top / Various / 角藤版 pTeX の Windows へのインストール
はじめに
以下は, アスキー が開発した pTeX 2.x を 角藤さん が Win32 環境(Windows 95/98/Me/NT/2000/…)に移植されたものをインストールする方法をまとめたもので,全くの自分用です。元ネタは日本語TeX情報です。
角藤さんの pTeX 関連バイナリは, Windows の MS-DOS プロンプト(またはコマンドプロンプト)で使うものですが,マウスによるドラッグ&ドロップに対応させることもできます。また,WinShell などと併用すれば Windows 風の操作も可能です。
ダウンロード
ダウンロードは, 角藤さん
のサイトは込み合っていることが多いので,次のミラーサイトのいずれかをお使いください。
実際には全部ダウンロードする必要はありません。一般の用途には次のものだけで十分でしょう。以下のリンクは
Ringサーバ へのものです。
必須
ここまでで約8Mバイトです。
必須ではないがぜひ欲しいもの
本体のインストール
cd \usr\local
texinst733 c:\temp
途中で ,
TAR.EXE: Could not change access and modification times of ...:
Permission denied
というメッセージが出ることがありますが,気にしないでかまいません。
Ghostscript のインストール
http://www.cs.wisc.edu/~ghost/から GNU Ghostscript の最新版を入手しインストールします。
次に環境変数を設定します。その方法はWindowsの種類によって違います。
Windows 2000では, [スタート]―[設定]―[コントロールパネル]―[システム]―[詳細]―[環境変数]
とたどり,ユーザ環境変数のところを見てください。 PATH という欄があればそれをクリックして[編集]を押し,変数値の最後に
;C:\usr\local\bin;C:\gs\gs7.05\bin;C:\dviout
と追加し,[OK]を押します。 「PATH」がなければ[新規]を押し,
「変数名」に
PATH
「変数値」に
%PATH%;C:\usr\local\bin;C:\gs\gs7.00\bin;C:\dviout
を入れ,[OK]を押します。 さらに[新規]を押し,
「変数名」
TEXMFMAIN
「変数値」
C:/usr/local/share/texmf
同様に、[新規]を押し,
「変数名」
TEXMFCNF
「変数値」
C:/usr/local/share/texmf/web2c
「変数名」
GS_LIB
「変数値」
C:/gs/gs7.05/lib;C:/gs/gs7.05/kanji;C:/gs/fonts
※上記で"gs7.05"の部分は下記のGhostscriptのバージョンを入れます。例えばバージョンが"7.10"なら"gs7.10"とします。
C:\usr\local フォルダ以下の中身は68Mバイトになります。このうち,ドキュメント share\texmf\doc は約8Mバイト,ソース share\texmf\source は約7Mバイトで,これらは不要なら消してもかまいません。また,share\texmf\fonts フォルダが22M以上を占めますが,ほとんど使わないフォントも多数ありますので,うまく選んで消せばかなりディスクを節約できます。たとえば EC フォントを使わないなら source\jknappen や tfm\jknappen などは消しても差し支えないでしょう。
これで再起動します。
新ドキュメントクラスのインストール
奥村晴彦さんが作成した新しいドキュメントクラスも入れるとよいでしょう。 jsclasses.lzh をダウンロードして展開し,フォルダごと C:\usr\local\share\texmf\ptex\platex の中に入れれば完了です。
もしファイル名のデータベース C:\usr\local\share\texmf\ls-R が存在するなら,mktexlsr コマンド(あるいは MakeTeXls-R コマンド)でデータベースを更新しないと,新しくインストールしたファイルが認識されません。
dviout のインストール
dvioutとは、Windows(95/98/Me/NT/2000/…)環境で動作する日本語対応の TeX プレビューアです。
ftp://akagi.ms.u-tokyo.ac.jp/pub/TeX/dviout/current_in_Japanese/ から最新版をダウンロードします。XXXXw.lzh だけダウンロードすればよいです。
適当なディレクトリの中で dviout パッケージを展開し,できたフォルダをCドライブの中に移動し,フォルダ名を dviout に変えておきます。ついでに,そのフォルダを開いて,緑のディスプレイの形のアイコン(dviout.exe)のショートカットをデスクトップに作っておくと便利です。
さて,この緑のディスプレイの形のアイコン(dviout.exe 本体またはそのショートカット)をダブルクリックすると,dviout が起動します。初めての起動時には,設定作業が始まります。
以下に述べる作業に失敗した場合は,dviout の Option メニューの Uninstall を選べば,インストール前の状態に戻ります。再度 dviout のアイコンをダブルクリックするところから始めてください。
まず Font path is not set. Install fundamental parameters? と言ってきますので,[はい(Y)]のボタンをクリックします。
標準のプリンタの名前が表示され,デフォールトのフォント解像度(dpi値)や紙のサイズを聞いてきます。プリンタがなければ解像度は標準の 300dpi にしておきます。紙のサイズも標準の A4,縦置き(Portrait)のままでいいでしょう。[Next]ボタンをクリックします。
