●シナリオ 評価:A-
いわゆる「吸血鬼」モノですね。
物語は真祖の血をひく吸血鬼として覚醒した主人公と、吸血鬼を倒そうとする組織、やがて見えてくる謎の敵……
という感じの伝奇ロマン。基本はシリアスな展開。
ただ、シリアスなシーンでも笑える表現や描写がふんだんにちりばめられている。Hシーンしかり、戦闘シーンしかり、クライマックスでもそれは同じ。ほぼすべてのシーンにしっかりと笑いが用意されている。シリアスなのにコミカル。そうした笑いが物語の雰囲気をぶちこわすことなくしっかりとストーリーの中に溶け込んでいる。
そんな良作ですね。
が、しかし!各ヒロインの個別ルートがリアン、リアン+ゼノしかないっ!
なんでじゃゴ━━━━(# ゚Д゚)━━━━ルァ!!
少なくともベルチェルートはあってしかるべきやろぉぉぉぉぉ。・゚・(ノД`)・゚・。
これは個別ルートはしっかりあったが、スケジュールの都合でバッサリなのか、はたまた、お約束(?)のファンディスク用にあえてカットしたのか・・・。
このへんはオトナの都合ってやつなのでしょうかね? ┐(´ー`)┌
●声・音楽 評価:声A 音楽B
キャラとのマッチングも良く、雰囲気に合っていて良かったと思います。
昨今では珍しく(?)主題歌なし。、BGMは印象に残る程のものもなくかと言って雰囲気を壊すようなものはなく、総じて可もなく不可もなくな感じでしょうか。
●システム 評価:B
基本は押さえてある。が、若干の使いづらさあり。
メッセージウィンドウの調整ができなかったり、メッセージ速度の調整に難あり。
●グラフィック 評価:A
キャラの立ち絵・イベントCG共に違和感が無く、非常に綺麗な絵です。
立ち絵の多さも豊富で、特にベルチェは他のヒロインと比べ表情や立ち絵のパターンが多彩で良いですね。
背景も良く、日常的なCGであれば柔らかめの色を使い、光の差込も緩やかなのに対し、夜や戦闘シーンの背景はキャラを強調する為、背景をぼかし光でキャラを強調するといった上手い手法がとられています。
●エロ 評価:B
吸血鬼モノではありがちですが「吸血鬼の体液には催淫効果があってヒロインが発情してしまう」などがよく使われる設定ですが、この作品もそんな感じのHシーンですね。
尺は短めで基本和姦。(一部陵辱ちっくなところもありますが、とらえかたは貴方次第w)
まぁ基本的に抜きゲーではないのでHシーンが濃厚ではないのは問題ないが、白背景のみでやり取りが進んだり、妄想シーンや回想でシーン枠を補填したりと手抜きに見えなくもない。
●総評 評価:B+
真祖の血を引く主人公が吸血鬼として覚醒すると同時に始まる超常の世界は読み応えあるストーリーに仕上がっており、良い感じに物語に引き込まれます。
その反面、ルートがほぼ一本道な上に尻すぼみ。しかも分岐したらしたでリアン(+リアン&ゼノ)ルートしかない。
ムーンタイズの設定はいいし、シリアスなシーンにボケとツッコミを用意する
シュールなギャグも非常に楽しませてくれるが、それにしてもシナリオ後半の強引さは頂けない。しかも個別ルートが殆どないだけにその不満は際立ってしまう。
設定はいいのに勿体無いという思いが強く、「名作になり損ねた良作」と言えるでしょう。
|