スタイルによる違い

野球の投手のように投げ方には色んなスタイルが有ります
投手と同じように大きく分けてオーバーへッド・サイドとその中間のスリークォーターなどがあり
スタイルが違ってもやっていることは同じなのですが少し意識するところが違うのです

では、スタイルによる違いを私なりに説明していきます。

オーバーヘッドキャスト

もっともスタンダードなキャスティングです
どんな入門書やビデオをみてもまず説明されているのがこのキャスティングです
肘は開かずに体に沿うように動かして
肩を中心とした肘の上下により(肘の開閉はあまりしない)ロッドを曲げ
最小限のリストの開閉によりフォロースルーを行うキャスティンッグです

利点は体や腕に回転運動が無いため横方向の乱れが起こりにくく
ループの調整がしやすいが、その反面慣れるまでは非常に窮屈なキャスティングです

悪いところはキャスティングストロークの長さに限界があり(肘の上下では頭までしか動かない)
エキストラロングキャストを行う時や非常にスローなロッドを使用する場合に必要なストロークを
得ることができないことです
ファーストアクションのロッドに向いているのかもしれません

サイド・キャスト

オーバーヘッドの体に対して垂直にロッドを振るのにたしてほぼ水平に振るキャスティングです
この、キャスティングは実際の釣りにおいて非常によく使用します
頭上を樹木にさえぎられていたりした場合に川の上にフライラインを通して
キャスティングをすることが出来ます
また、ラインが低い所を通過する為飛距離がでないように思われますがそんなことも有りません!

注意すべき点は腕を体の横で振るために直線運動では無く円運動になりやすく
ループが横方向にワイドになってしまいます
その様なことが無いように腕の振り方を少し考えなければなりません
腕を後ろからただ単に前に振ると手は円弧を描いてしまいますので肘を体に引き付ける様に持ってきて
体の横をを過ぎるあたりからは今度は手を若干外側に向かって押し出すように持っていきます
外側に向かって押し出すことに違和感があると思いますが腕を振ることによって体(肩)も回転してしまい
普通に前に出すだけではティップ部の修正は十分に出来ません

このキャスティングの利点はラインの高さを比較的自由にコントロールすることが出来
狭い日本の渓流にマッチしていることと、エキストラロングキャストにおいても十分なロッドストロークを
得ることが出来、ショートからロングキャストまで対応できる点です

悪い所はキャスティングが比較的難しい点とバックに背の高い草のどの障害物が有るとできないところです

スリークォーター・キャスト

実際このような呼び方はしないと思いますがオーバーヘッドとサイドキャストの中間的なキャストです
完全なオーバーヘッドキャスト以外の人はこのキャストに入ると思います
見た感じはオーバーヘッドキャストと同じなのですが良くみると肘が体の外側に開いていたり
腕やロッドが外側に傾いています
この外側に開いた肘のおかげで腕を体より後ろに動かすことが出来オーバーヘッドのようなキャスティングストロークではなく
サイドキャストのような長いキャスティングストロークを得ることが出来ます

注意すべき点はサイドキャストと同じようにロッドティップの描く軌跡を意識して
円弧にならないように調整をしなければなりません
たとえば、腕は体の横で振るのですが肘から上は垂直に振るようにするとか
サイドキャストと同じようにストロークの始めと終わりを外側に持っていくことにより修正します

このキャストの利点は野球の投手のように体全体を利用してストロークを稼ぎ
全身のバネを活かしたキャスティングができることですオーバーヘッドキャストに近い為に
習得しやすく利用価値の高いキャストです

すべてのキャスティングについて言える事

結局フライキャスティングはロッド先端(ロッドティップ)の描く軌跡をコントロールすることによって
ループの形や進行方向を操作することです
効率のよいループを作る為に自分のループをよく観察しましょう
ループの形をよく観察することによって自分の悪いところが良くわかります
一人で出来ない時は友達やお店の人に診てもらって悪いところを探し、
より良いキャスティングが出来るようにがんばりましょう

偉そうに書いてきましたが私も今だに新たな発見が有ります
チャンスがあれば色んな人と釣りに行き上手い人と自分との違いを観察してください
新たな発見が自分の世界を広げてくれます

何処かの川でお会いできることを・・・