ロッド指南


1985年に私がルアーフィッシングに出逢った当時は地元には専門店はブラックバス関係が一軒
あっただけで、シーバスに関しては西舞鶴の餌釣り専門ショップのうちの1ッ件にダイワのパシフ
ィックファントムSの振り出しタイプが一本片隅にあるだけだった。しかし、現在では多種多様な
ロッドが手に入るし、通販を利用すれば何でも手に入る時代です。そんな情報も当時に比べると別
世界の如く満ち足りてきました。そこで私が手にしてきたロッドをいくつか指南させて頂きます。

Artesano RA−77(DAIKO)

7.7ftというレングスは、ベイエリアでは非常に扱い勝手が良いです。小
技の利
かせやすいショートグリップ設定であるため、ブランクス実体は実質的
には8ftモデルに迫るレングスになっています。コルク+EVAのグリップ
はフィーリング的にも、ルックス的にも満足のいくものに仕上がっています。
ロンググリップに慣れ親しんでいるユーザーには、若干短すぎるように感じら
れ、敬遠されかもしれませんが、トゥイッチ操作には最適ですし、ファイト時
もグリップエンドを肘下にあてがうようにすると非常にスムーズに扱えます。
やや張り気味のレギュラーテーパーな仕上がりのため、1号以下のPEライン
使用には、キャストした際に、ラインがティップ周辺のガイドに絡むトラブル
に悩まされるかもしれませんので、やや、慣れが必要かも知れません。ロッド
パワーに関しましては、非常に強靭で90UPも全く不安なくヤリトリできま
す。60cm程度までのフッコサイズなら、抜き上げも可能です。それ故、魚
がいとも簡単に寄せらるので、逆に、味気ないという感想を持たれる可能性も
否めません。ルアーウェートは7〜28gの表示になっていますが、40gの
メタルジグのキャストも全く問題なく出来ます。。まさにオールラウンドのマ
ルチロッドと言っても過言ではないでしょう。自分にとっては、ベイエリアの
ランガン釣行には、RA−86Lと共に、最も使用頻度が高くなっています。


Artesano RA−96ML (DAIKO)
デザイナーが代わりコンセプトを一新したダイコーの新作ロッド。とにかく軽
い。従来のダイコーのロッドとは全く別世界の代物と感じる完成度に驚く逸品
です。ティップも非常に柔軟で食い込み抜群。感度がこれまた絶品でルアーの
動きが手に取る様に伝わって来ます。オールチタンガイドも頼もしいですね。
グラム表示は10〜30gとなっていますが35グラム前後のルアーもストレ
スなくキャストでき、使用範囲は非常に広いですよ。一件ベロンベロンに見え
ますがバット部にはボロンがコンポジットされていて95cmのシーバスもグ
イグイと引き寄せた実力は圧巻でした。大河川ではもう少し長さが欲しい気もし
ますが、実際には遠投性が想像以上のものなので飛距離も申し分ありません。
まるで8フィートのロッドを扱っているような錯覚に陥る始末。これから一本
購入をお考えの肩には絶対にお勧めの一本です。バットが玉虫カラーになって
いるのも憎らしい手の凝りようです。 私的には実に気に入ったロッドです。

Artesano RA−86L (DAIKO)

 シャローウェーディング専用モデルとしてリリースされたこのロッドの特徴は、
ルアーウェート表示こそ7〜20gとなっているが35g前後までのルアーが
全くストレスなくキャストできるのに5cm程度の超軽量ルアーもしっかりキ
ャストできてしまうことでしょう。5g前後のジグヘッドも快適に使用できま
す。アクションはレギュラーに設定されていますが、使用感としては完全にフ
ァストテーパーに思えます。しかし、一旦魚を掛けるとカタログ通り完全なレ
ギュラー設定を実感する美しいベンディングカーブをバット部から描き、強靭
なパワーを有するバットがグイグイと魚を寄せてアングラー主体の思い通りの
やりとりが可能となります。グリップも非常に短く良質コルクとエバがコンポ
ジットされたデザインは実に快適です。私は港湾部の陸っぱりで使用していま
すが、飛距離も抜群で96MLにヒケを取りません。バスから転向されたアン
グラーにもこのグリップなら抵抗感も非常に薄いものになることと思います。

