八尾駐屯地創立53周年・中部方面航空隊創隊45周年記念行事

11月4日、大阪府は八尾市にある陸上自衛隊八尾駐屯地において 八尾駐屯地創立53周年及び中部方面航空隊創隊45周年記念行事が開催された。
八尾駐屯地は、中部方面航空隊及び3師団隷下の第3飛行隊が駐屯するヘリコプター部隊のベースであり、近畿地方で軍用機の見る事が出来る数少ない施設である。

駐屯地に到着すると開門前から既に行列が出来ている。入場に際しては手荷物検査が義務付けられるようになっているが、これについては昨今の情勢を見る限り仕方がないのこである。
そして、移転した正門だけでなく古い門からも客は入り、椅子席はすぐに埋まってしまう。
普通科等の部隊の式典は、グラウンドで行われるのでグラウンドを取り囲むように雛壇型   の席を仮設する事が出来るのだか、駐機場での式典である為に作る事の出来る席は少ない。そして、どうしても来賓だけでなく地元の協力者などへの招待席を優先しないといけないので、どうしても一般の席は少なくなってしまうのである。
結局仕方がないので立見用の最前列を確保、ジャケットを脱いで場所を取っておいて式典開始まで適当に見て回る。

売店では、各部隊のグッズや飲食物の販売が行われているものの、式典に参加する部隊のブースしかなくスペースも限られている為に規模は小さい。それでも、第5対戦車ヘリコプター隊などのTシャツを購入し、ラーメンやカレーなどを食う。
  
その横では、体験搭乗の抽選申し込みが行われているが、あまりにも人が多いのでこれはパス、その間に展示されている戦車を見に行くが、時間が来たので席に戻ると式典が始まる。
式典は第3音楽隊の演奏と共に各部隊が入場、ヘリコプター隊の駐屯地だけに小銃を持った隊員は少なめであるし、人数も普通科等の式典と比べると少ない。
そして、来賓などの入場と司令官の式辞や来賓の祝辞などはどこの駐屯地も変わらないいつも通りのもの、あえて言うなら議員の祝辞がネタになったりならなかったりするというのが違いといったところか。
 
で、こういうときに困るというか疲れるのは、自分の言葉に酔っている人間。言葉に妙な抑揚がついてくると、もう聴く気をなくす。そしてある意味一番ネタになったのが西村眞悟、いや、タカ派とは聞いていたけどとにかく飛ばす。ただ言いたい事はわかるけど、もう少し冷静にお客さんにも理解してもらえるようにしゃべった方がいいと思うのだけど。
このあとはジープでの観閲が行われ、隊員の退場の後メインイベントが行われる。

既に駐機場など一杯に多数のヘリが整列しているのだけど。音楽隊が演奏をしている間にその離陸準備が開始される。最も数の多いUH-1にOH-6,AH-1、そしてUH-60、OH-1、CH-47がエンジンをスタート、会場に轟音が響き渡る。
離陸準備を完了すると、先頭のUH-1に続き、OH-6が編隊を組んで離陸、その後UH-1、AH-1も編隊を組んで飛び立ち、単機で来ているUH-60、OH-1、CH-47が離陸した。
 
 
その後、大編隊を組んで大きく回り込んで駐屯地上空を航過してから編隊は一度着陸。そしてCH-47を除く各機体が低空での飛行展示を行う。OH-6やAH-1の飛行展示も迫力があるが、何よりここの主役はOH-1。軽快かつ安定した飛行、そして手放しホバリングにはいつもながら驚かされる。
また、UH-1による消火の実演展示は今回あまり見られなかった災害出動に関係の展示となっていたし、UH-60の大きさを感じさせない飛行もなかなかのもの。
 
 
 
そして、ここからはクライマックスの模擬線、37普通科連隊や第3戦車大隊等からの参加もあり、狭いながらも中身の濃い展示である。
まずは、シチュエーションの紹介の後、敵陣とするエリアにOH-6が飛来、続いてOH-1が確認のためにやってくる。
ここで、上空からの確認を終えるとCH-47が着陸し、バイクによる偵察隊が側面に身を隠しながらの走行などを見せ、更に機関銃を搭載した73式小型トラック(ジープ)による地上からの偵察が行われる。
 
続いてはFH-70榴弾砲による制圧射撃に続き、レンジャー部隊によるヘリコプターからのロープ降下と機銃による援護が行われ、AH-1による敵車両への攻撃、そして主力の普通科をUH-60とUH-1のヘリボーンにて展開、一斉攻撃が行われる。
ここでは、74式戦車に87式偵察警戒車、82式指揮通信車や軽装甲機動車だけでなく、先程の73式小型トラックも射撃しながら突入、勿論空砲ながらも74式は主砲による射撃を行っている。
さらにはサービスの為か先ほどの各ヘリコプターまでもが低空で突入するという見せ場まで作っていた。
 
 
このような形で模擬戦闘による訓練展示も終了し、地上展示の為着陸した機体や、八尾空港からの民間機展示などの準備が行われ、各装備品の地上展示が行われる。
しかし、手荷物検査もそうであるが機体周辺にはチェーンが巡らされて昔のようにあちこちを好きに見るという事は出来ない。それに、ここにある機体や車両はもう何度も見ているので、このあたりは軽く流して見て回る。とはいえ、こういったものは何度見ても飽きないのだけど。
しかし、戦車や装甲車には人が群がり好き勝手に子供が登っているのもいつも通り。これだけはどうやっても完全に防ぐ事は出来ない。なんせ数があまりにも多いし。
とまあ、結構のんびりとしたまま13時過ぎには引き上げる事となり、駐屯地を出る事となった。

八尾は会場のキャパシティの限界や、一日中逆光になって撮影などが難しいという点もあるが、飛行を見るというだけなら最前列を取らずとも見る事は出来る。
また、その時になってみないとわからないが展示には災害出動関係の訓練や装備品なども見る事が出来るので、興味があるのなら見に行く価値はあると思う。
なお、交通に関しては直前で八尾駐屯地のサイトを確認して駐車場があれば問題はないもののその台数もそれ程ではなく、最寄り駅のJR志木周辺にも駐車場はあまりないので確実に行くのなら電車を使うのがもっとも確実と言えるが、北大阪からだと乗り換えなどで相当の時間を必要とする場合があるので、よく調べた方が良い。
防衛庁・自衛隊 http://www.jda.go.jp/
八尾駐屯地 http://www.mod.go.jp/gsdf/mae/3d/yao/index.html
 

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