
貴方の一族は切られ削られ形を整えられると死んでしまいます。けれど私たちはそうされてはじめて命がやどる。使い古され捨てられて肢が生えて、白寿の宴で舞いを踊る。貴方には想像もつかないでしょうね、私たちの心など。

やさしいうそつきみいんなしんだ
さようならこころやさしいひと わたしになまえをくれた ぬくもりといたみをあたえた せかいがいろづくにつれはいいろになっていったひとびとよ おとうさま おかあさま なかないで めまいがするほど ぼくはしあわせでした ようやっとねむりにつける しどとのなみだを あとはわすれていくだけ

「俺の自慢の息子だ。かわいいだろう。親になると目が阿呆になってそれが何よりすぐれて見える。己の築いたすべての利益をそれに与えて太らせようとする。雛鳥に餌を与えるようにな。飛べるようになるかは二の次だ。味もわからぬ時分に何でもかんでも押し込められたらそればかりの苦しさが強すぎて飢え死ぬ者を見てもわけがわからなくなる。俺たちは胃袋が空っぽになることはない。吐けば吐いた倍を口に据えられる。それがお前たちには羨ましいのだろう、面白いなあ、有るのも無いのも同じことならどちらがいい」「あれか? あれには一度も与えていない。他の子らの残りをくってるのか今まで生きてる。なぜと言われても特に理由はないな。別にあのこでなくても良い。たまたまだ。異質を混ぜてやれば、もし俺の与える餌が毒だとしてもその子は飛び立てる。言うならばそれも親の愛だ。あれは一生俺を恨むだろうが」

あしかが族に関しては後継ぎ放棄したら白い目。タダとみつあきらとか。キカイみたいなタダがふゆにだけは情を持った。ふゆとのかかわりで自我が強くなって兄に逆らったり間違いをおかすようになって白い目も墨を混ぜたようになってくる。「あれは私の仔になり申したもうあなたとは何の関係もない」とふゆに関してはいこじになって兄とけんかするタダ。わしのこじゃ!と怒鳴ってほしい。だからころさないでと命乞いするみたいに。
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かわってくれ。ぜんぶあげるから。わたしはきえるから。ほしがっていたわたしのからだを、わたしのばしょで、かわりにいきていて。おまえのこころなら、きっとうまくいく。
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何度打ち消しても切り捨てても毛や爪や齢のように貴方への想いはあらぬ方向へ伸びるばかり。意味のない無価値なものだとわかっているのになぜこんなにも生きているだけで愚かなのだろう。
一度だけ優しい父親(最初はタダ・だんだんタカになっていく)夢を見てなぜか夢精するふゆの話を。羨望が積み重なりすぎると安直な性欲で昇華せざるおえないくらい精神的に追いつめられてるふゆの話を。わたしは所望する

舌噛んで舌たらずになった故BL閣下のカターあたりを思った自慰とか
貴方の手が霧の中に消えた。私の繋ぐ腕がもげた。歩く葦が朽ちた。歯がこぼれて舌が枯れた。「もうやめよう」心臓が泣き出した。「もうずいぶん前からだめだったんだ」きっとそうだったんだろう。あの霧は私の後ろの目から流れていた。夜になればいいと(朝など来なければいいと)私が思ったばっかりに――!
もう、厭です。頭が痛い。認めたくないのに理解する思想も反感も絶望すら、今の私には要らない。集めて束ねるのをやめてください。私は終わったのだから、このまま虚ろになりたい。
お前の口からの言葉とは思えぬな。やはり魂の流浪が長かったか、それともお前は常にそのような陰を隠していたのか。賢しすぎたお前の愚かな言動が、私は好きだったよ。何も考えたくないというならそうすればいい。お前の脳は拾わぬ。お前の心も半分にしよう。羊水の中私の側でうつつを眺めているがよい

(もしかしたらと考えるのはぼくの悪いクセなんだ。もしかしたらと考えを浮かべることは幸せな証拠だと思うから。そうたとえば、ぼくとあのこが出遭っていたら もしかしたら 共に生きていけたかもしれないと。だってそうでしょう 手が四本あれば何でもできるし、足が四本あればどこへだって逃げられる)
ボクで手打ちにしておくれ。こうなってしまっては父上も長崎たちも抵抗しまい。皆ことごとく自害するまで ならばどうかそっとしておいてほしい。滅びゆく者たちをなぜ痛めつけるのだ。父上たちはそんなにも悪いことをしたのだろうか。ボクにはそう思えない。皆ただ大切なものを守り続けただけなのに。

そこで、私が事切れるまで、見ていてください。
どうか、貴方のこころの色が変わりますように。

貴方を形づくるはずだった魔法は溶けてしまった。氷の城に守られたお姫様(女王になるはずだった心のかけら) 燃えるような恋をして 来るはずのない春を終えた。吹雪は嘆いた。『まだ あの姉弟は 来ないのか?』

