書 名 | 著 者 | 頁数 | 難易度 |
first FROST | James Henry | 461 | 2 |
Jack Frostシリーズといえば R.D.Wingfield が生み出した名作である。しかし、今回の著者は James Henry。すなわち、2007年に亡くなった
Wingfield の後を継いで James Gurbutt と Henry Sutton の二人が世に出した Frost である。 英国の片田舎 Denton の街に頻発する大小の事件、それらに振り回されるFrost以下、Denton警察署の署員達。ただでさえマンパワーの不足しているところに規律と予算をたてに彼らの活動に横やりをはさむことになってしまう署長の言動。 そんな逆境に悪戦苦闘しながらも、持ち前の第六感と正義感による捜査の甲斐もあって全ての事件が関連し合って解決へと導かれる様はWingfieldのFrostと一緒でテンポが速く、大変面白く頁がどんどん進んでゆく。 ただ、エンディングは今までにないパターンであったし、英語もイディオムが多様されていて以前よりは難解なものになっていると感じた。Frostの奥さんの人となりが判るのも最初のような気がする。 こんな本を読んでみたい人はこちら -> First Frost |
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mystery | Jonathan KELLERMAN | 374 | 3 |
舞台はロサンジェルス。 精神分析医のAlex Delawareは犯罪心理の側面から難解な事件の解決のために捜査を支援する。彼とコンビを組むのはロサンゼル ス警察殺人課の警部補で親友のMiroである。 Miroがある朝持ち込んだ被害者の写真。 銃で顔を吹き飛ばされた凄惨な現場写真。服装から判断してAlexが前夜に偶然ホテルのバーで目撃した美しい女 性のようである。身元の判らない殺人事件ということで困難な捜査なのだが、都合良く情報提 供者が現れて、特異な人間関係が暴かれてゆく。現実味が無いというか特にハラハラ、ワクワクすることもない。 Alexは精神科医であることから、一人の患者とのエピソードも事件の捜査と 絡まって話しが繰り広げられる。 でもこの二つのストーリーの関係が今一つ 良く判らない。良く判らない理由の一つは英語の難しさから来ているのかも知れない。残念ながら私自身、ちゃんと理解して読めたという自信は無い。 単語、文脈、スラング...難解な箇所満載である。 こんな本にチャレンジしたい人はこちら−> Mystery |
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Gideon's Sword | DOUGLAS PRESTON & LINCOLN CHILD | 342 | 2 |
この作者の作品を読むのは今回で4作目である。 これまでの3作(当ライブラリに掲載)はどれもストーリーの独創性やテンポの速さ、 奥行きの深さが有り、とても面白いものであったが、残念ながら今回の作品は少し期待はずれであった。 政府高官の陰謀で濡れ衣を着せられて暗殺される父を眼前で目撃した幼少のGideonは復習を誓う。 青年に成長したGideonは周到に練り上げてきた計画を実行し、本懐を遂げるとともに家族の名誉回復にも成功する。 その緻密な計画と明晰な頭脳、忍耐力に目をつけたのがEESを統括するGlinnだ。 EESとは不可能と思われるようないかなる依頼をも頭脳と技術で実現する民間機関である。 結局Gideonは中国から渡米するエンジニアが持参する世界の勢力地図をひっくり返す程の技術情報を 奪取せよとのGlinnの依頼を受けることになる。 この本の主題はこの新技術の奪取を計るGideonとやはり同じ目的を持つ謎の組織の息が詰まるような駆け引き、戦いであるが、 作者の意図に反して、あまりはらはらもどきどきもしないで物語が進んで行く。 これは、Mission impossibleと同様の現実離れした状況設定やストーリーも単純で予想した通りに進んでいくからだと思う。 逆にそういう目で読むと、単純に楽しめる肩の凝らない作品ではある。 しかし、矢張り、前作に比べると残念感が先に立ってしまう。 この作品にトライしてみたい人はこちら−>Gideon's Sword |
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The Saga of Darren Shan(Cirque Du Freak 他全12巻) | Darren Shan | - | 1 |
1巻あたり170頁前後、全12巻の長編である。 社内の勉強会で使われていた第1巻を見せて貰ったところ、一瞬にして引き込まれてしまったので全巻購入した次第である。引き込まれた理由はストーリーがとても面白かったこともさることながら。非常に平易な英語で書かれており自分の英語能力が一気に向上したようないい心地にさせてくれたからでもある。 主人公はDarren Shan、ごく普通の元気な少年である。その少年が、町にやってきたシルク・ド・フリーク(奇人のショーを提供する見せ物小屋のようなものか)を見物するチャンスを掴んだことから彼の人生は一変する。 つまり、彼は家族や友達を捨て、ヴァンパイアの仲間にならざるを得ない羽目になってしまうのである。 ヴァンパイアといっても吸血鬼ドラキュラで広く知られているようなものではなく、夜の世界で連綿とした歴史を持つヴァンパイア族であり、生存のために人の血を吸うが、命を奪うこともないし、血を吸ったという痕跡も残さないので人畜無害で、その存在も世間には知られていない。 Darren Shanと共に重要な役割を演じるのがヴァンパイアのCrepsley そして超能力者のDesmond Tiny である。 この本はDarren Shan がCrepsley とともにヴァンパイアの存亡をかけて様々な困難や事件に立ち向かい、成長していく様を物語っているのであるが、敵、味方を含めて多彩な登場人物、彼らとの出会いや別れ、戦いなど非常に面白く、描写も上手いのでイメージとして頭に入ってくる。 全編を通じてハラハラ、ワクワクが続くので次へ、次へと頁が進んでいく。 特にDesmond Tiny、略してDestinyはその名が示すようにヴァンパイア族のみならず人類の運命をも左右する力を持っているようでその存在が読者に大きなスリルをもたらしてくれる。特に、最後の数ページは、 一体どういう結末で終わるのか? ちゃんと終わるのか? 読者の不安と期待は最高潮になる。 でも読了したときに満足感は大変大きい。かつ、この物語はひょっとして実話じゃないだろうか? と、大いに考えさせてくれる本である。 読みたくなった人はこちら−>Cirque du Freak (The Saga of Darren Shan No.1) |
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The Blue Nowhere | Jeffery Deaver | 505 | 1 |
