top / variety / 学生のための確定申告


1.確定申告とは

もうそろそろ確定申告も終わりです。こんな時にまったくの時期はずれかもしれません。作るのが遅くなりすぎました。まぁ来年には役に立つでしょう。

さて、学生の皆さん、なぜ学生なのに確定申告をする必要があるかご存知ですか? 学生に関して言えば、(扶養家族も配偶者もいなく、自分の医療保険にも入っていない場合)それは、一つの事業所(会社)で

@勤務2ヶ月超
月額87,000円以上

A勤務2ヶ月以内
日額9,300以上

の所得が上がるといくらか勝手に税金として源泉徴収(規定の金額を勝手に引かれるということ)されてしまいます。
これはこれぐらいの所得だとこれぐらいの税金を払う必要があると見こまれて、前もって税金を引いているのです。
この額はある決まりにしたがっているようです。

しかし、1年(1月から12月)単位で考えるとそれまで払った税金は払わなくてもいいものだった、ということがよくあります。事業所(会社)によっては年末調整といって12月頃に申請をすれば事業所がそういったことを全部やってくれます。しかし、年末調整をしてもらわなかった、または、年末調整をしてもらえない場合は自分で税金についての手続きをする必要があります。それが確定申告です。(あくまで学生の観点から見ればです)

もっとも源泉徴収されていないからといって税金がかからないということではありません。
給与合計が年間103万円(保険料などを支払っているとこの基準があがる)を超えると、納税の義務が発生します。天引きされた所得税があるときはそれを清算するため、また、天引きされた所得税がない場合も納税の義務がある場合は、所得税を納めるために確定申告(または年末調整)する必要があるのです。
まあ学生の場合はほとんどの場合税金は返ってくると思いますが。返ってこない人はおかしいです。バイトばっかりしてないで勉強しましょう。ちゃんと学校へ行って勉強しましょう(笑)。

一般に確定申告は税金を返してもらったり、払うために、医療控除の申請、遺産などの臨時所得の報告などいろいろな役目があります。しかしそれらは複雑で学生にとってはほとんどの場合関係ありません。学生に限れば確定申告はそう複雑なものではありません。よってここでは学生の為に必要であると思われるものについて説明します。 これをを見ながらやれば確定申告なんて簡単です。30分もかかりません。これで1万でも2万でも返ってくるのならば安いものでしょう。

さあ!Let's 確定申告!!


2.どのくらい税金が返ってくるか?

まず所得税に関しては年間の給与合計が103万円までの場合は源泉徴収された分が全額返ってきます。(保険料などを支払っているとこの基準は上がります。) 103万円以上の場合、税金は給与合計が103万円を超えた分に対して約10%かかってきます。源泉徴収された分とこの払うべき税金との差額が返ってきます。 ただし、給与が年間100万円(これはあくまで100万円)を超えると住民税を払わなくてはなりません。これは翌年通知されてきます。
年間収入調整のポイント

@年間収入100万円超(103万1円から)で住民税がかかります。

A103万円以上で親の扶養家族から外れてしまいます。また所得税も払わなければなりません。親の扶養家族から外れてしまうと、あなたの年齢にもよりますが親は約6万円多く税金を払わなければなりません。

B130万円以上で親の社会保険から外れて健康保険や年金の保険料を自分で収めなくてはならない。 これらのことからわかるように、学生ならそれほど多くは稼げないのだから、100万円までに押さえておくのがいいかと思います。


3.必要書類


申告書(一般用)
一番上に「平成○○年分の所得税の確定申告書(一般用)と書いてある3枚綴りの書類。 市(区)役所の課税課や税務署などで配布している。
源泉徴収票
事業所(会社)でもらってくる。複数の事業所で働いている人はそれぞれでもらってくる必要があります。ただし、事業所が役所に源泉徴収票を送っていない、つまり、所得が上がっていない場合は必要ありません。
この他に「所得税の確定申告の手引き(一般用)」があったほうがいいでしょう。もちろん印鑑も必要です。


4.源泉徴収票の確認


源泉徴収票を見てみましょう。それぞれの欄を確認します。
種別
給料賞与となっているはずです。
支払い金額
いくらになっているか確認しましょう。
(例)817,973円
源泉徴収税額
ここの金額も見ておきましょう。
(例)23,530円
支払者の横の氏名または名称
勤務先の正式名称です。
(例)株式会社サカイ引越センター


5.実際に書いてみる

申告書の控用をとりはずし、まずは控用に書いていきましょう。 裏の「二面」から書いていきます。
※注意 以下の表は申告書とは異なる点があります。一部省略されたり枠が余分だったりします。  

