【おまけ】


あらら・・・来てしまいましたね?

・・って、裏ではありませんから、そういう期待は全くしないで下さいませ(^^;
むしろ、本編のイメージをことごとく崩す代物ですから、
前ページまでのシリアス調を壊さないで!とおっしゃる方は、Uターンしてくださいね〜(笑)
OKよ、なんでも読んであげるわ!という方は、このまま下へお進みください。
ああ、ちなみに、友雅さんとあかねちゃんは甘いまんまです♪

















がさっ・・・がさがさ・・・・・。



「・・・・ちぇっ・・・やっぱりこうなるのかよ・・・・。」

遠目にではあるが、月明かりの中に二人の姿がくっきりと浮かび上がっている。

「良かったじゃない、素直に喜んであげようよ。」

一眠りしたものの、まだ酔いが冷め切っていない天真と、彼の肩を支えている詩紋がひょいと顔を出した。
ひとつのシルエットに溶け合っている二人の影が、とても幸せそうに見える。



「あの方にしては、実に意外な行動形態でしたからねぇ。」

「神子もずっとお辛そうで・・・拝見していて胸のつぶれる思いでした・・・。」

低い姿勢で茂みの中を抜けてきたせいでズレたのか、メガネをちょいと直しながら鷹通が顔を出す。
その横からは、胸の前で手を組み合わせた永泉が、目をうるうるさせながら現れた。
やはり低い木の枝を必死に避けてきたらしく、頭に葉っぱを乗せている。

そして、その二人の上からは、頼久がひょこっと顔を出した。

「これで我々ももう、ヤキモキさせられずにすみそうですね。・・・・失礼・・・。」

ふと目に入った永泉の頭上の葉っぱを、ひょいとつまんで取り除いてやる。

「ほんとに・・・お互いの気持ちに気付いてなかったのは当のお二人だけでしたからね・・・。
かと言って、部外者の私たちが口を出す問題でもなく・・・。
それに友雅殿は神子の話を持ち出すと、途端に不機嫌になられるし・・・。」

その時のことを思い出したのか、永泉の目が違った意味でうるうるし始めた。

「なんで、不機嫌になるんですか?」

それに気付いているのかいないのか、詩紋が無邪気な質問する。

「それは・・・その・・・。」

「それはですね詩紋殿、要するにヤキモチですよ。
他の男が神子殿のことを話題にするのが気に食わないという、ただの我が儘ですね、はい!」

一瞬言い澱んだ永泉の後を受けて、鷹通が単刀直入に説明する。

「わがまま・・・ですか・・・は、はは・・・・。」

同じ白虎の加護を受けたもの同士の気安さからなのかもしれないが、これでは友雅も形無しである。
ここはもう、笑って聞き流すしかない。

「と・・・とにかく、そんな調子なので、神子のお気持ちに気付かせて差し上げたいと思っても、とりつくしまもなく・・・・で・・・。
神子は神子で、やはり友雅殿の話題を出すとすぐに逃げようとなさるし・・・・。」