「私が立たねば変えられぬ定めか」「一族どこまでも貴方に従いまする」「某の義は鎌倉にあらず!不義を征するは錦の御旗よ」「僕は兄さんと一緒なら地獄でもどこでも…」「皆が笑える世をつくるのはとても難しいですね」「ワーイやったー!これで朕が王様だ〜」「檻から出るか…かわいそうな獣どもめ」
太平鬼無双レッド/ブラック同時発売!大塔宮や高師直は一方にしか出てこないぞ☆2枚目のディスクがあってはじめて登場する隠しルートでレア武器をゲットしよう♪(死ぬはずのキャラが生き延びるかも!?)運命を切り開け!!〜太平鬼無双〜この夏、歴史が変わる…ドォン 南北蝶無双は戦国仕様でもいいし三種の神器を三分割してかがみ北朝おたま南朝つるぎ怨霊のそれぞれにカテゴリ分けしてストーリーすすめていく三国仕様でも私はいっこうにかまわない。
【太平記無双1タカうじストーリー】赤坂攻略戦(正成逃亡)→六波羅陥落戦(仲時益撃破)→(馬鹿犬ムービー)→中先代の乱→湊川決戦(義貞逃亡・正成自害)→京一騎打ち(義貞撃破)→二頭政治エンド
プレイヤーにたで京一騎打ち、他のミッションとか特別恩賞とか捨てたら勝てるけど時間かかったり特別恩賞(伯耆守の敗走阻止)してたら回復アイテムもないし一騎打ちはいったらタカはずっと真・無双のターンだしで難易度★★★★★。タカは一騎打ち拒否れるけど受けたら瞬殺(にたの攻撃はくらったらアウト
脳内で南北蝶キャラが無双するのたのしい。タカは素手で触って咒う 無双○した時のキィンて音の間に武器捨てるモーションがツボはいって成功率低い癖に無駄に乱発する
ごだの武器はリコーダー(笙)でええんとちゃうかな ピ〜ヒョロロロロ すっごい音痴でかわいいの ただ足軽は即死 陣地守護も二撃必殺 武将ですらチャージでハメればクリア失敗 ただ動作はゆっくりでこまいから操作もちょいクセある 防御力めちゃ高い
無双セリフナオの「いただきます」→「ごちそうさまです」は固定。でも明智みたいだな〜「おかわりください」「まだ足りません」「おなかすいたぁ」
トキの武器はわんわんお(通常)狗神(チャージ)イツマデ(無双)自分は何もしない(ノーガード)丸腰(防具はOK)。ただ使役すればするほど勝手にHPへってくから自滅系。「いくさは嫌いじゃ」「いけ」「やれ」「咬み殺せ」「踊り狂え」「いつまでいつまで」→「妖霊星や見える」「終わったか…さあ田楽の続きぞ」
エンキの付随能力は定期的にパーティくんでるテクニカルキャラ(トキとか)の体力全快させる。補助ポジ無双。懐柔してくイメージ根強いから攻撃的やないねん
裏で一族根絶やしにしてるとしても平和主義者ぽい。エンキはお札で治療(※無免許)するのがメインだけどお札さかさにしたら死ニ至ル病って感じで攻撃できる。一時的に操ること(捨て駒化)も可能。カースケは普通に刀で戦うんじゃ フェンシング?リーチカバーで刀がぴゅっと伸びる 屋台のはずれ賞でもらうおもちゃみたいな 攻撃力低いけど使いやすい にたとわきゃだけじゃモリとカネが中ボスでトキがラスボスの鎌倉攻防戦は難しい。あきらは阿斗様みたいな回復アイテム
にたとあきいえの友好度85以上で合流ルート出現
わきゃ(通常)「めんどくさいなぁ」「うざい…」「もうやめてよ」(チャージ)「ああああもうっ!」(無双)「そおだみんな死ねばいいんだ」→「ああ奇麗な景色だなあ」(勝利)「ふふ…兄さんこれで僕ら2人きりだね」
あきらは片手が鬼の手みたいになっててそれでチャージ攻撃/無双 普段は逆手でたどたどしく戦ってるけど全部適応C以下

「一人の命で数万の命が救われるなら私の答えは決まっています」
「そう言い聞かせて、貴方は、死にたくないと泣き叫ぶ自分自身を殺してしまった」

私の脇腹から青白い蝶々が出ていって、貴方の肩に止まっている。
あなたがいるせかいにわたしがいきられないように、私の世界では貴方が生きていけないことを、わかっていました。わかっていました。水の中と空の上、それでも恋うて、人になれば幸せになれると信じて。尾を捨て羽をもぎ、そうして私たちは、どちらともつかぬ地で端から溶けはじめた。

好き 愛してる 大切 欲しい 苦しい 切ない いとおしい 狂おしい 辛い 幸せ 尊敬 羨望 焦燥 Like Love mine 楽しい 嬉しい 死ぬほど 生きた証 若さ 老い 溺愛 盲信 狂乱 懐古 カニバリズム 支配 性交 束縛 解放 両立 手を繋ぐ ■を重ねる 涙を流す 抱擁

雨の日だけにたにおかしくなるタカ。抱いてください(ひとつになりたい) 苦しげな無表情 涙ない目が泣いている 抱きしめる 何を不安に思われるか 我らは同胞 我らは兄弟 ひとつにならずとも拓ける道はいくらでも だから(自分を見捨ててやらないでくだされ) 笑み 眠り 翌日は別人のように
貴方はひとつしかない命を簡単に人に差し出されるのですね。誰にでも…それで信じられると思いますか。貴方の言葉は誠実なのに、嘘と少しも変わらない。いっそ罵倒してください、その方がいくらも楽になる

ゲス← 臭い 匂い 香り →人外

犬小屋、鳥かご、金魚鉢。大切に育ててあげるかわいいこ。僕のそばにずっといてねずっと一緒だよ。逃げちゃだめだよお外は怖い。だめだよあきらめて。死ぬまでここにいるんだよ

