
ともだちほしいな いっしょにおにんぎょうあそびしてくれる おんなのこ
ぼくのあたまをなでてくれる おおきなての どこにもいかない ちいさなあしの
ぼくしかみない ひとつめの なんにもいわない くちなしの
かわいいかわいい なきむしけむしのおんなのこ

にいさん 今さらこんなことを言っても信じてくれないだろうけど、僕は貴方を嫌っていなかった。恐れてもいなかった。憎んでなど、いなかった。今は、ただ ただ、あの時の手の温もりがどれほどだったか思い返すばかりです。ああ、こんなことになるなら、貴方の血の色と僕のそれを比べればよかった。夢の中でいつも、貴方が僕の耳元で恨み言を吐く。冷たい涙が肩に滴る。時雨のように、僕を呪う。僕は何も言わず、じっと目を閉じて貴方を受け入れる。貴方の刃は痛くない。貴方の鬼火は熱くない。死人の貴方は、怖くない。
(本当のことを言えば貴方は僕の上から去るでしょう。それが一番怖かった。)
貴方の目に僕が映っていないならば、貴方が映っていないあの人の目が誰を見ていたか、僕は知っているのです。貴方の嘆きが肥大していくのを あの人の誤解が絡まりゆく様を 止めようと思えば止められました。貴方達がどうしても引けなかった 絡まる糸から真実の一筋を選ぶことが 僕にはできました。でも、僕はそれをしませんでした。なぜだと思いますか? どうして、そんな不毛なことをしたのか、貴方にわかりますか。貴方は聡明だったから、こんな愚鈍な弟のことなど、とても理解できないでしょう。にいさん ねえ にいさん 考えてください。僕の目を見て、よく よく 僕のことを考えてください。

私が蝉ならあんなに姦しく鳴かないね。あの方に疎まれるくらいなら土中で朽ち果てた方がましだ。憎まれるばかりなら初めから生まれなかった方が仕合わせだったろうに、ほんとうに、あの蝉は可哀相だ。そう思うだろう? それとも、貴方には蝉の声は聞こえませんか

私は善人ではないけれど、私は彼の人になら正しい行いをする。彼の人だけに忠誠を誓う。その人が幸せなら他がどうなってもいい。その人を悲しませる者は皆地獄に堕ちればいい。貴方も、己ですら例外ではない。彼が皆の平和を願い皆を愛し皆を信ずる限り、私は善人になれる。私は公明正大であれる。きっと、おそらく幾ばくもないであろうが――彼の横顔は常の無感情であったけれど、確かに悲しんでいた。そうして喜んでもいるようだった。相反する陰陽が交わる彼の表情はやはり無なのだ。そこには何の利もない。理すらない。ひたすらに慈母のような無償の愛情が、狂気にも似た妄執の塊を抱いていた。

おおきなものや生きてるものがうまく飲み込めない弱い君が今度はちゃんと食べられるように あれも これも まあるく切ってあげる。さあ ほら いいこだからくちをあけて。君のためにとってきたんだよ。この巣だって 君のためにこしらえたんだ。そうだろう?そうだよ。そうじゃなきゃいけないんだ。そうじゃないと、僕はもう どうすればいいのかわからない。
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ごめんなさいぼくはわるいこですなにもできないあなたがいなければいきていけないどうしようもないおろかなこどもですごめんなさいゆるしてくださいでもがんばるからがんばってぼくのはねがおおきくなるまであなたのこどもでいさせてください ううん たとえおとなになってもぼくはあなたのこどもなんです だって ぼくのせかいにはさいしょからさいごまであなたしかいなかった
托卵

『仄暗い場所から 長い長い黒い葬列が あなたの影法師を捕まえにきた』
行ってしまった。私の手の届かぬ対岸へ渡ってしまった。見えていたのに、あの子の四肢に絡まる影が、災いが、見えていたのに。言えなかった。止められなかった。私はあの子を見殺しにした。あの子は死んだ。殺された。そして、違う人になって、私にもう笑いかけてくれない。鬼に捕まれば鬼になる。あの子は、私をもう愛してくれない。こんな思いをするくらいなら、嫌われても、怖がられても、言えばよかった。行くなと、行かないでくれと。私にはあの子が必要だった。いとおしくてたまらなかった。本当は、私は、わたしは、あのこを あのこにどれだけすくわれていたか だれもわかってくれないのだ。ああ、ああ、ああああ「わかっています」
背を丸め、心の芯から震え凍えるその人に腕を貸す。凍てつく嘆きがこの身すら刺そうと構わなかった。私も、この人と同じなのだ。
「わかっています、兄上」 目を閉じる。
(愛せないならいっそ死ねと云ってください。私は貴方を愛しています。貴方のためなら「死んでもいい」と、幼い頃から覚悟しているのです。)

ああ わたしも あのひととおなじだったのだなあ すべておわっておもいかえせばしごくかんたんなこたえだけがのこされた

生首の墓場 お犬様 よみがえり 成仏できない 背の高い社 ガタガタガタ

貴方に会いたい。触れたい。暴きたい。さらけ出して、口の中へ含み味わいたい。狂おしい。狂おしい。狂おしい!(会いたくない触れたくない隠しておきたい誰も知らないところにいつまでもいつまでも綺麗なまま無垢なまま純潔のままきつく縛って仕舞っておきたい)

