滋賀県は近江八幡市の旧市街、そこに「トキハ舘」という小さな古い映画館が在ります。その場に遭遇した瞬間、思わず立ち止まり吸い寄せられる...。そんな魅力で溢れるこのトキハ舘は、建造されて半世紀が経過し、80年代後半に閉館したまま10数年間眠ったままでした。オーナーの山本登氏によれば、近く取り壊す計画らしく、何とも惜しい、そんな感想はこの場を見た誰もが感じるはずです。

幾度かの交渉の末、BIWAKOビエンナーレの事務局、旧市街の地域の方々の助力によって、最後には山本氏はその思いを受け取めてくれました。客席100の会場に、今日的な試みとして「映像=光」に関わる非-日常的な映像作品を上映、展示し、同時に過去に上映されていた映画やニュースフィルムを再映写する。現在的で新たな映像体験と地域の人々の過去の映画体験を掛け合わせることで、トキハ舘の半世紀に渡る「記憶」に迫り、かつて視覚文化の中心だった小映画館の今日的な役割や意義を見直し、あらためて「見ること」について再考してみたい、と思っています。

観光都市-近江八幡市にて「光を観る」プロジェクトとして、館内では谷口正博+林ケイタ、小笠原寛夫+藤吉正也による映像インスタレーションの展示、高橋匡太+山中透+カン・コン・スンは光と音のライブパフォーマンスを展開する予定です。その他、会期中、日没後にトキハ舘の外壁に映像を投影する作品、上映会として短編アニメーションプログラム、映像作家の新作プログラム、関西芸術系大学-映像科による選抜作品集など、トキハ館全体を「映像=光」で取り囲む企画です。2004年夏、「Lightseeng〜トキハ舘プロジェクト」にぜひご来場下さい。

谷口正博+林ケイタ