真っ直ぐ進んでるつもりが
足跡はふらふらちどりあし
きみのそばへ行きたいのに
きみのそばで生きたいのに
僕の足は勝手に宵闇へ歩く
僕の手は乱暴に太陽を遮る
濁った僕の目は君を見ない
なんでこうなったんだろう
きみのそばに逝きたいのに



鼠のように地を這い
犬のように尾を振り
猫のように皿を舐め
鬼のように血を吸い
人のように微笑んでいる
あそこにいる彼は誰ですか
僕が知っていたはずの人ですか



「お待たせいたしました、憲実殿。京からの増援にございます」
「……なっ」
葬式のような黒い行列を引き連れて、堂々と先頭に立つ僧には見覚えがあった。
「満済殿。これは、一体」
「貴殿からの文を見て、義教様はいたくお心を痛めました。長年幕府に貢献してきた貴殿を見殺しになどできましょうか。微力ながら助太刀させていただきます」
憲実の中に駆け抜けた感情は、歓喜や安堵とはほど遠く、また真逆の絶望だった。
無抵抗でもって無実を晴らそうとしていた。しかしこれでは持氏の誤解が解けないではないか。それどころか、ますます疑いを濃厚にさせるばかりだ。
「持氏様――……!」
憲実は相対していた持氏の方へ向き直った。そして、その非情に満ちた貌を見て戦慄した。
「穢らわしい狗よ。そちらの犬小屋の居心地はどうじゃ、憲実」
「持氏様、誤解です。私は決して、室町殿に援軍など求めておりませぬ」
「禅秀と同じ。やはり貴様もわしに逆らう。腹の底は卑しいものじゃ」
「違う、違います!私はあなたと戦いたくありませぬ!」憲実は叫んだ。しかし、
「わめくな!裏切り者めが」
持氏の耳にはもはや届かない。持氏はすでに憲実を見ていなかった。
黒い葬列を率いて微笑む満済を睨みつけ、その先で嗤う義教を見ていた。
溢れんばかりの憎悪を吐いて捨てる。「還俗将軍め、貴様は高みの見物か……!」



私は夢の中で蛇を見ました 白い蛇と黒い蛇が私の右足と左腕に絡みついて、私をある場所へ案内しました。私はあなたを見つけて嬉しくなって、こんにちはと挨拶をしてから親愛の証としてその頬に口付けました。白い蛇は解けて消えましたが、黒い蛇は私の口から体の中へ入っていきました。
それ以来、あなたの姿を見つけることができません。



私は赤子の時に捨てられました
私は小さな島の王様に拾われました
私は本当の子どものように育てられました
私に弟ができました
私は弟を殺しました
私は泣きながら 海を裂いて島から逃げました
私はある女と恋に落ちました
私は女の横にいた男を殺して女と結婚しました
それは私の実の父親と母親でした
私は女を殺して逃げました
私はもう何も考えたくありませんでした
私はこのまま静かに生きてそして死のうと思いました
私が小さな桃園で働いていた時 私はあなたに出会いました
その時のことは今でもはっきりと覚えています
私はあなたの神々しさにただただ魅せられました
ふらふらと私はあなたの後ろについていきました
私の後ろにもあなたに付き従う者が増えました
私はその者たちを嫉妬で殺さないように努めました
私はもう過ちを犯したくありませんでした
私はあなたを純粋に愛していました
私はあなたを見ると 声を聴くと まとうものに触れると 言い知れぬ幸福を感じました
私はあなたが信じるのなら今まで憎くて仕方なかった神の存在を認めることができました
私はあなたをいつまでも見ていたかった いつまでも共に在りたかった
私はあなたの透けるような髪に 淡い皮膚に 底知れぬ眼球に 触れたかった
瞼に 頬に 唇に 舌に 心臓に 足の指先に 口付けたかった
私は己が泥水のように醜い者だと気付いたから 聖水のように綺麗なあなたに惹かれました
私の罪を浄化してほしかったのかもしれません
一点のくもりもないあなたの純潔を私の呪われた体で穢したかったのかもしれません
私は
私は
私は

黄金伝説 ユダ ユダヤ人ルベン キュボレア 破滅の悪夢 小箱に入れて湖に捨てた スカリオト島につく 王家に育てられた 弟を殺しエルサレムへ逃亡 ローマのユダヤ総督ピラトゥスの忠実な臣下に 果実ほしさにルベンを殺す。キュボレアをめとる バルトロマイ福音書 三十の罪


あなたの影を切り取って口に入れる。
かみさまの味がした。不味い。汚い。



君は本当に慈悲深く無慈悲な人だ
君がこの世界を救おうとするから
君を盲信したたくさんの国と国で
何百年も大戦争が続いて
何千年も目隠しをされて
何万年も生き続けている
誰も君を疑わない
誰も君を支えない
誰も君を助けない
僕だけだよ ねぇそうでしょう
僕だけが君を助けてあげられる
僕だけが君を殺してあげるんだ

進歩しなければ終わりは遠ざかる。いつまでも子供のままでいればいつまでも生き続ける。


UHキャラでブラインドジャスティスパロしたい。→できない。→苦しい。



「鈴木さん」「はい」「後で部屋に来てください。話があります」
部屋を尋ねると秋人はひとり碁盤の前に座っていた。真剣な表情で碁石を乗せていく。目が子供じゃない。ひとり囲碁…?
やっと夏目に気付く。「ああ、鈴木さん。すいません」「いえ。…それはご趣味ですか」
「ああ、これはただの棋譜並べです。何、たいしたことじゃない」そう言うと、秋人は碁盤の上にあった碁石をじゃらんと払った。
「話っていうのは、春海兄さんのことです。急に鉢合わせてしまって、驚いたでしょう」「あ…いえ…」驚かなかったと言えば嘘になる。むしろ本当にびっくりした。「他の人は皆知ってるけど、あなたには一度ちゃんと説明しないと」奥の襖を開ける。現れたのは大きな仏壇。この家の先祖が眠る場所。壁には古い写真が連なっている。その中で一枚、他と比べて新しいものがある。若い男の人の写真だ。
「彼は、長男の冬嗣兄さんです。5年前に亡くなりました。けれど、春海兄さんはこの人の帰りをずっと待っている」
+++
「鈴木さんは冬嗣兄さんと似ています」夏目が驚く。「…似てますか?」写真と比べても、そんなことないように思う。白黒だけど髪も肌の色素も薄そうで、日に焼けた自分の姿とはまるで違う。眼鏡もかけていない。「笑ったり泣いたりの表情や仕草がなんとなく、冬嗣兄さんを思い出させる」
+++
まともである状態の春海と話をする。
「長男の冬嗣様は、どんな方だったのですか?」
「……穏やかで、優しく笑う兄でした。勉強もできたし料理もできたし、本当に何でもできました。趣味の囲碁では大会入賞経験があります。あ、あと園芸にも詳しくて……でも、生まれつき体は弱くて……いつも伏せっていました……」「……」
この人は、長男が死んだことを認めている。なのになぜ、あの時『帰ってくる』なんて言ったんだ。



