ユーリ・グロホレツ大尉(年齢不肖)

Julie Groholtz

第1戦車師団第14装甲猟兵連隊第1中隊長
後に、第101宇宙戦連隊第2宇宙戦大隊長

 2884年6月、ニューキャンベラ包囲戦に第14装甲猟兵連隊第1中隊長としてAFSMk.Iで参加。6月8日の戦闘中に機関砲弾の直撃を腹部に受け、装甲板に損傷を受けたが、幸運にも命中したのは焼夷曳光弾であったらしく、軽い脳震盪で済んだ。翌日の戦闘で初めて敵ナッツロッカーと交戦。この日の戦闘で,僅か17輛のナッツロッカーのために第14装甲猟兵連隊は戦闘不能となり、ニューキャンベラからの撤退を余儀無くされた。

 2884年10月、折からのシュトラール軍大攻勢の初頭、ニューキャンベラからシドニーへと転戦していた第14装甲猟兵連隊は、同地でシュトラール軍と交戦した。シュトラール側の主要装備は、PKH103ナッツロッカーで、更に対地支援、誘導のPK40、PK41ホルニッセを数機づつ従えていた。規模としては、さほど大きなものでは無く、又勢力も同等、あるいは数の上では傭兵側が勝っていた。第14装甲猟兵連隊は、ナッツロッカーとは、数回の戦闘を経験しており、ロバート・ブッシュ伍長の戦訓から多少の対抗策は持っていた。ただいつもと違うのは、わずかな航空機の中に、二機だけ新型機が含まれていたことであった。
 10月10日の戦闘が開始された直後、敵の新型機を牽制している隙に後部左側面からPK40の機関砲弾の直撃を請けたユーリー・グロホレツ大尉は乗機の左下腹部に裂傷をつくりエアコンが作動不能となった。そして翌11日未明の戦闘で大尉は、応急修理された機体で参加したが、エアコンの修理が間に合わなかったため、摂氏40度から時には60度にもなる温度と逆流して来る排気、外の砂埃と闘わねばならなかった。上空支援を受けられなかったこの戦闘で、第14装甲猟兵連隊P.K.41の操るナッツロッカーに翻弄されたが、この時期既にナッツロッカーに対しては、かなりの手練となっていた同隊は、少数の損害でかなりの戦果を上げることが出来た。グロホレツ大尉もこの日、個人的にナッツロッカーを単独で一輛撃破する戦果を上げた。初の撃破を記録したブッシュ伍長(当時)の戦訓により、やり過ごしたナッツロッカーの後背部に、砲塔が、ある一定の角度になった時に跳び乗り、レーザーカノンを破壊した後に砲塔頂部のソフトインプットハッチをこじ開け、内部を破壊することにより擱座させるというゲリラ的な苦肉の策では合ったが、既存のA.F.S.ではこれ以上に有効な戦法は無く、グロホレツ大尉もこの方法で撃破したのであった。高温に耐えきれず機内への注水を続けたために、ナッツロッカー撃破直後に大尉のA.F.S.は動力部の配線がショートし行動不能となった。又、大尉自身も前日の直撃弾による出血と機内の高温で失神していたという。


●右図左側 AFS Mk.I指揮官装備(初期)
 2884年10月11日、ナッツロッカーを撃破した直後の乗機。連隊マークの『ヒゲおやじ』と指揮官機を示す白帯、連隊番号の他にはマーキングらしきものは描かれていない。
 AFS標準装備のFuG5-L通信機に追加して、指揮用の跳ね上げ式のFuG-6-ZLを装備している。左下腹部にPK40の機関砲弾の直撃を受けた跡が確認できる。

●右図右側 AFS Mk.I指揮官装備(後期)
 2884年10月13日以降、使用不能の機体に変え、スペアを使用している。ナッツロッカーの撃破マークを描き込んであるが、すぐにMk.IIに機種変更され、この機体も後にMk.IIに改装された。
 後頭部両側面、左下腹部にFc-G14i型ラジオを装備している。

←連隊マーク

(イラスト:NITTO広告より)


 2885年9月23日に開始されたスーパーハンマー作戦参加の為に待機していた第14装甲猟兵連隊は、26日にようやく出動命令を受け前線へと向かったが、戦闘らしい事をする前に作戦の失敗、退却を知らされる。全軍をあげての大敗走であったが、有能なグロホレツ大尉のおかげで中隊は散り散りにならずに済んだ。

 同年10月、ピールバナナ作戦に志願した大尉は、その有能ぶりを評価されこの作戦の為に編成された特殊部隊に配属、指揮官に任命され、かつての部下、ブッシュ軍曹、コンラート士官候補生と共に宇宙用SAFS『ファイアボール』でシュトラール軍のスパイ衛星を攻撃、これを撃破する事に成功している。

 ピールバナナ作戦終了後、大尉は第14装甲猟兵連隊に戻っていたが、シュトラール軍の月面通信/補給中継基地攻撃のために新たに編成された第101宇宙戦連隊に志願、第2宇宙戦大隊長として指揮を任され、二足歩行戦車『キャメル』で出撃、同作戦の成功と共に、捕虜となっていたブッシュ軍曹、アムゼル士官候補生の救出にも成功している。同作戦以降、大尉は第101宇宙戦連隊第2宇宙戦大隊長に留まる。

(参照:NITTO広告、HJ別冊、HJ84年5月号より)

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