今の世の中、通信は勿論、交通管制や治安までもがコンピュータでコントロールされている。 また個人の生活もコンピュータに大きく依存している。 そんなコンピュータに自由に侵入できたら個人のプライバジーを暴くことは勿論、国家権力を意のままに操ることも可能となる。 天才的なハッカーであるPhate、そして彼の作ったTrapdoorと呼ばれるソフトウェアがそんな危惧を現実のものとしている。但し、phateはその才能とツールをネットゲームではなく、リアルな殺人ゲームのために使っている。難度が高い殺人ほど高得点を得られるわけである。 そんな凶悪連続殺人犯の逮捕にやはりハッキング行為で投獄されているWyatt Gillet協力することになる。 ネットワークの世界(Blue Nowhere)での二人の駆け引きを中心に、いろんな立場の人がそれぞれの思惑で策をろうしているので物語の奥行きがとても深く、意表をつくどんでん返しが展開される。 しかも、英語が易しいのでどんどん読み進むことができる。 どんでん返しが続くとしまいにはこちらもそのつもりで身構えることになるがそれでも最後の最後にえーっ!と叫んでしまうことになる。次もまた、この作者の本を読んでみたい。 行間、文字の大きさとも目に優しい。 読みたくなった人はこちら->The Blue Nowhere: A Novel |
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Hard FROST | R. D. WINGFIELD | 450 | 1 |
英国Dentonを舞台にしたおなじみJack Frost警部のシリーズものである。 今回のメインのテーマは殺人の絡んだ少年の連続誘拐事件であるが、例によって、休日返上までして駆り出されたFrostに、「捜査が進展しないにもかかわらず窃盗や殺人など、これでもかというほどいろんな事件が次から次へと降りかかってくる」というストーリーはいつもと同じである。 いつもと同じであるが、やはり凄く面白い。進まない捜査に難癖をつける上司との駆け引き、そんなことしてていいのかと本気で読者をやきもきさせる第6感に頼った捜査。 こてこてにシミがついた上着や差し入れのFriedFishのにおいが本当に紙面から湧き上がって来るような描写力。 平易な英語と相まって一気に読み終えてしまう。 でもなんといっても惹きつけられるのはFrostの悪を憎んで人を愛する性格です。 字は大きくはないけど、行間が広くて私に目にもやさしいです。 TOEIC600点前後の人の英語のレベルUPに最適の1冊か? 読みたくなった人はこちら->Hard Frost |
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NOT A PENNY MORE, NOT A PENNY LESS | JEFFREY ARCHER | 305 | 1.8 |
北海で油田が掘り当てられそうだという巧妙な騙しで一儲けしたのがHarvey Metacalfe. それにまんまと騙されて財産を失ったのが天才数学者のStephen、画商のJean-Pierre, 医者のRobin、それに貴族のJamesの4人。Metalcafeは汚い手口で大富豪に成り上がった人物でもある。 話は単純で騙された4人が協力して各自が知恵を絞って考えたアイデアで失った財産を過不足無く取り戻す話である。したがって、4つの話がオムニバス的に展開される。 それぞれのアイデアはまあそういうこともあり得るか?と思わせるものであるが、現実感もスリルもサスペンスも無いが最後にはちゃんと、どんでん返しが仕込まれている。 Sidney Sheldonのタッチに似ている。気楽に流し読みするにのに良いかもしれない(時々難しい英語に出くわすが....)。 読みやすい行間である。 読んで見ようと思う人はこちら->Not a Penny More, Not a Penny Less |
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your heart belongs to me | DEAN KOONTZ | 413 | 3 |
Ryan Perryは恋人のSamanthaとサーフィンを楽しむ青年。ネットビジネスで大成功を収めている実業家で当然大富豪である。すなわち、世界中どこにでも自家用ジェットを飛ばせるし、何でも調査してくれる探偵組織を雇うことも可能である。 そんな彼が心臓移植をしないと1年も生きられないと宣告される。当然、世界で一番の名医と評判の医師に手術を託し、無事成功する。 手術を受けなければならなくなった事に対する心の葛藤、猜疑心、疑念をはらすための金に糸目をつけぬ調査等が淡々と綴られていく。そして手術後16ヶ月、その心臓を返して欲しいという女性が現れる。 まるで幽霊のように神出鬼没。強固なセキュリティで守られた屋敷に痕跡もなく侵入し、メッセージを残す。KOONZS得意の幽霊かなと想定して読み進むが、Ryanに物理的な危害を加えるなど、どうも実態のある人間のようである。どこまでが超常現象でどこまでがトリックなのか良く判らない(読後も同じ)。 とにかく難しい。英語は辞書を引いても意味をつかめないところがあるし、難しい単語が次々と出てくる。 ストーリーも淡々としており、その展開も何故そうなるのか私には良く理解できなかった。 それでも、場面、場面の描写はさすがKOONTZと思わせるところは有る。 ちょっと、英語に自信をなくさせる一冊である。 文字の大きさ、行間とも読みやすい。 チャレンジしたい人はこちら->Your Heart Belongs to Me: A Novel |
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FIRESTARTER | stephen KING | 510 | 3 |
Andy Mcgee は$200の誘惑につられて、ある薬物の被験者に応募する。 諜報機関の一種であるShopと呼ばれる組織が行った幻覚剤の集団実験である。 実験は悲惨な光景となったがそれが幻覚だったのか事実だったのか? 確信できないままに年月が流れ、Andy は人の意識を自分の意のままに操る能力を身につけていることに気づく(彼はその行為を"Push"と言う)。さらに同じく被験者であった妻Vickyとの間できた娘Charlieが感情の高まりに呼応して火をつける能力を持つことを知る。但し、対象の選択や程度の強弱はどうもコントロール 出来ないようである。 それを嗅ぎつけたShopは当然、彼らを捕捉し、実験の事実を隠蔽するとともに、彼らの能力を解明し、さらには抹殺しようと企てる。 そう、これはShopと彼ら親子の壮絶な戦いの物語である。が、さすがStephen KING、すぐにその世界に引きずり込まれる。荒唐無稽な話ではあるが、話の展開、スケールの大きさ、描写の緻密さは感動的であり、話に破綻は無い。 英語は非常に難しい。辞書を引いても意味を正確に捉えられない部分が多々ある。 でも、おもしろい。特に最後の百ページはおそらく寝ることを犠牲にしても読み切ってしまうことになると思う。 それほど、結末がどうなるのか気を揉む内容である。 文字の大きさ、行間とも目に優しい。 読みたくなった人はこちら->Firestarter (Signet) |