ユタはイリスの説教をすべて知っている。夢の中で読む本にすべて書いてあった。
「続きを……読むよ。君は、それでもいいの?」唇がわななく。
「……好きにしろ。お前の心が命ずるまま、先へ進め」
+++
(白紙……?)
「ユタ様……」
「お前が食べたの?」
「いけません、ユタ様。教主様を役人に引き渡す手助けなんて、とんでもない。どうか考え直してください」
「吐き出せ」
「できません」
「吐き出せ。僕はそうしなきゃいけないんだ!」
じゃないと、壊れてしまう。足下が崩れる。はやく、はやくしないと。
「僕はそれを望んでいるんだから!」
「……本当、に?」
どろりと、吐き出す。「それが願いなら叶えましょう」
でも……気持ち悪くなるよ?
蛇のような笑みで。ユタに手を伸ばす。口移しで吐瀉物を譲る。
+++
『神様は気まぐれだから、自分の思い通りにならなくなったものなんてすぐ壊しちゃうよ』
(かまわない)
『彼が愛した世界なのに?』
(……)
僕が体に傷を増やすたび、イリスは心を蝕まれた。
その絆を心地よいと思っていた。唯一の命綱だった。
それが切れた今、どうして落ちずにいられよう。
(お前は誰だったの?)
『……君と同じ。神様が嫌いなひとり』
公明正大で、博愛に生きていて、全知全能のくせに無垢な、
彼を愛しすぎて、この手にかけようとして、地獄に堕とされた。
『きたない一匹の蛇だよ』
脱皮をしよう、神様がよそ見をしている間に。

バルトロマイ福音書にユダの妻うんぬんの記述があるらしい。妻…だと…!?


ぼ く の だ い す き な   Clarinet



人の顔は前と後ろでふたつついているのだと思っていた。人と向かい合っている正面の顔と、後ろで本音をひとりごとしている後ろの顔。でも他の人はそんなもの見えないと言う。僕にはあんなにはっきり見えるのに。けれど、自分の後ろに手を回しても何もないから彼らが正しいのだと思う。でも、それなら君はどうして後ろにも前にも顔がないんだろう。



祈る人 イリス
戦う人 ペトロ
働く人 ユタ



「これは、毒ではないのか」
「おっしゃるとおり、毒にございます」
差し出された茶器に注がれたものを見て義久は目を見開き、次いで細めた。
「どういうつもりだ」
「この屋敷は謂わば三途の川の渡し舟。主人に会うため、客人には死んでもらいます」
「巫山戯るな」
「ここでは常世の理など無いも同然。あるのは怨念深き者の魂のみ。迷ひ歩くそれに触れたくば、自らを死地に追いやるしかありません」
+++
黒衣の幽霊。逆さまの幽霊。紙魚(しみ)の稚魚が泳ぐ空間。
部屋の天井に座り読経する僧は、生前の姿のまま。いや、むしろ若い。
「おや…?鎌倉の匂いがします。珍しい客人ですね」
「やはり貴様か――黒衣の宰相。三宝院の満済」
「あなたは、持氏殿の御子。賢王丸…いえ、今は義久殿とお呼びした方がよろしいですか」
「どちらも同じだ。言霊の宿らぬ名など何の意味もない」

・元服時、烏帽子親の義教から「教」の字をもらわなかった(持氏が拒絶した)義久には「力」が無い。けれど、同時に背負う呪いもない。
・魑魅魍魎の満済さまは目が見えない。匂いと声と第六感で対話する。
・結城合戦直後。2人とももし生きていたらの人物。パラレル楽しい。



もっちー:火(属性
ノリリン:氷
満済:水
春:火 武器:水 裏属性:闇
安:草 武器:土 裏属性:光
永寿:氷 武器:水 裏:闇
ノリザネー:風
八葉:土

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UH室町将軍ヘアカラーめも
@尊氏:黒 A義詮:茶 B義満:銀 C義持:黒 D義量:灰 E義教:金 F義勝:白 G義政:緑 Hから未定。N義昭は紫かなぁ めっちゃカラフルだー



「義持様」
切なげな声で、満済は橋の向こう側にいる人物の名を呼んだ。
彼の人は何も言わず、何も思っていないような様子で満済を見ていた。
「はは……あなたには、すべてお見通しのようですね」
満済は己の体にまとわりつく餓鬼たちを祓った。断末魔の叫びが、赤黒い肉片が、四方八方に響いて、すぐに消えた。
「三途の川は、まだ渡れません。あなたとの約束を、私は何も果たせていない」
白い天に向かって腕を伸ばせば、黒い細長い(女人の髪にも似ている)何かが満済の腕に絡みついた。
「もうしばらく、あちらにとどまります。義教殿のそばで、魂の灯火が消えるまでの間……きっと、もう、あなたの元へ還ることもないでしょう」
本当は、あなたと共に在りたかった。けれど、それは叶わぬ。
亡者となりても常世に居座る。法衣を着た畜生。けれど、今までの生以上に自由だ。嬉しい。私は嬉しいのです。だから、そんな悲しそうな無表情でいないでください。
「ごきげんよう、我が君」
満済はにこりと微笑み、その場所から掻き消えるように去った。
彼の人は、虚ろな目でいつまでもそこを見ていた。唇が動き、
『……満済』
と、名残惜しむようにその名前を呼んだ。
(行く末を嘆き お前にすがった弱い私を お前は 残酷なまでに 慈しんでくれた)
(物の怪と交じる お前の姿は あさましいはずなのに なぜそうも美しいのだろう)
『なぜ……業を背負うのが、私でなく、そなたなのだ。すまぬ……すまぬ……』

