第3師団創立47周年・千僧駐屯地創立57周年記念行事

2008年、5月18日今年も例年通りに千僧駐屯地で創立記念イベントが行われた。
今回は寝坊して出遅れた為式典が行われる南側スタンド側椅子席は満席となり、グラウンド対面最前列を確保した後、朝食摂るべく北側模擬店へと向かう。
伊丹駐屯地での中部方面隊の式典時と違い、3師団のみである為に模擬店の数も少なめであり、食事類も、普通のお祭りと同じたこ焼き・焼きそば・お好み焼きといった程度であり、それ以外に売っているものはキーホルダーやシャツ、自衛隊限定のキューピーマスコット等であり、これもいつもとそれほど変わらない。
とりあえず、朝食としてたこ焼き・焼きそば・お好み焼きを購入の後、信太山の第37普通化連隊の売店でシャツを購入。背中に文言入りのシャツはなかなか面白いのと着心地が良いので気に入っているのである。他にも第3飛行隊のシャツとかも。
いや、いつも思うのだけど、このノリの良さとかシャツのデザインは隊員が行っていたりとなんとも同人ぽいというか。以前八尾でマグカップを買ったときにおまけで付いてきたステッカーもインクジェットで自作したものだったし。
そんな感じで売店やパネル展示などを一通り見て回るが、パネル展示については特に変わりは無し。また正門横の広報館があり、ここにはいつも61式戦車とOH-6が置かれているのだが、なぜか74式が1輌置かれている。
履帯の錆び方とか車体下に挟まれたへたり込み防止のプレート(油圧式サスペンションの為油圧が抜けると74式はシャコタンになってしまう)を見るとこれは新たに展示用として置かれたのかと聞いてみると不明であるとの事。
そうしている間に時間となった為に、自分の席へと戻り式典の開始を待つ。
式典については例年通り。師団長の式辞に来賓の挨拶や電報取るづくのだが、来賓挨拶にはたまに空気を読まずに飛ばす政治家がいるのだが(偉そうにイラクに行った自慢をする冬ナントカとか、言いたい事はわかるけどもう少しトーンを落とせと言いたくなる西村某とか)今年はそういった変な来賓の挨拶も無く順調に進む。特に塩川正十郎氏は去年にも増して短い挨拶だったし。
しかしそれでも、式典中に体調を崩して脱落する隊員も数人出てくるのである。装備を身に着けているからとはいえ、毎回脱落者が出るのは少し心配。
その後は、例年通りの観閲とパレード、そして、グラウンドへの防水の後式典で一番の見物である模擬戦闘訓練の実演が行われる。
こちらも内容は例年通りでシチュエーションや進め方も同じではあるが、普通科が第7普通科連隊の為か第3武器防護隊の登場はなし。その代わり最後に近接射撃や銃剣格闘、徒手格闘の実演が行われる。
ただ、来賓等を優先している為に全体としてはメインスタンドからが最も見やすいという形であり、対面からだと今ひとつ見難いところがあり、格闘の実演などは殆ど見えなかったりするのである。
ただ、FH-70や74式の射撃については良い位置で見れたし逆光にもならない、また木陰を確保できるという利点も対面にはある。これについては人それぞれであろう。

という訳で、式典は一通り終了。来賓を乗せたバスが出て行くまで時間がかかるが、その後グラウンドに水を撒いて地上展示用のヘリの着陸を待つと共に、体験搭乗やそのほか車両の展示準備が行われる。
展示についても基本的にはいつもどおりではあるが、戦車などについては人だかりとなるものの作業用などの車両についてはそれほどでもない。
そんな訳で、見物しながら隊員の方に話を聞いてみたりしながら展示品を見て回る事に。
で、話を聞けてなかなか面白かったのが92式浮橋
大久保駐屯地の施設隊に配備され、今回の式典で初のお目見えとなった装備であり、トレーラーから水中に投下する事で短時間のうちに展開が可能となる。
複数を繋げて最大107mの橋にする事も動力ボートを使う事で艀のようにして使う事も出来、浮き桟橋的な運用も可能だとか。
使い勝手などを聞いてみると、やはり橋としての性能だけでなく使いやすさも向上しているとの事。
ただ、現状では訓練に使える河川が少なく、比較的近い淀川でも自然保護なの様々な理由で訓練には使用が出来ず、琵琶湖を使う事もあるとか。また、大阪湾で行われる防災訓練でも使用する予定があるとかの話を聞けたが、機材としてはいろいろと興味深いものがあった。
また、96式装輪装甲車の乗員の方に、視界を考えると運転感覚はどうなのかと思い隊員の方に聞いてみると、やっぱり以前のキャタピラ式から装輪式になった為に全く別の感覚になっているとの事。また、路上での使い勝手は良いものの、不整地などになると走破性が劣るとか。いざという時の事を考えると、やはり不安があるとか。。
他にも、UH-1Jのパイロットにいろいろ話を聞いてみると、J型になってパワーも上がっているしいろいろと良くなっているとの事。それに、UH-60には性能で劣るけど操縦感覚はこっちの方が良いというパイロットらしい感想を聞くことが出来たりも。
また、性能向上を図ってもやはり限界があるという話から、計画されている新型とかはやっぱり欲しいかと聞いてみると、「それよりも操縦技術を上げないと」いった答えが。カッコイイ事を言ってくれる。
そんな事ばかり聞いてお前アドこのスパイかと突っ込まれそうではあるが、実際に運用している人の話が聞けるというのはなんとも楽しいものがある。
そして、展示品ではないが面白かったもの、グラウンドには1t水タンクトレーラーが置かれ、スポーツドリンクの粉末を溶かした水が観客のために用意されていた。
グラウンドに自販機はあったものの暑さのために早々に売切れてしまっており、その状況でスポーツドリンクが飲めるというのは非常に嬉しいものがあった。
これは、装備品展示兼給水を行うという事で、装備品の性能を見事に知らせることが出来たのではないかと。
そして、最後にもう一度見て回ると、何故か駐屯地内にHMMWVがいる。
ナンバープレートには海兵隊公用とか書かれているものの、なんとなく違和感があり塗装も妙だし何故か車検証が付いている。そして、横を見ると何故かHUMMERの文字があり、後ろに回ると普通のナンバープレートが。一体どういうこと?
来賓の人なども妙に気になっていたみたいなので、一寸広報の方に聞いてみると、なんでもこのHUMMERは地域協力隊の人の車だそうで。こういうところで見るとなんとも驚かされるというか。
そんな感じで、結局3時ごろまで駐屯地を見て回ったのであるが、いつも通りと思えることのほうが多かったものの、それでも来るたびに新しい発見があるので面白い。
これから秋にかけてあちこちでこのような駐屯地でのイベントがあるので、興味があるのなら行ってみることをお薦めする。
あと、近畿圏のイベントを見に行くのなら、模擬店でいろいろ面白いところがあるが第7普通科連隊はチェックしてみると面白いかもしれない。客引きのセンスはなかなかのものがある。
参考リンク
防衛庁・自衛隊 http://www.jda.go.jp/

見聞録に戻る