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THE CHASE | CLIVE CUSSLER | 489 | 1 |
時は1906年、極悪非道の銀行強盗が世間を騒がせていた。 犯行準備から逃走経路の確保まで巧みな計画で目撃者は誰もいない。 しかも行内に居合わせた人は皆殺しという徹底ぶりから、Butcher Banditと恐れられている。この極悪犯を捕らえるべく、任命されたのがVan Dorn Detective Agency のIsaak Bellである。 この時代、Van Dornの探偵と言うだけで「葵の印籠」を見せるがごとく権威が有ったのか? しかもこのIsaac,長身でハンサム、しかも大富豪の出。フェラーリでは無いが、当時最速の自前のレースカーで犯人を追跡するあたり、どうも「こち亀」の中川巡査とかぶってしまう。 物語はこのIsaacがかすかな手がかりから犯人を追いつめるという良くある話である。現実感は薄いが話の展開は楽しめる。英語も平易で長文も問題なく理解できるので気軽に読むのに最適である(蒸気機関車や船の専門用語が時々出るが)。まだ金門橋が出来る前のサンフランシスコや鉄道移動が主体だったアメリカの様子が興味深い。またサンフランシスコ大地震(1906年)の記述も緊迫感が有る。大災害における米国人の行動は矢張り日本とは違うようである。 読みたくなった人はこちら->The Chase |
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The Face | DEAN KOONTZ | 649 | 3 |
元警官、Ethan Truman が警備を担当する世界に名を覇す超人気映画俳優Channing Manheimの豪邸に犯罪を予感させる不気味な小包が連続して送りつけられる。 実は天才的なアナーキストであるCorky LaputaがManheimの一人息子Fricの誘拐を示唆する予告メッセージなのだがEthanにはさっぱり理解できない。 そんなEthanを手助けするのが最近死亡した彼の幼なじみで親友のDunny Whistlerである。 そう、この物語は幽霊が大きな役割を持つ。ただ、霊の世界にも厳格な契約が有るらしく或る一線を越えた教唆はできないようである。 荒唐無稽ではあるが、そこはDean Koontz。Corky の型破りな犯行、Dunny の婉曲的なメッセージが伝わらないもどかしさ、Fricの機知。 Ethanの後手に回る行動。それらが相まって最後の最後までハラハラドキドキさせられる。 ただし英語は難しい。英検1級レベルの単語が次々と出てくるし構文も難しい部分が結構出てくる。 読みたくなった人はこちら->The Face: A Novel |
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DIGITAL FORTRESS | DAN BROWN | 430 | 1.5 |
DAN BROWN と言えばTHE DA VINCI CODEの作者としてご存じの方も多いと思うが、私はDECEPTION POINTを読んで以来、大好きな作家の一人である(10項参照)。 NSR(National Security Agency)にはTRANSLTRと呼ばれる莫大な費用をかけた暗号解読装置(コンピュータ)が鎮座しており、インターネットで交わされる暗号化された情報を極秘に監視、解読している。 NSRの暗号解読の主席であるSusanの信念は「この世に解析できない暗号は無い!」である。 そんなNSRの姿勢に反感を持つ元NSRの従業員である日本人エンセイ・タンカドが絶対解読できない暗号化アルゴリズムをあみ出してNSRに或る要求を掲げて挑戦する。彼の暗号(Digital Fortress)をTRANSLTRで解読しようと試みたSusanの上司Strathmoreは窮地に追い込まれる。暗号が解けないばかりか米国の安全を根底から揺さぶる重大事態に突き進むことになるからである。止める手だてはただ一つ。エンセイが持つpassキーを入手することである。一方、タンカドもまた、事件に巻き込まれてpassキーが行方不明になる。 Passキーを求めて二転三転する大スペクタクル、NSR内の誰を信じていいのか判らないサスペンス。思わず次のページをめくることになる。コンピュータやソフトに関する話の内容にも破綻はない。面白い。。。。。。でも、この物語は日本人が持つ「体面」とか「恥」とか「面目」が主題となっているのだが、前述した日本人の名前もさることながら、この主題のとらえ方がどうも同意出来ない部分が私には有る。 英語は平易で読みやすい。 読みたくなった人はこちら->Digital Fortress |
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THE ICE LIMIT | DOUGLAS PRESTON & LINCOLN CHILD | 491 | 1.9 |
世界に名だたる大富豪 Palmer Lloyd.。彼が全財産を投げ打つ覚悟で進めているプロジェクトがある。それはニューヨークに新たな博物館を造ること。その目玉になるのがチリの南端、ケープホーン諸島に眠っているのが発見された巨大な隕石である。極寒のチリ領土内から巨大な隕石を如何に秘密裏に運び出すか? この壮大な計画を一任されたのがGlinn率いるエンジニアリング会社EESである。Glinn以下有能なエンジニアがあらゆるリスクを考えた上で実現する隕石回収の仕組みは合理的で破綻が無く読んでいて十分納得できて面白い。後半は予想とは大きく異なる隕石の素性、荒れ狂う天候、プロジェクトを阻止しようとするチリ海軍の将校。これでもかと訪れる難題に果敢に立ち向かう冷静なGlinnの姿に思わず興奮してしまう。 結末がどうなるのか?最後の最後までじらされる。 つぎもまた、この作者の本を読もうと思う。 英語は素直で読みやすいが、船に関する専門用語が多く出てくるので好き嫌いが分かれるかも知れない。 読みたくなった人はこちら->The Ice Limit |
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TRACE | PATRICIA CORNWELL | 401 | 2 |