義持はすべてが終わるまで三途の川から離れようとしない(ちゃんとあの世に行けてない)水面に映る常世に一喜一憂している。歴代の将軍や公方はもはや放任主義ですが。


「正座とかしてると足がしびれてくるじゃん」
「うん」
「めちゃくちゃ痛いけどその後ちょっと気持ちよくなる時あるだろ、わかる?」
「わかる」
「それがマゾの気持ちです。わかる?」
「わからん」



閉じた世界。風が吹けば桶屋が儲かるくらいなのだから、あなたが後ろから刺し殺した人が向かい合って抱き合っていた人だとしても可笑しくないよ。
人の真似をしては喜ぶ鏡の中のあの子は、私が泣いていると目の前でケラケラと笑う。私が笑うと怒り出す。私が怒ると無表情で私を見下してくる。気味が悪いけれど、なぜかとても愛おしい。



「不幸になれない不幸とか。いや、嫌味じゃなくて。バランスのとれた基準から外れるだけ欠落しているという判断がさ。そもそも基準って何なんだろうね。ヒトである限りそこには到達できないかもしれないのに、みんなそこを目指していくんだ。兎みたいに全速力で走る人もいれば、亀みたいに這いずって行く人もいる。幸せになるために不幸せになったり、不幸せを幸せと重ねたり。本当に、不思議だね。僕にはよくわからないや」



祭りの鬼火 惹かれて駆ければ見せ物小屋へ あちらこちらに目移りする
あれが欲しい これも欲しい ほんの5本ほど腕が欲しい
帰る足など守宮(ヤモリ)に渡して
鯉の住まう澱んだ池で 亀と遊べや
夜になれば朱い鳥居が泣いて恨み言
目隠し鬼 釘打つ音が聞こえてくる
あちらからだとそちらへ歩めば どちらへ行くのと引き止める腕
お神木(みき)の下におぼこい丁稚よ 支える笹には短冊4つ 赤青黄緑 よいよいよい
あちらは暗い こちらへ行こう どちらへ逝くのか引き寄せる腕
鳥居が続く狭い道 行き止まりに小さなお宮 狐が睨む 口だけ笑う
残念あなたもこちら行き こちらよこちら 深い深い沼の奥底
水が唄う あげようね あげようね あなたに子宝あげようね
もう一度 もうひとつ もうひとせ まわろうぞ めぐろうぞ
赤青黄緑 黒が増える 短冊5つ よいよいよい よいよいよ

※守宮(ヤモリ)を捕らえて朱砂で育てると体が赤くなる。それを搗した血を女人に塗っておくと終生消えない。淫犯があると消える。だから守宮。(媚薬の博物誌)


ココロが
コロコロころがって
コトンとココでこわれた



>幽魂何所怨 幽霊何を怨むのか
>停立将黄昏 黄昏時に一人立つ
>試問冥途事 冥途はいかがと尋ねれば
>睚眦無月言 月がないのと恨めしげ



僕の汚い左手と君の綺麗な右手がくっついてしまえばいいのに
僕の透明な右目をあげるから 君の濁った左目を食べさせてよ。
泉の中は冷たいでしょ?どうして同じ仕草しかしてくれないの



世界から戦争が消えて
みんなが平和になって
笑い合って愛し合って
その人の子供を産んで
子供がまた子供を産んで
最初の人は薬で生き続けて
その子供がまた子供を産んで
どんどん世界にみんなが溢れて
ぎゅうぎゅう詰めになって笑って
笑い続けて愛し続けて幸せになって
誰ひとり不幸になることを許されない
大きな笑い声が小さな泣き声をかき消す
地面に小さな深い深いふかい目ができると
ぐらりぐらり体から心臓が転がり落ちていく
気付いた誰かが悲鳴を上げても誰も気付かない
(彼らはただひたすら幸せなまま死にたいのだ)
笑い合える幸せ 愛し合える幸せ ただ生きる幸せ
しあわせしあわせしあわせしあわせしあわせしあわせ
しあわせしあわせしあわせしあわせしあわせふしあわせ



崖を挟んだ対岸に君がいる。崖の裂け目は細いけれど、壁のように目の前に立ちはだかっている。君と僕は声が届くほど近くにいるのに、触れるためには遠い場所にある橋を渡らなくてはいけない。君は半透明だから、目を離すと顔から溶けて消えてしまいそうで、僕は目を離すことすら怖がった。君がいるのに。やっと会えたのに。見えるのに。手を伸ばしても、大声で叫んでも、君に届かない。時間だけがどろどろと垂れ落ちて底だまる。僕の手が骨だけになっていく。砂のようにこぼれていく。君が崖を飛び越えてくれたらいいのに、そう思わずにはいられない。君は海の上も歩けたじゃないか、空を飛ぶくらい簡単だろう。君の目に僕が映っているなら、どうして何も言ってくれないのだろう。どうして気付かせてくれないのだろう。この世界は何かがおかしくて、君だけがその答えを知っているのに、君は手を差し伸べてくれない。君は慈悲深い人だとみんな言っていたけれど、僕にだけは一度も優しいことをしてくれなかったじゃない。今も。僕もそっちへ行きたいんだよ。僕だけ取り残されて、仲間はずれにされて、笑われて、みじめで、苦しい。君を愛して口付けて殺してしまったことの善悪なんてどうでもいいから、僕にも死刑を言い渡してほしい。君の言葉だけが僕の心臓を焼くことができる。そうじゃなきゃ僕はずっと、君の影に縫われて生き続ける。



