ただひとり





川面を渡る風

乱れた髪をかきあげながら

行き交う人々の中

たったひとりを 探す今



町を見下ろす丘

遠く聴こえる 微かな喧騒

いま誰と何してる?

心に在るのは そればかり



いつから臆病になったのか

こんなにも

手を伸ばせば届く幸せ

きっとそこにあるのに



伸ばしきれない手が

宙をつかむ

"今はまだ・・" ひとり佇む

夕暮れの風の中