ブリを夢見て


2008年6月1日(月)最近トップでブリ・メジロがよく釣れているというので、それに何とか肖りたいと『アマ〜イ』希望に胸を膨らませ、約3年振りとなるオフショアジギングに行くことにしました。ジギングにいつも同行しているチームメイトとは都合が合わず、残念ながら単独での釣行になりました。

午前7:15に自宅を出発。集合時間の7:30には余裕を持って到着。自分は5分で着けるのですが、出船場所の前島埠頭西端の駐車場には、三重・岐阜・大阪…と、遠方からのお客さんの車でいっぱいでした。皆さん、『日本海』を求めて遠方から起こしなんですね。そう考えると、5分やそこらで行ける自分は恵まれた環境に暮らしていることに、改めて気付きました。「灯台元暗し」とでも言うのでしょうか、近くにいると、そのありがたみをついつい忘れてしまっていのですね。(反省)

今日はスーパーコーリンさんの『アンビシャスV』にお世話になりました。定刻の7:30に氷のサービスを受け(グラスにいれる角氷をスコップでクーラーにたっぷりと入れて頂きました)、料金を納め、釣り座の抽選に入りました。予約順でクジを引き、私は5番目に引きましたが、出た席順は11番目。抽選後、1番を引き当てた人から希望の釣り座を選んでいくのですが、案の定、トモもミヨシもうまってしまい、やっと自分の番が来た際に、まずまずラッキーと言うべき『左舷ミヨシから3番目の釣り座』が確保でき、最悪は回避できました。(でも、コーリンさんではポイントへの付け方から、右舷の方が自分的には経験上、良かったのですが…)ともあれ、荷物を積み込み、釣り座に入り、タックルのセッティングに取り掛かりました。そうこうしているうちに、船長から、「では出発しま〜す!」というアナウンスが入り、19名のアングラーを乗せたアンビシャス号は7:55、まずはハマチ狙いの冠島へ向けて出港しました。

今日は凪で快適です。船も大きく高馬力なので、とても早く着きそうです。マイボートだと1時間はどうしてもかかってしまいますが、8時半ごろ、冠島が見えてきました。

そうそう、今日は『雄島さん参り』の日でした。早朝から漁師の皆さんはお参りになられたことでしょう。天然記念物に指定されているオオミズナギドリが無数にいます。山肌に白点に写って見えるのは、すべてオオミズナギドリです。これが上空に群れをなして飛び回ると、汚い話ですが、フンが雨のように空から降ってきます。幸い、今日は大半の鳥は羽休めの時間のようで、心配はないようです。小さなラッキーですが、これが今日の大きなラッキーの恵みになることを願いつつ、暫し眺めながらポイント向かいました。

8:43、冠島西側のポイントに到着。水深77m付近からスタートフィッシングです。今日はどんよりした空模様のせいか、鳥山が全く見当たりません。当然、ボイルもありません。全く気配のないまま3流し目で、船中1尾目のハマチが右舷ミヨシのアングラーにヒット。狙いがハマチであることを告げられているので、ほとんどのアングラーが100〜150gのショート系のジグをシャクッています。私は赤金のステイジグ130gで始めていましたが、約3年のブランクが早くも腕に重〜くのしかかり、タイミングもイマイチしっくり来ないので、5流し目で18番の平ジグラ100gピンクにチェンジ。ボトムからジャカジャカストップを2セットほど繰り返して10mほど巻き上げたときに、遂に待望のヒット!やはりこのジグは最も使い込んできただけあって、自分に合っているようです。久しぶりのハマチのファイトが、今日の私にはメジロのファイトに錯覚するほどに感じられました。(この余計な錯覚が後の悲劇を生むことになろうとは、この時点では知る由もありませんでした)
元気一杯のプリンプリンのハマチ君を抜き上げ、自分としては大満足でした。
10:25、またしてもヒット。10:30、今度はスローピッチのショートジャークでのヒットでした。そして10:45、またしてもヒットです。ジャカジャカストップを繰り返したために疲れたので、スローに切り替えた途端でした。無意識のコンビネーションジャークによるヒット、と、カッコよく自分内で納得していました。(汗)ヒットは全てアシストフックでした。船長から「食いが渋いのでテイルフックを付けないと食いませんよ!」と言われていたので、途中から素直にテイルフックを装着していましたが、フッキングは決まってアシスト、しかも2本ともが掛かっていました。テイルフックがジグの過度の跳ねアクションを抑えると同時に、魚の尾のように見えていてのヒットだったと解釈すべきなのでしょうか。デコイのツインパイクというこのアシストフック(というよりも、フロントメインフックですが)は、本当にガッチリと魚をよく掛けてくれる優れものです。