 私は多くの人(特に三羽鳥、ペトロとヨハネとヤコブの3人)と話し合い、ひとつひとつの問題を解決すべきでした。酷い誤解に関して弁解の場を持つべきでした。けれどもそうしなかったのは、私が臆病だったからです。しかも自分本位の、最低な臆病者でした。自分の我を通せば他人を傷つけてしまう、そして恨みの目を向けられる。蔑まれる。想像するだけでだめでした。名に背くこと――私はそれが怖くてたまらず、結局何もできないのです。何も知らない者は、やはり私にあれやこれやと指図してきます。私の奇行はそんなに一味から浮いた、目も当てられないほどのものでしょうか?私は何の不自由もしていないのに。逆に言えば、これ以上の何かをするのは不自由なのです。自分が嫌うものを他人に求められるのは、もはや強要としか思えません。嗚呼、気持ち悪くてたまらない。それなのに、私は大口を開けてそれらを嚥下するのでした。それはさながら私だけの地獄絵図です。へらへら笑いつつ、私の心は蝕まれていきました。徐々に、しかし確実に。
 あなたは夢にも思わなかったでしょうが、私はいっそ死にたかったのです。振り子のように揺り揺られ生きていくのに疲れ果てたのかもしれません。色褪せていく一日を見送り心臓の鼓動を数えていました。本当に、よくもまあ忙しなく動く。無償の愛情に神の面影を見て、ぞわりと鳥肌が立ちました。眩暈がして目を閉じれば、瞼の裏は渦巻く闇の巣窟。私は吐き気に襲われます。もうたくさんだ!私は夢喰いに悪夢を請いました。その甲斐あって、崖っぷちに立っていて、突風に吹かれ落ちてしまう夢を何度か見ましたが、跳ね起きるたびに夢だったことを残念に思いました。所詮夢など幻に過ぎないのです。私は幻の中で何度も事切れる練習をします。
 これまでだってそうだった。ろくに躾もされないで生きてきました。何が“褒められる・祝われる者”だ。子供の頃からなかなか愛情をもらえなくて、心も体も常に飢えていた。人に謝ることも譲ることも許すこともできず、世界の臭いを嗅ぐことも嫌がって、棺桶の中で死ぬ準備を整えていました。そこは暗くて狭くて、私は時折涙するほどのどうしようもない衝動に乗っとられましたが、それでも外に出ることはありませんでした。そこは穏やかにほの暗く、慈しむようなあたたかさに満ちていました。
 空腹感を覚えては、裕福な人間の食べかすを四つん這いになって食べました。夢中でした。羞恥の感情やなけなしのプライドも全部捨てました。貪欲な渇望に優しく目隠しをされた私に怖いものなどありませんでした。欺瞞に満ちた蛇女に禁じられた左手で蜂の巣を差し出されても、何の疑いもなく甘い蜜を舐めしゃぶりました。私は白痴ではなかったので、蛇女の薄笑いの下のどこかに右手が隠されているのはわかっていましたが、深く考えたくはありません。彼女は隻腕なんだと思いこみ、餌をいただきます。私は賢くもありませんでした。実際のところ、蛇女の神聖な右手には毒が握られていました。
 私は誰も信用しませんでした。致命的に物覚えが悪かったので、命の恩人を一時の衝動で殴り殺すこともよくありました。神に祈るどころか、その存在を認めることもしませんでした。唯一、巨人殺しの小人は尊敬していました。彼はとても勇敢だと思います。
 ところで、あなたは私を愛していますか?




かわいい かわいい おにんぎょうさん
ほつれないよう かみをすいてあげよう
さびないよう まいにちふいてあげよう
べにをつけ かざりつけ ほうらきれい
おにんぎょうさん もううごかないでね




かさかさでしわだらけ、醜い僕の右手には
愛おしいひとのにおいがしみついている。
左手を添え、顔に押し当てて匂いをかぐ。
目を閉じると僕の目の前にあなたがいる。
(それだけで幸せになる僕は不幸だろうか)




僕は怒り 君は笑い
僕は哀しみ君は喜び
僕は嘆き 君は起つ。
(僕が落として捨てるものを君は惜しむ。)
(君がこだわることを僕は理解できない。)




崇徳院「桜吹雪は綺麗だろう。これ(血飛沫)も同じだ…なぁ?相模」
in白峰寺。相模は坊天狗。sm6771767



狂宴 Feeding Frenzy
いじ(遺児)らしい
植民地 支配者×現地人
昔のひとって頭悪そうな気がする。環境が悪かったんだろうな。今も環境は悪いけど。
攻撃が最大の防御なら、防御は最大の攻撃だとも思う。
安全好きなマクロ やっぱりぼっちゃん
警官のまわりにおとし金
AJE@かなしい
quilt キルト
狐の嫁入り
12世紀後半 地獄草紙 針口虫 蛆虫 罪人たち 糞尿の池地獄
センソ ガマの油
鬼神 巫者 豆まき 追儺



(柱に顔がみえるひと)
その家の柱や壁には顔がいっぱいあった。
みんな怒ってたり笑ってたり百面相で、中には私を見るなり説教をする顔もあった。
ひどいなまりで、それはあなたの生まれ故郷ですか?と尋ねたら、途端にその顔は苦しそうに呻いて、もう人の言葉を喋らなくなった。
断末魔のようなその声を聴きながら眼を閉じると、なぜか胎内にいるような穏やかな心地になった。はじめて万華鏡をのぞいた時の感覚と似ていた。
「うん、ここにしよう」
やっとで私の新居は決定された。



チョコパン×メロンパン擬人化18禁
俺のこのどす黒いもの、お前のぐちゅぐちゅのナカにぶちこんでやるよぉ!
やらああっ変(な味)になっちゃううっ



■月に叢雲 花に風(つきにむらくもはなにかぜ)
好事にはとかく邪魔が入りやすく、よい状態は長続きしないということ。月見をすれば雲が名月を隠し、花見に行けば風が桜花を散らす、というように。
同意語:「花には嵐のさわりあり」「花に風」「花に嵐」「花開いて風雨多し」
類語:「好事魔多し」「寸善尺魔」



かえっておいでよ ぼくのくちのなかに



雉も鳴かずば(ものいわじ 父は長柄の人柱 鳴かずば雉も射られざらまじ)



生きるために、肉食は草食を食べて、草食は草を食べる。草は肉食の死骸から生えてくる。草のような肉食があればそれはどんなふうに鳴くのかな。神様の聖書を食べる紙魚みたいに、人間を食べてくれるのかな。



