。
 船内新聞はこのシャトルバスについては何もふれていなかったし、シャトルバスの案内も、特に目に付くところにはない。よくよく見回せば、ひっそりと、何かの表示か案内はあったのかも知れないが。
 ホノルルでなくても、ここハワイでは、街なかの道路はほとんど全部舗装されている。土の道ではないので、照り注ぐ日光の照り返しはきつい。ハワイの人々のように、思い切り肌を露出した服装を着慣れていて、そして、ハワイの暑さに慣れているのならともかく、天気が悪い日でもなければ、ここハワイで「10分もあれば歩いて…」なんて無理ですよ! こんな時、シャトルバスはありがたい。

 テンダーボートで船に戻る。テンダーボートから船に乗り移る時、ふと海を見て、思わず足が停まった。

 海の色の、なんという美しさ! 濃い紺、それも透明な、艶やかな濃い紺。
 群青(ぐんじょう)色とは、こういう色をいうのだろうか。
 美しい海の色は、浅い海域では、緑が基調だが、深い海域では、紺なのだ。
 そう! 群青の海 とは こんな海をいうのだ。
 しばし、感動して海を眺めていた。
 写真は撮ったけれど、残念だが私の技術では、Webで見てもらうほどの画像には仕上がりません。自然が造る色彩の美しさを堪能するのは、実際に旅をしてそれを自分の眼で見る者だけの特権です。

 昼食はアロハカフェで。
 この船で昼食がとれるところは、通常、アロハカフェ、キャデラックダイナー、そしてキーウェストバー&グリルとアロハカフェ・ラナイ。時々はスカイライン・レストランでも。
 アロハカフェは座席も多く、いわば朝食・昼食のメインレストラン。ブッフェ式で、メニューの内容は、1品か2品は日によって違うこともあるが、毎日ほぼ同じ。しかし、メニューの種類が多いし、また、1週間強程度のクルーズなので、飽きることはないだろう。味は? これは好みによるが、総体的にアメリカ人好みか。私は、満足でした。

 デザートは、プリンやゼリー等のシンプルな?スウィートだけ。もし、ショートケーキ等、巷のケーキ屋さんのショーウインドウに並んでいるようなケーキが欲しければ、「リバティー」や「スカイライン」のコース料理でデザートも注文すればよい。デザートだけの注文もできるはずだ。
 料理に甘味が少ないことについて、日本人コーディネーターMさんから、最初に一言、説明があったので書いておきます。「アメリカ人には”ふくよかな”(”肥っている”)人が多いので、極力、糖分を抑えるというのが、この船の考え方である。料理は、甘みが少ない、だけでなく、薄味にしてある」そうです。なので、味に不足を感じるなら、テーブルにある調味料で自分で味を調整して、と。

 キーウェストバー&グリルはプールの一角。プールを見下ろすような中2階といった感じで、小さなバーである。バーだから座席は少ない。アロハカフェ・ラナイはアロハカフェの外デッキで、やはり座席は少ない。
 キャデラックダイナーは6階の中央にある。メニューはアメリカ人好みの、ハンバーガー等などファーストフード類がメイン。座席は多くはないが、外デッキにも座席が用意してある。ここの外デッキの座席で、海風にあたりながら食事するのも悪くない。
 味も量もアメリカ人好みで、どれを注文してもビッグサイズ。デザートは3種類だけ、味も量もアメリカ人好みなのは同じ。
 このキャデラックダイナーのオープン時間は、通常は、ランチタイムと、そして、夕刻5時から翌朝5時まで。この船に24時間ブッフェは無いので、夜中にオープンしているのはここだけ。

 「アフタヌーンティー」はこの船には無い。これを知って私はガッカリしたが、しかし、この船に数日乗っているうち、これが普通なのだ、と思うようになった。

 ついでに説明すれば、これらのレストランの他に、有料レストランがいくつかある。フランス料理、イタリア料理、寿司を含むアジア料理などなど。”有料”といっても、10ドルから20ドル位の座席料なのでそれほど高いわけではない。
 ただし、メニューに料金が記載されているものは、座席料のほかに、その料金を支払わなければならない、という説明を聞いて、フランス料理レストランのメニューを広げてみると、前菜のほとんど全てに料金が記載されている。なんとなく……入るのを止めた。
 結果として、私達は有料レストランは一度も利用しなかった。無料のレストランに大きな不満はないし……。

 アロハカフェで昼食の後、我がつれあいはいつものようにプールサイドのジャグジーを楽しむ。私は、船内の写真を撮ってまわった。
  フロント
 ここは、船全体の受付(フロント)
 フロアの真ん中に、アメリカを象徴するマークがど〜んと鎮座。

 フロントに立って後ろを振り向くと階段があり、その踊り場にはアメリカ初代大統領ジョージ=ワシントンの肖像画が、メインロビーであるフロント周辺を行き来する人々を見下ろしている。  ⇒

  ロビー

 ついでに書けば、スカイライン・レストランには摩天楼を模したような柱?が何本もレイアウトしてあるし、リバティー・レストランのカーテンは、いかにもアメリカ国旗を思わせる星がちりばめてある。
 まるで、この船全体が丸ごと”アメリカン”なのだ。
プール  
 12階にあるプール。
 プールは他には小さなプールが1つあるだけなので、このプール周辺はいつも人がいっぱい。
 プールを眺めるように小さな舞台があり、大抵いつも、楽団がロックなど軽快な音楽をライブ演奏している。

 海水パンツ姿のアメリカ人男性がこのプールの縁に1人で立って、演奏に合わせて自己流のダンスを披露、いや自分で楽しんでいるのを、2度ほど見た。
  彼がどうしてアメリカ人かが分かるのかって? こんなことするのはアメリカ人に決まってる。
 彼は、楽団のメンバーでも船のスタッフでもなく、ただの客である。私達はこれが何度目かのクルーズになるが、客がプールに立って、舞台から流れる音楽に合わせて一人で踊ってるなんて、初めて見た。
 こんな光景を見ると、なんとなく、”人生の明るさ”を感じませんか? 私も彼の”ダンス”を楽しく眺めた。

eoさんの旅ノート
出港〜マウイ島1日目 ここ カウアイ島〜帰国