日はめぐり無精編

ともあれ、完成に日の目を見たので、適当に乗り回してはいたんですよね。
でも悲しいかな、大人ってそうもそうそう毎週のようには乗れないのよ。
嫁に毎晩乗れないのと同じく、もう若くはないのよ。

でよ、こいつがどーもおかしいような気がしてたんだわ。
点火がどーもおかしい、そんな気がしたんだわ。

それで

変えました、ダイナコイル。
なーんか、製品の外観的には粘土細工のようなぼそぼそしたつくりで、どうしても好感が持てない。
でも見えないからいいか。

見ろ!

このキツキツ感!
フレームに触れそうだよ、やだよ。

でも、買っちゃったから意地でも付けるぞ! もうー、さすがアメリカ製品。

ついでに

キーボックスを移設した。
なんせハンドルキーは別体だからね。
いーのいーの、どこに付けたって。

おかげで、よく抜き忘れるようになったがね・・・。

ほんでよ

キャブレターがぶるぶる震えて、今にも抜けそうだったんで、ほれ、このオレンジ色のステー、コイツでキャブを固定しちゃいます。
相変わらず何のステーなのかはさっぱり解りません。鉄くずの中に混じっていたのでそのまま使ってます。

だっからー

ステダンなんているのかよ?
なんて無粋な事はいわないのだ、なぜ付けるのか?それはそこにステダンがあったからだ、あれば付ける、なければ付けない、もはや必要かどうかなどは問題ではないのだ。

見ろ、このイカした装着方法を!カウルを切らずに完璧な装着を果たすことに男気を感じはしないか!

まぁ、それだけの事だったんだが。




それでもさ

こんなことしちゃったりしてて、暇なことしてた

そうそう

某丹波のドライブインでは、単車駐車禁止なる看板がそこここに立てられているのをご存知だろうか?
いかにも単車が止めるであろう場所に掲げているのだ。なに、バイク乗りは来るなといいたいのか?

まあ、間違って読んでも大目に見ても、拒否されているとしか思えないので、仕方なく4輪用の駐車場に堂々と置く事になる。
そういうことだろう。駐車場は4輪だけのものではない。

ソロで海に来たのだ。夏だからな。

2005年、31歳のロンリーサマーでした。

マニアックなヘルメットです。
むむ、いつの間にかシートが張り換わっているではないか。

その帰り道ー

コケタンジャナイノヨ!

勝手に、コイツが!

俺がスタンド立てて、小用を足しに草むらに入っている隙にコイツが・・・

ねっ、寝るなー!

サボってたのよ。

本来はね

こういう写真であるはずだったんよね。
で、ダメージは。

ミラーとウィンカー、ふん、なかなかの軽傷ではではないか。

まっ、お疲れさんなわけよ。

ところがこの後、地元についた後にある事件が起こったのだ。俺が「よっぱライダーがゆく」を書くきっかけとなった事件である。



その詳細は以下に明記しておく。

題して 「金庫を開けて泥棒を待つ馬鹿はいない」

その夜、茨木警察署 安部(仮名)巡査は通行禁止違反の取締りをしていた。
そこへ、一台の車が進入してくるのがうかがえる。おもむろに巡査は車に向かって停止を求める。
車から降りたのは30代くらいの男性(以下あんちゃん)、明らかに不満げな態度である。
「こんな判りにくい標識間違って当然や。」「張るなら出口じゃなくて入り口で張ってろ!」
そう、いわゆる一方通行逆走である。

事実そこは非常に不可解な道で普通に通行する車にとってはまったく無意味とも言えるような交差点なのである。
そこへ、日帰りツーリングで気分良く日本海から帰還したアドレナリン出まくりのバイクが進入してきた。巡査は同じく停止を求める。

「え、いつから?!いつも通ってたちゅーねん!」「見るも見いひんもあるかい、間違ってはいっただけやないか!」
バイクの男性もまたかなり不満げである。しかも反抗的で態度がでかい。
二人のイカレる男性を前に「パトカー呼びましょか?」と同僚らしき巡査に意見を求める。