CORNWELLといえばChief Medical Examiner(検屍局長)、Dr. Key Scarpetta!! ところが、この本ではScarapettaが職を解任されて5年たったことになっている。 物語は南フロリダでフリーランスをしているScarpettaが現職の局長に乞われて検屍の応援にリッチモンドに戻ってくるところから始まる。現職の局長は無能で検屍局の統率もままならず、少女の死因の特定もできない。Scarapettaを呼んだのも本人の意志では無いようである。 例によって、些細な残留物から死因、さらには犯人を突き止めていくのはいつものパターンである。また、Marinoとのコンビも健在である。 Scarpettaといえば姪のLucyを忘れてはならない。なんとLucyはハリウッドの有名人向けの隠密探偵社を運営しているのである。Lucy も難事件を抱えておりその事件がこの物語のもう一つの主題になっている。二つの事件の捜査が絡み合いながら結末へと導かれる。 Lucyは豪邸に住み、フェラリ2台を乗り回すお金持ちで、最新の電子スパイ機器を使いこなすスーパーガールという役所であるが、それがどうも現実感を阻害してしまうので読みながらもいまいち、物語の世界に入り込めない(少なくとも今までのCORNWELLのカラーとは違う違和感を感じた)。 Cornwellの本を初めて読もうと思われる方は他の本から始めることをお勧めする。専門用語(?)が多いので辞書をひく回数はかなり多い。 どんなものか一つ読んでみようかという人はこちら->TRACE |
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THUNDERHEAD | DOUGLAS PRESTON & LINCOLN CHILD | 531 | 2.2 |
この作者の作品はTHE CABINET OF CURIOSITIESに続いて二作目である。前作はニューヨークを舞台にした奇怪な連続殺人事件がテーマであったが今回の作品は一転して人里から隔離されたユタの奥深い渓谷が主な舞台となっている。今回もやはり奇怪な殺人事件が続く事になる。 考古学者である Nora Kerryはひょんな事から16年前に遺跡発掘の旅に出たまま行方不明になっている父からの手紙を手に入れる。16年前に書かれた思われるその手紙には滅びた都市と言われるQuivilaの大遺跡を発見したことが記されている。父を信じるNoraの信念は結局、遺跡発掘の調査隊を派遣するまでに至る。一方手紙を入手した頃からNoraの身辺に起こり出した奇怪な殺人事件は調査隊のメンバーの命まで脅かすことになる。その素早さ、猟奇性、異様な臭い、一体犯人は人間なのか、獣なのか? 得たいの知れない敵に襲われる恐怖を否応なく味あわされる。納得いく結末に落ち着くのか読んでいて凄く気になってしまうが、、、心配無用である。 構文はそんなに難しくないが、Canyon、Creek、Valley、slotなど山と渓谷を表現する単語がこれでもか?っていうほど出てくるがその違いが私には良くわからないしスケールの大きさや険しさの度合いがやはり日本人の私には多分正確には掴めていないだろうと思ってしまう。 グーグルアースで現場を見ながら読むと臨場感も満点である。 興味の有る方はこちら->Thunderhead |
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THE DA VINCI CODE | DAN BROWN | 489 | 2.5 |
映画を見られた方も多いのではないでしょうか。若干、端折った映画よりも本(訳本)を読む方が分かりやすくて面白いという感想も良く聞きます。では原書はもっと面白いか?っていうと正直、難しかったです。 物語はルーブル美術館の館長が殺害される場面から始まる。実はこの館長、Vaticanを頂点とするキリスト教会の権威を根底から覆すといわれる「或る証拠」をキリストの時代から連綿と守り続ける秘密結社の総長でもある。彼はダイイングメッセージとして孫娘のSophieに暗号を託す。Sophieは館長殺害の犯人に仕立て上げられている象徴学者(Symbologist)のLangdon とともに謎解きに挑む。謎(暗号)の解読は次の謎へと続き「或る証拠」の発見へと進んでいく。警察、キリスト教原理主義集団それぞれがSophie 達を追いつめていくストーリー展開はテンポが早く手に汗握る。 残念ながら、工学出身の私としては宗教関連の単語、フランス語(?)が入り混じった文体はせっかくの流れに乗り損ねてしまう。また読破するのに時間もかかった。 興味のある人はこちら->The Da Vinci Code |
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BEACH HOUSE | JAMES PATTERSON & PETER DE JONGE | 356 | 2.2 |
裁判における正義というものに疑問を感じる場合が往々にして有る。例えばSimpson 裁判、New York のDiallo 評決、最近ではJon-Benet Ramsey 事件がある。 法律を勉強するJack Mullenの弟が水死体で海岸に打ち上げられているのを発見される。大富豪のビーチハウスで開催されたパーティーで駐車係をしていた最中の出来事である。死体の状況から殴打され殺された後に海に投げられたことは明白である。しかし、彼の死は自殺行為として片づけられてしまう。警察、目撃者、監察医、全ての人が買収または脅迫され真実を明かさないどころか事実ではない証言をする。(どうもあり得ない展開である) |
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DECEPTION POINT | DAN BROWN | 558 | 1.3 |
久し振りに非常に面白くて、読んでいて思わず力んでしまう本に出会えた。 読んだことすべてがイメージとして網膜に焼き付いていく。読書というよりは面白い映画を見ているようである。誰が誰を何のために欺いているのか? 最後のどんでん返しも圧巻である。 読みたくなった人はこちら −> Deception Point |
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DARK SKY | CARLA NEGGERS | 375 | 2.8 |
随分と久し振りの書評である。そう、この本を読破するのに相当の時間を要した。よく挫折しなかったものと自分を褒めたい。 話は単純である。 連邦裁判所執行官(US Marshal)のJuliet Longstreetが極悪非道の限りを尽くすBobby Tatroを偶然のきっかけで逮捕する。そのアンフェアな逮捕を根に持つTatroは捨て台詞を吐いて復習を誓う。 "Your pretty blond ass is mine!” そのTatroが刑期を終え出所したということでJulietは警戒する。 (凶悪犯なのに刑期が短いのは証拠を残さないためらしい) 知人からの情報によると、Tatroは出所後。南米で発生した誘拐事件に関わっているようであるが行方は知れないという。 そういうシチュエーションで、いつ凶悪な復讐鬼が襲ってくるかも知れないはらはらどきどきが楽しめるのかなあと期待したのですが...............残念でした。 Tatroは凄く凶暴と作者は言うが、その凶暴さは伝わってこない。 アンフェアな逮捕にしても何のことか判らない。 南米の誘拐事件にしてもホワイトハウスに関係したものということで登場人物の誰もが、口を閉ざす。 --> 何のことかわかれへんやないですか!! Tatroにしても簡単に逮捕されたり。作者の一言で脱獄してたりするって..........ストレスが爆発しそうです。 それって、どんな本? って興味のあるかたはこちらです。−> Dark Sky |