「私は間違っていたのでしょうか」
「いいえ貴方は一番正しい道を進んでいました。きっとこの世が間違っているのでしょう、だから、貴方は嘘吐きだ狂人だとおとしめられたのです」
「貴方も狂っているのでしょうか」
「わかりません、それがわからないのが狂人なのです」
食べなくても眠らなくても人に触れられずとも生きていけるけれど 食べたい 眠りたい 触りたいと 思いたくて 私は人に身をやつす。肢が痛い。やはり無理が祟ってしまった。縛られ口から屍肉を流し込まれ。この身はもう枯れるばかり。最後にひとつ伝えておくれ、あの方に。私を人に堕とした彼の人に、
「もし本当のヒトに生まれかわるならば貴方の血を呑む仔になりたい」と

「大殿を敬って崇め奉り盲信した挙げ句に殉死をすることを私は止めやしませんよ。皆それが幸せだとしか思えない単細胞の末裔なんだから。けれど貴方は、貴方だけはそうであってはならない。貴方はあの方の片腹じゃないか。あの方と同じ貴い躰をしている。私は貴方を偽物だとも模造品だとも思わない」「貴方の器に水がない。代わりにあの方の腹の中が膨れている。喉が渇いたと言えばいい。鏡が正反対に動くなんておかしい。それが正しいと思う貴方もこの世界も頭がいかれてる。だからあっちの山は年中桜が狂い咲いてる。ばかばかしくてたまらない!」
愛することも憎むことも悲しむことも笑うことすらお止めになって、ただ生きることを感じられてはいかがですか。何も考えることのない草木は花が咲き果実をつけても喜びもないし、実が腐り葉が枯れても辛くも何ともないのです。すべて忘れて、さあ、お手を拝借。花の朽ちぬ桃源境へ導いてさしあげます。
モモの家はエルフ谷っぽい隠れ里。桃は内丹法で不老長命 外丹法クスは生薬どよは丹薬

終戦の宴会「舞ばかりでは腹が減りましょう。こちらへ座ってくだされ」…「ひのひかりと水さえあればよいと?ならば秋の夜長や曇り日続きでは辛くなかろうか?」「(笑)貴方様らしい。でも心配には及びません。私だってお腹が空けば共食いします。貴方様のように優しくはないのです」
飢えた時、鹿は相手を殺す。馬は相手を生かす=自らを殺す。犬は2匹助かる方法を探す→共に死ぬ。そんな3匹が飢えた時は

チカ卿の最高傑作あっきーえ。モロに壊されたと知って悲しみと可笑しさがこみあげる。愚かな奴、あれで腹は膨れまい。自ら石を呑んだ狼めが
チカ卿は文姦との性取引で自分で書いたこと現実にする(過去改変する)程度の能力をポケモンゲットだぜ

『ぼくがしんだらアナタの口にぼくのハをうめこんであげる。なんでもたべられるようになろうね。』 「どうすればキミをぼくのものにできるの。手をつなげば?口付ければ?結婚すれば?それでもキミは踊り続けるし、ぼくはその苦悩がわからない。このかわいらしい纏足から髪の一筋まで、キミを、ぼくの中にいれたいよ」
私のこの感情をどう加工すれば貴方に美味しいと言ってもらえるだろう。生で食べれば不味くてお腹を壊してしまう。焼きすぎても炭になるし煮込みすぎても泥になる。貴方の好みがわからない。貴方の口に合うように斬り刻んで調味料を混ぜて綺麗に盛りつけたそれはもう私の愛ではなくなっている。もしかしたら私は貴方を食べたいのだろうか。(いいやそんなはずはないけれど)貴方の手や口から産まれる無精卵を四つん這いになってかき集めて、隠れて貪っている私のみすぼらしさを知られたら、見られたら、その目を 私は スープの中に入れてしまう。私の夜食。お腹がいっぱいで朝食が入らない。
「貴方が好きで、愛するほどに執着して、食べたいと思うようになったんです。けれど貴方は私を好きにならないでしょうし、愛などには無頓着で私を土葬しようとされる。これでは私は何のために生まれてきたのかわからない。貴方を食べるためなのか貴方に食べてもらうためなのか。ねえ答えてくださいよ」
(おなかすいたよお おなかすいたよおお)
「食べたくないんです。誰よりも愛してるのに、食べたくない。今まではこんなことなかった。美しい盛りに手に入れたいと、痩せ老いていく様など醜いと思っていたのに、あの人だけは なぜ あんなにかぐわしいのに あんなに艶やかなのに その美しさを失っても そばにいてほしいと願っている私は異常だ」
あなたがすきなだけなのに その正体が説明できない 理由にならない残骸ばかりが転がっている 本当は好きでも何でもないのかもしれない それが事実なら私の血も肉もないものねだりなのだ 私はウソの塊で 貴方は最初から存在しなかった そんな結末! とフォークを振り上げるナオの先にいる人物は、。
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僕に笑いかけてくれたまあるい貴方はもう居ない。四角くなった君もサンカクになっていく君も好きなのに すきなのに どうして僕を忘れてるの?そのこだあれ?あなたの横にいる 楽しそうに笑い合ってる 僕じゃない ぼくじゃない 鏡が割れて すいめんおちた 愛シテイルナラバと 見知らぬ狗が嗤う さあこれで元通り 遭いたかった 本当は全部欲しいけど 約束してくれた小指だけでも ぼくにちょうだい 菱形 ダイケイ 二等辺三角形 疾く 君の仔を宿せないココがお腹空かせてる 舌がカラカラ 捨てるのは勿体ない 髪ノ毛 その一筋 君がほつれて線になる 月の雫に浸して 『イタダキマス』
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ごめんなさいごめんなさいがまんできなかったんですこのままだとびょうきになってしんでしまうと。でもこうかいなんかしてませんあれからおなかがいっぱいでなにもたべたくなくなった。これがまんぷく これがしあわせ。そして、かなしみ。けれどならばそれいがいにほうほうがあったのでしょうか わたくしとあのおかたがふたりのままひとつにならずにすむ方法が、あるわけがない。こうするしか、こうするしか。ならば、あなたさまは?このまま何も喰らわずに生き延びられるとお思いか?この鬼ヶ島で!そもそもすでに何人もいなくなっているその理由を知らぬ振りして、加工された塊を口に入れている
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『死体をなぜ土にうめるの?もったいないよ まだたべられるよ』
ぼくがおかしいの?ぼくだけおかしいの?みんなごはんたべるじゃない たべるためにいねをまくじゃない かれないようにくさらないようにたいせつにたいせつにそだてて みのったらカマでくびをおとすくせに ごはんたべながら みんなぼくをおこるんだ ひとじゃなければなんでもいいひとびとがぼくを
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お肉食べたい。お肉食べたい。お肉おにくお肉おにくおにくおにくおにくたべたいお兄ちゃんが一口サイズに切ってくれるステーキおいしいのトマトと一緒にとろとろスープにしてくれたのももう一回たべたいなおにいちゃんおなかすいたお腹空いたよお 「よしよし」と兄が僕の頭を抱き寄せる。「今作るよ」
おにいちゃん さんぽのじかんなのに○○どこいっちゃったの? 「何言ってるんだよお前が昨日たべたでしょ」
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野菜は栄養価が高いし身体にも良いし身体に不要な汚いものを全部外に出してくれる有益な食べ物なのにそれを食べないで肉ばかり あんなの消化に悪いし胃がもたれて身体も脂がついて血がどろどろになる毒じゃないかそんなものを食べていて幸せになれるわけがないだろう 頭まで肉になって お前は本当にどうしようもない下等な動物だ。一族の恥さらしめ。私たちは墓守 盗人から遺産を守るための石像でなければならない。何 も 食 べ て は い け な か っ た 。現にあの日までお前は砂しか口にしなかった。それが正しかった。最善だった。あの日お前は肉を食べた 果実のふりした赤い肉を。
ちなみになっちゃんは天使だからお砂糖しか食べない