製造終了になってしまいましたが、DAIKOハリマオHS−58/4は、100〜150gのジグを軽快に操作しやすく、ティップのしなやかさでバラシを大きく低減しつつも、バット自体には強靭なパワーがあるので、大物から小物までオールラウンドに活躍してくれる、頼りになるロッドです。自分との相性が抜群だっただけに廃盤は非常に残念でなりません。例え廃盤になっても、私の釣行には必ず持って行く1本です。キャスト性能もそこそこですから、遠投を要する状況でもその性能をフルに発揮してくれます。ジャッカーよりも便り甲斐があり、タイドラッシュよりも柔軟な仕上がりが気に入っています。

ハマチを快調に4尾キャッチした後、船中の皆さんにもパタリとアタリが途絶え、移動することになりました。11:30から12:00過ぎまであちこちを船長が懸命に反応を探して探索してくれましたが、結局いい反応に遭遇できませんでした。何度かエンジン音が下がり、「オッ、やっと再開か?」とロッドを手にして立ち上がりましたが、期待空しくエンジン音が加速し、再度座り込むことが何度か繰り返されながら昼食をタイミングよく済ませていたので、12:23、船長の「では、経ヶ岬へ大型狙いに大移動します!」という声が、非常に嬉しく感じました。

1:15、経ヶ岬(白石漁礁)へ到着。しか〜し、鳥の姿が全くありません。そして船長の、「鳥山が出来るまで厳しいですね。それまで適当にやりながら待ちましょう…」という、寂しくも聞こえるアナウンスが流れました。そうこうしているうちに数羽の鳥が飛び交うようになりました。船中では必死にダンシングなど大型ジグを必死にひたすらシャクリ続けるアングラー、インチクやタイラバに切り替えるアングラー、気持ち良く昼寝をしているアングラー、などなど様々でした。

やはりジギングはシャクリ続けてなんぼのものですね。ひたすらキャストし、ボトム着底後高速ジャカジャカストップで頑張っていた右舷ミヨシのアングラーのメジロがヒット。暫くして右舷ミヨシから4番目のアングラーに大型魚がヒット!「重い〜!」と悲鳴を上げながら必死にファイトしておられましたが、立派なブリの姿が見えたころには笑顔満面でのファイトに転じておられました。ネットに収まったブリは97cmの丸々とよく肥えた見事なナイスバディーでした。「おめでとうございま〜す!」

その後、左舷トモから2番目のアングラーに85cmの特大座布団ヒラメがヒット。その後は5:00頃まで、期待の鳥山も発生せず、ヒットもないまま、ストップフィッシングの声がかかり、帰港することになりました。

が、暫く走ったところでハマチのボイル!!!
「プラグを持っているお客さんは前に行って投げてください。口を使ってくると思うので、しっかり投げ続けて下さ〜い!」という船長の力強い声に7〜8人がこぞってキャストを始めました。私も、ヘミングウェイ(DAIKO)のキャスティングモデルのロッドにパッカー(パブリックルアーズ)という140mm53gのポッパー系ペンジルで参戦しました。アンダーショットでのキャストしかできませんでしたが、このタックルでこのプラグ、いい感じで飛距離が出てくれました。でも魚は誰のプラグにも口を使うことなく、すぐに消えてしまいました。今度は右だ、今度は後ろだ…と、暫くキャプテンもアングラーも果敢に挑みましたが、魚に軍配が上がり、「魚が口を使ってくれませんし、これでキッパリと諦めて、今度こそ港へ帰りましょう。お疲れ様でした。忘れ物の内容に帰り仕度をしてください。それと、飛び散った血などはエチケットとして散水ホースの水できれいに流し、船の美化にご協力ください。」というアナウンスが入り、全員、帰宅準備に入りました。

5:27、船は快速でポイントを後にし、6:40、前島埠頭係船所に到着。
午前中の余計な錯覚のせいか、私はブリ・メジロの顔を拝むことなく、ハマチ4尾を持って港に到着し、約3年振りのオフショアジギングの一日は終了となりました。現実は厳しいですね。
でも、負け惜しみではなく、久しぶりのオフショアジギングは本当に気持ちよく、楽しかったです。

ブリ・メジロ様とのファイトは、また次の機会に…。