愛に飢えていた けれどそれがなくても生きていけることを知っていた。すべてが虚無であることを教えてくれたのは誰でもない貴方だった。わたしのすべて。貴方が私の幸せを許さないというのなら わたしはあなたの不幸をたべていく あなたがわたしにおしえてくれた いとしいあなたを憎む方法

貴方のことを思い出したくありません。嫌いでした、とても。最初から貴方は私のことを見てくれなかった。目も合わしてくれなかった。私はそんな貴方を見るのが辛かった。貴方の名前を呼べなかった。貴方を追うのが苦痛になった。私は貴方の名前を諦めました。貴方の顔を捨てました。貴方を憎みました。置いて行かないでと泣きじゃくり貴方の影を踏んだとしても、冷たい土の中から抱きかかえる腕が生えてくるわけがなかった。貴方なしでは生きていけないと思い込んで、あの時の私は狂っていたのです。今思えば、あの時の私はとても愚かでした。私はもうあの時のように這って歩くような無様な真似はしません。貴方の名前も叫べる、その顔も真正面から見すえることができる。私は貴方を愛していない。これっぽっちも、愛していない。ずっと、ずっと、憎かった。私の存在を否定する貴方を、私だって否定してやる。ざまあみろ。いい気味だ。私は生き残った。私は貴方に勝った。私は自由だ! ああ、なんて幸せ。眩暈がする。吐き気すらこみあげる。私はまた老いて逝かれた。どうして、こうなることはわかっていたのに。貴方の手など取らねばよかった。貴方の声に言葉になど耳を貸さなければよかった。貴方のためにすべてを投げ打たなければよかった。後悔しています。お怨み申し上げます。今でも在るはずのない貴方の影を追って、冷たい土の上を歩いています。

「お前は誰の子だ?お前は私の子だろう。我が子ならばこそ、我が儘を言うておるのじゃ。のう、父の願いを叶えてはくれぬのか」 「……仰せのままに致しまする 父君」 (聞きたくなかった。今になって、そのような優しい言葉を。否、もっと早く、幼い、あの時に、なぜ私の耳が聞こえるようになったあの時にそう呼んでくれなかったのか。なぜ、耳を塞いだ今この時になってそんな残酷な嘘で私を捕らえるのか。あなたのありもしない言霊が、私の全てを奪っていく)
「あな、嬉しや。さすが我が子だのう」
あなたの顔が見れない。あなたの声が届かない。まぶたを閉じれば思い出す、あの時の鬼の形相、呪いの言葉。わたしの首をくくる赤い縄に、あなたの足は繋がっていない。 ---------------------------------------------------------------------------------- 今宵 貴方の血ノ池に溺れて死にたゐ
貴方の体に管を通してすべての血水を抜き出して、私の抜け殻に注ぎ込めばそれなら我が子と呼んでくれますか ----------------------------------------------------------------------------------
私が女だったなら、こんなことにはならなかったのでしょう。何も産まず、何も育てず、何にも成らぬ石ころ(うまずめ)だったら、貴方の側に転がって居られたのでしょう。最初から何の価値もない存在だったら、寒さも、悲しみも、その言葉の意味も何もわからぬ痴愚であったなら、それならば、どんなに。 ----------------------------------------------------------------------------------
野草が巌に恋煩い。狐憑きが水を遣る 誰の物とも判らぬ種を。伸びや育てや 日輪は摘む日を待ちはせぬ。食べや飲みや 明日には枯れて土に還りゃ。いつかは砂に いつかは石に。

金のたまごを産む鵞鳥(ガチョウ) いちにちひとつ金色たまご
肥える農夫と痩せてく鵞鳥 さいごは農夫に殺される
一番かわいそうなのは 一番どうしようもないものは
肥えた農夫か 痩せた鵞鳥か 割れぬたまごの中身の奥か

乾燥剤 食べられません DO NOT EAT

貴方の刃に貫かれて果てることを夢見ていた。
貴方を好くことすら罪深い業のように感じました。貴方は誰よりも気高く慈悲深く清らかな人だった。神だった。貴方を護るために私は今までの地位を捨てた。名声も何も要らなかった。貴方の行く末に広がる栄光を端で見ることが出来るならばそれだけで満ち足りた。何の穢れもない白い世界の中でちっぽけな命をまっとうできるならばどんなに至福の生だろう。
なのに、なぜ、貴方はここにいないのか。どうして、貴方が座るべき場所に私が立っているのだろう。わからない。貴方がいない。みつからない。思い出せない。違う。こんなはずではなかった。おかしい。なぜ、どうして。貴方の顔を思い出せない。

まいにち少しずつ善いことを積み上げているのはね
最期に取り返しのつかない悪いことをするためだよ

うそ うそ ぜんぶうそ みんなうそつき だまされない あっちへいって しらないこ そんなおいしそうなものをみせつけて どうせくれないくせに あげるなんていわないで どうせみんなにせもののくせに むしゃむしゃごっくん ほんものたべてげっぷしないで
(まって いかないで やだよ なかまはずれにしないで ぼくもいっしょにいきたい)