父上は誰よりも素晴らしい。皆の行く末を考え最善の方法を選ばれる、そこにどのような犠牲があろうとも戸惑われない。公私を隔て決して感情的になさらない。人の上に立つ者はかくあるべきだ。誰も父上の代わりなどできない。目先の利害にしか頭が働かない下賤な者共にはわかるまい。嘆かわしいことだ。
皆の恨み辛みを呪(まじな)いにしてその実護るは彼らだ。彼らは踏みしめる土の有り難みを忘れている。河の水が海のように塩混じりでないことの幸せを覚えない。それでも我らが彼らを見捨てず、檻へ餌を与えるのか。土を崩す者、潮を引く者、檻を壊す者が来る。我らは護らねばならぬ、そう、彼らすら。
「あの者たちは己が正しいと思っている。だからあのように強い。そうしていずれ、別の正しい者たちによって滅ぼされるのでしょう。正しさはまこと理の如き」
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貴方は少し人より育ちが遅いだけ。いいえ世の移り変わりが目まぐるしすぎる。遅咲きの花も、私は好きなんです。狂い咲きですら愛おしい。私は、貴方が実らぬうちに枯れ果ててしまうことがおそろしい。私も、どうすれば貴方が正しく腕を伸ばせるのか、口を開けて水を飲めるのか、調べている途中ですよ。

手と足が勝手をし出しましたねぇ」「……」「このままでは頭をもがれかねない。ああ困った」「……」くすっ「体から切り離しなされ。最初は足を、次に両手を」「達磨になりなさい、あの方のように。大丈夫、次の手足が生えるまではまもってあげますよ」

兄さんの言葉。からっぽの本当の嘘。うれしいと思い込む虚ろな脳みそ。後ろの正面誰なのか どうか気付かないで。決して僕のものにならない僕だけの兄さん 心ない愛の行方は絶望の先にしか希望が見えない だから辛いのが幸せでたまんないの
馬鹿と煙は高いところが好きというなら全知全能の神様は土中深くに埋まってるのだろうか。死体のように? それともそんなものは煙のようにありもしないのだろうか。
(どちらかしか救えないとしたらどちらを助ける)「あなたを見捨ててみかどを助けます」(そうだ、いいこだな)あのときの嘘、あなたの笑み、くだらない約束のために今ここにいる
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「兄さ――「来るな!」ビクッ「ここからはお前1人で征くんだ」「……やだ」「」「嫌だよ兄さん、俺は兄さんがいないと何もできないんだ。手で何もできない足でどこにもいけない頭で何も考えられないでくのぼうなんだよ兄さんお願いそんなことはやめていかないでにいさん俺をひとりにしないでよ!」
「すまん。お前がそんな風に卑屈になったのは俺のせいだな。お前の意見もろくに聞かずにお前の手を引いて俺の好きな方へ進んだ。あの時やその時、お前の言うことをきちんと聞いていれば大切なものを失わなかったかもしれない。俺がこうなったのは自業自得だが、お前を巻き込んだことだけが悔やまれる」
(違う。ちがうちがうちがう兄さんは何も悪くない兄さんは誰よりも正しい。だからみんなの穢れを受けて身動きが取れなくなった。そうじゃなかったら泥まみれのあなたがこんなに美しいはずがない。あなたはこんな世界にいるべき人ではなかった。ああ連れて行かれる。わだつみの神があの時の代償をと!)