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Night FROST | R.D.WINGFIELD | 357 | 1.5 |
英国Dentonを舞台にした、警部Jack Frost のシリーズものである。薄汚いレインコートの下にはボタンのちぎれたスーツ。すり切れたワイシャツ、手垢できつく固まって解けそうにないネクタイ。そんな出で立ちは相変わらずである。そんな彼が勤務するDenton警察署ではインフルエンザが蔓延しマンパワーが極端に欠乏している。そんな折、行方不明であった少女が死体で発見される。また、老人を狙った凶悪殺人事件が毎日のように発生する。さらに放火殺人、その他諸々の事件が容赦なく発生し、すべての事件が幸運にもインフルエンザにかからなかったFrostの肩にのしかかってくる。新任の部下Gilmoreとそれこそ寝食を忘れ、事件に対応するが、疲れ果てるだけで、なかなかどの事件も解決の糸口が見つからない。それでも彼独特の第六感に基づいた手法ですべての事件をなんとか解決へと導いていく。見込み違いによる挫折や、気を取り直して、第六感による推理を再構築していく過程は読者を惹きつける。現場の苦労を理解せず、体裁だけを取り繕うDivisional
Commander Mullettとの対峙も見物である。 読みたくなった人はこちら −> Night Frost |
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THE CABINET OF CURIOSITIES | DOUGLAS PRESTON and LINCOLN CHILD | 629 | 1.5 |
600頁を越す大作である。読破するのに相当の時間を要してしまった。 しかし心配は無用。挫折することはない。話の展開がスピーディで各頁とても面白い(退屈しない)のである。舞台はニューヨーク、セントラルパーク周辺。ビルの建設現場から地下トンネルのようなものが掘り起こされた。約130年前の建造物であり、中から36体の人骨が発見された。しかもそれぞれ脊椎の最下部が外科手術でも行われたように切り取られている。事件の解明に登場するのがFBI特別捜査官のPendergast、彼の要請を受けたニューヨーク自然史博物館(the New York Museum of Natural History)の美人考古学者Dr.Kerry そして彼女の恋人 New York Times 記者Smithbackの3人。しかしこのPendergast、とても不思議な人物である。運転手付きのロールスロイスを乗り回し、どこからとも無く現れ、組織とは離れて行動しているようである。そんなとき、現代のニューヨークで連続殺人が起こる。被害者は全て脊髄下部が切り取られている。130年前の事件の再来か? 何故? 話は以外な展開で徐々に真相を証して行く、え〜っ、面白い。Pendergastが関わる理由も明らかになる。最後の犯人との死をかけた対決は手に汗握る。 ニューヨーク博物館の裏側を見たい人には絶好の本かも知れない。 ちなみに The Cabinet of Curiosities とは世界の珍品を集めた小規模な博物館であり100年以上も昔、市民の娯楽の場であったらしい。 読みたくなったひとはこちら −> The Cabinet of Curiosities |
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LIFE PENALTY | JOY FIELDING | 392 | 1.5 |
Gail Walton は最愛の夫と二人の娘に恵まれ、NewJersey郊外で何不自由の無い生活を送る専業主婦だった。そんな幸せな生活もある日を境に一転してしまう。6歳になる最愛の娘Cindyが学校からの帰り道に何者かに近くの公園で乱暴された上殺害される。最愛の娘を失い悲しみにうちひしがれたGailは心の平静さも失う。捜査が進展しないまま2ヶ月を過ぎようとするとき、Gailは自分で犯人を突き止めることを誓う。手がかりは汚いブロンドのやせた青年ということだけ。Gailの行動は犯罪多発地域に車で偵察に行くことから始まり、界隈の聞き込み、ついには木賃宿(rooming
house)を借りて容疑者を張り込むまでにエスカレートする。物語はGailの精神的な葛藤を軸に家族との人間関係の推移、犯罪地区で遭遇する危機を織り交ぜてクライマックスへ突入していく。ただ、クライマックスは犯人を捕まえることではない。英語は平易で単語も難しいものはあまりない。ダウンタウンの安宿の様子なども良く知ることができる。 読みたくなった人はこちら −> Life Penalty |
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PRESUMED INNOCENT | SCOTT TUROW | 421 | 2 |
物語はCarolynの葬儀の場面から始まる。Carolynは主人公の検事補Rastyの同僚であり、かつて二人である事件を担当したときに深い仲になった間柄でもある。そのCarolynが自宅のベッドの上で悲惨な姿で殺されたのである。事件を任されたRasty。しかし過去の想いを断ち切れず頻繁に彼女に電話をしていたことや事件の晩にCarolynの部屋にいたことが明るみにでる。折しも地方検事の選挙が迫っており、派閥争いの渦中でRastyは逮捕されてしまう。彼を助けるのはかつて敵として彼を苦しめた弁護士Sandyである。事件現場に残された(あるいは残されていなかった)証拠品から彼の無実を導き出す推理、駆け引きは読者を引き込む。そして、へ〜ッという結末へと一気に読み進んでしまう本である。英語は平易で難しい単語も少ないが長いセンテンスが多いような気がする(読破に少し時間がかかるかもしれない)。それと、ペーパーバックは字が小さい。 読みたくなった人はこちら −> Presumed Innocent |
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TWISTED | David Robbins | 248 | 1.2 |