踊ろうか 謡おうか 芸子の真似事
気に入られて褒美をもらいたいから
気に入られずに縄で縛られたいから
「愛なんてあってもなくても勃つもんは勃つし逝くもんは逝くんだよ」 猫の盛り声か赤ん坊の泣き声か、ああうるさい嗚呼五月蠅い。

嘘つきばかりの国で君だけが正直者でも
正直者ばかりの国で君だけが嘘つきでも
僕が君だけを盲信することに変わりない
君が僕だけを迫害することに変わりない

「ほかの者から離れなさい。王国の知恵を授けよう。お前はそこに達することはできるが、大いに嘆くことになるだろう。」「来なさい、いまだかつて何びとも目にしたのことのない秘密をお前に教えよう。それは果てしなく広がる永遠の地だ。そこには天使たちでさえ見たことがなく、あまりに広大で、目に見えず、いかなる心の思念によっても理解されず、いかなる名前でも呼ばれたことのない御国がある」「目を上げ、雲とその中の光、それを囲む星々を見なさい。皆を導くあの星が、お前の星だ」(ユダの福音書)

洗礼(なづけ)の子は言いつけを破り、その扉を開いた。
部屋の中には黄金の玉座があった。傍らには美しい錫があった。
玉座に座り、錫を持つと、狭い部屋が一変して、世界の全てが見渡せた。
世界の中で人々が何をしているか、何を考えているか、すべてが見えた。
それは残酷なものも多く、流れ込んでくる感情は濁っていて、とても汚かった。
洗礼の子は苦しくなって、思わず玉座から転げ落ちた。世界は消えて、目の前に洗礼の父が立っていた。
『お前は悪いことをしてしまった』と、父は子を叱った。父は哀しそうな顔をして、子を見た。そして告げる。『玉座に座り、錫を持てば、この世の全てが見渡せる。それはとても辛いことだけど、私は毎日それに耐えているのだよ』
(洗礼の子@トルストイ民話)

体の中に濁った油のような汚れが溜まっていく。吐き出してしまえば楽なのに体のあちこちに蜘蛛の巣を作るソレは私を自在に動かして勝手に不幸にしたり幸福にしたりする。そうやって甘やかされて育ったから何もしなくても、呼吸をしなくても生きていける惰性に慣れてしまった。まだ魔手に触れられていない右脳はこの先を嘆くけれど、寄生された左脳は与えられた温い蜜に酔って笑う。嗤う。(大丈夫。これなら大丈夫。もうこの手は君を抱きしめないでも突き放すことができる。君と繋がれる朱い糸を隠したくて、見て見ぬふりをしようと、あの日の僕は小さな蜘蛛を殺さなかった。蜘蛛の巣がいずれ僕の目を見えなくしても。

「……――」
ちらちらと、降り出した粉雪を見て、彼は感極まった声を上げた。
「春海様?」
夏目の呼びかけにも応じないで、ふらふらと立ち上がり、裸足で縁側を降りる。
「冬嗣さん」
ポツリと言ったのは、亡くなった長男の名前。
「冬嗣さんが帰ってくる」
だっ と玄関の方へ走り出す。
「春海様!」夏目が後を追いかける。
牡丹雪がはらはらと大きくなっていく。
玄関の門にすがりついて、その先を見つめている彼の細い体。
「春海様、冷えてきましたから…もう部屋に戻りましょう?」
「いやだ」
「春海様、そんなお姿では風邪を引いてしまう」
違う。そうじゃない。
そんな所でいくら待っても、長男は死んでいる。戻ってくるはずがないのだ。
それでも、死んだというのは嘘のように思えるほど、この人は長男の帰還を信じている。
彼の肩に触れる。ひやと、もうすっかり冷たくなっている。
いたたまれなくなって、無理にでも部屋に戻そうと力を込めて……でも、強引になりきれない。
「冬嗣さん…ふゆつぐさん…」
なんて声で死人を求めるのだろうか、この人は。

きみのおとうさんは、あいしていたから、ぼくのおとうさんをころしたんだね。
じゃあ、いつか、ぼくもきみをころすのかな?ねぇ、おにいちゃん。
「……」
(それは まるで ころされるのをまってるような)
基氏と義詮の兄弟愛かきたい

彼女の汚物は私にとって必要なものだ。それがないと生きていけないよう育てられた。
ゆっくり咀嚼しながら、いつかすべてが無価値になる日を今か今かと待ち望んでいる。

完璧な人間なんていない
だから君は人間じゃない

「貴方とは話がかみ合わないから嫌いよ」
「嫌いだからかみ合わなくしてるんだよ」

おにーさんが おとーとを ころしちゃった
おとーとは ぼくのおとうさん
おにーさんは おとうさんのおにーさんだけど
ぼくの ほんとうの おとうさん

貴方が憎かったわけでも、嫌悪が沸いたわけでもない。ただ各々に定められた道が分かれただけだ。二手に分かれ、再び交わった先にはどちらかひとつしか残らない。それだけだ。

体さえあればそれが誰であろうと魂は生きることができるのだ
(今昔物語@水木しげる)

私が何をした 皆が私を憎み 蔑み 厭う。呪いの仔だと。生まれるべきではなかったと。私は何もしていない しなかった。ただ生まれただけだ。手を触れ 口を重ね 体を繋げ 睦み合った者から 生まれただけではないか。