「飛べぬ龍は何になろう。海ではタツノオトシゴだろうがこの地で我らはウワバミになった。飢えた蛇の牙は自分の尾を喰らう。滑稽だなあ、もりとき、私たちは蛇足でしかない。あるはずのない足でどこへ行ける。我らはこの地で空を見上げるばかりのダルマだ。本当に、足が利く者が羨ましくて仕方がない」
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蜘蛛の糸を切ってまでなぜ戻ってきた。甲斐がないではないか、私はもうお前が誰かも朧気で、お前が私にした今までのことを何も覚えていないのに。蜥蜴の尻尾に心臓をくらわせたようなものだ。のたうちまわりしまいに動かなくなる肉のためになぜ死のうとする。お前は誰よりも生きたがっていたはずだろう
独りだけ助かろうとするから糸は自然に切れました。私が貴方を見限るべきか、彼を裏切るべきだったかは今では詮無きこと。貴方が一切合切を忘れても私は覚えています。貴方の良きこと悪きこと…どちらともつかなきことを、すべて覚えています。そうして私は貴方と少しも変わらないことに気付きました。貴方は蛇足だと言った。私たちは自分の肢で歩けないと、足が羨ましいと。あれだけは偽りでしょう。貴方には視えていたはずだ。あの足は多すぎる。いずれ蠢くように地を這うようになる。それが今の私たちとどう違う。同じこと――変わらないんですよ。美しく澄んだ水も、醜く濁った泥も、味は同じでした。

ふゆに名前も言わずに父親のように優しく接するトキと 悲しそうなあきらの前にひざまずくにたと モトにえぐい昔話改変なしで寝物語にするアリとか おもにトキのせいで養う人にからだをさしだすアングラ作法がみについちゃってタダにはったおされるふゆ
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あんなに真っ暗で何も見えなかった部屋が朝になってすっかり姿を現した。なんてことはない客室のていでただいつも掃除しているその部屋を自分が汚していた。畳ににじんだ染みを見て消えるだろうかとうつむいていたらその人はこちらを見て笑んだようだった。「おはよう」とこちらを向いた顔は以前と同じ優しいもので昨夜の荒々しさは欠片もない。暗闇の中でおきたことは何かの間違いではないのか悪い夢ではないのかと思ったがならば自分がみっともない姿でここにいる理由がなかった。その習いはここに入り何度も受けたが昨夜は何かがおかしかった。この人だとも人間だとも思えない。人の肌ではなかった。触れて確かめたいと思ったが高貴な方に手を伸ばすことなどできず、茶を用意しようと寝床に埋もれた着物を掴み羽織る。ポツと何かが下に落ちた。それを見る。透明な葉のような形でつまみあげると少しざりとした。振り返るとその人は再び寝入っていた。部屋を出る。朝の寒さが薄着にこたえた。中庭を掃除している他の子が私を呼び止める。話していると手に摘んだままのそれを見てその子も怪訝な顔をした。「鱗だ」――再びその部屋に戻った時にその人はいなかった。羽織が残っているのだから戻ってくるだろうと思ったが、羽織に描かれた模様のひとつがないのをみて、もうかえってこないのだと思い直した。
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「覚えていますかあの日のことを。私が三途の川で溺れて沈んでいくところを貴方が引き揚げてくださった。私の命を拾った代わり、貴方は底に大切なものを落としてしまった。私は何度も謝ったけれど、本当は、欠落した貴方をとても美しいと思いました。三日月のように笑う貴方を愛おしいと思いました。」
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溺れてもがくこともしなかったわたしを、あなたが引きあげてくださった。あなたの落とした大切なものが水の底で光っている。夜にそれはいっそう美しい。
波打ち際にたたずむ彼の背、何かを考えている横顔を見ると胸が重く詰まってくる。罪悪感や後悔と似ていた。けれどそれを認めるわけにはいかない。彼に助けられなければこの心臓は水の底。
「△△殿?」彼が私に気付いて驚く。逢魔が時に供もなく立ちすくむ私はさぞ頼りないことだろう。「なぜこんなところに」「▼▼どのこそ、どうしてこんなところにいるのですか」頼りない姿(それ)は彼も同じだった。「……呼ばれた気がしましてな」彼が笑う。だれに?(何に?)「いいえ。気のせいです。いや、恥ずかしい。本当は散歩をしていました。この浜の潮は夕日が映えます。気が付くといつもここにいるのです」踵を返して海に背を向けた彼が私の元に歩んだ。「さあ、帰りましょう。皆が貴方を待っていますよ」その手を取ろうとして、また心臓が沈む。貴方が失ったたいせつなもの。今も溺れる貴方の心。本当は私がそうなるはずだった。本当に皆が待ち望んだのは私ではない。
「ごめんなさい」「?」「こんなつもりではありませんでした。私はただ、水の中で息をする魚が羨ましかったのです。あれらのように自由に泳ぎたかった」
(でも魚になったのは私ではありませんでした。)
彼が膝を折って私の目線に合わせる。「幼い貴方の身にこの世のなんと重きこと」彼の掌が私の指に触れた。「けれど希望に満ちるこの手のなんと尊きか。貴方でなければならなかったのです。他の誰でもない貴方でなければ」「……」「貴方が私に謝ることなど何もないのですよ」彼の手が導く。あの時のように、海から陸へ。夕日に背を向けて夜へ進む。「これは私が選んだ道でもあります」彼は言う。「もしかしたら貴方は望まなかったのかもしれない」「なにを」「私も、」陸で生きること。海から遠い地に住みあの日没を忘れること。「私も魚になりたいと思ったことがあるのです」
夜空の下・土の上で貴方が笑う。誇らしげに、悲しそうに、まるで三日月のように。きっと私たちが出会い言葉を交わすのはこれが最後になるだろう(実際しばらくして貴方が海のない土地に赴いたことを知る。)私たちは魚になりきれなかった。陸で苦しみ海を畏れ、どちらにも還れぬまま天に召されるのだ。
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「おにいちゃんのゆめっていつもうみのそこだね すきなの?」
「…ああ、ここがいちばんおちつく」
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お前は私の古い友人に似てきたね。どうしてだろう お前はあの人たちに会ったこともないのに…私があの人たちに憧れていたからだろうか 私があの人たちを屠ったからだろうか

