岸里玉出


岸里玉出で2年も暮らしてしまった
ちょっとお気に入りの街だったけど
僕の部屋はどっか別のとこにあったみたい
結局街は知らん顔だった

この街を出てもう1度あの娘と暮らそう

あの仲良しの影は そっちの方へ行ったみたい
岸里玉出にはもういないみたい

公園で暮らすおじさんが腕立て伏せ
その力こぶで街ごと持ち上がったら
こんな風にはならなかった おじさんもそうはならなかった
岸里玉出はあり地獄だった

この街を出てもう1度君と暮らそう
1年前突然出て行っちゃった
あの仲良しの影はそっちの方へ行ったみたい
岸里玉出にはもういないみたい

色々歩いてみた 線路も坂道も
ちょっとお気に入りの街だったから
色々腰掛けてみた 公園も部屋も
でも結局街は知らん顔だった

岸里玉出で2年も暮らしてしまった
ちょっとお気に入りの街だったけど
僕の体はどっか別のとこにあったみたい
結局街は知らん顔だった


おっとせいは中央線に乗って


あと20センチで日が暮れる
あることないこと全部いやになる
たそがれの街にはおしゃべりが響く
たそがれの部屋にはひとりぼっちがいる
僕はおっとせいと話し込んでいた
おっとせいは素敵な言葉を見せてくれるよ
おっとせいは中央線に乗ってやって来て
僕の部屋で熱いお茶を飲んでいる


4杯目のコーヒーを飲み干して
体のなかを夜の色にする
こーもり傘をひらいて夜の練習をする
夕日は夜をかぶっておどけてる
僕はおっとせいと眠り込んでいた
おっとせいは素敵な夢を見せてくれるよ
おっとせいは中央線に乗ってやって来て
僕の部屋で熱いお茶を飲んでいる


そんな所だね東君

それでいて街は今夜 おっぱいを綺麗によせる
気の強い猫と酔っぱらった猿が 腕を組みさまよいたむろする
もし君がかわいい女の子だったら 泣いたって仕方ないよ
これは何かのおまじないですか 星の降る話ですか

たどった糸が切れたところで 僕は気持ちよく踊るつもり
その髪の毛も 帰り道も 僕のものじゃありませんよ
こんなところで会えるなんて 随分適当な事じゃない
これは誰かのケツの穴だよ 今夜僕とつまらなく過ごして見ようよ

鳩尾のあたりを心臓がノックする
今夜僕の体はひどい乗り気じゃないみたい
ペダルを踏み込んで ひどく嫌気のさす住之江の街でも
今夜あたり 思いっきり突き抜けてやろうか

体中の毛を抜け落としても やっぱり僕は猿みたい
靴下やズボンを履いていても あごもペニスもたらしっぱなし
ねえ 君と誰かとその友達と 今夜バカ騒ぎできないよ
どこまでも明けない真っ黒い街の中
僕は東君とバカ騒ぎしていよう



ピノキオ


魔法でもかけられたのかな
みんなの言葉がわからない
何とか言おうとしても
よどむ空気はたったゆがみもしない

唄だけが風の夜 木におでこをくっつけて
Ah 枝にでもなってやろうか


そのうち朝が来て カラスたちが騒ぎ出したら
僕の体は生臭い肉になる
離れたおでこの虚しさのあたりで目を覚ます
ピノキオは首を吊ってしまったらしいよ

唄だけが風の夜 木におでこをくっつけて
Ah 枝にでもなってやろうか
   

君で僕

さびた自転車のうしろ ママを待ってたのは
子供の僕じゃなくて たぶん君だった
小さな街 夕日でびしょぬれの商店街
あの影はどこまでも伸びるよ

ギター弾いて いつか歌ってたのは
薄れてく僕で たぶん君だった
遠ざかる日々 やさしくリボンで結んで
火をつけて キャンドルにした

君の顔も知らないけど あの時のSEX最高だったよ

雨雲かぶってみても 平気だったのは
君が雨雲にかくれていそうだったから
涙のわき出る湖のほとりでは
今も君が 暮らしてるという