逢  瀬




ほの暗い灯明が

あなたの影を

ゆらりと揺らす



思わず背を向けたのに

微かに漂うその香が

この身を捕えて離さない



何故・・・?と

戸惑い気味に問う声

憂いを湛えて

見つめるまなざし



切なげなその瞳に

心までもが釘付けとなる



灯明の小さな炎が

ゆらゆら揺れる

心の内を表すように



背中に感じるあなたの気配

近づく衣擦れの音に

呼吸が苦しさを増してゆく



胸の高鳴りを堪えながら

瞳を閉じる



更けゆく宵闇の中




(2004.6.20)