Artesano RA−106(DAIKO)
スペイン語で「遠く、彼方に」という意味を持つ”Lejos”、その名の通
り、メタルジグや大型のルアーを、より遠くにキャストするために開発・設計
されたスペシャルモデル。ヘビーウェイトルアーの激しいジャーキングにも耐
え得る強靭なティップからベリー部が特徴。というメーカーの宣伝は正しかっ
たですね。予想以上にキャストしやすいロッドであり、デスペのジグスペと比
較すると幾分軽く感じさえします。ショア青物には最適なロッドであると感じ
ています。28〜80gというキャスティングウェート表示に魅力を感じるア
ングラーも、きっと多いのではないでしょうか。グリップにはエバとラバーの
コンビグリップが採用されていますので、磯場での使用にも安心です。大内径
ティップガイド設定になっているのも大きな魅力の一つではないでしょうか。


TR−C70 (DAIKO)

ルアーウェート13〜50g7フィートのこのモデルはタイドラッシュのキャ
スティングモデルですが、軽いルアーから3オンス程度のジグまで幅広いルア
ーのキャスティングが出来るのが何よりも気に入っています。自重も軽量で持
ち重り感がない。3〜4オンスジグでのバーチカルにも流用できます。ナブラ
撃ちに適するだけでなく、浅場でのキャストしてからボトムまで沈めての斜め
引きにももってこいのアイテムです。
グリップエンドも短めに設定されている
のでトゥイッチも容易です。バットの強靭さは流石はサイドラッシュの兄弟と
いう感じで、メジロをヒットした時も全く不安なくランディングできました。


SPEAR SR−762ML(DAIKO)

港湾部や小河川、河川上流部などそれほど遠投の必要ないフィールドで愛用し
ているロッドです。ショートロッドであることも手伝っているとは思いますが
実に振り抜けがよく、飛距離も十分。ブレもなく狙ったピンスポにキャストで
きます。非常に軽量なので全く疲れないので使用頻度も高まる一方です。ショ
ートロッドの割には張りがあり24gのバイブレーションも楽々キャストでき
ちゃいます。9センチミノーには最適だと思います。ダイコーロッドすべてに
いえることですが、一見しなやかなロッドにもかかわらずバットパワーはホン
トに惚れ惚れします。ファイトに入るとその良さを実感できます。85cmの
シーバスとのファイトにも全く不安感なく対処できましたよ。ティップはしな
やかです。1〜5番のガイド系があと一回り大きくても良かったかも?です。


SPEAR SRB−68C (DAIKO)
スピアーシリーズのライトタイプのベイトロッド。2オンス±1という設定で
非常にティップがしなやかです。しかしバットは実にしっかりしていてパワー
十分。メーカーとしては太刀魚をメインにデザインしたようですが青物にも全
く問題なく対応できます。食い込みの良さは抜群です。更にこのロッドは非常
に軽く感じるのが特徴です。感度抜群でルアーの様子がハッキリとロッドを伝
って手元に感じられます。ガイドがチタンでなくステンレスになったため価格
は非常にリーズナブルでお手ごろです。チタン派には不満材料かも知れません
が、実用ユース優先派には最高にありがたいアイテムであることは確かです。

DESPERADO DSー1102JS (DAIKO)

ショアからの青物をメインターゲットに使用している2ピースロッド。ルアー
ウェート表示は28〜70gとなっていますが、12センチのミノーから3オ
ンスのジグまでストレスなくキャストできます。コルクグリップで握り心地も
良好です。50〜85gのジグをキャストしたときに遠投性能の高さに感動し
ました。実際に使用するまではもっとビシバシのロッドかな?というイメージ
だったのですが、思ったよりも扱いやすいロッドでした。プレミアEXと比べ
ると数段しなやかですね。但し、CPS112Tiまでのロッドに慣れている
自分にとってはかなり重く感じるのが正直なところです。魚を掛けてからのバ
ットのパワーは十分すぎるほどパワフルで魚に主導権を与えず思い通りのファ
イトができます。サーフでのシーバスゲームにも十分使用できると思います。


Cobretty RC63/007(DAIKO)

電光石火−Speed Star−という別名の通り、掛けたら電光石火のや
りとりで魚を寄せるパワーは、バスロッドでありながらシーバスに十二分に対
応します。1/4〜1ozという表示ですが、非常に軽いものから表示以上の
ウェートのルアーも安心して使用できます。ボートシーバスにはやや長いレン
グスですが、慣れれば苦にならない長さでもあります。持った感じは非常にバ
ランスが良いためか、実に軽く感じるロッドです。港湾部のピンスポ狙いのシ
ーバスゲームには非常に重宝するベイトロッドです。ターゲットサイズに関係
なく使用できるお勧めロッドであると確信しています。特にデイゲームには最
適ではないでしょうか。是非、皆さんにもお試しいただきたいアイテムです。

Fuerzas FZ−90LS(DAIKO)

