沙田競馬場
地下鉄の中で、競馬新聞を読んでいる人がいた。競馬新聞の紙面は、日本も香港も同じ。一目で競馬新聞とわかる。覗き見してみると、なんだか面白そう。スターフェリー乗り場の前の露店で競馬新聞を買ってみた。余談だが、この露店には日本の新聞も売っていて、私たちが日本を発つ前にマジック1が点灯していた西武ライオンズがまだもたもたと優勝を決めていないこともここで知った。
競馬新聞の出走表の「貴族英雄」「美好世界」なんていう馬の名前にひかれて、翌日の沙田競馬場へのツアーを観光協会に申し込んだ。
さて、次の日は皆小ましな格好でホテルを出る。何しろVIP待遇であるからして、ジーンズはN.G.とのこと。でも、一緒になった白人のおじさんは半パンだったな。
集合場所のYMCAホテルから、ワンさん、通称コアラ君という中文大学の学生さんに引率されてマイクロバスで競馬場に向う。ワンさんは確かにコアラに似ていた。育ちの良さそうないやみの無い好青年である。熊本大学に留学して、そこで日本語を覚えたそうだ。その前はイタリアに留学していたそうで、イタリア語のガイドもしているから、このワンさんは広東語、英語、日本語、イタリア語を操る秀才である。私たちが競馬に熱中している間も、ワンさんはヤオハンの書類を翻訳するというアルバイトにいそしんでいたから、彼の日本語力は相当のものとみた。
沙田競馬場は九龍からトンネルを抜けて新界地区に入ってほど無いところにある。神戸で言えば北区みたいな所だ。場内はきれいに整備されてコースの内側は庭園みたいになっている。

香港競馬の特徴は三重彩という賭け方。1着、2着、3着を着順どおりに当てると、すごい配当になる。三重彩を4レースと5レース続けて賭けるダブルティアスという賭け方では過去に日本円にして5億という配当金を手にした人がいるそうだ。この日、Hさんは三重彩を当てて、500倍の配当を受け、20H$を一瞬にして1万H$(13万円)にしてしまった。もちろん奢っていただきました。
私たちが通された部屋はバックスタンド6階にあるバイキングレストラン。バルコニーがスタンドになっていてレースを観戦できる。室内にはテレビがあり、騎手の紹介、パドックの様子、オッズなどが映し出される。これを見ながらマークシートにマークを入れて、廊下にある馬券売り場で馬券を買う。
街には場外馬券売り場があり、自動払い戻し機も設置されている。
「のみやもあるんですか?」とワンさんに聞いたら、「なんでそんなもの知ってるの?」と言われ、絶句。それは私の父が...いえいえ、チョウ・ユンファ主演の「ゴッドギャンブラー」という映画に、のみやのシーンが出てきたのですよ。同じ名前の馬が出走してたので思い出した。
そういうことにしておきましょう。
香港のリーディングジョッキーは告東尼。
この日も8レース中、7レースに騎乗し、第2レースからは出ずっぱりだ。
武豊だってこんなには乗らない。香港の騎手業はハードワークである。
結局1レースも当たらなかった私は100H$ほどをすり、帰りのバスに乗る。
そこでワンさんのフォロー。「競馬の収益金は病院建設などに使われているから、
今日負けた人は香港の福祉に貢献したのだと胸を張って帰って下さい。」そう言えば、
博愛精神”チャリティースピリット”という馬も走っていたっけ。
負けたとはいえ、1日リッチな競馬を楽しめるだけでも価値はある。
日本では、あんな豪華な食事をしながら、冷房のきいた部屋から生の競馬をみることなんて、
この先きっとないだろう。
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