「あのお侍様はどっから来なすった」「鎌倉から来たそうだ」「いや奥州からと聞いたぞ」
鴨川を渡る武者行列。屈強な体躯の者ばかりだが、皆総じて暗い表情をしている。
先頭の輿に担がれているのは人ではない。この世のものとは思えぬ禍々しいもの の、首。
「なんだあれは」「化け物だ」「あんなに大きい怪物、今まで見たことがない」「死んでいるのか?目がギラギラと睨んでいるぞ」「子供に見せるな、目が潰れちまう」「怖や、怖や」「北山の御所へ向かっている。化け物退治を命じたのは将軍様か」
+++
「義満様、只今戻りましてございます」
「お帰りなさい氏満殿。長旅ご苦労様」
鬼公方の異名エピソード捏造と義満の手作り金閣と妖刀村雨の誕生を同時にやりたい。

「……飲むな」尊氏が言う。それは半ば無意識だった。けれど、その言葉によどみはなかった。本心だった。「飲むな、直義」
直義は少しの間、反応しなかった。そして表情を変えた。悲しげにも、嬉しげにも見える。
「……いいえ。戴きます。貴方から受け取ったものです」
「やめろ」
「私が、貴方から受け取ったのです。奪い取ったと言ってもいい」
「やめろ、やめてくれ…」
両手で耳をふさぐ。耳鳴りばかりがうるさい。
「もう嫌だ。こんなこと、したくない。どうして、お前を失って私が生きていられるはずもない」
「いいえ、貴方は強い。私がいなくなっても生きていける。今は自責の念に我を忘れているだけで、夜が明ければそれも跡形もなく消え去るでしょう」
「直義、直義、直義」
「いつかこの日が来ると思っていました。とうの昔に覚悟はできています。ずっと、貴方のために生きていました。そうして、貴方のために死ぬのならば、一片の悔いもない」
「ただよし、わたしをおいていくな」
「兄者、これは私のわがままでもあるのです」
「……」
悲しげにも、嬉しげにも見える、笑顔。
「私を殺すために悩み続けるより、私を殺したことに悩み続けてください」

あの人の顔を体を覆い隠す 雪が こんなに残酷だったなんて

「直義 私の弟よ 私の頼みを聞いてくれるな」
「御意にございます 我が君 私の無二の兄上」
「私はこんなにも無力だ。何も残せぬ。何も産めぬ。なればこそ、何も失いたくない」
「僕はお兄ちゃんの言うこと何でもきくよ?おにいちゃんのおねがいならなんだって」
「私はもっと力が欲しい。人の上に立つ光を もっともっと この手で掬いたい」
「光が照れば闇が陰る。私の使命は彼の闇を屠ること。陰陽は決して交わらせぬ」
「最初から、そんなものは何もなかった。そうであったならばどれだけ仕合わせだろう」
「それならば今ここにいるアンタも無いものになる。なるほどアンタは不仕合わせだな」
「神の名の下に不浄を清める。正義は我の下に在る。跪け愚民共」
「虚像にすがる気狂いめ。お綺麗な顔に泥の味を教えてやりたい」

みんなには内緒だよ? 今日は 貴方にだけ 褒美をあげます
この中には貴方の望むものが入っています。けれど
決して 中を 開けては いけません
そもそも無欲な貴方は何も欲しがりはしないでしょう
いつか貴方に強い望みができて その望みのためならば 自らはどうなってもいいと思えるなら 箱を開けてください。それまで けっして なかを あけてはいけません
髻を切り、俗世を捨てようとする兄を前に、直義はぼうと在りし日の記憶を蘇らせた。あの日帝から頂戴した玉櫛笥。常に手元に置きながらも、言われたままに中身は開けていない。
(私の望みは、兄の生。兄が死を望まぬようになるならば、私の死を望まれても良い)
今がその時だと思った。直義は手を伸ばし、それをたぐり寄せ、そうして紐を解いた。
+++
かみさまがくれたパンドラの箱。最後に残ったのは希望とも絶望ともいわれている。
直義が尊氏を挙兵させるための偽綸旨が本物だったらいいなあ

今でも蜘蛛の糸を待ち望んでいる。
貴方が私を見捨てるはずなど無い。

風邪を引いて寝込む春。雨の夜。ひえる。八葉と身を寄せ合って寝る(※安はまだ捕らわれてる)最初は嫌がるけど熱もひどいし大人しくなる。寝る。八葉もうとうと で小便に立とうとしたら引き止められる。「…かないで…」「ん?」
夢の中で持氏との回想。永享の乱直前。長男義久のみを連れ、春安永寿を逃がす父親。
「いかないで ちちうえ ぼくもいっしょに いきたい あなたのそばに いたい」