@所得金額

  種目 所得の生ずる場所 A 収入金額 B 必要経費 C 専従者控除額 所得金額(A - B - C)
給与 給料賞与 (株)サカイ引越センター 817,973     167,973
● 種目
「給料賞与」と書きましょう
所得の生ずる場所
源泉徴収票の「支払者」の横の「氏名または名称」の欄に記載されている事業所の名前を書きます。複数で働いている場合は一番所得が多いところを書いて、他1などとします。
(例) (株)サカイ引越センター 他1
A 収入金額
源泉徴収票の「支払い金額」を書きます。
● B 必要経費、C 専従者控除額
書く必要はありません。
● 所得金額(A - B - C)
「A 収入金額」 - 650,000 をした金額を書きます。
(例)817,973 - 650,000 = 167,973 ここで650,000とは何かというと、基礎控除というもので所得によって変るのですが、皆さんの場合はまず間違いなく65万円です。何百万も稼ぐ人はいないでしょうから。
※控除とは? 税金の対象から引かれるものです。この額が多いと税金を払う額が少なくなります。例えば今、私達は親の扶養家族に入っているわけで、親は扶養控除というものが受けられ、支払う税金がいくらか免除されるという仕組みになっているのです。
 

A所得から差し引かれる金額

車やバイクに乗っている人は保険に入っていると思いますが、「損害保険料控除」というものが受けられますが、「支払額の証明書」が必要で、控除される金額も少なく(千円単位)ほとんど変らなく、手間がかかるのでここでは省きます。

あなたが勤労学生である場合(勤労学生の認定を受けている必要があるかもしれません。そこのところはよくわかりません)で、年間合計所得が65万円以下ならば「勤労学生控除」が受けられますが、源泉徴収されているほどの人がこれに当てはまることは少ないと思うので、省きます。

 

「一面」

B税金から差し引かれる金額




   
 





給与・配当
などの種類
支払者などの氏名・名称 収入金額 源泉徴収税額
給料、賞与 (株)サカイ引越センター 817,973 23,530
給料、賞与

*************

****** *****
       
       

合     計

38       2 3 5 3 0
38のうち、雑所得・一時所得
の源泉徴収税額の合計額
 
38のうち、未納税の源泉徴収税額  
「給与・配当などの種類」、「支払者などの氏名・名称」、「収入金額源泉徴収税額」をそれぞれ記入します。複数で働いている場合はそれぞれ全部書きます。  

C事業専従者

関係ないので無視します

 

D納める税金の計算

  営業   1  
  農業   2  
  その他の
事業
  3  
  不動産   4  
  利子   5  
  配当   6  
  給与           817973 7    167973
  公的
年金等
  8  
その他
 


短期
(ト)
  9  
長期
(チ)
  一時
(リ)
   
  合計   10    167973
        11  
        12  
      社会保険料控除 13  
        14  
      生命保険料控除 15  
      損害保険料控除 16  
      寄付金控除 17  
      老年者、寡婦、寡夫控除 18
19
    0000
      勤労学生、障害者控除 20
21
    0000
      配偶者控除 22     0000
      配偶者特別控除 23     0000
      扶養控除 24     0000
      基礎控除 25    380000
      合計 26    380000
        27     0000
        28    
        29  
        30  
        31  
        32  
        33  
        34
35
 
        36  
        37  
      源泉徴収税額 38    23530
      申告納税額 39   23530
E住民税・事業税に関する事項

上記の通り、赤字で書いてあるように書きます。なお

7の左の817973は@の「収入金額」。7の右の167973は@の「所得金額」、つまり817973から650000を引いたもの。
10の167973は7の右の167973をそのままおろしてきたもの。
26の380000はもろもろの控除を無視しているので(学生だからあんまり関係ない)上の380000をそのまま書く。
38の23530はBの38。
39の△23530は税金が返ってくる場合は計算値が -23530 となるので△23530とする。

これで後は一面一番上の住所や氏名を書き、(書き方は「所得税の確定申告の手引き(一般用)」を参照)

一面一番下の還付される税金(43)の受け取り場所を書きます。なおその右に以下の
赤字ように書きます。

申告納税額 39     △23530
予定
納税額
第1期分 40  
第2期分 41  
第3期分
の税額
納める税金 42  
還付される税金 43     23530

なお銀行や郵便局などの書き方は「所得税の確定申告の手引き(一般用)」を参照してください。

あと
源泉徴収票を張りつけるのを忘れずに。



どうでしたでしょうかか?順を追ってみていけばそう難しくなかったかと思います。これが必要な人がどれだけいるかわかりませんが、これからでも必要になる人のお役に立てれば幸いです。
(11年3月10日)