FALKE

Panzer Jagd Kampf flugzeug 85
反重力装甲戦闘機ファルケ

イ)HJ83/3 (作)HJ83/3(Kow)

 2883年3月3日、事故により傭兵軍勢力圏内に不時着した、シュトラール軍の反重力実験機ファイアフライの搭載する、人体に対し有害なパルスを出さない反重力装置を捕獲したことを契機に、わずか三ヶ月で設計、試作が完了された。2885年6月14日の試験飛行にはクレルヴォー空軍中将も参加、テストパイロットによる初飛行を終えたファルケに乗り込み、自ら操縦桿を握った。同中将は、着陸後直ちにファルケの量産命令を出した。同年9月に予定されている傭兵軍の大反撃作戦の開始までに五百機を緊急量産することになったのである。結局、9月23日に開始された大反撃作戦”オペレーション・スーパーハンマー”に参加することのできたファルケは百機程度であった。しかしこの作戦自体、本来9月初旬に決行される予定であったものを、少なくともファルケ百機の完成を待ちたいとのクレルヴォー空軍中将の強い要望を受け、延期に延期を重ね、遂に23日決行という結果になったのである。このため、この大反撃作戦は作戦の好機を逸したうえ、大規模な作戦準備はシュトラール側に看破され、作戦は成功を見ずに中途で打ち切られたのであった。30mmタングステンと特殊耐熱セラミック装甲に身を包み、スーパーAFSと同じ間接視認システムを用いた。ファルケの搭載する反重力機関AGh.120TRMはシュトラール軍の反重力機関のフルコピーであったが、機体によく適合し、その重装甲と相まって、スーパーハンマー作戦では完全損失二機に対し、撃墜十三機、撃破九機、撃破したし装甲車輛二十五輛、非装甲車輛七十八輛の戦果を上げ、その高性能を遺憾なく発揮した。しかし兵装関係では固定武装である23mmバルカン砲の威力不足(とく日常の装甲目標に対しての)が前線部隊からしばしば訴えられた。当初搭載が予定されていた中間赤外線レーザーガンは大気穿貫性が悪く、霧や水蒸気によって射線が不安定になりやすいという欠点があり、変化の激しい空中戦闘には不適格という判定を受けたため搭載が中止されたのである。もちろん、大気穿貫性が強いエクサイマー高出力レーザーを搭載することが一番望ましいのだが、エクサイマー高出力レーザーは、S.A.F.S.に最優先装備される為、数を確保することができず、機載用エクサイマー高出力レーザーの大量生産が軌道にのるまでの間のつなぎとして23mmバルカン砲が搭載されたのであった。しかし、スーパーハンマー作戦に参加した百機のファルケのうち十数機には、実際にエクサイマー高出力レーザーガンが搭載されていたのだが、やはり雲や霧の影響で射線が不安定になり易く、パイロットには嫌われていた。但し、命中さえすれば敵機は一撃で粉々になり、地上目標の攻撃にも最適であるという評価は受けていた。23mmバルカン砲Mk.54は弾道性能は非常に良いとはいえ、威力不足は否み難く、第二ロットの量産型ファルケからは35mm機関砲の搭載が計画されている。 またエクサイマー高出力レーザーガンは、地上目標攻撃用のオプション武装とし、着脱式のガンポッドに搭載されることになった。また、30mmタングステンと特殊耐熱セラミック装甲に身を包み、スーパーAFSと同じ間接視認システムを用いた機の装甲防御力は現状のままで充分効果的ではあったが、比較的脆弱なスタビライザーの防護強化の問題が現在検討されている。

(HOBBY JAPAN 別冊より)

BACK

Maschinen Krigerに関する著作権は全て横山宏氏に帰属します。
MA.K. Copyright (C) Kow Yokoyama 1998. All Rights Reserved.
Maschinen KrigerAll Original Design & Illustration & Modeling by Kow Yokoyama.
Original Text by Hiroshi Ichimura & Kow Yokoyama.