第3回 僕とゲームボーイアドバンスSP 僕、もともと携帯ゲーム機はほとんどやらなかったんです。 初代ゲームボーイとか一応持っていたんだけど 任天堂の「ゴルフ」をちょっと遊んだくらいで、 まぁ、全然やらなかった。 それに当時はスーパーファミコンがあって、 それからセガサターン、プレイステーション、ニンテンドー64ときて、 あと、ドリームキャストなんかもそう。 そういう、ハードとソフトの向上につれて 遊びや表現の可能性がバーッと広がっていく様に ワクワクしてた時代だったから、 「ゲームボーイ、ねぇ?」って感じは確かにあったと思います。 バーチャファイター凄いぜって言ってる横で ポケモンは遊べなかったんですよね。 今から思えば大変な偏見だったんだけども。 で、ゲームボーイアドバンスが出るとか出たとかって時も こっちはプレイステーション2だゲームキューブだ〜と盛り上がってるから 当然見向きもしなかったワケで。 ソフトラインナップもスーパーファミコン時代の 焼き直し作品だらけという印象が強くて、 やらねぇよなって感じだったし。 それに外出先やら移動中にゲームで遊ぶという概念も無かったから やっぱり、携帯ゲーム機は子供のオモチャというイメージでした。 そんな僕が、何故かゲームボーイアドバンスSP(GBASP)には 強烈に惹かれてしまったんです。初見の記事で。 あの、携帯電話を思わせる折り畳み式のデザインとか 任天堂らしからぬカラーチョイスとか妙な高級感とか、 なんかもう、別に遊びたいゲームソフトがあるわけでも無いけど とにかくGBASP本体が欲しくて欲しくてしょうがない状態に陥っちゃって。 とり憑かれたように。 で、飛び付きましたね。 発売日の早朝にお店並んで買ってしまった。 ゲーム関係で並ぶのは十数年前の「ドラゴンクエスト4」以来だから、 まさかまたゲームの為にここまでの愚行?を働くとは 思ってもみなかったんですけど。 でも、並んでる最中に他のお客さんなんかと交流があったり、 無事にGBASPゲットしてから みんなでハンバーガー食べに行ったりして。 まさに一期一会だったけど、それはそれで楽しい経験でした。 ![]() これがゲームボーイアドバンスSP。 限定色ジャンゴレッドは自慢の逸品。美しい! で、GBASPなんですが もう、箱から取り出してグッと持った時の感触からして、違う。 実は普通のGBAも持ってたんだけど、 オモチャ的なデザインと致命的ともいえる画面の暗さに辟易してて ぶっちゃけ、これじゃ遊べないよ!って感じでした。 でもSPは、違ったなー。全然違った。 いままでの携帯ゲーム機に無かった、重厚感というか高級感というか、 …ソリッドな雰囲気? しかも閉じたり開いたり。画面明るいし。 もう、並んで良かった!と。俺は勝ち組だ!みたいな。 そういう、ちょっと頭の悪い充実感を味わうに足る素晴らしさが GBASPにはあったワケです。 GBASPで遊ぶようになってから、 明らかに、ゲームに対する僕のスタンスみたいなものが変わりましたね。 いや、それは、自分のゲームに対する価値観というか 「日常生活におけるゲームの位置付け」みたいなものが ちょうど変わりつつあるタイミングに、合致してただけかもしれないですけど。 テレビの前に座ってゲームで遊ぶという行為が おっくうになってきたというか…まぁ、正直しんどかったりするようになって。 家庭用ゲームの技術革新も行き着くトコまで行っちゃった感があるし、 そこに楽しみもサプライズも得られにくくなると ゲームをプレイすること自体に嫌気がさしてきたりもするワケです。 ただ、僕なんてのは根っからのゲーム人なんで ゲームはやめられないんですよ。 でも、ゲームしたくない。 …という、ジレンマの中にあって、 GBASPは絶妙のタイミングで僕の下に届いたんですね。 シンプル&スタイリッシュなデザインのお陰もあって、 GBASPは電車内でも喫茶店でも 所構わず気軽にピコピコ。 つまり、「生活時間を割いて ゲームで遊ぶ」ところから 「生活の隙間の時間を拾って ゲームで遊ぶ」ところへ行けた、と。 これって、ゲーム好きの大人には革命的だと思います。 実際、電車でピコピコやってる社会人や学生を見かける機会は 格段に多くなったと思うし、 GBASPの売上がいまだ好調なのも うなずける。 いい大人が電車内でピコピコやってる姿は カッコいいか・悪いか?って聞かれると、 まぁ、正直カッコよくは無いと思うけど、 そんな悪くも無いよね、くらいには、なった。 従来のGBAまでなら ありえなかった進歩です、コレは。 ![]() 開くとこういう感じ。非常にシンプル。 当たり前なんですが、 携帯ゲーム機って 寝転がった状態でも遊べるんです。 しかもGBASPはライト付きだから 消灯後の布団の中でも ちょこちょこっと遊んでから寝られる。 これがねぇ……、実に良い。 特にRPGやパズルといったジャンルのゲームは 携帯ゲーム機との相性もバッチリで、まさに寝床の友。 なかなか止め時を見つけられずに長時間遊びがちなのが 困ったところでもあるんですけど。 あと、見た目にはスーパーファミコン並の画像でも ゲームの面白さという部分で なんらヒケをとらない事実に 気付けたのも良かったですね。 ゲームボーイ人気の起爆剤であるところの「テトリス」を見れば 何を今更…って自分でも思うんですが。 ただ、ゲームの本質的な面白さが 美麗グラフィックや複雑なシステムだけに拠るものじゃないことは 携帯ゲーム機に限った話ではなくって。 ここで注目すべきなのは (まぁ、これは僕個人の見解ではあるけども)、 豪華過ぎない 程々に描き込まれたグラフィックや 適度に整理されたシステムまわりなんかが、 携帯ゲーム機のミニマムな佇まいと いい塩梅で融合してるってこと。 最近の家庭用ゲームソフトのこってり感にやられてる身としては、 「今日はゲームやるぞ〜」みたいな気負いも無く 気軽に電源を入れられて いつでもゲームを中断できる、 この付き合い易さが嬉しいワケです。 気付いたら僕の所有GBASPも3つに増えてて、 多分あと2、3個増えるんじゃないかって気はしてるんですけど、 服や靴なんかと同じで 日によって持ち歩くカラーを変えるみたいなね、 そういう楽しみがあるのも魅力のひとつ。 だから、GBASPって単に携帯ゲーム機であること以上に なんだか色々なものをもたらしてくれた感じがありますね。 たかが携帯ゲームだなんて、もう言えない。 GBASP最高! さ、もじぴったん遊んでから寝よ〜っと。 back>> ........................................... ........................................................................ ........................................ |