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落旭

題名

落旭 平等という理念について

大きさ

530×455mm(F10)

入札金額

万円

この「落旭 平等という理念について」は「アートオリンピア2015」に出品するために描いた作品です

作品のテーマは以前、私がTwitterで天皇制廃止についてつぶやいた内容を絵画に描いています

「平等という理念からは天皇制は正当化できない 日本だけでなく、世界中の王室を廃止して、選挙による大統領制に移行するべき」

というような趣旨のつぶやきを投稿しました

赤い丸にシルバーの剣のような物が刺さっているモチーフがそれを表しています

またその右下で骸骨が大きな口を開けて赤い丸を飲み込もうとしています

赤い丸の魂は半分、骸骨に飲み込まれています

 私は天皇制は否定していますが、戦国時代や第二次大戦などでの日本人の戦い方はとても評価していて、こういう先祖がいることに感謝しています

特に戦国時代の関ヶ原の合戦での薩摩藩が行った中央突破は戦略的にものちの歴史への影響においても日本の歴史上ほかにないほど重要なものと思っていて

この島津の中央突破を思って2013年9月に読んだ歌が

  虫の音に 思い馳せたり 関ヶ原 薩摩が武者こそ 誉なりけり

また、第二次大戦について勉強してゆくと、玉砕の多さや投降率の低さなどが際立っていて、「薩摩の中央突破」が霞んでくるほど凄まじさを感じます

この日本人の気概があればこそ、あの速さでの戦後復興、先進国への発展を成し遂げられたと考えています

 この作品では丸三角四角の文様に絵の具で下地を塗り、点描で一部は何色かを組み合わせて複雑になるように装飾しています

結局、40色以上の絵の具を使用しました

今後、この「複雑さ」をより掘り下げて、将来的には「超絶モダン」という絵画の分野を開拓していきたいと考えています

また複雑であることは、通貨の偽造防止と同じで、模倣、いわゆるパクリ防止になるのではないかと思っています

多くの色彩を使うことで、この作品は「派手な」仕上がりになりました

金銀も多く使っています

絵画の歴史上、絢爛豪華な作品が多いのは、日本では桃山文化、西洋ではバロック絵画になります

桃山時代とバロック時代に共通することは、どちらも「戦争を経験した後」であるということです

桃山文化は戦国時代、バロック時代は30年戦争のあとでした

ですから、バロック絵画では「ヴァニタス」「メメント・モリ」「カルペ・ディエム」という題材がよく描かれます

そこで描かれるのが「骸骨」になります

人は戦争を経験すると、死というものを身近に感じ「死の覚悟」ということを考えると思います

そして、神を信じる人は生きていることを神に感謝するのではないでしょうか

この作品にはバロック時代のような死生観を描き、骸骨にその意味を込めています

人はいつ死ぬか、わからないので

天皇制廃止を唱える覚悟もこの骸骨に込めて描きました

神への感謝は赤い丸で表現しています

太陽神は世界中で祀られていて、日本で崇められている太陽神は天照大神です

骸骨以外のモチーフはすべて3つの焦点に向かっています

3っつの焦点というのは、私は陶芸家の北大路魯山人を尊敬しておりまして、

魯山人が作った備前焼の作品にある、3っつの丸の文様をイメージしています

上部と右下に描いた線は、この作品を描く前、今年の1月に神戸の夜景を描くため下書きをしていたのですが、

その夜景に高速道路の明かりが線になって浮かび上がっているのをとても美しく感じたので、その線をこの作品に取り入れました

赤色の長方形は、ランダムポインティングの赤色で、この色だけの作品を「ピジョンブラッド」という題名で作ろうかと考えていました

「ピジョンブラッド」とは「鳩の血」という意味で、宝石のルビーの中で最高品質のものにつけられる名前です

白の長方形は「dohzenwhite」という色で、この色だけで現在モダンアートを制作している途中です

「dohzenwhite」は着物に使う織物から発想を得ています

自分としては、以上のような意味や思い入れでこの作品を描いていますが、

この作品はモダンアートですので、どのようなイメージで見てもらってもよいと思います

たとえば、赤い丸の周囲に放射状に延びている長方形や三角と、赤い丸を貫いているシルバーの剣のようなモチーフでヤシの木をイメージしてもらっても良いですし

白い長方形を窓に見立てて、窓からその風景が見えているというイメージでも構わないと思います

(実際、今の題名にする前の仮題は「window No,2」にしていました

 「window No,2」という題名は、今年の2月にこの「落旭」のプロトタイプになる作品「two= first window」(F3)を描きまして、その次という意味で付けました

 「two= first window」は陶芸でよく使われるモチーフの、窓絵をイメージして描いた作品です)

two

また、赤い長方形の中にある黄色やオレンジ、赤の丸が並んで見える部分は、スーパーのフルーツ売り場や、フルーツバスケット、

その左上の緑から青、紫へのグラデーションの部分は、緑の地面から海、空を描いた風景をイメージしても良いと思います

 「死の覚悟」と「神への感謝」を表した骸骨とヤシの木のようなモチーフは、スペースがあれば今後モダンアートを作るときに必ず描きたいと思います

ヤシの木のモチーフに似た形のものがホイッスラーのサインの一つにあったと思います