松の木は心を削ってその大人を助けたのに小さく子供になった時それを覚えていませんでした。楠の枝には水をあげて、松の木には火をかけました。灰になった松の木を掬ったのは2匹の雉鳩でした。「私たちはお前の優しさを知っているよ。立派な巨木は燃えたけど、お前の貴い心はこの灰にすら宿っている」「どうしてそんな親切なことを言ってくれるのですか。私は皆に忌み嫌われた呪い松です。枝に触れれば赤く腫れ、下を通れば道を迷わせると言われます。私はそんなつもりはないけれど、せめてもの罪滅ぼしにと人助けをしただけで、見返りを求めたわけではありません。灰になって良かったとすら思うのに」「呪い松と言うのは人間、言われたのは貴方だ。呪われたと思い込んだのは人間、呪ったと思い込んだのは貴方だ。けれど貴方はあるはずのない罪を償った。罰は人間に下る。これでは本当の呪いになってしまう」「さあ、楠が枝を貸してくれた。貴方にはもう一度松の木になっていただこう」こうして松の木は一夜にして元に戻った。燃やしたはずなのにと大人たちはますます気味悪がったけれど、子供になるにつれて忘れてしまった。赤い松ぼっくりが地面に落ちる。拾う子供の小さな手は、かわいそうに、痛々しいみどり色。(これでよかったのだろうか?)あの日の雉鳩はもうどこにもいない。

かみさまの ての 小指の爪ほどしかないこの国を 代々治める貴い一族がおりました。その一族は他の動物から見えぬように何重にも覆い被された箱の中におりましたが、そこから翌日の天気をぴたりと当てたり、海の足が土を削る時をずらしたり、とても不思議な力を持っていました。けれどそれは彼らが神の御落胤の名残で、ひとつまたひとつと玉が遷るたびに力は弱く光は暗くなっていきました。そうしてやおよろずの後に生まれた玉はぱっくりと2人に割れました。彼らは手を取り合い嘆きましたがもうどうしようというのでしょう。忘れたくないとひとつが言えば、忘れたいともうひとつが首を振りました。「ならば頭を私にください。貴方には足をあげましょう。貴方は深く考えることができなくなりますが、どこでもいける足を持つ。私はここで動けないまま、時折貴方に話しかけます。貴方が崖から転がり落ちないように、怖い夢に怯えないように。貴方が、」「」「忘れたことを忘れないように」 2つに割れた玉はそれでも上手に転がりました。次の玉から何事もなく丸くなり、その国に2つあるべきではないものがあることになりました。晴れた天気が雨になったり、雪が逆さに舞い上がったり。動物たちは困り果ててどちらが本当の神様なのか決めようとしましたが、とてもわかるものではありません。ふたつは もともと ひとつだったのです