バイク野郎はあんちゃんと話す巡査との間に割ってはいる、「ちょい待ちいな、このアンちゃんがゆうてることは正しいで。」
「おにいさんもそうおもうでしょ?」アンちゃんが同意を求める。
「おたくらなーこんな制服着てるのにそんなこともわからんのか?」バイク野郎に肩をたたかれて不満げなもう一人の巡査が振り返る。安部巡査は「バイクの人こっちではなしましょか。」といって引き離そうとする。

「まぁな、おたくらも仕事や、サラリーマンや、おたくらに何ゆうても何もかわらんやろうけど言いたいことは言うとく。」バイク野郎はまくし立てた。
「「異議申し立ての権利はありますからどうぞ。」
「それは権力行使の上でのことやろ、俺が言いたいのはそういうことやないねん、あんたらそれに気づいていないんやったら、えらいことやで。一般市民に警察学校出た警察官が啓発されるんか?」
「と、いいますと?」
「倫理観の問題や、別にあんたらノルマで縛られた営業マンにつかまったことを否定するつもりはない、それは事実や。けどな向こうのアンちゃんが不満に思ってるようにこんなやり方じゃ誰も納得せえへんし、反省もせえへん。」

「反省してないんですか?反省してくださいよ。」

「できるかボケぇ、おたくらが一方通行の出口で待ってる理由を聞かせてくれ。」

「事故を未然に防ぐためです、対向車と逆走車がぶつかったらあぶないでしょう?」

「じゃあ、おたくらが待つこの地点に到達するまでに衝突事故があった場合、それでも交通安全のためにここにいたといいきれるのか?その様子を傍観していて自責の念は起こりえないといえるか?」

「対向車が貴方の方に向かってきたらライトつけてるから避けられるでしょう?」

「は?なにゆうてんの?事故を未然に防ぎたいのなら入り口で立っとけって言うてるんや。それともなにか?事故が起こることを待ってるのか、犯罪者が生まれてくることをのぞんでるのか?金庫を開けて泥棒待ってるようなものやないか。」

「・・・。」

巡査は黙る。
「俺が金庫に入ったのは事実や、ただそれが金庫と知らずにはいったのと金を盗もうと入ったのとでは大違いや。あんたらの存在は制服着てパトカー乗ってるだけでも十分事故、犯罪の抑止ができる仕事なんや、俺らはそれ見て安心したいだけやねん、世間様からありがたがられるような仕事にしたいやろ?」

バイク野郎は一通り終えてからサイン押捺した、あくまで事務的な処理だった。
帰り支度をするバイク野郎を見て、まだがんばってるアンちゃんは言う。
「おにーさんサインしたん?!」
「おう、納得いかんけどな、俺らはこのゲームに負けただけや、世間は認める、なんも悪うない。」

「僕らゆうてること正しいよね!」

「もちろん!世の中には悪いと思ってもやらなあかんこともある、汚いと思っても言えへんこともある、そいつらはそういう世界に生きてるんや、許したれ。俺らはそういうこと胸張っていえるんや、誇りに思っていいと思うぞ、そいつらにはできひんことや。わかってる人間はこれからも何度でも言い続けなあかん、がんばろうな!」

そういい残してバイク野郎はもと来た道を走り去った。
あとに残された車のアンちゃんはその後どうしたのかは不明だが、「勝ち逃げ」なバイク野郎にすこし嫉妬したかもしれない。

私がここに記録として記すことで少しでも警察組織のあり方が変化するきっかけとなることがあれば幸いである。そして安部巡査がすこしでも人間的な良心の呵責に悩まされるきっかけとなれば幸いである。
世の中には生活がやっとで日雇いで稼いだ金をこんな形で徴収される人間だっているのだ、それをとられたら一週間飯が食えない人間だっているのだ、そこのところをただ「決まりは決まり、法律でも認められてる。」という一言で済ますのはまるでヤクザのやり口ではないか。
郵政民営化が叫ばれる中、警察だけは民営化してほしくはないと切に願う。
無論、たとえ悪気ない間違いだとしても起こしてはいけない間違いだってあることはわかってるつもりだ、未然にそれを防げるのならばそれに越したことはないということを今回は言いたいだけである。

そしてよっぱライダーは走り始める。