設計方針Concept  
多聞 地と図 建物のエクステリアは、都市のインテリア 

 まず、私達の設計の仕事はじっくりとお話をお聞きすることから始まります。それをもとに空間のコンセプト(建物を設計するに当たっての方針)を一緒に話し合いながら明確にしていきます。計画全体を通して一本筋を通すことにより、ぶれない空間構成を目指します。
 特に保育園の場合、各保育園にはそれぞれ歴史と保育方針があり、また理想や思い入れも深く感じられます。この作業をしっかりすることにより、それぞれオリジナリティのある魅力的な保育園が完成いたします。
 コンセプトというのは例えば、プチファミーユ(小さな家族・集落)
SKYCAPのように抽象的な事柄であったり、充実した遊戯室明るいランチルーム・レンガの壁等のように具体的な内容であったりします。また、既存の藤棚や樹木を生かして欲しいという既存施設への愛着の場合もあります。

 「図」とは形として認識される部分で、「地」とはその背景となる部分のことを言います。
 しかし、地と図が逆転をしても成り立つケースがあります。有名なものとしては、「ルビンの壷」があげられます。2人の向き合った顔の真ん中に壷が見えるという例のあの絵のことです。見方によって、顔が「図」となったり壷が「図」になったりします。
 さて、この関係を建築で考えた場合、一般的には建物部分が「図」で残った敷地のスペースが「地」となります。あくまでも空間として認識されるのは主に内部空間であり、外部は背景となる部分になるからです。
 これは建物の計画をする場合に、間取りを先行し配置して残った部分が庭や園庭になるケースが多いからです。



 上の図は保育園の建替えの計画で、左がBefore 右がAfterです。コンセプトは「SKYCAP」、「既存の藤の木を残す」、「三輪車道」、「勾配屋根」等になりました。

 「SKYCAP」というコンセプトより、「青空を天井にした保育室=パティオ・散歩道・三輪車道のあるアクティブな園庭」を提案しました。
 外部は背景ではなく十分空間として認識され、なんか面白そうな空間になっていると思いませんか・・・コレ
 散歩道を歩いているこどもたちとデッキにいるこどもたちとの会話が聞こえてきそうでしょう。
 
 建物のエクステリア(外観や外構計画)は、都市全体でみれば都市のインテリアでもあります。
 建物は都市の中に単独では存在しません。
 周りの自然や建物、都市施設といった環境と密接に関係してきます。
 まるでヨーロッパの城塞都市のようにこれだけ街に建物が密集して建つ現在では特にそう思われます。

 建物を設計するときには建物が周りに与える影響をできるだけ考慮する必要があります。

 例えば保育園の設計をする時には、建物の規模としては比較的大きなものになるので子供たちや周囲に圧迫感を与えないように、建物構成をマッシブ(固まり)の部分とそれを繋ぐ抜けの部分に分けたり、建物の仕上げ・形態、スカイラインに変化を持たせることにより、いくつかの建物が寄り添ったり組み合わさったり見えるように配慮しています。
    コレ・・・・   
 また、敷地の境界部分(特に道路側)にはなるべく塀を設けず建物周囲に緑地や樹木を植えたり空間を設けることにより、周囲との一体化を図るとともに地域の環境を改善するように心がけています。
    コレ・・・・    

 建物を建てるときにそのように少しでも周りの環境に働きかける装置(緑地や樹木、空間、外観等)を設けることにより、その地域全体の価値を上げることになり、その結果周囲の建物もそれに合った建物へと変わっていくことが期待できます。
 これらの積み重ねがまちなみの改善や都市の活性化につながるのではないかと考えています。
 そしてこれが、NPO法人「まち・すまいづくり」創設に参加した大きな理由です。

 
会話が聞こえてくる空間
 コンセプトが決まると、それをもとにイメージを膨らませていきます。
 その時意識するのがその空間を利用する人達の物語でありその空間で交わすであろう会話です。住宅の場合は家族の日常会話であり生活です。保育園の場合は園児たちの行動であったり、こども同士の会話です。または、保育士さんと保護者の会話である場合もあります。
 そのためにいろいろな仕掛けを用意します。
 例えば、お迎えのお母さんをいち早く見つける窓であったり、階段の途中から下を覗く踊り場であったり、内緒話をするベンチであったりします。園庭に面したデッキやタイル敷きのホールの渡り廊下、歩道を歩いている人からこどもたちの姿を垣間見る細い窓もそれです。
 使用するほうもイメージが膨らむような空間作りを目指しています。
     
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