みて ねえ見て 僕もうじぶんで食べられるよ 吐き出せるよ 子守唄がなくても眠れるし 目が覚めたら起き上がってひとりで歩いていける 寝返りもうれなかったあの頃とは違う ねえ見て 僕そら飛べるんだよ 雨を降らすことも 人をあちこち動かすことも なんでもできる だから ねえ ぼくをみて
私の心を返してください「じゃあ代わりをちょうだい。お前が大切に思ってる人の心をとってきて」どうして「お前は好きな人の心を自分のものにしたいと思わないの?ずっと一緒にいてくれる変わらない心が欲しくないの?」「現にお前は私を裏切ったけど、お前の心はここにある。私を好きだと言ってるよ」 南は心をうばうけど北は心を与える。にせものだからすぐに壊れるけど惜しみなく何度もつくってくれる。にせもの同士の傷の舐め合い。
「けっして名君ではなかった。人の心が読めるのにそれを思いやることはされなかった。遠い人は皆離れていく。けれどあの方をひとめ見たらそれはかなわない。他人の一番大事なものを、心の奥底に隠しているものを、笑って奪いとっていくのだ彼は」
『きれいだね、かわいいね。これちょうだい!ぼくのもの。…ダメなの?どうしても?じゃあぼくの言うこときいて。ぼくの遊び相手になって。遊び疲れて暗くなって、それでも帰り道を覚えていたら、よくできましたって返してあげる』あのひとは数百年前のひとつめの国をもう一度つくろうとした。ふたつめやみつめは一握りを残して上から下へ落とした。谷底一面が赤く染まる。これでここは血の通わない白い人だけになった。ああよかった。めでたしめでたし。 不老不死の神国。徐福は確かに蓬莱山へ辿り着いていた
隠岐の黒木御所で入れ替わる。みんなのおもいがつまった人形。としをとらない、心変わりもしない。優しい易しい理想的な王様。じゃあ前の王様はどこにいるの?―大切なものだから、見つからないように、誰にもわからない場所に埋めておいたの。でもその場所を忘れちゃった。目印しておいたはずなのに…
黒い御所で漢字よりひらがなの方が多くなって ちぐさんと一緒に人形遊び 最後はだいたい首もげる 眠る時間が長くなる 夢見る時間が永くなる 寝顔を見守ってるちぐさんは そうそうその調子ですよ御上とやわらかく笑って頭を撫でる
「あなたは苦しみから救われることはない。ならばあなた以外の者もみな苦しめばよい。それがよい。さあはじめなされ あなたのまつりごとを」
三木一草はごだてを甘やかす。とくに草は。このこがつたう糸はどうあがいてもかわいそうな方向にしかのびない。何度やってもそうだった。ならば私は願うのだ、このこの生ある限りの幸せを。何も知らないことへの賛美を。このこが涙を流すくらいならその他大勢の首がもげた方が良い。そう、そう。じゃあ最後にこれをソレの真ん中に置いてください。ぴったりはまりましたか?はい、これで完成ですよ。今日からソレが貴方の代わりに世の中の嫌なことをみんな引き受けてくれます。貴方は楽しいことだけしてればいい。元気に外で、みんなと一緒に遊んでください。

三木一草(南朝)がクローバーでダイヤがバサラ大名(独立国家)、スペードが足利(北朝)ハートが神聖北条王国
トモさんはまっしろでキソっちはまっくろ モリsはまっかっか みかどまっきっき黄櫨染御袍≒ミカドイエロー

通り過ぎる3兄弟。
「犬と遊べばいいだろう」「犬は、本当は嫌いなんだ。私の心を食べるから」

そのとき男は唐突に気づいた。自分が背負った女が鬼だということに――廃人タカと無機物どよで桜の木の満開の下パロしたい。完全なるバッドエンド
鬱モード顔がぐちゃぐちゃになったらもう人前で仕事できないから!ってぐちゃぐちゃにするけどどよがオールフィクションかましてふりだしにもどる。タカもわかっててやってる感。死ぬ練習的な。

菊の花が盛りに雨で落ちにけり。泥に塗れた花弁のなんとむなし なんといとほし
14回生まれ変わって、私はあなたになれました。あなたと同じ報われない恋をして、破られるための文を書く。幸せです。幸せです。

お兄さん 聞こえますか 私は元気です そちらの様子はどうでしょうか 今からたくさん たくさんの人がそちらへいきます 仲良くしてあげてください 私は彼らにすくわれたのに 彼らを突き落とすことしかできませんでした お兄さん あなたの代わりに生きてます 私の代わりに んでくれたお兄さん
父が死んだあの雨の日も貴方は泣かなかった。ただ一度だけ井戸の底をのぞいて誰かに挨拶をしていた。後ろから声をかけて振り返った貴方は表情がない。私が一族の皆を守ると、私が皆の盾であろうと。貴方は誰かの代わりであろうとする。その人が進むだろう道をなぞろうとしている。私はそれを認めない。

あなたは獅子の子ではないのだから、親の屍を食べる理由はないはずだ。あなたは人の仔なのだから、大切な人が死ねば泣いていいはずだ。
(そう貴方は慰めてくれるけれど、ああそんな心優しい貴方はもし私が死ねばこんな私でも悲嘆がって泣いてくれるだろう。ただただ腐っていく私の屍を抱いて、貴方は。ああ、ああどうして、貴方は私を食べてはくれない。それが悲しい。貴方に愛されることは私を苦しめる。私の五体を無価値たらしめる)
「それでも私は獣に堕ちねばならなかったのです。あの日、私は人であることを諦めなければならなかった。私で終わりにするべきでした。先延ばしにして、先延ばしにして、私たちは龍の鱗が増えていくのを待っている。自らの体の重みに耐えられず伏せる時その首を刎ねてやろうと、骨を削って刃に仕上げて、今か今かと待ち望んでいる。
ハトがとまったというならサダが「これこそわたしの愛する子、わたしの心にかなう息子である」と言ったって不思議じゃない。「時は満ちた」で倒幕開始。