初代室町殿タカうじ「帝かわゆすハァハァ」三代目ヨシミッチー「天皇?なにそれおいしいの??」どうしてこうなった

「あの人は当てつけに死んだように思う。きっとそんなことはないのだろうけれど、私にはそうとしか思えなかった。あの人は不出来な私を叱ることは一度もなかった。一片の期待もなかったから、一度だって強く望まれることがなかった。私も、何度も、いつか、あの人の目の前で死んで見せようかと思っていた。あの人の血の海を見て ああ、先を越された と思った。酷く、悔しかった。」
息子(自分)がいたのに子孫に望みを託して自刃する家時を憎悪する貞氏とか。
『子孫三代に生まれかわり…』なら、すでに生まれている貞氏は含まれないのかもしれない。予言は室町3代目の日本国王な義満まで有効じゃなかろうか。そうだったらつじつまが合いそうなのでそういうことにしたい。

もう遅い とてもじゃないけど間に合わない 君はずいぶん前に選んだから 僕の手を離したのに 今さら なんで どうして なら あの時 どうして 僕の首から手を離したの

最初から なにもなかったのだ
誰もいなかったのだ 最後まで

汚いもので汚れている僕の海の中を 君だけが悠々と泳いでいる。
光なんてどこにもない仄暗い場所で 君だけが鮮明に光っている。
なんて煌びやか なんて綺麗なんだろう なんて神聖なんだろう
僕に3本目の腕があれば彼の銀箔の鱗をなでることができるのに。
悲しくなって涙をこぼせば 彼は新しいかみさまなんだよ と海底が震えた。
前のかみさまが溶けてなくなっちゃったから、その代わり と。

花が枯れている 河の水が涸れている 人が人を狩っている
そっちはいやじゃ だめじゃ いきとうない いきとうない
そちらにいけばどうなるかわかってしまう いたい いたい
なのにあしはそちらへすすむ それをてにとり 実をかじる
ああ こころがいたい こんなもの もう捨ててしまいたい
橋の向こう側 見せ物小屋の賑やかな河原に それを埋める
人が踏む 草が生える ほら もうどこにあるかわからない
+++
「おお、ここからの眺めは絶景よの」
義政は勝元に背を向けて、朱に染まる都を黒に滲む空を見て笑った。
戦の波が迫りくる様を、まるで能の舞台を見るように傍観している。
「まるで地獄を見ているようじゃ」
「ッ…!」
頭に血が上った勝元が、義政の肩を掴みこちらに強く引く。
「貴方は、何とも思わないのですか。これらは皆、貴方を火種にして燃えた業火です」
長い間抑えつけていたものがどろりと口から吐き出される。
「貴方は止められたはずだ。こんな最悪の事態になると少しでも予想されたなら、こんなことには…!」
苦痛に歪む勝元を見る義政の目は途端に笑みを消した。そして口だけで笑う。
「はは……進めと急かした口で、今度は止まれと言うのか。せわしないのう、勝元」
勝元を見る義政の顔には憐れみさえ浮かんでいた。
(すすめ すすめ しょうぐんさま すすめ)
グイッ
「お前がわしに何を言える、勝元。わしは進みとうなかった。わかっておったのだ、最初から。こうなることを知っておった。お前たちがわしを立ち止まらせなかった。わしをここに堕としたのは貴様らだ!
あの時 架け橋を渡って 振り向いてはいけないと言われた橋で 袖を引かれた時から
――わかっておった!」
失うとわかっていながらどうして慈しめようか。憎まれると知っていて愛すことなどできまい。
「だからわしは心を捨てた。人の情を忘れた。今のわしには何も無い。何も感じぬ。勝元、お前にはこの光景が現実だろうが、わしには茶番にしか映らぬ。馬鹿げた狂言じゃ。地獄の釜の中で 皆、狂ったように踊っておる」

あの鳥は僕を引き止めていたのだろうか促していたのだろうか
彼をおとしめる事を戒めたのだろうか急かしていたのだろうか
あの羽根は僕の目を覆ってその鳴き声は僕の耳を削げ落とした
僕は彼にたどり着いた時には何も見えず何も聞こえず
真っ暗闇の森の中 手探りで彼をさがすほかなかった
手に触れた感触が彼とよく似ていたので彼の名を呼び
いつものようにおそるおそる接吻をした。それだけだ
それなのに僕はあの鳥が何色だったかも思い出せない
太宰の駆け込み訴えの小鳥が意味深すぎてこわい。

「幸せすぎると不幸と同じなんだよ。幸せが当たり前になるとそれは幸せじゃないんだ。それはとてもとても不幸なことなんだ。」
「わかった。あなたが生きていることは私にとって不幸せなことで、それはあなたが死んではじめて幸せダッタことになるんだわ」
彼と彼女は同じような問答を何度も何度も繰り返す。毎日、毎日、3日おき、週に一度、月に1回。
彼等の時間は止まっているようで実際はだんだんだんだん進んでいく。何も知らない少女は知らないふりをする老婆になった。
何もできない少年は何もしない少年のまま、ずっと彼女を眺めている。
彼と彼女がのぼらない壁は実はとても薄くて脆い。たった一言で崩れ落ちる。それを彼女は知っている。それでも彼は何もしない。
壁の向こうは潮風の吹き抜ける清らかで優しい場所なのに、彼女は口を縫い続けるし、彼は二度と手を挙げることをしない。
「大丈夫、他の人が見て可哀相に映っても、2人にとってあれが幸せなんだよ。だって不幸でいられることが幸せなんだもの」