Jessica Shepard は殺人課警部に抜擢される。喜びもつかの間、悲惨な連続殺人事件が発生する。しかも被害者は彼女がサロンやバーでピックアップして一夜を共にした男達であり、犯行時には決まって彼女は部屋で失神状態になっている。Jessicaは、警官であった父親が妻と彼女と関係を持っていた男達を殺して、自分も自殺するという辛い過去を持つ。気丈な彼女もひょっとして自分が無意識に犯している犯罪ではないかと自分自身を疑う始末である。結局、彼女は一旦逮捕されてしまうが、彼女を親代わりに育ててきたコミッショナーの Mill,殺人課の相棒である Mike と真犯人を追及していく。 この本は映画をブック化したものである。ほんの中程に数ページのスチール写真が掲載されている。実はこの写真を見るだけでストーリーが判ってしまうし、犯人の見当もついてしまう。その見当が当たってるかなあという確認のために思わずページが進んでしまう本である。でも一夜の相手をバーでピックアップする習慣を持つ女性警部という設定は好きになれないなあ 読みたくなった人はこちら −> Twisted |
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CITY OF BONES | MICHAEL CONNELLY | 409 | 1.2 |
City of Bones は Michael Connelly の米国スリラー作家としての名声を不動のものにした小説であると言われている。Hollywood
Hill で犬が一片の骨を拾って来たことから話は始まる。どうも人の骨らしいということで主人公のDetective Harry Bosch が犬の飼い主のもとへおもむく。この骨は少年のもの。しかも頭を強打されて埋められる日まで何年にも亘る無数の骨折の痕跡がうかがえる。虐待の痕跡である。少年期を
Foster Home で過ごした Bosch は犯人を見つけ出すことを心に誓う。幼児虐待を生んだ家族が明らかにされ、犯人も簡単に見つけ出されようとするが、Bosch
の犯人を突き止める真摯な姿勢がストーリーを二転三転させる(そのせいで彼は上司から睨まれることになるのだが)。クライマックスにかけてはまさに一体誰が犯人なのか気になって本を置けなくなってしまう。 英語は平易である。 City of Bones の意味も本文で説明されてる。 読みたくなった人はこちら −> City of Bones |
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Acts of War (Op-Center) | Tom Clancy | 492 | 1.3 |
中東の紛争は世界の平和にとって大きな鍵となるが、このOp-Centerシリーズは中東紛争の根底に横たわる民族間の確執、各国間の国境における利害関係などの歴史的背景を明確に教えてくれる。Op-CenterとはCIA,
White House,その他諜報部門の出先機関が進化したCrisis Management Teamで、最新の偵察機器を駆使して紛争(というより事件)を解決する特殊チームである。Acts
of warはシリアのクルド人がシリアを砂漠化し不毛の地としている元凶となっているトルコ領内のダムを破壊する事件が発端となっている。たまたま近くで試験をしていたOp-Centerのモーバイル前線基地となりうる情報収集移動局(車:ROC)が事件に巻き込まれ武装集団に隊員共々捕らえられる。情報を駆使し、隊員の救出と武装集団の壊滅を図る展開は手に汗を握る。また女性を含む捕虜となった隊員と武装集団の駆け引きもはらはらするし、隊長
Mike Rodger のリーダーシップも心地よい。 読みたくなった人はこちら −>Acts of War (Tom Clancy's Op Center... |
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THE STREET LAWYER | John Grisham | 449 | 1.5 |
手元にはいつも何冊かの未読の本が有るが、次に読む本はどうしてもこの作家を選んでしまう。やはり、面白いし読みやすいから。。Grishamの小説には毎回重要なテーマが提起されている。環境問題であったり、人種差別の問題であったりする。今回はホームレスの問題だ。数十年前にインドでユニバーシアード大会が開催された際、街の美化のために浮浪者をデカン高原に捨てに行ったと聞いた時には少なからず衝撃を受けたが、それと同様のことが合衆国の、しかもワシントンD.C.で行われているとは驚きである。有る事件をきっかけに、たった3週間の間に一流法律事務所でパートナーになる寸前のエリート
Michael Brockが地位とお金を捨て、妻に捨てられホームレスのために立ち上がる。例によって、事件の裏に潜む悪と対決する過程は一気に読む気にさせる。 読みたくなった人はこちら −>The Street Lawyer |
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A Time to Kill | John Grisham | 515 | 1.5 |
やはりJohn Grisham の小説は面白いといつも思ってしまう。この物語の舞台はMississippi 州のClanton。10歳の黒人の少女が二人の白人に陵辱される。勿論犯人は逮捕されるが、少女の父親は隙をみて犯人を射殺してしまう。この父親の弁護を引き受けるのがJake
Briganceである。彼をサポートする多彩な脇役、彼を攻撃するオカルト集団などストーリーは速いテンポで、スリリングに進んでいく。人種差別の根深さを実感させられる。 この本のもう一つのおもしろさは陪審員制度における裁判の駆け引きである。陪審員を選ぶ上での緻密な調査、陪審員への訴えかけ、証人の選択と召喚する順序など一つの選択の違いが、正反対の判決につながる怖さがわかる。陪審員になった人の大変さも詳しく描写されている。 陪審員制度に興味のある人は必読である。英語は平易で読みやすいが単語の意味を見るために辞書を引く回数は多いかも知れない。 読みたくなった人はこちら −> A Time to Kill |
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From A Buick 8 | STEPHEN KING | 487 | 3 |
Statler county のD警官隊の納屋Bにはミッドナイトブルーの50年代式Buick Roadmaster8が鎮座している。ただこの車、見かけはBuick Roadmasterでもおかしいところが多々有る。ハンドルはヨットの舵のように異様に大きく、ダッシュボードのスイッチも全て見せかけだけのもの。ボデーの傷も勝手に修復するし、ほこりもつかない。時に目もくらむようなスパークを発光し、トランクからは得体の知れない、とてもこの世に存在しないコウモリや魚に似たもの、人間に近いものまで出現する。逆にこの世の人間やネズミが消えたりする。果たしてこれは車の形をした生き物なのか、あるいは異次元の世界とこの世を結ぶゲートなのか?車の出現した約20年前からのいきさつがD警官隊のSandy その他の隊員の口から語られつつ、謎が証されていく。でも。。むつかしい。。。。 読みたくなった人はこちら −> From a Buick 8: A Novel | |||