「貴方の方こそ、動きも喋りも怒りもしない。本当は痛くも何ともないのでしょう。生きてるふりをするのはおやめなさい。無理なんですよ最初から。大人しくあの人の椅子になっていればよかったのに、二本足になったりするからこうなるんですよ」
どよに突っ込まれて「冷ッ…!」って身震いするクス
「痛い。やめてください、それ以上は…人に似せてつくったまがいものの身体です。快など感じるはずがない」「痛みは覚えるのに快は知らぬと申される。そんなはずはないでしょうに、今から学んでいかれませ。…それにしても、麝香がまったく効かない相手は初めてですよ(笑)」
そこに生える者 そこから切り離す者 枯れるくらいなら焼け落ちるくらいなら御贄柱になるくらいなら・私の家においでませ 小さな幸せあげましょう 箱庭上から滝落とし 小川の先に小屋たてて 機織りひとつのせましょう きいからからきいくるくる とっきんかたりきんかたり 誰にも見られぬ瓜子姫
「お戯れはおやめください、私の躰は愛でられるようにはできてないのです。眉目秀麗な判官殿には似合いの華がいくらもありましょう、どうかこのような手管で私を口説こうとなさらないで下さい」「何、本気にされるな。貴方があまりに不服そうに見えましたので一風変わった酒肴でもてなそうとしたまで」
童子が玩具を得て喜んでいるような表情で木の枝を折り、興味を失えば別のものに走っていく。彼はそうして花を集める。枯れ葉に用はない。朽ち木を愛さない。血を分けた枝とて自ら切り落とす。彼はそうして生き延びてきた。
「貴殿は人を愛せないのですか」「愛しているではありませんか。妻を、子を、主を、部下を、そして貴方を」「こうして身ぐるみを剥いで無理強いすることが愛と」「そうです。私にとっては立花で枝を切ることすら、」ボキッ「うっ…!」「愛しているのですよ、楠殿」(朽ち木に成るのはあまりに惜しい。はなざかりのうちに漆を塗って留めておこうか、バラバラにしてもう一度最初から私好みに組み合わせようか)「なぜ拒むのですか、守ってさしあげたいのに。貴方このままでは巣喰われるだけだ。実をつけてもあの鳥が全部持っていく。あのこは金の鳶を拾ってしまった。あのこは純真無垢だから托卵に気付かない。我が子を蹴ったそのこを大切に育てていく。もう貴方の声は届かない。ならばいっそ私に囲われなさい」
『わあ!すごいすごい。ここに座ると何でも見えるんだ。この杖を持てば何でもできるんだ。すごく素敵だね』『…貴方は辛いと感じないのですね。世界のすべてを見渡すということは、人々が憎しみ合ったり悲しんだりすることさえ流れ込んでくるというのに』『どうして?そんなの僕には関係ないじゃない。今、僕はこの国のすべてを手に入れてるんだ。はじめて自分が王様だって思えるよ。楽しいね。こんなに面白いことはない。今までずっとそうしていた君が羨ましい。君は誰? その緑の綺麗な目で、いつもこんな素敵なものを見てたなんて。ねえ、この椅子も、杖も、緑の目も全部、僕にちょうだい?』
「ああそれでも、私はあのこと共に征きます。確かにこのままでは私は朽ち果てましょう。貴方に守られ生きればいつかは報われるかもしれない。それでも私はあのこを裏切れない。見限れない。あのこは今夢を見ているのです。楽しい夢を。目覚めれば悲しくて泣いてしまう、そんな仔を、揺り起こす腕ならいっそ要りません」
釈迦の四つの門。間違った道を行くなら叱って正しい方向へ導けば良い。そのこがしあわせになるために。ならその子供はどこへ行っても不幸になるなら?今そのこは楽しそうに森へ進む。何も見えないまっくら森へ。私はそのこを引き止められない。非道いことをしているとわかっていて、笑うそのこを悲しそうにしたくない。
「過保護ですね」「ええ」「かわいそうに」グッ「愛を知らないのは貴方じゃないか。それは慈悲でもなんでもない、惰性ですよ。泣く子をなだめる唄を歌えないクチナシの言い訳だ。撫でるだけで叩かない腕ならなるほど要りませんねぇ」ダンッ「ああっ」「甘い蜜で虫を溶かす、それが貴方の愛ですか」
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「そうですね。私は嘘つきです。足が折れた部下を見ても、枝の折れた木を見ても、心配しながら本当は何とも思っていないんです。私は××じゃなければもう×ですらない。何百年も同じところにいるのが嫌で、楽しそうな人々が羨ましくて根を千切って子(ネ)と契って不格好な姿で歩いているんです」 森ではおかしな木だといじめられて京ではたぐいまれな者ともてはやされる一輪のクスノキさんを生け花したいどーよ 迫害と崇拝って似てるなあ

わたしあなたとあるくときめたの。でもあのひとのてがわたしをはなさないから
あのひとのてか わたしのくびか あなたのあしか どのいとをきればみんなしあわせになれるのかしら

こんばんは いらっしゃい そんな寒いところに立ってないで暖炉の前に座ってください 今夜は貴方が来てくれるかしらと 私スープに火をかけたままで待ってたの。さあどうぞめしあがれ。おくちにあうかしら きっと大丈夫ね あなたとおなじものがはいってるんですもの。おかわりもたくさんありますよ
あなたがまつている我が家にはやくかえりたい。あなたはうでがふじゆうだから暗くなつても灯りをつけないだろう。くすりがきれてひさしいからないているかもない。ごめんなさいね、ごめんなさいね。(おつきさま
きれいなみかづき きれいなよこがお 山に埋もれたあなたのほね ちなまこになってさがしてた)

「貴方のこれからの一生を全部ください。僕のために不幸になって下さい。ささいなことに嘆きながらずるずると生き続けて、何度目かの眠りで一緒に死んでください。(とでも告白すればあの人は私に薬指をくれるだろうか。ああもういっそ爪一枚だけでもいい!

愛していなければこんな醜い 生きていることが無価値な人 とっくの昔にころしています。この人がいるせいで私がどんなに不自由したか 私がどんなに後ろめたく 心から喜ぶことなどなかったか まれびとの貴方にはわからない 家の人だって 誰も。私だけ そしてこの子だけ 私たちのひみつ うふふ

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