心優しい醜い大男×心読める無垢な子供

貴方はきっと耳をふさぐでしょうけれど、私は貴方のことが好きでした。貴方のいつも遠くを見つめている目が時折私を見てくれるのが、常の無表情を無理やり崩して不器用に笑いかけてくれるのが、たまらなく嬉しかったのです。私は貴方を見ているのが好きでした。いつも何を考えているのだろう どうしたくてどうなりたくてそんなことをしているのだろうと空想にふける時だけが私の至福の時でした。
時が流れて私たちの関係がどう変わろうとも貴方への思いを忘れたことはありません。捨てようとも思いません。私のすべてを奪った貴方に憎むことは愚か悲しむことも難しかったのです。病床に伏した今でも、私は貴方のことを愛しています。どうしようもないのです。最後の言葉が貴方の小さな声が私の奥底で助けを求めます。いっそ呪われた方が楽だと貴方は無感情のまま私に告げました。私は貴方のことなどちっとも憎くない。けれど貴方が苦しむのはもっと厭だ。だから私は貴方を呪おうと思います。今夜にも私の命は尽きるでしょうから 魂が体から離れた後で貴方に会いにいきます。戸を少し開けておいてください。貴方が私を見てどうするかが楽しみなようで、同じくらい悲しい。もう一度、この手で その手に 触れたかった。どうして私は“あの時”貴方に手を伸ばさなかったのだろう。
ああ、暗闇が広がっていく。夜すら明るい闇が迎えに来る。貴方を捜す黒い翼を借りて、今からそちらへ向かいます。

小さな鏡を取り出して 君に突きつけてこう言うよ
君の醜い顔が 僕はとっても大好きなんだ。
まるで僕とそっくりだもの。おにいちゃん。

参考文献かかないとな
布教漫画かくなら1Pネタ(キャラ説明
呪いを産む天皇
やつははうまれかわる ななくさ 6 いつき よつや 3 2 1
八葉→一休?(朱鞘の木刀を差すなど、風変わりな格好をして街を歩きまわった。
桃で退治される鬼
鍛冶師の神は片目片足

田を耕す春を縁側から眺める安。本当は手伝いたいけど病気だからって春が止める。元気はありあまってる
血好きの義教に安王は一時生け捕りにされる。逃走時の女装をしたままで(それか新しい白拍子に着替える)病弱な安王は吐血しまくりで義教はそれをつまみに酒がうまいのです。口惜しの花のノリリンはそんな感じで。催涙剤系のお香がたかれてるので安王しまいに抵抗しなくなります。春兄はやく助けに来てあげて!><。

中世能 しゃぐまをかぶり 仮面をつけた役者が舞台の上から高らかに「我こそは平知盛、幽霊なり」と自ら名乗る芸能形式
死体と契った男は、女の死棺の中で、女と身体を重ね合わせながら死ぬ。
棺を収める輿から出現し、夜枷する僧たちを殺しまくっている姿である。
納棺 通夜 僧侶が付き添い、読経しつつ夜を明かすが、通夜で眠った。死者が棺を破って出現。
自分を殺して首を一緒に連れて行け。僧は娘の首をとって、包み、旅に出る。旅が終わり、首を隠し、夜な夜なその首と物語をし、女の首も生きているときと同じように、僧と愛を語らう。のをもとにした『解脱衣累蓮葉』げだつねきぬかさのはちすは
鬼と化している。あまりにあさましい御姿よ となげいた声を聞いて消えてしまった
武田信玄の武将原加賀守昌俊という勇士がいた。妻は同国へみ辺見某の女。死んで生き返る。三年の命。三歳の息子。のちの名将原隼人佐昌勝(甲陽軍艦)
伽婢子おとぎぼうこ
うぐめ 中有に迷う
うぐめ 悲痛な泣き声 幻聴 幻想 中世末
「をばりょう、をばりょう」=負われう(おんぶして)?
産女=姑獲鳥 五位鷺 夜鳥の不気味な泣き声 赤子の夜鳴き
(幽霊名画集?より)
まんさいさま「いかにも、幽霊でありましょう?ふふ…」

AMBERGRIS 龍涎香:マッコウクジラ抹香鯨の腸内からとれる灰色をした隴のような物質で、鹿射 香のような芳烈な匂いがあり、催淫効果も高い
↑などの匂い袋を、膣の中へ入れていた。着物には香を薫らせ、焚きしみこませた。湯浴みには菖蒲を使い、髪にも鹿・龍の香水をつけた。(江戸時代だけどいいか 貞につかわせよう
徐福伝説 天台烏薬 不老不死
『カーマスートラ』恋人を虜にする方法:もし男が黒コショウとヒハツとチョウセンアサガオを混ぜた蜂蜜を男根に塗って女性と交わるなら、思いどおりに女を恍惚たらしめる。
曲取主人『男壮里美八犬伝』村雨丸という稀代の女喬薬を古雅の御所に献上し出世しようと
イモリの黒焼き 振りかけることで
(媚薬の博物誌)

