邪道『クルクル』ことMキャンディーの出現を契機に各メーカーから様々なスピンテイルアイテムがリリースされているが、その効果が特徴についてちょっと考えてみよう。自分もこれにはかなりハマッテいて港湾部やボートでのゲームには必携のアイテムとなっている。
1 アピール力
テイルに装備されたブレイドの効果は想像を超えるアピール力があり魚を実に巧妙に惹き付ける。夜間はシルバー、昼間はゴールドのブレイドが一般的とされているがどちらでも大差はないように思う。ボディーはミノーやバイブレーションとは比べ物にならないほど小さいものであるがヘッドからブレイドの末端までがルアーとしてのサイズと考えるべきであろう。ブレイドのキラキラや水流(波動)・音に魚は四方八方から寄ってくる。活性の低い場合やスレた魚には逆に敬遠されるかもしれない。実際スレのが早いように感じている。しかし一旦スイッチが入るとリトリーブ中に何度もアタックしているのでこれはこれで例え邪道となじられようとも最高に楽しいゲームを満喫できる。
昨年(2003年)秋にボートエギングに行ったとき、エギへの反応がなくなったので根魚でもいないかなぁとクルクルをボトムまで沈めてバンピングやカーブフォールで探った後、ボトムから早巻きトレースしたところ、何とそれまで沈黙を保っていたアオリイカがスピンテイルめがけて4〜5杯チェイスしてきたのである。またベイエリアではフグまで興味津々でチェイスしてくるのだから魚たちにとってはたまらないアクションなのであろう。この釣りにも奥深さを感じるのは自分だけだろうか?
2 欠点
このアイテムの欠点はいくつかあるが、最大はフックが小さくバレ易い(ホントによくバレる。50%キャッチできればいい方だろう=自分の場合)。またベイトが使えないのでスピニングで使用している自分の場合ラインにフックが絡むトラブルが多発する。フリーフォールさせると大概発生する。回避策としてテンションをかけながらフォールすることとキャストするときに必ずサミングすることが必要である。ちょっと気を抜くとテイリングのせいで大切なヒットを逃す結果になる。フックをトレブルから四本フックに交換するとバレは激減する。フック自体は細いので簡単に伸されそうだが大抵2本掛かりするのでバレにくくなるのだろう。サゴシにも効果は絶大だった。フックの交換でバレは五分の一以下になった。
3 主なラインナップ
テイルスピンと一口に言っても実にたくさんのアイテムが各社からリリースされている。そんな中から自分が気に入って使用しているものをいくつか紹介しよう。
浅場をはじめ一般的に使いやすいのは15g前後のアイテムである。ロッドを選ばず使えるのが嬉しい。専用にロッドをもう一本用意せずともミノーとの併用ができるのだから。スピンテイルは小型であるがブレイドが回転しているのだからその引き抵抗はかなりなものなのだ。これらを使った後にペンシルなどを使うと引いている感じが皆無に思えるほどその差は歴然としている。
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アトールから出ている クルクル14g |
エコギアから出ている インザベイト18g |
ベイプレスから出ている ワンベイト15g |
アトールから出ている イモ〜ト7g |
もう少し深場を攻めるにはヘビータイプも各種出ている。クルクル38gは材質をタングステンにすることによりサイズは21gと変わらない小型になっている。メーカー各社の苦心がうかがえる。素晴らしい。
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エコギアの インザベイト30g |
アトールの クルクル21g |
デゥエルの ライブベイト24g |
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自分の好きな バイブレーションに ブレイドをセットする オリジナルもイイかも! |
アトールの クルクル38g |
プレスベイトの ワンベイト29g |
楽しんじゃいましょう! |
4 テクニック
最後にテイルスピンの使用テクニックについて。これは簡単!『キャストしてただ巻き』・・・これが一番釣れるパターンだから嬉しいとしか言いようがない。でもコレではルアーに釣ってもらっている感が強すぎるという方にお勧めのパターンをいくつかご紹介しよう。
1 着水と同時にラインスラッグをとってカーブフォール。着底したら少し巻き上げて(ロッドをあおりながら)再度カーブフォール。この繰り返しでOK。
2 カウントダウンによる泳層の変化。カウント数をいろいろ試しながら一定層をステディリトリーブしてヒットの出るゾーンを探る。バイトのあったカウントを覚えておいて再キャストを繰り返す。
3 高活性時には水面を高速リトリーブしてバジング攻撃。これは小型青物のキャスティングゲームにも有効。
いずれにせよバイブレーションと同様に思いのままの層を攻略できるのが最大のメリットである。また上にも書いたように自分のお気に入りのバイブレーションのテイルフックを外してブレードに交換するの面白いと思う。ブレードの種類もたくさんできているので多彩なバリエーションが楽しめる。ブレードにホログラムシールを貼ったりペイントを施すのもいいだろう。関西シーバス研究所の久保さんや藤沢さんがMキャンディークルクルに『邪道』と称したのは明解だ。アングラーが遊び心で邪道的に使いながら確実にヒット率をあげるこのアイテムはアングラーにとって使う使わないは両極化するだろうが、『邪道』大好きな自分には気っても切れないアイテムである。2004年春にはこれらを有効に使用するためにバックラッシュ覚悟でベイトタックル挑戦する予定である。