永泉が、今度は冷や汗を抑えながら、しどろもどろに言う。

どうやら、彼は彼なりにいろいろ頑張ったらしい。
・・・・全く役に立たなかったようだが。

「けっ・・・! そのまま気付いてくれなくて結構だったのによ!」

それまで、おとなしく聞いていた天真が、永泉の言葉をぴしゃりと遮った。
さすがにそろそろ限界に来たらしい。

「天真先輩・・・・////。」

天真の態度に一瞬ひきつった詩紋だったが、気を取り直し、なんとか場を盛り上げるべく皆に話しかける。

「・・・ああ、そうそう! こういうの、僕たちの世界ではハッピーエンドって言うんですよ♪」

その横では、天真が相変わらず不機嫌そうな顔をしていたが、ふと思い出したようにぼそりと呟いた。

「でもよ・・・あかねがいなくて・・・俺達帰れるのか?」

「・・・・え・・・・・。さ・・・さあ・・・・・/// 」


その時、思わず固まった二人の間に、元気のいい少年がいきなり顔を突っ込み、
両手でそれぞれの首根っこを羽交い絞めにした。

「いいじゃん! おまえらもず〜っとこっちに居ろよ!」

「「う・・・うわぁ! イノリ(くん)!」」

「へへ・・・俺らが面倒みてやるからさ! なっ!」

「・・・・・・問題ない。」

そして不意に天真の横に現れる、ポーカーフェイスの陰陽師。

「・・うわっ・・・! お・・大ありなんだよーー!!」

気配を消し去った泰明の突然の出現に、思い切り動揺した天真が、思わず立ち上がって大声をあげた。

「「「 シーーーーー!!! 」」」






「・・・・・・・・・・。」

「友雅さん・・・・? どうかしたんですか?」

「あ・・いや・・・なんでもないよ、ははは・・・。」

こっそりと覗いているわりには、全く隠そうとされていない複数の気配に、思わず引きつり笑いになる。

「・・・・・・・? でも、なんだか顔色が・・・・。」

「・・・いや、気にしなくていいから・・・・余計なことは考えずに、君はわたしだけをみつめていなさい。ね?」

そうささやきながら、友雅は、再びあかねを自分の胸の中へ閉じ込めた。
同時に、八葉たちが隠れている方向へちらりと視線を投げかけ、ふっと笑みをもらす。

「・・・誰にも・・・渡さないよ・・・・。」






「「「・・・・・・・・・・・・。」」」

「なんだか・・・」

「不敵な・・・」

「視線を・・・」

「感じたよな、今・・・ははは・・・」

「あ・・あの・・・やはり・・・お邪魔なのではないでしょうか・・・・?」

友雅からの無言の圧力を感じて、尻込みを始めた詩紋・イノリ・永泉の3人だったが、
酔いの冷め切っていない天真が、その言葉尻を捕えて絡みついた。

「ジャマ!? おお〜ジャマで結構! どうせ帰れないんなら、思いっきりジャマしてやるー!」

「て、天真先輩・・・・! シーシー!!」

「・・・天真・・・そんなに自分で邪魔邪魔って・・・言ってて空しくないか?」

必死に宥めようとする詩紋の横で、イノリが呆れ顔で言い放った。

「う・・・うるせーー!」

「イノリ君ってばっ・・・。と・・・とにかく部屋に戻ろ、先輩・・・! ねっ?」

これ以上騒いでは、あかねにまで気付かれてしまう。
詩紋は、天真を宥めながら、思わず助けを求める視線を泳がせた。
それに気付いた頼久と泰明が、すっと近づいて天真の両脇を固める。

「なんだよ、おめーらっ・・・!」

「天真、酔っ払いの口を黙らせることなど、術を使わずとも容易いが・・・?」

華奢に見えるが、格闘系でも引けを取らない泰明が、返答によっては容赦しない、という姿勢を見せた。

「泰明殿・・・ひとまずこの場は離れましょう。
友雅殿はともかく、神子殿にまで気付かれては、彼女に恥をかかせることになりますゆえ・・・。」

そんな泰明を、頼久がやんわりと制する。

「・・・。そうだな・・・・わかった。」

「なにがわかったんだよ! おいこら、ちょっと待て〜!」

あかねの為という大義名分のもと、天真の言い分をあっさり無視したまま、彼を連れ去って行く二人。
その後ろ姿は颯爽としたものではあったが・・・。

『じゃあ、覗きに来るなよ・・・。 』と、心の中でつぶやく残りの4人。











─────皆の気配が、少しずつ遠ざかる。

「・・・ふっ・・・邪魔できるものなら、してごらん・・・。わたしはそんなに甘くはないよ・・・?」

「友雅さん・・・・・?」

友雅がくすくすと笑っているのを感じ取ったあかねが、ふと顔を上げて首を傾げる。

友雅がさりげなく彼女の耳を包み込んでいたせいで、あかねには先程の喧騒は伝わらなかったようだ。

「なんでもないよ・・・神子殿、目を閉じて・・・。ああ、そういえば・・・先程の答えを聞いてなかったね。」


『わたしを受け入れてくれるかい・・・?』


その問いに、あかねが瞳を閉じつつ、ゆっくりと頷く。
微かに頬が紅潮している。

「いい子だ・・・。」



彼女の柔らかな唇を感じる────。。
その感覚に酔いながら、友雅は心の中でそっとささやいた。




────わたしのことを、ひと時も忘れられないようにしてあげるよ─────。






〜今度こそ、おしまい☆〜






綺麗に(かな?^^;)仕上がった一枚の絵に、無性に落書きしたくなって描いちゃった〜〜!
・・ってシロモノです(爆)

でも、二人の周りにはごちゃごちゃと落書きしたけど、
真ん中のお二人は、頑張って耐えてそのまま残しましたvv
本編での友雅さんがとても儚げな感じになってしまったので、
想いが通じた後の、自信に満ちた姿もちょこっと書いてみたくて☆

あ、あかねちゃんがいなかったら天真君たちも帰れないっていうのは、
適当に流して置いてくださいませ・・・・☆
(実際どうなんだろう・・・?)

それにしても、おまけなのに、前編や後編と同じくらいの長さになるって、どうよ?
って気もしますが(^^;
ともあれ、自己満足全開な作品でした//

(2004.11.11)