かきつ 総大将格 細川持元 攻撃遅延 細川氏と赤松氏の連携
都ろ くちふた回こざとへん
関ヶ原=青の原
よしもっちー一色よしのり(よしかん 重用
しばしの牽制役一色氏
戦闘的な山名氏 大内氏と仲良し
のち細川は大内と対立
かきつ 積極的 水軍
のりりん やまなはたけやま死ぬ 独裁 畠山斯波山名京極の家督介入 一色土岐討ち 赤松削ぎに暗殺
当時の幕閣で使われていない重臣 宿老会議
よしもっちの死因 憩室炎
くじびきまんさい 夢判断 (夢は)私が冥慮神慮を怖れず、信じずというのか?恐るべし謹むべし
関ヶ原 関東北条→徳川
瀬戸内 大内→毛利氏 畿内近国エリア争奪戦 だから奥と鎮西は戦いに不参加 自領拡大に動いたex上杉
のりりん裁判官 御前沙汰
赤松満祐と山名持豊が犬猿の仲

「漆崎か」
「豊景様、ご命令をくだされ」「私は貴方の忠実な僕。貴方の前に立ちふさがる者すべてを排除するために在ります」
「……某が、間違っているとしてもか」
「もとより私は奪うことしかできません。私の足跡は血溜まり、影は屍。けれど人の子の命を奪うことで古き摂理が生きるなら、新しき秩序が生まれるなら、私は刃を突き立てます。たとえそれが何もわからぬ幼子であったとしても、幼子の言葉が真実であったとしても」
正しい者が生き残るのではなく、生き残る者が正しいのだと。
(長尾豊景と漆崎小次郎)

君は十字架より重いものを持ってはいけない。
7人以上の罪を裁いてはいけない。
6人以上の罪を許してはいけない。
湖の上を素足で歩いてはいけないし、
神殿で商人に鞭を振るってもいけない。
死んだ人を蘇らせてもいけないし、
自分自身も生き返ってはいけない。
血をぶどう酒に・肉をパンにしてはいけないし、
それらをすべての弟子に分け与えてもいけない。
何もしないでいい。ただ目を閉じないでいてくれさえすれば、何も。

わるいこないてる ひとりでないてる
よしよし よしよし
ちえのみなんて たべたくなかった?
ごめんね ごめんね
よいこもないてる ふたりでないてる

「水面に映る月が綺麗ですね」
岸辺から川の流れを見ていたら後ろから声をかけられた。
振り向くとそこには以前と変わらぬ笑顔で自分を見ている者がいた。
「いつまでもこんなところにいて、まるで体に戻るのが嫌みたい」
「お前はどうなんだ。こんなところまで来て……お前こそ、戻れなくなるぞ」
「大丈夫だよ。ちゃんと糸で繋がってるから。帰り道は迷わないよ」
義詮の隣に座る基氏。
「ボクを待ってたんでしょう。キミの周りはいつも騒がしいね。またお祭がありそうだ」
「……基氏」
「なあに?」
「その通り、私はお前を待っていた。京(ここ)から動けぬ我に代わる、お前の力が必要だ」
神妙な面持ちを正面から受け入れ、にっこり笑う。
「嬉しいなぁ キミにそんなことを言ってもらえるなら、何だってしちゃいたくなる」
その足下に跪く。「」「」「」「」
「でもこれだけは忘れないでね、にいさま ボクにもキミが必要なんだ」
行く河の流れは絶えずしてしかも元の水に非ず。
(基氏と義詮)
目の前で無防備な姿をさらしている 彼の細い首を凝視していた。
今ここで 彼の首に手をかけて ゆっくり力をこめて絞め殺せば
すべては終わる。断ち切れる。因縁も、血筋も、呪怨も、宿願も。
なぜできない。なぜこの手は動かない。なぜ、
「なにを考えていらっしゃるの?ふふ、そんな怖い顔をして」
くすくすと笑い胸に顔を埋める彼を、拒絶することさえできずに
「……いいえ」
胸の奥底 仄暗い檻の中にこの憤りを閉じこめておくのか。
(氏満と義満)

産女「大きな声を出さないで。私の赤ちゃんが泣いてしまう。ふふふ かわいい かわいい赤ちゃん。私とあの人の赤ちゃん。はやく出ておいで。優しく抱きしめてあげる。欲しいだけお乳をあげる。笑うまでずっとあやしてあげる。私の赤ちゃん そう どんどん もっといっぱい 私を食べて 大きくなってね。私だけの いとしご」

「わかっていたのだあの人の考えは。私はあの方の腹心だもの。呪いを解かずに飼い慣らす道を選んだ。そうして力を蓄えたのだ。貴方が産まれて、腕に抱いて、一目見て、私は確信した。ああ、この餓鬼はあの人のすべてを奪っていったのだ。あの人はもう抜け殻で、私はよりしろを失ったのだと。こればかりは あの方に諭されても、どうしても許せなかった」
上杉ゼン秀。ツタ?蜘蛛の巣?

