海上自衛隊舞鶴基地見学

京都府舞鶴市、戦前より続く軍港の町であり、現在も日本海側唯一の海上自衛隊基地にして第3護衛隊群の母港にして、山口県から青森までの広範囲の日本海を警備する舞鶴地方隊の母港でもある。
そして、日本海側唯一の造船所が存在する場所でもあり、現在も様々な船が建造されている。
というわけで2008年10月12日、今年は色々あって近所の基地祭にも行けなかったりしたので、ちょっと寝たとして考えていたドライブがてら舞鶴基地まで足を伸ばしてみた。

舞鶴までは舞鶴若狭自動車道を使えば大阪神戸からもすぐである。そして、現在行われているETCの休日割引を利用した場合都市近郊100km圏内割引を利用すれば、山陽道の神戸北や中国道の西宮北までがその圏内に入り、通常¥2400のところが半額の¥1200で行けるというのが嬉しい。これならガソリン代を合わせても鉄道を使う場合にほぼ等しいが、なにより早いし現場での移動を考えると安く付く。
西宮北から中国道・舞鶴道と走って舞鶴西ICまでの距離は87km、所要時間は1時間少々。空き頃だと篠山付近で渋滞する可能性もあり福知山以北は対面通行になるので少々ペースダウンはするけど、基本的には空いている道なので楽である。そして、舞鶴西ICから海上自衛隊舞鶴基地までは10km少々、15分程度で到着する。
舞鶴基地では、基地祭以外でも基本的に土日祝日などは岸壁を開放しており、停泊している護衛艦のうちどれか一隻の甲板まで上がらせてくれる。但し、状況によって中止される事もあるので、岸壁からのみという場合や開放そのものをしないという場合もあるので注意しておかなければならない。これらは、舞鶴基地のHPで確認しておくと良いだろう。
基地に到着すると、中の駐車場に車を泊め受付を済ませる。といっても住所氏名や車のナンバーを書く程度なので大して時間はかからない。
あとは、首から提げる許可証を貰って岸壁の船を見に行けばよい。

ここからは、グダグダ書いても仕方がないので写真をメインに見ていただいたほうが良い。
この日乗船可能であったのは、第14護衛隊所属の護衛艦あぶくま(DE-229)沿岸用の護衛艦であり対潜任務や日本近海での警備活動を主任務とする。
そして、隣には同じく第14護衛隊のはつゆき型護衛艦みねゆき(DD-124)はまゆき(DD-126)が並んで係留している。

展示している船なので細かい所をいろいろ見ることが出来るが、アスロックや魚雷発射管には実弾が装填されているのを確認できる。
そして、その奥にははやぶさ型ミサイル艇はやぶさ、更に奥には輸送船等が見られた。
はやぶさ型にここまで寄れたのは初めてであるが、やはりこの高速性能の為のウォータージェットエンジンが特徴的である
一方、公開されているあぶくまと逆方向には、第3護衛隊群の艦艇が係留されている。
まず、艦齢35年という古強者ながら未だ現役のはるな(DDH-141)2基の5インチ砲は今では古めかしくも見えるが、ヘリコプター3機搭載運用し、旗艦としても活躍したこの艦の存在感は独特のものがある。
しかし、この船も来年には引退。CICの装備などは、火災事故をおこしたしらねの修理に使われてスクラップになるという。
可能なら機密に引っかかる装備を除去した上で博物館にでもして欲しいところである。
そして、護衛艦としてが現在最大の戦闘艦であるあたご型護衛艦あたご(DDG-177)先の事故で悪い意味で有名になってしまったが、その大きさには呑まれてしまう。
隣は同じく第3護衛隊群所属のあさぎり型護衛艦あまぎり(DD-154)だが、あさぎり型は先に紹介したはつゆき型護衛艦の拡大改良型であるものの、それが小さく見えてしまう。
何より、旗艦用装備の追加で、元となったアーレイバーク級ミサイル駆逐艦よりも2階層分増えた艦橋構造物が浮かべる城砦のごとくそそり立っている。
そして、あたご搭載の公用車は電動折りたたみ自転車。昔みたいにママチチャリではないというのはそれだけの予算がついたのか。部署ごとにも用意されている。
更には、現在海上自衛隊所属艦艇の中で最も大きな船ましゅう型補給艦ましゅう(AOE-425)が係留されている。
つい先日までインド洋に派遣されていたのであるが、流石に1万トンを越えるとその大きさは驚くばかりであるが、喫水線をみるとフジツボなどがビッシリと付着しており、長期航海であったという事が実感できる。
さらにその隣には掃海艇も係留されていたが、少し奥まったところになっていたのとあたご・ましゅうの存在感に隠れたような形となっていた。
そして、対岸では整備中のみょうこう(DDG-175)がいたのだが、その先を見てみると見慣れない形の船が一隻。
オレンジ色の船体に護衛艦のようなヘリ格納庫、妙な形だなと思っていたら思い出す。
あれこそは4月に進水して現在艤装中の砕氷艦しらせ、来年の南極越冬隊がら運用される念願の最新鋭砕氷艦なのである。
建造はユニバーサル造船とニュースで見ていたはずなのに忘れるとは何とも情けない。写真はトリミングしているけど望遠レンズを持ってきておくべきであったと悔やまれる。
他にも整備中のみょうこう。
定期整備なのかMD対応の為の整備なのか。
とまあ、こんな感じで見て回るとほぼ1時間半といったところ。
乗艦できるのは1隻だけだが、なんせ護衛艦が前後に4隻もいると、それだけで500m以上になるわけで、間を取っていることも考えれば移動するだけで結構な距離になるのである。
あとは、売店でお土産などを見ていく程度だが、自衛隊関係のグッズの他は旧海軍からの伝統といった感じでコーヒーや肉じゃが、カレーなどを売っていたりするのはお約束。
最後に、許可証を返却して基地を辞する事となった。
舞鶴基地を見に来たのはこれが2回目なのだが、だんだんと観光地になってきているように見える。
昼までの間に100人単位での入場があったのではないかと思え、実際ツーリングの集団が立ち寄るなんてこともあり、戦闘艦という非日常の存在を見ることが出来る上に無料の観光スポットとしてある程度の人気はあるのではないだろうか。
舞鶴の隣には天橋立で有名な宮津市や若狭湾海水浴場などいろいろ観光スポットがあり、その際に立ち寄る人も多いのであろうと推察するが、ここで海上自衛隊について沢山の人に知ってもらえるというのは悪くない事だと思う。
そして、あとリクエストをするならば、日本海を挟んだ大陸との最前線でもあり、北朝鮮工作船という敵と戦っているのだから、簡単なプレハブでも良いのでパネル展示等の任務についての説明を行う広報施設をここに置いて欲しいところであ
る。
防衛庁・自衛隊 http://www.jda.go.jp/
舞鶴地方隊(見学予定等あり) http://www.mod.go.jp/msdf/maizuru/

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