チタンフレームSICガイド、ジョイント部はスピゴットフェルール、エバの
ショートグリップのこのロッドが最上機種に劣らないクオリティーながら、定
価29000円というお手頃価格でるのには驚きです。コストパフォーマンス
抜群のロッドであること間違いなしです。デザインもブラック基調で最高級品
に決して見劣りするものではありません。ショートグリップ採用、軽量設計に
なっていますので、一晩中振り続けても疲れ知らずですよ。トゥィッチやシェ
イキングも思いのまま。スローテーパーな仕上げになっています。ロングキャ
スト性能も申し分ありません。バットパワーも大満足できるものに仕上がって
います。特に、シャローウェーディングには最適なロッドだと感じています。

Fuerzas FZ−106MLR(DAIKO)
チタンフレームSICガイド、ジョイント部はスピゴットフェルール、グリッ
プはエバ。ルアーウェート10〜40g対応のこのロッドは、ノーマルミノー
から2オンス前後のジグまで非常に軽快にキャストできます。アルテサーノの
廉価版的存在のフェルザスですが、その実力はアルテサーノに決して劣るもの
には感じられません。アルテサーノRA106に比べますと、持った感じは非
常に軽量に感じられ、長時間のキャストにも負担を感じないのが気に入ってい
ます。バットパワー的にも、これまでの使用において一度も不安感を頂いたこ
とはありません。ショア青物系にも自信をもってお勧めできるロッドであると
確信しています。めったに店頭で見かけないのが唯一の難点です。シーバス〜
ショア青物まで幅広いジャンルに大活躍してくれること間違いなしでしょう。


プレミア102(DAIKO)
ビシバシカーボンでキャストするとピュンピュンと小気味良い音を立ててくれ
るロッドという感が脳裏に残っています。とにかく硬い。2オンスのジグでも
平気でキャストできてしまうから驚きです。使い道によってはいいかも知れま
せんね。ショートバイトを弾いたり、小型の軽いミノーが飛ばなかったりする
のは避けられませんし、物によって製品ムラがあるようで、私は未経験ですが
友人の何人かは思わぬときに簡単にティップが折れたと言っていました。これ
以来、このメーカーのロッドは使っていなかったのですが、ジギングの方で価
格の手軽さ(割引率も30%は楽勝)からTRVやジャッカーを購入し、使っ
てみたところ非常に心地良く使えるので再びダーコー派になりつつあります。
最近のデスペラードが気になっているのですが、どなたかご意見をお聞かせ下
さいませんか? やはり硬いという評判はありますが、先述のジギングロッド
もそういう定評とは裏腹に魚を掛けてからのシナリ具合は最高ですよ。デザイ
ナーの交代以来、ブランクスも細くなりコンセプトが一新されたと思います。


パシフィックファントムS(ダイワ)
自身のLF人生最初に手にしたロッドで、当時は良いも悪いも関係なく(また
解りもせず)唯一入手できたロッドでした。振り出しタイプだったので、当時
投げ釣りに勤しんでいた私には非常に移行しやすいロッドでした。カーボンの
含有量もそんなになく、乱暴な扱いにも耐えてくれました。よくしなるし、バ
ットの強度も十分だと思います。(3回目の釣行で103センチをゲット。由
良川サーフで30分近く格闘して最後は浜にズリ上げました。)初心者にはう
ってつけのロッドだと思います。価格も手ごろだし。ただ、今思えばナイロン
ラインの16ポンドONLYだったからよかったのかも? 今のようにPEや
ファイアーラインを多用する釣りではあのハードロイガイドではちょっと心配
ですね。ガイドにキズ(溝)が入りライントラブルの原因となること間違い無
しでしょう。でも、正直なところ現行のファントムZよりも気に入ってます。


ラグゼ・ベイシャフト902(がまかつ)
最も長期間使用しているロッドです。購入時、サーフシャフトとどっちにしよ
うかと迷いましたが、サーフシャフトは重いのとグリップエンドが長すぎてウ
ェーディング時に水面を叩きそうだったのでベイシャフトにしました。ティッ
プが太めでズングリムックリなスタイルですが最も凡用性の高いロッドです。
9〜14センチのルアーをストレスなくキャストできるし、ランカーとのファ
イトも全く不安がありません。最もシーバスを多数ヒットさせてくれたロッド
なんですよ。風の便りで近々廃盤になるそうですが残念でなりません。ゴール
ドサーメットリングのsicガイドで錆もなく最高です。 大のお気に入り。