痛い痛いと心の中で泣く君を慰めに、境目を越えてそっちに行こう。
表側しか見えなかった月の裏側をのぞき込めば、誰かの血痕が見えて、黒い夜のことを嫌いになるかもしれないけど、僕も背中が痛いんだ。君に舐めてもらいたい。優しく瘡蓋を剥がしてほしい。体液が悲鳴をあげてもいい。
「僕は君のことが好き」だってことを、「君は僕から離れられない」ってことを、忘れないように刻んでみせて。
(本当は、もうずいぶん前から、どこもなんとも痛くないのだけれど。)



君と僕が同じことで笑い合う、その瞬間が一番しあわせ。僕たちはまだ子供だから、大抵を許される舌足らずだから、それ以上は何も望まない。君以上に崇高なものなんていらない。でも、最近、怖い夢を見るんだ。大きな体になった僕らがとても哀しい結末を迎える夢。目隠しなんかしてないのに、僕は君が見えていない。君ももう僕を見ることはない。それでも手を伸ばし合う。僕はナイフを握りしめていて、君は僕の首にかかっている縄を掴んでる。僕は笑ってこう言い放つ。『例え君が僕のものにならなくても、君と遊んでころげまわった野原で、君の記憶を反すうして咀嚼すれば、僕は生きていける』
+++
そこで目が覚めた。否、君が起こしてくれた。怖い夢に溺れる前に僕を引き上げてくれた。小さな体の君と僕は抱き合って泣く。君の手が僕の瞼をなぞって、額に優しくキスをする。慰められて、僕はやっとあの夢が幻だったことに安堵する。幸せなんだ。とても。本当に。そう、怖いくらいに。君とずっとこうしていたい。永遠に、那由多、君と繰り返しの日々を生きたい。『…好きだよ』 この真綿のような夢幻の中で、君と僕は同じことで笑い合う。



ひとりぼっちの殺人犯が自首してきました。さて共犯者はどこでしょう?
ヒント:ウミガメスープ



眠ることで逃げてきた。次の日には昨日のことを忘れてる。
『跡形もなく消えるのが怖いなら遺してもいいよ』
ああ、あれほど、同じ間違いをしないように、日記をつけておいたのに。



「私は、見やすい位置に立つ選ばれた人になりたくなくて、選ばれる中にも含まれない位置に立つ人物になってこっそりと生きたい。だからか選ばれようとする行為がひどく滑稽に思える。とにかく、どうにかしてそのような選抜をうまく逃げ切る道などないだろうか」
「ええと、つまり、楽して生きる方法?」
「まぁ、だいたいそういうことだ」



昔から操り人形とか好きでした。そーゆー嗜好があります。自分の意識が混濁して敵に操られて味方を攻撃するとか、自分を追いつめるとか、あまつさえエロいことするとか(最後だけジャンル違う)そんなキャラとかシチュとかが、好きです。特殊?いや、でもそーゆーの好きな人って結構いますよね。多分。商業誌でも同人でも多用されてるし(催眠術とか催淫剤とか)自分の意志とは無関係に動く・反応する・暴走する体って萌えませんか。ませんか



「もうここをこんなに濡らして…」という男性向け特有の責め苦を女性向けて使用するにはどうすればいいのか。どうもせんでええですか。他の男とヤって中出しされた後、でどうだ



寛正1〜2(1460~61)年 冷害/戦乱 正月2月で京の死者8万2000人? 春安…!!



刀剣に霊力があると信じる習慣
『御産所日記』永享六(1434)年2月9日 足利義勝 誕生
かりていも 訶利帝母(鬼子母神)。〜 太刀献上
『普広院殿(足利義教)御元服記』 銀造の太刀もろた
鞄太刀足利将軍家伝来の鬼丸太刀、笹丸太刀
神社剣はカマスきつさき



義教時代、鎌倉の支配地、京都からは「異国」
血筋の良い幼い二人が日光へあずけられた=稚児フラグ
永享一二年(1440)結城合戦中に奥羽の篠川公方満直も奥州の国人に殺される 賢王丸?
禅秀乱寺の幕府から持氏への援助は義円が持氏(幸王丸)をかばったからとか そんな
持氏義教に油を注いだ篠川公方・満直(鎌倉公方になりたい)(幕府支持)vs稲村公方・満貞(鎌倉支持)
うおおい義満の幼名も春王丸ってこれあきらかに持氏将軍職狙ってないか、これ!ねぇ!はぁはぁ(興奮)(すな)まあよくある名前なんでしょうが…
しゅんわうあんわう 追い肥 鯉と鶴 蝦夷と粛慎(みしはせ)社忌寸(やしろいみき)



結城合戦において守護代・長尾邦景は越後軍を率いて出陣、結城城落城の折に春王・安王兄弟を捕らえるという大手柄をたてた。このようにして、守護代長尾氏の権勢は絶頂となり、さらに将軍足利義教に接近してその権勢を極めようとした が、義教が嘉吉の変で殺害されたことで、にわかに長尾氏の株は急落した。



口惜しの花は三部構成
一部 : 結城〜嘉吉(兄弟生き別れ)
二部 : 春安の農民暮らし(安穏)
三部 : 公方への返り咲き(波乱)



八葉「てめーらの親(持氏)が死んだから幕府は敵なしになった。だが同時に幕府の需要は減り、力は弱くなった」
春王「なるほど、対抗する敵がいなくなれば権威が弱くなるのは道理だな」



安王「兄上は僕のために何でもしてくれるから、いつか、僕の病気が治って、僕が丈夫になったら、今度は僕が兄上に何でもしてあげるの」



義教「龍涎香という。龍の涎といっても、抹香鯨から採取した香料じゃ。だが、まこと珍しい。不老長寿の妙薬とも、催淫効果のある媚薬とも言われておる」



ひときわ可愛らしい声を出して笑った。
「ぼく、おとこのこだよ」
「……え」
「僕の名前は赤松伊豆守貞村。伊豆って呼んで。よろしくね」



もうなんか、名前とシチュをパクったオリジナルストーリーってかんじ



蓮(はす)の流れはいろはにほへと



三十路おやじは観賞用
バラを美しいと思うけどセックスしようとは思わない
エロ本に勃起するけど本を丸めてその穴に突っ込んだりしようとは思わない



心の中で忠誠を誓ったあなたと心中する夢を見る。



「汗とシャボン玉のにおいって似てるねー」「そうかあ?」



両性具有 アリストパネスのエロス 恋は不変のものを云々 プラトンまじでホモだった 優しいアポロと激しいディオニゾース 似非歌 似非幸い 集団思考ナチス群集心理2ch ぶちゃいく受け ちゅーちゅーねずみ×もーもーうし しろゆたいりすあけちみたい



ユタ 殺した女の子生き返らせる 背中が痛い
右は雨 左は日照り 首から左腕に巻き付く蛇
このまま下僕でいるか、独りで反旗を翻そうか



子どもの頃に、君と遊んだ秘密の場所の、そのありかを忘れてしまった。君は覚えてる?



