ユーリ・オーゼロフ大尉

Julie Orselopf

第10装甲猟兵連隊指揮官

 2885年10月、傭兵軍特殊部隊によるシュトラール軍スパイ衛星攻撃の以前から、このような攻撃を予測していたシュトラール軍は、スパイ衛星の増強、及び星間パトロール、迎撃機の配備に力を注いだ。これと並行して、万一これら大気圏外のシステムの機能がストップした場合に備えて、地上における独立した管制システムの建設を開始した。その第一歩として、2885年7月、激戦区のオーストラリア北部の全部隊管制、早期警戒システムの統合基地建設を、シュトラール名、ラーティンゲン市北部にて着工した。
 この情報を、オーストラリア人農夫に化けた傭兵軍スパイは、いち早く入手すると共に、この基地防衛用の重装甲、大口径砲搭載のナッツロッカーをニューキャンベラの軍工場に発注し、 その量産先行型の二機が、通常タイプのナッツロッカー4機に守られて密かにフェリーされるという情報も入手した。このナッツロッカーは2機一組で到着後、基地周辺の所定の位置に固定し、これを数十機配備することによってこの基地を要塞化しようとした。これが完成すると傭兵軍としては手も足も出せない状態となるため、フェリー中の機体を破壊すべく特殊部隊が編成された。
 特殊型のナッツロッカーの大口径砲がフェリー中に火を吐くことは無いと思われたが、万一これが発砲すれば、ドールハウスのT.O.S.対戦車ロケットの射程も届かず、又その威力を持ってしても、特殊な重装甲を貫くことは不可能であった。そこで傭兵軍はS.A.F.S.に、各々80kgのアマトール爆薬を持たせ、その敏捷性、隠密性をいかした作戦を下令した。この300kgで撃破、80kgでも擱座させる事ができると推定させるアマトールを持ったS.A.F.S.8機と、通常S.A.F.S.12機は、地中に隠され、乗員は仮死状態で待ち伏せたのであった。この作戦は、まんまと成功し、特殊型ナッツロッカー1機撃破、1機擱座、通常型ナッツロッカー1機撃破という戦果を上げたが、庸兵側も参加したS.A.F.S.14機を失い、覚醒剤注入装置の作動不良により、永久に目覚めることのなくなった1名を含み、4名の乗員を失った。
 この作戦を指揮したオーゼロフ大尉自らも、アマトール爆薬をセットした後にナッツロッカーの攻撃で乗機のS.A.F.S.は撃破されたが、直前にベイルアウトして生存している。


●(下図左側)SAFS支給直後の塗装。
当初はダークイエロー単色であったが、戦闘中に損傷したのか、メインハッチとレーザーアームが無塗装銀となっている。この頃に大尉はナッツロッカー二輛を撃破してダブルエースとなったが、撃墜マークはない。

●(下図右側)特殊ナッツロッカー襲撃作戦時の塗装。
この作戦に参加した機体は全て、全面サンドイエローにダークグリーンのインクスポット迷彩に統一され、各々パーソナルマークを付けている。

●パーソナルマーク

Illustration by
Ree Yokoyama

& Kowashiya EDDY

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