水、水、水。水をください。君の血でいいから。君の血でいいから。

憎悪から罪と罰を引けば愛情になる。 「死んだと思ったか?消えたと思ったか?殺したとでも思い上がったか。愚か者め。」

蜘蛛になりたい。君を絡めて離さない 粘ついた体液を吐く 八本足の生き物になりたい。
皮膚を溶かして ゆっくり ゆっくり 骨を剥き出して汚いものを洗い流す。
ほら よく見て 思い出して。君は人間だよ 神様にはなれないんだよ。
だから、どうか、どうか。このまま僕の巣の中にいて。ずっと ずっと。
ココだけ夜のままにするから 眠り続けて 目を開けないで 外を見ないで
残酷なほど優しい裁判が終わるまで 僕の中で胎児のように丸まっていてね

四池村
「昔は死池村と書いた。村の四隅にある御池様に、夜、絶対に近づいてはならんえ」

(そしてヘロデとカインとユダの魂だけが残された。)
いない いない いない いない
地獄の釜の底で火あぶりにされていても体はこんなにも冷たくて
あなたがいない あなたがいない あなたは僕の中にもういない
ここにはいない どこにもいない あなたがいない もういない
ぼくのめにだけうつらない ぼくのみみにだけきこえない
ぼくのくちはきみのなまえをよべない
ぼくのこころはきみへ愛をつげれない
ひとりぼっちでなきじゃくってばかり
それでもきみだけをまちのぞんでいる

そこにはなにもなかった。なにもみえなかった。ただなにもかんがえずすごしていた。
きみがこなければぼくはずっと無知なままだったろう。それでもいいとおもっていた。
うれしいや、たのしいやの幸福。かなしいや、くるしいやの不幸も、なにもわからないまま過ごしていられた。
けれど、きみのさしだした果実があまりにもおいしくて、もっと食べたいと思った。
その実のなる枝にどうやったら手が届くか、どの実が一番おいしいか、どうすれば君の姿が見えるようになるか、考えてしまった。
君の手を取って羊水からもがいた。膜を破って下界へ降りた。そこは明るくて、寒くて、暑くて、息苦しかった。とても生き苦しかった。
もっとよくよく考えて行動しないと君の手が崩れてしまうといつも心配しなければならなくなったけど、一日が終わる時間になると君は僕にあの果実をくれるし、君と一緒に眠ると互いの熱が伝わり合ってとても心地よかった。
もっと賢しくなって君のことをいつまでも守らなければと思わずにはいられない。
けれど、君の右手から生える果実の正体を、僕は永遠に考えることをしないだろう。

君のように綺麗になりたくて僕は君の後ろについていくのに僕にばかり汚いものがくっついてきて足が重くてうまく前に進めなくて君は僕を見てくれなくて手を伸ばしても届かなくて君の影が消えそうになるものだから僕は他の人に手伝ってもらって君を僕のそばに僕のいる世界の中に留めてもらったのに君は腐った体からするりと抜け出して僕のいない僕の絶対に行けない世界へたどり着いてしまった。僕の醜い傷痕と一緒に、跡形もなく溶けて消えた。僕はそんなことを望んじゃいなかった君が僕の存在を認めてくれるなら僕が君と同じ世界で生きることを許してくれるならどんなに汚い体と臭い心臓と醜い脳みそだったとしても僕は幸せだったそれなのにそれなのにそれなのに

地位を高めれば高めるほど、下位の者から大なり小なり呪いをもらう。今でいう世間の噂の力に近いけど、日本中世は怨念とかが普通に存在してたから、呪いということで。(※ここからはUHの捏造話)嘉吉の変の後、幕府に台頭した春安に周りは良い顔をしなかった。父の故持氏と同様に正統な将軍候補者といえたが(+血の願文の証拠)やはり異色の存在としてなじめない。それを春王は妖刀村雨の毒を使い武力で家臣を服従させる。反抗する者・意にそぐわぬ者は容赦なく毒殺した。それはさながら先代義教の万人恐怖政治。しだいに春王の様子も常軌を逸していく。弟の安王を投獄し、恩人の八葉を筆頭とした土民一揆を殲滅せんと動く。ここらへんで満済と賢王丸のやりとり。史実では2人とも没してるけど、満済様は幽霊・賢ちゃんは生存説。もう何でもありで。人知れず、裏で糸を引いたり操っているのはシビトの満済。春は安を守りたい・助けたい一心で。幕府はすでに歴代からの積もり積もった呪いが充ち満ちていて、自分が犠牲になって浄化に努める。今まで自分たちを助けてくれた村雨を信じて。けれど村雨の邪気はしだいに春の心を侵していく。妖刀はただひたすら生き血が欲しい。村雨も別種の呪いがある。口惜しがハッピーエンドする気配がまったくない件。歴史をたどれば終わりなど存在しないものだけども。自己満足すぎてわけわからん。人から見てわかりやすくなるまで掘り下げなければ

■天皇は呪いを産める。
人は誰かを呪えるけど、それは解ける呪い。
天皇の呪いは解けない。しかも末代まで根付いて残る。
後醍醐天皇に呪われたのは足利尊氏。室町時代はまるまる呪われる。
後円融天皇(3代目義満と仲が悪かった)も呪いを強化させてたり

吐瀉物とか嘔吐物とか 君から吐き出されるものをぜんぶちょうだい
僕もあげるから 唾液とか精液とか血液とか 僕の中にあるものぜんぶ
君のものと僕のものを丸ごとすげ替えたら どっちがどっちになるんだろうね
中身が僕で外見が君の生き物は はたして全知全能の神様に愛されるだろうか
外見が僕で中身が君の魂は 地獄でヘロデとカインに受け入れられるだろうか
僕は 僕を 憎むことができるだろうか
君は 君を 慈しむことができるだろうか

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