FROST AT CHRISTMAS | R.D.WINGFIELD | 380 | 1 |
英国Denton地方の警部Jack Frostのシリーズもの。RumpoleとColomboをミックスしたような薄汚いがみんなに好かれる主人公が第六感(Intuition)に基づいた破天荒な捜査方法で以外な展開で事件を解決していく。 英国英語ではあるがすいすい読める作品である。 読みたくなった人はこちら −> Frost at Christmas |
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BLOOD WORK | MICHAEL CONNELLY | 496 | 1 |
心臓移植を受けた元FBIエージェントMcCaleb。ひょんなことから心臓提供者を殺した犯人を追う羽目になってしまう。犯人を追いつめるにつれ実は緻密に計画された復讐劇であることが判ってくる。非常に面白いストリーの展開と素直で簡単な英語なのでスイスイ読むことが可能。字も読みやすい。でも心臓移植を受けて間もない人がこんなに動けるのだろうか?
読みたくなった人はこちら −> Blood Work
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HARD EIGHT | JANET EVANOVICH | 326 | 1 |
賞金稼ぎを職業とするStephanie Plumのコメディタッチのドタバタ劇。賞金稼ぎといっても裁判に出廷せずに逃げ回っている犯人を拘束し、警察に引き渡すという役柄である。その逮捕劇がおもしろおかしく描かれているシリーズものである。今回はひょんなことから子供の失踪事件に巻き込まれたStephanieが、マフィアの親玉との衝突もあり、終始危険な目に遭う展開で、ハイペースで読破できる。英語は簡単であるが、冒頭から I've been spending a lot of time rolling on the ground ..というような表現がありどういう意味か悩んでしまう。しばらく読む内に、単に太りすぎた逃亡者を拘束するときに一緒にひっくり返り地面をごろごろ転がっていることだとわかる。 そんなコツは必要である。 判らない単語があってもスイスイ読み飛ばして英語の流れをつかむ本である。 読みたくなった人はこちら −> Hard Eight |
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Black Hawk Down | Mark Bowden | 503 | 2.5 |
1993年10月3日ソマリア駐留の米軍は反抗勢力の主要人物を拉致するため街の中心部に奇襲をかける。数機のヘリコプター(Black Hawk)から部隊を数カ所に降下させコンボイで撤収するという1時間程度の作戦であった。降下場所を誤ったり、Black
Hawk2機が撃墜され、コンボイは反米の憎悪に満ちた武装市民の標的となりながら2日に渡って街の中を右往左往することになり、双方に多大な死傷者を出すことになる。弾丸が体を貫き、不発ロケット弾が体にめり込む。そんな痛さがリアルに伝わってくる。この本を読んで大分時間が経つが、いまだに自分の体が銃弾に貫かれたような感覚は消えない。 この本に興味がある人はこちら −> Black Hawk Down: A Story of Modern War |
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Angela's Ashes | Frank McCourt | 362 | 2 |
ピューリッツァー賞受賞作家 Frank McCourtの青年期までの極貧の生活を描いた作品。食べるものもなく、学校に履いていく靴もなく、病に倒れ死んでいく妹たち。物乞いも厭わない母親。それでいて飲んだくれているばっかりの父親。典型的なアイルランドの貧困の姿であろうか? 救われるのは、悲惨でありながらそれに負けていないマコート少年のひたむきさである。 読みたくなった人はここ −> Angela's Ashes (Wheeler Large Print... |
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THE EAGLE HAS LANDED | Jack Higgins | 390 | 2 |
第二次世界大戦末期、孤立状態にあったヒトラーは英国首相チャーチルの誘拐を思い立つ。精鋭特殊部隊を敵地にパラシュート降下させ拉致するというとてつもない計画である。この本の題名は使命を帯びた精鋭部隊が無事英国海岸に着地したという暗号文である。それぞれの役割を持った人がそれぞれの物語を織りなしながら究極の目的に近づく様は非常にスリリングで面白い。英語は素直だが、ドイツ語が頻繁に出てくるのと登場人物の把握がポイント。結末は本を読んでのお楽しみ(期待を裏切られることはない)。 読みたくなった人は −> The Eagle Has Landed | |||
DRAGON TEARS | DEAN KOONTZ | 401 | 2.2 |
舞台はアメリカ西海岸、カリフォルニア。私服警官の Harry はどこからともなく現れる謎の浮浪者に明日の夜明けまで、あと16時間の命と脅される。この浮浪者はその大きさ、顔に走る無数の傷、醜くゆがんだ顔立ち、ぼろぼろの歯。およそこの世のものとは思えない不気味さと恐ろしさである。同じ頃、捨て犬の Woofer と車の中で暮らすホームレスの母Jannetと息子のDanny、本当のホームレスの Sammyも得体の知れない不気味な怪人にやはり明日までの命と脅かされる。特にHarry はタイムリミットまでに、不可思議な事件で大事な宝物や最愛の友人を失う。時々現れては各人を恐怖に陥れる様は本当に怖い。Harry とその相棒で愛しいConnieそしてWooferがラスト1時間に展開する犯人との駆け引きは奇想天外で、手に汗握るという表現がぴったりで本当におもしろい。私はSFものは大体、論理に無理が有り好きでは無いが、この本はそんな危惧は一切無い。さすが DEAN KOONTZ である。 英語は平易だが辞書を引く回数は多いかも知れない。 読みたくなった人は −> Dragon Tears | |||
Year of The Tiger | Jack Higgins | 278 | |
A Simple Plan | Scott Smith | 417 | |
Cause of Death | Patricia Cornwell | 370 | |
THE LORD OF THE RINGS PART THREE THE RETURN OF THE KING |
J.R.R. TOLKIEN | 340 | |
THE LORD OF THE RINGS PART ONE THE FELLOWSHIP OF THE KING |
J.R.R. TOLKIEN | 458 | |