次に,フォントのある場所を聞いてきます。最近の dviout では標準で次のように入ります(バージョンによって違うかもしれません)。
TEXROOT: ^T\fonts TEXPK: ^r\pk\\^s.^dpk;^r\tfm\\^s.tfm;^r\vf\\^s.vf
ここは何もせず,[Next]ボタンをクリックします。
次(最後)のページでは,[gen]ボタンをクリックし, Automatic search? と聞いてきたら[はい(Y)]を押します。ここで TeX がインストールされていないと失敗します。インストールされていれば,角藤さんの Windows 版 pTeX の標準的な設定なら,たぶん次のように入るはずです(C:\usr\local\bin\mktexpk.exe は部分的に大文字になるかもしれませんが,同じことです)。
`C:\usr\local\bin\mktexpk.exe --dpi ^d --bdpi ^D --mag ^M ^s
この頭に入っているのはバッククォート(`)です。手で書き込む際にはバッククォートを必ず先頭に入れてください。
さらに,もし Ghostscript がインストールされていれば,[gsx]ボタンをクリックしてください。すると,たとえば次のように入ります。
C:\gs\gs6.50\bin\gswin32c.exe
確認
うまくいったかどうか確かめましょう。 dviout の File メニューから Open を選び, dviout のフォルダの中のサンプルの dvi ファイル test_a4.dvi あるいは test_b5.dvi を開きます(またはマイコンピュータからこれらの dvi ファイルをダブルクリックしてもかまいません)。
初回起動時には,ここでフォント生成が始まります。しばらく待つと,たとえば test_a4.dvi なら A4 用紙に印刷するためのテストパターンが出ます。マウスまたは矢印キーで紙の中ほどまでスクロールし,ちゃんと文字が表示されているか確かめましょう。
ここで Cannot resolve Fonts というエラーが出るのは, TeX がうまくインストールされていないか,あるいは dviout インストール時に入力した情報が間違っているためです。もう一度これらを見直してください。
PostScript 画像
dviout と Ghostscript をインストールしておけば, PostScript ファイルを取り込んだ dvi ファイルを表示・印刷することができます。
試しに dviout の GRAPHIC/PS/ フォルダにある epsfdoc.tex を使ってやってみましょう。
このサンプルでは Ghostscript 付属の golfer.ps,tiger.ps を使っています。前者はモノクロ,後者はカラーの画像サンプルです。 Ghostscript をインストールしたフォルダ中の lib フォルダからあらかじめこれらを dviout の GRAPHIC/PS/ フォルダにコピーしておきます。
dviout で epsfdoc.tex を開くと,3ページ目の下に虎の絵が出るはずです。そのままではカラーのはずの虎がモノクロになってしまいますが, dviout の Option -- Setup Parameters -- Graphic -- GIF で BMP を選べばカラーになります。ちゃんと印刷できるか試してください。
dviout の印刷は Windows に依存しており,特に画像の印刷は Windows のバージョンによってトラブルが生じることがあります。うまくいかなかったなら,MS-DOSプロンプト(コマンドプロンプト)で
dvipsk -D600 -Pdl epsfdoc
と打ち込んで epsfdoc.dvi を epsfdoc.ps という PostScript ファイルに変換してから, GSview で開き印刷するか, Adobe Acrobat Distiller で PDF に変換してから印刷してください。
WinShell のインストール
WinShell は TeX の入力とコマンドの実行を簡単にするためのソフトです。好みのエディタでソースを作ってからWinShellで処理するのもよいでしょう。
http://www.ring.gr.jp/pub/text/CTAN/systems/win32/winshell/ からダウンロードしてください(2001年9月21日現在では"WinShell20.exe" )。WinShell20.exe を実行するとインストールされます。 インストーラの質問には [Next] [Yes] [Install] [Finish] と答えてください。
WinShellBugFix.zip をダウンロードし, 展開し,中身を WinShell のフォルダ(標準では C:\Program Files\WinShell)に移動(上書き)します
デスクトップの WinShell アイコンをダブルクリックしてください。言語を聞いて来ますが,とりあえず English を選んでおきます。
起動したら,[Options] - [Font] で日本語のフォント(たとえばMS ゴシック)を選びます。ポイント数は見やすい大きさ(たとえば12ポイント)にします。
次に,[Options] - [Program Calls] で次のように設定します。インストールしたドライブが「C:」でない場合は「C:」という部分を書き換えてください。
[DVI PS] の欄は dvipdfm (C:\usr\local\bin\dvipdfm) を設定してもかまいません。その場合,[DVI PS] ボタンで PDF ファイルが生成されます。
上の左側の窓(プロジェクト窓)はとりあえず使いませんので [×] で閉じます。
使用法は非常に簡単ですので省略します。
※ エディタのマクロを使って処理できるのであればその方WinSellを使うよりもいいかもしれません。
以上で完了です。