「ショパンもの」発表会は要注意?

~発表会の大詰めには「ショパンもの」を弾く人がいると華やぐね~ というのは、わたしが手ほどきを受けた先生に、昭和60年頃、15年ぶりで偶然お会いしたとき、その頃の先生の教室の発表会について話されていたことでした。「○○もの」というのは、初耳で、ちょっと粋だと思ったのです^^

それより何年も前に、ショパンのワルツ第9番を、わたしがその頃習っていた先生の教室の発表会で弾かせてもらったことがありました。発表会を華やかにするなどという余裕のある話ではなく、わたしにとってクラシックの入口に立たせてもらった会でした。随分と背伸びをしていたので、まあビシバシ手間をおかけしたこと! わたし自身もたいへんでした。でも、当日はそれなりには弾けていたらしく、嬉しい思い出です。

発表会を開催させてもらうようになって、「ショパンもの」でも「ベートーヴェンもの」でも、果敢に挑戦してもらっていた頃がありました。弾けるようになった感動を、生徒さんと共有することは嬉しいものです。弾ければ嬉しい思い出しか残さない・・ そんな風に考えていただけると、グレードアップにもつながると思います。しかし時代の推移でしょうか? いつも楽しげに練習に勤しんでおられるとばかり思っていた人が、意外に限界だったとあとで知ることがあります。当日の演奏は成功であっても、その人にとっては、練習がたいへんだった思い出が大きく残る場合があるようで、これはほんとうに困ったことです。

というわけで、『お温習(さら)い会』を、その都度工夫を凝らしてできるだけ続行したいと思っています。当たり前のように全員演奏者ではなく聴衆希望、もしくは不参加希望も尋ねます。発表会に前向きな方には、合同発表会に参加していただきます。

~今の時代、多くを語り過ぎる指南はNG!~ というのは、習字の先生をしていた叔母が言っていたことです。生徒さんに自主性があることが喜ばしいのであって、昔のピアノ教室は一般的に、スポコン「スポーツ根性もの^^;」が幅を利かせ過ぎていたのではないでしょうか^^;「ショパンもの」への新しい時代の挑み方があるはずですし、そもそも「ショパンもの」へ向かうかどうか、進路は生徒さんのものだと思います。お一人お一人と、よりよくと願いながら、歩みたいと思います。

2016年6月24日
  パスピエピアノと歌の教室