Bag of Bones | Stephen King | 732 | |
PLACES IN THE DARK | THOMAS H. COOK | 292 | |
BLACK FRIDAY | JAMES PATTERSON | 450 | |
DAMAGE | Josephine Hart | 216 | |
NUMBERED ACCOUNT | CHRISTOPHER REICH | 483 | |
CARETAKER | THOMAS WILLIAM SIMPSON | 423 | |
DANCING GIRLS | MARGARET ATWOOD | 240 | |
THE DAY OF THE JACKAL | FREDERICK FORSYTH | 358 | |
FIRESTARTER | stephen KING | 510 | |
THROUGH THE STORM | BEVERLY JENKINS | 371 | |
The DEEP END of the OCEAN | Jacquelyn Mitchard | 516 | |
TRAVELS | MICHAEL CRICHTON | 416 | |
PLAYING THE DOZENS | WILLIAM D. PEASE | 418 | |
CAPE COD | WILLIAM MARTIN | 712 | |
Mr. Murder | DEAN KOONTZ | 481 | |
Back Bay | WILLIAM MARTIN | 532 | |
A Maiden's Grave | Jeffery Deaver | 422 | |
Ice Bound | DEAN KOONTZ | 405 | |
Seal Team seven Payback | Keith Douglass | 269 | |
Basic Instinct | Richard Osborne | ||
A Crime in the Neighborhood | Suzanne Berne | 285 | |
The Phantom of Manhattan | FREDERICK FORSYTH | 263 | |
The Lord of the Rings Part Two The Two Towers |
J.R.R. TOLKIEN | 398 | |
OP-Center Divide and Conquer | Tom Clancy | 471 | |
The White House Connection | Jack Higgins | 276 | |
The Keeper | E.A. MacDonald | 377 | |
The Long Goodbye | Raymond Chandler | 379 | |
The Pilot's Wife | Anita Shreve | 293 | |
Lost Moon | Jim Lovell & Jeffrey Kluger | 353 | |
LIFE PENALTY | JOY FIELDING | 392 | |
THE SWISS ACCOUNT | PAUL ERDMAN | 376 | |
TOWARD THE END OF TIME | JOHN UPDIKE | 339 | |
EXTINCT | CHARLES WILSON | 310 | |
HARD LANDING | LYNNE HEITMAN | 424 | |
The Last of the Mohicans | James Fenimore Cooper | 236 | |
POST MRTEM | Patricia Cornwell | 404 | |
CRUEL & UNUSUAL | Patricia Cornwell | 407 | |
Kilo Class | Patrick Robinson | 512 | |
WINTER TIDES | JAMES P. BLAYLOCK | 346 | |
TORCHLIGHT | ROBERT LOUIS STEVENSON III | 289 | |
NIGHT ON FIRE | DIANA DEVERELL | 354 | |
PRIMAL FEAR | WILLIAM DIEHL | 393 | |
OP-CENTRE BALANCE OF POWER | Tom Clancy | 450 | |
All That Remains | Patricia Cornwell | 406 | |
THE CABINET OF CURIOSITIES | DOUGLAS PRESTON AND LIMCOLN CHILD |
640 | |
The Fugitive Game | Jonathan Littman | 375 | |
Hiroshima in America Fifty years of Denial |
Robert Jay Lifton and Greg Mitebell |
358 | |
ON DANGEROUS GROUND | Jack Higgins | 304 | |
THE TRICK STAR | Muriel Gray | 488 | |
Hawaii | James A. Michener | 937 | |
Audrey Hepburn's Neck | Alan Brown | 290 | |
LETTERS OF A BUSINESS MAN TO HIS SON |
G Kingsley Ward | 191 | |
The Button Man | Brian Freemantle | 380 | |
Chain Reaction | Robert Tine | 246 | |
Snow In August | Pete Hamill | 384 | |
The Partner | John Grisham | 468 | |
The Silent Cradle | Margaret Cuthbert | 486 | |
Catch your Breath | Jessica Auerbach | 327 | |
Death on the Nile | Agatha Christie | 313 | |
Murder on the Orient Express | Agatha Christie | 245 | |
Pretend You don't see her | Mary Higgins Clark | 305 | |
Stillwatch | Mary Higgins Clark | 356 | |
The Insider | Stephen Frey | 856 | |
Client | John Grisham | 566 | |
The Firm | John Grisham | 501 | |
The Green Mile | Stephen King | 536 | |
Night Judgement at Sinos | Jack Higgins | 289 | |