ラグゼ・レンジシャフト116(がまかつ)
これはサーフで14センチミノーを分投げたり、小磯、音海の高い防波堤用に
購入したロッドだが、8〜9フィートを普段メインに使用している私には長過
ぎるし、持ち重りがある。しかし、大型ミノーや2オンスまでのジグを実に小
気味よくキャストできるので使いこなしたらきっといいロッドだと思います。

SPS962Ti(UFMウエダ)
アングラーなら一度は耳にしたことのあるロッドの一本ではないでしょうか?
定評も非常に高く有名アングラーの多くが使用しています。だから購入したん
ですけど・・・(^_^;) 繊細なティップといい、頑強なバットといい、握り易い
グリップ(コルクも最高級なのでボロボロ傷んできません)といい申し分ない
ロッドです。ウェーディング性を追求して創られたそうですが、私的にはもう
少しグリップエンドが短い方がいいと思います。またティップが細いのでアタ
リはどんなに小さくても確実に捕らえられ、食い込みも最高なんですが14セ
ンチ異常のミノーを投げるには心もとない気がします。折れそうです。ランデ
ィングにおいてもブローショットなどと同様にロッドを立て過ぎるとヤバイで
す。流石にウエダ社だけあって修理も迅速ですが、ティップの破損は多発して
いるようで、友人も数多くそのような経験をしています。私は未経験ですが。

CPS112Ti(UFMウエダ)
チタンフレームSicガイドのこのロッドはサーフでの遠投用に購入したロッ
ドですが、11フィートという長さとは思えない軽さは実に驚異的。9センチの
ミノーから2オンスジグまで幅広くルアーを不安感なくキャストできるが何より
も嬉しいです。ティップはSPSに比べるとかなり太めですが非常にソフトでル
アーを弾くことは皆無だし、食い込みも申し分ありません。ベリーからバットに
かけての強さはどんな大物を相手にしても安心してファイトでますよ。但し、デ
ィープウェーディングにはグリップエンドがやや長すぎる嫌いは否めません。 
10フィートモデルよりもこの11フィートモデルの方がバランスの加減なのか
どうかわかりませんが軽く感じます。ウエダのロッドの特徴ともいえる『ロッド
にのせてキャストする』というコツをマスターすれば、驚異的な遠投がいとも簡
単にできてしまうので、キャストが巧くなったと錯覚してしまうロッドです。 


マジスティック802M(カーチス)
濃紺のブランクスが特徴のこの一本は陸っぱりのランガンで最も多用していま
す。グラム表示は28グラムとなっていますが、それ以下で使用されることを
お勧めします。非常によくしなるロッドで、イカのエギングにも使えますよ。
70センチクラスまでとのファイトは問題なしですが、ランカー以上になると
かなり苦労します。可能範囲だとは思いますが、ランカー多発シーズンには使
用を避けています。湾岸で70センチクラスまでが良く出る時にはこれに勝る
ロッドはないです。(私の所有しているロッドでは)安価なので入門にもお勧
めです。最新モデルはブランクスがブラックに変更された聞いていますが、私
的にはこれまでのあのカラーリングが不思議と気に入っているので残念です。


SEASIDE STICK702(ABU)
息子が小3の時に振りやすいようにと選んだ1本なのですが、現在は私がボー
トシーバスやサゴシのキャスティングゲームに使っています。グラム表示は4
分の3オンスとなっていますが、その範囲以内でないと苦しいのが正直な感想
です。見た目よりかは強度もあるのですがシーバスは70センチまでがいいと
ころで、それ以上だといつ折れてもおかしくないほどロッドが悲鳴を上げてい
ます。でも8〜15グラムの極小ジグをキャストするのには最高ですよ。軽い
し、取り回しは言うこと無しだし、ランカーを意識せずセイゴと遊ぶつもりな
ら、このロッドがお勧めです。バイブレーションには荷が重すぎるようです。

SEA BREAKER862F(KENインターナショナル))
ステンレスフレームではあるがオールSicガイドでこの低価格は嬉しい限り
ですね。バラスも最高で一晩中振っても全く疲れ知らずのロッドです。港湾で
の釣りからディープウェーディングに向いています。グリップエンドが短く、
水面を叩くことは皆無。パワーも抜群で60cmをゴボウ抜きしたけれど全く
問題なしでした。そのくせ9センチの軽量ミノーもストレスなくキャストでき
てしまいますから、この性能をもってこの価格はどうにも理解しがたいです。
4万前後のロッドに劣るアスペクトは未だ見つかっておらず、もっと早くに出
会いたかった逸品です。10〜11フィートモデルのリリースが望まれる。従
来のSEA BREAKERよりもこのFモデルは格段の差で改良がなされて
いて、大物狙いのアングラーに是非使用して頂きたい一本だと思っています。