虫は嫌いだけど、虫を食べる君のことは好きだ。
君と木の下で横になると、君の方に羽虫は行く。
虫は君に食べられて、虫を食べたその口に僕はキスをする。
虫の味がする。木の匂いがする。君はちゃんと生きている。



大金はたいてゴミを買う。おかあさまのそうじき。
明日彼女が死ぬと思えば、今日の彼女を愛することができる。



その瞬間を閉じ込めたものが好き。何度も何度もてのひらにおさまるそれを愛でる。いつでもワクワク、ドキドキできる。永遠にさようならをしない。させてあげない。



「だって僕、自分の顔を鏡で見たことないよ」
うつらない



君のために料理を作るんだけど燻りすぎたフライパンはひからびてカスカスになってしまう



待てと言われたのにそれを聞かなかったから
穏和なあなたが怒ることなんてないだろうと
気が急くままに欲張った手を伸ばして掴んだ
君は怒らなかった。でも、その腕はもげてしまった
僕は驚きに目を見開く。呼吸を忘れて君を見上げる
君がもう一度僕に何かを忠告するけれど聞こえない 何も聞こえない



僕は種を落としただけ。君が地面に水をやった。君が花を咲かせた。他人を不幸にする徒花を、芽吹かせたのは君だ。
君は僕より階段を数段上がった先を平行線にして歩いてる。君は神様と目線を合わせて話をしている。僕は神様の爪先しか見えない。声も聞こえない。これは不公平じゃないかな?
君に関する真実なんて、知っても、知らないままでも、後悔するだけだ。何の意味もない。意味なんて、最初からなんにもない。
「お前はすべてを欲しがっているようでいて、その実何も求めていない。お前は無償の愛を受ける身分ではないから、そして、自分が何も持っていないことを知っている」



ヤン・スワンメルダムはオランダの博物学者 昆虫の研究で有名 蝶の変態を観察して、桶の中に成虫がすでに存在していることを発見した。赤血球やリンパ管の初期の発見者でもある。自然の聖書



「一発殴らせてあげてもいいかなって思ってた」
「むしろ一発ヤらしてほしいんですがごふっ【殴】



戦後は民衆の歴史



「あの方は、もう当主になられないんですか」
佐竹は作業する手を止めて、眉をハの字に困らせた。
夏目はハッとして自分の失言に気付く。
「す…すいません、出過ぎたことを言いました」
「いえ、いいんですよ、誰でもそう思いますよね」
佐竹の指がまた動き出して長い枝をぱちんと切る。
ぽとりと床に落ちた余分な枝。要らない部分。
「春海様は少し病を患っておられて…それはもう、おそらく治ることはないのです」

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「春海兄さん」
後ろを振り向くとそこには三男の秋人がいた。
長男も、三男の言うことにはきちんと反応する。
「家の中に戻ろう。冬嗣兄さんは今日は帰ってこないよ」
「……帰らない……?」
春海の無表情はみるみるうちに今にも泣きそうな悲しげなものになる。
「どうして……?」
「だって、この雪じゃ、村のバスは運休してるだろうし、帰ってくるとしても明日じゃないかな」
「……明日」
「そう、明日」
秋人が春海の腕を掴んで手を繋ぐ。
家に戻るよう促すと、大人しくそれに従った。夏目も共に引き返す。
春海は何度も何度も「明日、明日」と呟く。
目はぼんやりと此処ではない何処かを見ている。
「……」
春海様も、秋人様も、何を言っているんだろう。
冬嗣様が、帰ってくるはずないじゃないか。
ずっとずっと前に、長男は死んだんだろう。
なのに次男はその人の帰りを待ち、三男は優しい嘘をつく。
「明日……明日、帰ってくる……」
春海のか細い声は、白い雪に今にも掻き消えそうだ。
なのにそれは刃こぼれした刀のように危うくて、夏目は怖いと思わずにはいられなかった。



みんながみんな君のように処女から産まれるわけじゃない。
ヒトは子孫を残すためにでこぼこの生殖器を重ねてこすって種を出して芽を生やす。
それすら君は軽蔑してるくせに。愚か者を寛大に許してるつもりなんでしょう。
でも僕は子孫を残すことを禁じられた存在だ。他人と交わることは赦されない。
それに、僕だって嫌だ。自分の呪われた血をすすって何かが産まれるなんて、気持ち悪い。
ソレだって、僕から生まれたことで不幸になるだろうし、僕は余分に恨まれることになる。
僕は血の畑で腹を裂いて死ぬらしい。そこで赤子が生まれてごらん、何の儀式と呼ばれるやら。
※ユダ、血の土地で体が真ん中から引き裂ける(使徒言行録)



お母さん
運命の人を愛するために
その人に口付けるために
その人をこの手で殺すために
僕を産んでくれてありがとう
僕を蘇生してくれてありがとう
僕は父を憎むけど、あなたは愛そう、処女マリア。



かみさま 泣かないで。そんなに悲しんだら、また大洪水が起こってしまう。
あなたがもうその手から何も創れない生み出せないと泣きながら謝っている。
それは僕にとってとても残念なことだけど、大丈夫だよ、僕はそれを赦すよ。
あなたがこれまでに作ってくれたものは、僕なりに今でも大切にしてるから。
ただ僕より長く生きるだけでいい。僕が望むのはただそれだけだよ。大丈夫、
ただ世界がぼろぼろに壊れて誰もいなくなるまで、何もしなくていいんだよ。



