03秋の第一回講習会

 2003年10月12日早朝5時にジョナサン宅に集合。定刻通りに出発。途中、氷の調達に休日は朝5時から営業している西舞鶴の釣り具店『アングラーズ』に立ち寄り、店のスタッフと少々雑談し、スタッフから激励の言葉を貰って出発。6時半に宮津の養老港に到着。とりあえず乗船予定の三号艇に荷物を搬入し、港で他のアングラーや近江船長らと談笑。先週末テレビで放映された『釣りロマン』アフリカ・ロケから帰国されたばかりの佐々木洋三氏は既に港に到着してタックルの準備や試釣タックルの準備に余念がなかった。が、佐藤統洋氏山本泰之氏は到着が遅れていた。
 出船の7時ギリギリに到着した両氏は他のスタッフと簡単な打ち合わせをされ、すぐに全員集合の号令がかかった。港で一日のスケジュールや乗員スタッフの紹介、参加者の点呼、弁当配りを済ませていざ出陣。参加者は1号艇(山本氏とシマノのデザイナー[ジガー、ステラ担当])、二号艇(佐藤氏)、三号艇(佐々木氏、シマノの開発担当者)の三艇に分乗し、午前の部が開始となった。7時40分、一路冠島周辺に向けて船は快調に進路を取り8時15分に第一ポイントに到着。水深30mのポイントで船のトモでレギュラーサイズのヒラマサがキャッチされた。(8時20分)
ミヨシには第二ポイント到着を和やかに待つホリホリさんの姿があった。しかし、その後いくつかポイントを替えて流すが船中全くロッドが曲がらない。たまに曲がったかと思いきや、同船者同士のオマツリや根掛かり。ヒラマサ狙いだったので、流すポイントは当然のことながらボトムの粗い自然礁帯である。自分たちは右舷に陣取っていたのだが、左舷ではダンシングマジックの240gという巨大アルミジグを水深30m前後で頑張ってシャクッているアングラーが印象的だった。奮闘にもかかわらずそのアングラーはオマツリや根掛かりで一日をおえらえた様子だった。その仲間のアングラーもダンシング150gで斜め引きに奮闘されていた。
他のアングラーは圧倒的にロングジグ愛用者が多かった。水深にかかわらず120〜200gのロングジグ+ジャンボ・シングルフックが主流になっているようだ。ジギング船をしばらく遠ざかっていた自分は浦島太郎状態。ノーマルジグは殆ど使用されていないのだ。流行を実感した。
 この日強く心に残ったのはこのロングジグORダンシングというジグの変遷と船の周囲にゆらゆらと多数漂っていた越前クラゲである。(写真にはハッキリ写っていないのが残念)ものすごい数だった。漁師さんたちも定置にあれがたくさん入って四苦八苦しておられるという話はよく聞いているが・・・。
 元気にシャクッていた若大将も「あか〜ん、どうしょうもないなぁ」と座り込むシーンもちょくちょく見られた。クルーのタカさんもたまにキャビンから出てきて華麗にジグをキャストして軽やかな斜め引きをしていたが魚信は得られなかった。ほんとにタフな海だった。ジグのタイプを替え、アクションを替え、カラーを換え、試行錯誤するがヒラマサは姿を見せない。大小様々の越前クラゲだけはあいかわらず挨拶に来てくれるのだが・・・。
 甲斐なく奮闘し少々疲れ、お腹も減ってきたので午後1時前に蒲入港へ船をつけて一旦上陸。昼食をとり、日陰で講習を受けることになった。
 シマノの山本氏の司会で講習は始まった。近くリリースされる新型のベイトリールやジガー、SWステラの開発における裏話やニューロッドの話が中心だった。途中、場がちょっとしらけたところで佐々木氏のアフリカ釣行の話に移った。ショアから広がる水深5〜10mの遠浅の海でGTが釣れるというのは悪漢だった。さらにその先は一気に水深200〜300mのドロップオフになっていて、そこでは小さな海底のストラクチャーをピンストで狙ってキハダや100kgアップのイソマグロを釣るそうだ。信じられないほどの大スケールで、私の知っている釣りとは別世界であった。
 佐々木氏の話をひとしきり聞いた後、シマノの開発スタッフ(写真中央がステラ・ジガーのメカ担当、右の黒いズボンの方がそのデザイナー)からレバードラグとスタードラグの違いや双方の利点を専門的に話された。が、佐藤氏が「レバードラグの弱点はメーカーの人間は発言できないだろうから俺が言う。俺には言う権利あるだろ?・・・」と、とんだ方向に展開した。更にマーフィックスとの対比に話は進み、参加者のマーフィックス(上州屋モデル)を拝借してフルドラグにするとレバーが非常に硬くなり入りにくくなること、リリーングが重くなることをみんなに体感させて立証された。
 貴重な話の数々を堪能し、午後の実釣開始。午後2時40頃、突然ヒラマサのダブルヒット。自分たちのすぐ後ろにいた佐々木氏のロングジグ(シャウト)、トモ右舷のアングラーのロングジグ(ヒラジグラ)。さらにトモ左舷のアングラー(ダンシング150g)にヒットがでた。船中のボルテージも一気に高揚したが一瞬でヒットは止まってしまった。
 暫くするとジグの後ろからペンペンシイラがチェイスしてくるようになったがヒットには至らない。メーター級ならしも、このサイズのシイラは望みもしないのだが・・・。
 直後、船長からポイントを大きく移動するとのアナウンス。
 ブリ・メジロ狙いの白石へ向かうことに! 途中でナブラを発見し船は急停止。一同キャスト。船長の指示は「表層の魚はヒットしにくいので下へ落として下方に居るメジロ・ブリを狙って下さい!」だったが、ペンシルをセットして船首で構えていたホリホリさんは表層の招かれざる客ペンペンシイラをヒット!笑顔にも精彩を欠いた。このナブラでの唯一のヒットだった。一同ガックリしながら一路白石へ・・・。しか〜し、そこへ無線連絡。「白石にイルカが来襲しポイントはメチャクチャ、釣りにならない・・・。」とのこと。これにはショックだった。やむなく中浜沖をうろうろ探ることになった。
 手を換え品を換え一同奮闘するが、アタリがない。若大将が一度ヒットと同時にライブレイクしたが、そのまま終わりを迎えることになった。ここ数日釣果に苦しかったが、ここまでとは・・・と、船長もガックリ肩を落としておられた。月末から来月にかけてもう一度爆釣が来るだろうとのことなので、またの機会に期待したい。
 釣果はサッパリだったが、一流ジギンガーさんたちから多方面にわたる話を多々聞けた貴重な一日だった。これからもこういう機会には積極的に参加していきたいし、このレポートをご覧に戴いている皆さんにも是非参加して頂きたく思います
近江船長、本日はお世話になりました。
ラインブレイクに天を仰ぐ 本日のカメラマン? マイペースの笑顔⇒ 地球と大格闘!
『釣りロマン』のアフリカ・ロケから
帰国されたばかりの佐々木洋三氏
との記念撮影。貴重なお話をたくさ
んお伺いし貴重な一日を経験させて
いただきました。佐々木氏はトラウト
やショア・シーバスもこよなく愛される
マルチ・アングラーで私も心から尊敬
し、憧れています。

宮津養老港
『ANGLER’S1』さんにて