●はじめに
雰囲気はアリスマチックっぽいんですけど、こだわりのベクトルが違いますね。丁寧に仕上げられた良作です。
●シナリオ 評価:B
一本道ですが長いです。反面、スキップ爆速も手伝って2周目以降はあっと言う間に終わりますが…
個別ルートは無いに等しいのでちょうど良いです長さかもしれません。
内容はよく練られていて予測を覆されるシーンも度々ありました。
テキスト力がとにかくスゴイ。小難しいのに理解できるっていうか、解説がしっかりしてるんですよねぇ。良く考えてますし、非常に勉強されています。
※この手の作品には「陰陽師」というジョブがよく出てきます。で、よく目にするスキルは「九字(臨兵闘者皆陣列在前)」「急急如律令」「祓い給え、清め給え、守り給え、幸い給え」とあと符術くらいでしょう。しかし、この作品で陰陽師である「美鈴先輩」が剣を召還したり式神を行使する際に唱える呪には驚かされました。
以下に一例を・・・
牡籥かけ闔す総光の門(かぎかけとざすそうこうのもん)
七惑七星が招きたる、由来艸阜の勢(しりわくしちせいがまねきたる、ゆらいそうふうのせい)
巨門零零、急ぎて律令の如く成せ(こもんれいれい、いそぎてりつりょうのごとくなせ)
千歳の儔、小烏丸天国!(ちとせのともがら、こがらすまるあまくに!)
ね、すごいでしょ(^-^;
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演出も非常に凝っていて熱いバトルは必見です。
あ、演出で思い出しましたが、
(ネタばれ→)プレイ始めの頃、会話の途中で突然「パリーン!」って赤い夜に入るのは心臓に悪かったです(^-^;
悪いとは言いませんが選択を誤ると即死ってのはある意味シビアですw
悪いと言えばエンディング。超ご都合主義。ちょっと台無し感漂いましたね・・・
でも、面白かったです。はい。
ヒロインにひとこと言わせて
◆水奈瀬ゆか = メインヒロイン??う〜ん・・・。
<普通の人で幼馴染。最後まで戦わない姿勢に乾杯。萌え要素満載ですが萌えきれませんっ!>
◆草壁美鈴 = 惚れました。
<陰陽師で先輩。詠唱、かっこよすぎです。>
◆橘菊理 = 実はけっこうツボ。
<神で先輩。唯一ちょっと違うEDを持つ。でも同じ。EDで初めて声を聞いた時のあまりの違和感の無さには驚きました。>
◆広原雪子 = 始めはウザいかもしれませんが慣れれば問題ありません。
<キラーマシーンで眼鏡っ娘の後輩。突然の戦線離脱で後半空気に・・・勿体ない。あと、彼女のネタはマニアックすぎます・・・>
◆百野栞 = ヒロインじゃないですよね?
<魔術師でロリなクラスメート。しかし絆創膏にあんな使い道があったとは・・・。ビジュアル的にも声的にも「さくらシュトラッセ(ぱれっと)」のルゥリィとかぶってしかたなかったです。>
●声とか音楽とか 評価:A
まず声。良くハマッてましたねぇ。
特に「雪子」役の「みる」さん。声優の活舌力を存分に発揮しましたねw
次に音楽。BGM、これがまた良いんです。楽しく熱く哀しくシーンにベストマッチでした。
とりあえず、買います。
ヴォーカル曲は普通ですかねぇ。。。
●グラフィック 評価:立ち絵S/イベントB+=A+
演出効果と共に立ち絵がとにかく素晴らしいっ!
美麗なグラフィック(まぁ、絵師さんによりますが)、遠近にアクションにモーションにエフェクト。
何より、菊理先輩のスケッチブックの筆談内容と台詞が同じなのには軽く感動っ!
いやぁ、Lassの前作「FESTA!」の時も大したもんだったのですが、上を行きましたねぇ。スゴイです。
イベント画は・・・これこそ絵師さんによりますね。雪子のエロシーン、何とかならなかったんですかねぇ・・・
●システム 評価:A
基本的に問題ありません。スキップは早いですし、細かな設定ができるキーコンフィグも便利。
して今作の目玉の一つとも言える「クロスビジョンモード」。これはある一定条件で細かく開放されていき、主人公以外の視点からシーンを見たり、物語の背景が見れるシステムです。これによって作品の理解度がかなり深まります。なかなか面白いシステムです。しかし、素晴らしいアイディアなんですが、2周目以降のクロスビジョンは未読既読の区別つきにくいという問題点もありました。が、システム完成度とアイディアに比べると些細なものです。
●エロ 評価:C(美鈴先輩のみSでもいいです)
コンシューマ化を視野に入れて開発したんでしょうか。とって付けたようなエロです。
しかしっ!美鈴先輩はいいっ(〃▽〃)
ボクがエロシーンをいっさいスキップせずに見切った初めてのヒトとなりましたw
●総評 評価:A
とにかくレベル高いですね。
ボクがこの作品に辿り着くまで立て続けにC評価以下の作品に当たってたため過大評価してる感も否めないですが・・・
とにかく、演出を含む立ち絵と美鈴先輩の祝詞(?)は必見です。
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