愛するとは、己が生きる最低限の状況下で、なお必要のない存在を特別に欲すること。

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ただ、俺は、生物と静物どちらが優れているという位置づけに、生物を選んだにすぎない。
生物はどんな下等生物であろうと、己の意のままに動ける。己の空腹を満たすために狩り、己の遺伝子を残すために生殖する。(群集する種族では身分階級があるが、それすら己のDNAに刻まれた本能に従っている)
対して、静物はその名の通りだ。動かない。死んだことはないが、死人ならこれまで何度も見てきた。それとよく似ている。彼らは動かないのではない、動けないのだ。何もできず、何も考えられない。そこには何もない。そんな無価値なものに成り下がるのは御免だ。
死にたくない。恐怖心からの拒絶ではない。死ぬ間際の痛みなどそれこそ死という概念の前には一瞬ですらない刹那に感じるものだろう。むしろ意地に近い不満が最大の理由。なぜ、この俺が死ななくてはならない? まずそこからがまったく理解できない。今まで築き上げてきた叡智を、価値ある物を生み出せるこの手を、死などという外部からの強制終了にどうして従わなければいけないのか。冗談ではない。俺が死ぬ日は俺が決める。
俺が万が一死ぬ時は、すべての生物が死に絶えてからだ。それが妥当だろう。当然だ。

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「お前は永遠の命がほしくないのか」
「永遠の、いのち…… 永遠…?」
「ずっとだ。永遠に終わりはない」
「でも、どのくらい…?」
「くどいな。尺度で測れないから永遠と言う。無限だ。見果てぬ」
「……なんだか、怖い」
「? お前は死にたいのか」
シャムはいそいで首を振った。
「死にたくない。…けど、もしかしたら」
「なんだ」
「永遠は、死ぬのと同じくらい、怖いかもしれない」
「……ふん」
馬鹿な戯れ言だと、オズは一笑にふした。
+++
「……オズ」「何だ」
これ以上、彼を遠く感じたらいけない気がする。太古、バベルの塔が落雷で崩れて皆の話す言葉が違えたように、意思疎通ができなくなりそうだ。
「オズ、私の言葉がわかる?」
「? いきなり何を言い出す」
「…私たちは、まだ、同じ場所にいるよね」
今も昔も変わらず、あなたがいるなら、私はこのままがいいのに。
そのためには永遠という得体の知れない怪物を食べないといけないのか。

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ガタガタと震える
ガシャン!
「ひぃ…っ」
「俺に口答えするな。言うことを聞け。わかったか?」
「……」
「返事をしろ!」
「……は…い…」

(あ、わかった。オズシャムは王家の紋章だ)
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この目は もしかしたら この世のありとあらゆる汚いものを映してきたせいで 腐ったのかもしれない
「俺にはもう時間がない」目薬を差してるオズ。
+++
「ッ…」
「あ、今、おくすりを…」
「必要ない。こんなかすり傷、舐めれば治る…そうだ、お前が舐めろ」
「ええっ?」
困惑するしかない。
「あの…でも…」
「俺がやれと言ったらやるんだ」
おそるおそる……ちろちろ。
舌の上に血の味が広がる。
「ふん」
征服欲。独占欲。汚らしいのに心地がよい。
+++
生物の体内に流れる鮮やかな血のような、はたまた、激しく踊り狂う焔(ほむら)を連想させる。一点の曇りもない赤い双眼。
身が震えるほどの喜びも、涙も出ない絶望も、何も、何も知らない、無知で、無垢な瞳。
実験材料ではなく、己のものにしたいと思った。それはまぎれもない独占欲。
自分の手中に収めたくて、半ば強引に買い取った。

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あんまりだ。私たちの世界は飼い主がすべてなのに。きっとまた、飽きて捨てられるんだ。何を言われても信じられない――ほんとうは信じたいのに。だって、最初からだって、一番最後にだって、いつからでも嘘はつける。見えない傷が癒えないこの体で、この手で、指先すら、求めることはもうできない。ぜんぶ戯言だ。捨てられる覚悟を、心の準備を整える。



(コメ関係の何かの文庫を読んで引用メモ)
コメ作り毎年の繰り返し作業。革新的な「お前のような考えは必要ない」ムラの結束に荒波たてて歪ませる。個性が強い、突飛な意見を言う人は排除。独創的なものはいらない。村人は誰も同意見で、先祖の教えを守り、前例を重んじ、同じ行動をとる。対立を生まないための知恵。冷厳な合理性。生産性が落ちぬように。「和」都合が悪く、前例がない事件「臭いものにはフタ」「先送り」手をつけない工夫をする。コメ作りが先(ルール)だ。ルールにないことはフタ。時間が解決してくれるだろう。密室みたいだ。隠蔽性。平和のためだ。逃げてる? 成長しないぞ それでええ、ムラはコメを作ればそれでええんや いじましい。
村八分。はぶく。はずす。村法。秩序維持が目的。絶交。茜頭巾。縄の帯をつけさせたりする。追放。ムラの境界の道祖神の外へ出す。平和で安全なムラ の、外へ。危険区域にほうりだす。謝罪すれば許す。私は間違っていない。



やってるさまってあほやんなどうぶつまるだしで
はみちんはまぬけだけどはみちんげはかっこいい



「べんけいv」キラキラ
「牛若○サマ〜vvv」
 数年後、義経不良化。
「オイ弁慶!」イライラ
「ああっ…義経様…orz」←でも嬉しい(M



みんな大好き賢者タイム
「車の免許取らないの? 夏休み中に」
「ん〜、迷ってる。ていうか金ないわ」
「母親に頼めば? 社会人になったら教習所通えないよ」
「でも今んとこ、車使う用事ってないし。必要性が微妙」
「ないと将来困ることになるって。練習がてらさ。いきなり乗って事故っても最悪じゃん」
「……あ、なんかそれって脱童貞と似てる」
「はあ?」結局惰性で免許は取らず。
「恋愛で必死になってる○○とかできちゃった結婚した××とかみてるとそういうのはまりたくないなと思うんだけど、お前のことで頭がいっぱいな時点で負け組だよね」
「お前が勝ち組だろうが負け組だろうが構わんが俺を巻き込むな」



