「玄達瀬」遠征 

2001年6月24日(Sun)
TEAM DREAMERの有志四名ジョナサン、堀口氏、浜田氏、吉田氏)が、日本海ジギングの聖地『玄達瀬』へ挑んだ。この地は毎年6月16日から8月15日の二ヶ月間のみ解禁となる聖なる地である。が、近年禁漁期間に海賊的に出漁する船も増加し、今年からそのような船にはペナルティーが課せられることとなった。昔は魚は大きく、数に関しては幾何学的数値であったが、近年ではめっきり「釣り荒れ」が目立ち漁獲量もサイズも大きく減少傾向にある。

本日午前3:10堀口氏が私ジョナサンを迎えに来ることになっていた。いつも堀口氏は早めに来るので私は3:00に表に出て準備万端で待っていた。実は昨夜、仕事の残務整理が終わったのは2:10。私は一睡もする余裕なく徹夜での釣行となったのであった。
 ところが、3:15になっても姿を現さない堀口氏を不信に思い、3:20、彼の母上様には非常に申し訳なかったのですが、もしやと思い真夜中の電話を掛けさせて頂いた。(携帯は電源が切られていた)
 最悪です。「今見てきたらまだ居ます。寝てます。すぐに起こします。」とのご返事。時計を気にしながら彼を待つこと更に20分。遂に彼の登場となった。お巡りさんたちには申し訳ありませんが、このような事情のため舞鶴から小浜まで35分で彼の「カルディナ」は走破! 無事到着かという寸前、吉田氏から私の携帯にコールが入った。「富丸はもう出船寸前だが、大丈夫か?今日乗るん富丸やなぁ」Oh, my god!「 『
天遊丸』ですよ。」、「ほな、探してみるわ。」と、不安を残す会話だった。
 その直後、更なる悲劇が…。私を乗せた、堀口氏運転のカルディナが小浜市内で道に迷ってしまったのである。細い道をUターンし、右往左往しながら何とか4:30出船に滑り込みセーフ!(やれやれ、嫌な予感のする一日の始まりであった。)
 荷物を急いで積み込み、船長に「すみません。遅くなりました。」と大きな声を掛けながらキャビンに入ると、
見慣れた顔の主が「おはようございます。今日は宜しく!」と丁寧な挨拶をしてくれた。それは、な・な・何といつもCSやビデオで見ている天下のグルーパーボーイズ副会長永井誠一氏であった。思わず、「あっ、永井さん!宜しくお願いします。」とだけ言ってあっけにとられてしまった。

天田船長&永井氏 永井氏とジョナサン

天田船長(左)と永井誠一氏

永井誠一氏ジョナサン

 その後、永井氏や天田船長と楽しくワイワイ話しながら玄達瀬へ船出をした。総勢17名。65フィート、巡航25ノットの新造船に生まれ変わった天遊丸実に快適な船になっていた。昨年とは大違いである。(あっ、船長ゴメンなさい)約一時間眠さも忘れて話しに夢中になっていたが、昨年船酔いにノックダウンした私は二の舞を避けるため無理やり仮眠を取ることにした。永井氏もバウのキャビンで爆睡に入った。一時間も寝ないうちにポイントに到着。今日の玄達瀬は雨こそ降ってはいたが過ぎるほど静かだった。そして最後まで静かなままで、青物は全く姿を見せなかった。

  新しくなった天遊丸
  65フィート巡航25ノット
  レンジ・ポット・冷蔵庫付き
  水洗トイレ二箇所、清水完備
  福井県小浜港発

 ナブラは何度も出るがすぐに沈んでしまう小さなものだった。
鳥山もいくつも出たがそのうちの幾つかは小さな飛び魚の群れが飛んでいるのを追ってのものであった。30センチ前後までのソイ、同サイズのガシラ30〜50センチのアコウ、が各々数尾、これが船中全体での今日の釣果だった。他の船もたくさん来ていたが魚を上げる光景は一度だけだった。魚は釣れない。昼前からは、昨夜からの激しい雨も嘘のようにカンカン照り。午後1時、遠くに大きなものが水面を飛び跳ねるのを目撃。何とイルカの大群。1:10分。船長がアングラー一人一人に許可を求めて、小浜沖へ戻ってコマサ・メジロ・サゴシを釣ることになった。「今日の玄達は最悪や。小浜へ帰った方が固い!」と、肩を落とす船長。

浜田氏ソイをゲット

吉田氏アコウをゲット

 小浜沖に戻ってジギングの再開。時間は3:20。5:00までポイントを転々としながら、シャクリ倒したが魚は一尾も現れず、無情の終了コール

ジョナサン

堀口氏

ジョナサンの1ショット

堀口氏の1ショット

 帰港後、アングラー一人一人に「ゴメンな!」と謝りながら船代を集金し、最後の一台が港を去るまで、丁寧にアングラーを見送っておられたのが痛々しかった。

 自然相手だからどんな日もあります。こればっかりは誰のせいでもありません。でも、正直、サゴシにまで見放されたのは悔しかった。
が、しかし、永井氏と一緒に会話をしながらロッドを振れたのは、ブリを釣ったよりも感動的であり、貴重な体験だった。これだけでも18,000円を払い、睡眠不足で出掛けた甲斐は十二分にあった。
 そう感じたのはわれわれ四名だけだろうか。いや、そんなことはあるまい。みんなそう思っているに違いない。みんな船長と永井氏に深々とお辞儀をして嬉しそうに帰路に着いたんだから…。

 永井氏自身、今シーズン玄達瀬6回目にしてイマダ青物に出会えず。
可能な限り日曜毎、青物を釣るまで玄達瀬に通うとおっしゃっていました。
我々素人になかなか釣れなくても仕方ないですね。度々通いパターンの流れを熟知していても難しいというのですから!
 釣果を求めるのも釣りですが、それに至るプロセスを楽しむのも、これまた釣りではないでしょうか。


 最後に、今まであんなに遠かった玄達瀬が最新の船により随分近いものになりました。この記事を御覧のあなた、是非自分の目で玄達瀬を体験してきてください。釣りの本当の楽しさ、海の素晴らしさと神秘をハッキリとお分かりにかることでしょう!