ロバート・ブッシュ伍長(後に軍曹)

Robert Bush

第14装甲猟兵連隊第1中隊所属
後に第101宇宙戦連隊第2宇宙戦大隊所属

 第14装甲猟兵連隊第1中隊所属のロバート・ブッシュ伍長は、初めて敵ナッツロッカーを撃破した事で有名である。 2884年6月8日、シュトラール軍の地球攻略の主要基地としていたニューキャンベラ市も傭兵軍によって包囲、シュトラール軍最後の外郭防衛線をも占領していた。しかし、翌9日未明に初参戦した敵ナッツロッカー17輛に対して、AFSでは全く歯がたたず、唯一ブッシュ伍長だけが、やり過ごしたナッツロッカーの後背部に、砲塔が、ある一定の角度になった時に跳び乗り、レーザーカノンを破壊した後に砲塔頂部のソフトインプットハッチをこじ開け、内部を破壊、擱座させることに成功した。他のAFSパイロットも同様の戦法を試みたが、ブッシュのように成功した者はいなかった。結局、大損害を受けた第14装甲猟兵連隊は、戦線撤退を余儀無くされた。しかしブッシュ伍長のとった戦法はゲリラ的な苦肉の策ではあったが、AFSによる対ナッツロッカー攻撃においては唯一有効な戦法として各装甲猟兵連隊に伝えられ、僅かずつではあったが撃破できるようになった。


●ニューキャンベラ包囲戦直後の乗機、AFS Mk.II。
 ニューキャンベラ包囲戦後、シドニーへ転戦した第14装甲猟兵連隊はAFS Mk.IからMk.IIへ機種変更が行われた。
 全面デザートグレー、ステンシル類はスレートグレー、数字はスモークブルー、連隊マークの『ヒゲおやじ』は黒の線画で描かれている。左胸の撃墜マーク四つはライトグレー、ナッツロッカーを示す一つだけがブライトレッドである。ボディ後方両側面に、長時間作戦行動用の増層燃料タンクを装備している。


●第14装甲猟兵連隊マーク
通称『ヒゲおやじ』


 2884年12月14日、対ナッツロッカー戦に期待をかけられた先行量産型のSAFS4機は、戦場実験を行う為に、ナッツロッカーと数回の戦闘を経験していた第14装甲猟兵連隊第1中隊に引き渡され、10日間の慣熟訓練を行い、翌25日、ドールハウスの協力を得てパトロール行動中のナッツロッカー二輛を捕捉、うち一輛をブッシュ伍長が一撃で撃破し、その性能を証明した。
 この功績によりブッシュ伍長は軍曹に昇進すると共に、フルンゼ陸軍士官学校に対戦車攻撃の教官として着任を命ぜられ、部隊を離れていった。

●(右図)戦場実験の為に支給された先行生産型SAFS。
メインハッチ後部に伍長(当時)の頭文字『R』、左胸と後部装甲板にパーソナルマークが見られる。

●(下図)パーソナルマーク

Illustration by
Ree Yokoyama
&
Kowashiya EDDY



 2885年6月、傭兵軍司令部は月面基地建設の障害となっている月面の支配者『プルート』を撃破する為に、試作宇宙用SAFS『ファイアボール』3機による特殊部隊を編成、SAFSの経験に長けている軍曹を指名した。士官学校でひよっ子の教育に飽き飽きしていた軍曹にとっては願っても無い話であった。たとえそれが、今までで、もっとも危険な相手であったとしても。結局、作戦は『プルート』の放った自動護衛戦闘機械『ケルベロス』に阻まれ失敗、負傷した軍曹は、しばらく後方の軍病院にて療養していた。同年9月のスーパーハンマー作戦に参加していたかは、記録に残っていない。

 同年10月、シュトラール軍スパイ衛星攻撃作戦『ピールバナナ作戦』に志願した軍曹は、プルート攻撃作戦の経験から採用され、この作戦の為に編成された特殊部隊に配属、かつての上官、グロホレツ大尉と、フルンゼ陸軍士官学校の教え子コンラート士官候補生と共に、宇宙用SAFS『ファイアボール』でシュトラール軍のスパイ衛星を攻撃、これを撃破する事に成功している。

 その後、軍曹は『プルート』の支配力の及ばない月面に建設された傭兵軍月面前線基地に配属され、主にファイアボールでの偵察、基地警護の任務についた。

 ある日(月日不明)、月面前線基地に超低空で接近する多数の正体不明物体の偵察の為にコンラート士官候補生と共に出撃。シュトラール軍の新型宇宙用PKA『フリーゲ』数十機による大編隊の動向を観測していたが、その内の数機が急旋回、二人に攻撃を仕掛けてきた。軍曹は動力装置を打ち抜かれ行動不能となり、コンラート士官候補生と共に囚われの身となった。月面基地は殲滅された。

 その後、シュトラール軍月面通信/補給中継基地で捕虜となっていたが、ユーリ・グロホレツ大尉の指揮する第101宇宙戦連隊第2宇宙戦大隊による総攻撃の混乱に乗じ、フリーゲを奪取、コンラートと共に救出された。


●(左画像)試作型ファイアボール
メインハッチに軍曹の頭文字『R』、それ以外は注意書きのみで、マーク等は描かれていない。

Modeled by Kow Yokoyama

 

戻る

Maschinen Krigerに関する著作権は全て横山宏氏に帰属します。
MA.K. Copyright (C) Kow Yokoyama 1998. All Rights Reserved.
Maschinen KrigerAll Original Design & Illustration & Modeling by Kow Yokoyama.
Original Text by Hiroshi Ichimura & Kow Yokoyama.