「褒められると馬鹿にされてるような気分になる」
「なんでだよ、素直に喜べ。良いっつってんだろ」
「褒め言葉を添えた瞬間にソレは値打ちがなくなる。まるで汚されてるみたいだ」
「なら最初から誰にも見せなきゃいいじゃねぇか」
「嫌だ。だって、けなしてくれるのは好きなんだ」
「お前はマゾヒストなのか?ナルシストなのか?」
「どちらかといえばサディストのナルシストかな」
「最悪じゃねーか(笑)」
すべての幸福は健康の上に成り立ってる。何でもやれる可能性=何にもできない可能性
「だから何もしない」「おいおい」



自分だけのものじゃなくなったから口惜しい。悲しい。どうして。
私はこんなに好きなのに。私が一番好きなのに。なのにどうして。
嫌だ。許せない。私だけだ。これは私のものだ。誰も見るな。触れるな。笑うな。嗤うな。
信じるものか認めるものか赦してなんてやらない。これは私のただひとつの命、心、鼓動。
これがないと私は死ぬ。生きていられない。返せ。返せ。返して。私を殺さないで。ねえ。
白銀の中であてどない生死の彷徨をしている。翼を燃やす太陽は死んだから空を飛びたい。



どこへ行けば君に会えるの。4つある門のどれをくぐれば君の足跡が見えるの。
君は今どこにいて、何をしていて、何を見て、何に触れて、何を思っているから、僕をもう覚えていないの?



平和を追及するなら君には歪なものたちを平等にする目も、鼻も、耳も、それらを飲み込む口も要らないだろう。君が生きていられるのは虚勢を嬌声で去勢しているからだ。偽善者と傲慢チキの合の子だからだよ。君は神様の申し子なんかじゃない。君が本当に偉大な人ならどうして僕に陵辱されて喘いでいるのさ?ははっ!
屠畜場で獣のように交わる。これじゃあまるで不幸になるのを尻尾を振って待ってるみたいだね。きたならしいね。



イリスがユタをマリアから離したのは 殺されてしまうから。
ユタは役目を果たすまで生きる義務があり、死ぬ権利はない。



誰に何をされても何も感じなかった。殴られて痛いのも 触られて気持ちがよいのも 表皮だけのことで体内で爆ぜることはなかった。汚れた黒い指を食べても何の味もしない。
でも、あの時、『――』君のか細い声に、君の半透明の言葉に、僕の肺腑は悲鳴をあげた。次第にそれは嬌声になった。白い粘液が黒い指をゆっくりと洗浄する。……甘い。
全身に激痛が走る。痛い。でも、気持ちがよい。もっと欲しいと思った。君のそばにいると僕は死なずに生きていられる。
君だけ。
君しか。
君の。
僕は。



字が読めなくなった。
月が群雲でぼやける。
手探りで君をさがすけど、助けを求める君の遺書を、学のない僕は読めなかったんだ。



「生かし続けるのも、何度も殺すのも?」「そうだよ」
何度も何度も、言い聞かせないと、覚えてくれない。
どんなごちそうを食べさせたって、彼は誰にも感謝しない。
鞭で虐げられても泣きもしない。
彼が感情的になるのは唯一夢の中だけだ。




魔法使いと悪魔の子供それは男色の稚児(カタマイト)
魔女が悪魔に孕まされて、生まれた子供はバシリスク。
だからシミアデイ(神様の猿まね)したって一目瞭然
魔術師 男色家 異教徒 狂人 全部ぜんぶおんなじ
(男色は悪魔以上に醜悪で 男色の神様は世界の真理)



「先生、質問です。母親に先日、私が赤子の時に与えたミルク代を返せといわれたのですが、いったいいくらになるんでしょうか?検討もつきません」
「うーん、それは難しいね。でもそういうのは気持ちだから、君の年齢なら、そうだなぁ、福沢諭吉が2人いれば納得してくれるんじゃないかな」
「わかりました、ではさっそく3万ばかり父親の財布から盗んできます。ご教授ありがとうございました」
「どういたしまして」



雨は止まず、絶え間なく、あなたの躰を濡らす。(主よなぜ私を見捨て給う)
あなたの屍は天からの滴を受け入れて、満ちる。(これが答えだというのか)
生きていても死んでいても君は綺麗だし、何者をも拒絶しないまま許容する。
雨に濡れることができない僕は君の抜け殻に触ろうとしてその指を焼かれた。
皮膚が裂ける痛みに生肉が泣く。変な色の血液。絶望と、悲哀。少しの快楽。
右の頬にひとしずくの涙。古傷を伝って足下に落ちる。そこに実る罪の果実。
毒々しい蔦があなたの躰に巻きつく。君はやっとで僕を受け入れて、涸れる。
(主よあなたの答えが彼を愛することなら私の応えもあなたと同じものだ。)



完全な未完成
未完成の完全



四苦八苦
生老病死
晴耕雨読
八紘一宇



ひとつ積むのは母のため
ふたつ積むのは父のため
賽の河原の子守唄 それ
みっつ積むのは兄のため
よっつ積むのは妹のため
去つつ紡いで おしまい



「自分が一番正しいと思っているのは人間だけかもね。蟻に宗教概念があるかどうかはわからないけれど、もしあるとしたら、僕ら人間が蟻の神様みたいなものになる」
言いながら彼は人差し指で地面を這う蟻を気まぐれにぶちぶちと潰している。潰された蟻のすぐ横をたまたま助かった蟻が通っていく。彼らは仲間の示した道筋でないと前に進めないし、突然上からやってくる天罰に抵抗する術がない。
「ノアの箱船ごっこがしたい」と桶を探しに行った隙に、自分は蟻たちが無事巣に戻るよう南無三と念じた。

ユタとペトロ。ユタのひとりごとをしばしば聞いてしまうペトロ。真面目ゆえ、深く考えてしまったり。セム的一神教(ユダヤ・キリスト・イスラム)擬人化するならユタ・イリス・ペトロでイケる。メモ:今のユタに信仰心は無い。つい前まで人並み以上にあったケド