西大山駅

〜 本州最南端の駅 〜



<JR枕崎線 西大山駅>


●かつての旅行記録より抜粋

 天気は良く、自転車は心地いい。このまま一気に開聞まで下りかと思ったら、道は再び登り始めた。ガックリしたが登る。登り切ると道はなだらかな下りで、開聞岳が私を手招きするような感じで見えた。開聞岳は富士に似ているために、薩摩富士と称される。富士に登ったことのある私は、富士と開聞を比べてみてこう思った。開聞の方がすそ野が小さい。だから開聞の方が少し富士より鋭角だ。いずれにせよ『絵になる山』だ。

 指宿から10km来たところで写真を撮り、開聞に向かって進んでいく。道路脇に『JR最南端の駅』という看板が有ったので行ってみる。その駅の名は『西大山駅』であった。ホームは片側しかなく、無人駅だ。辺り一面は畑で人影はあまりない。誰が列車を待つのだろうか、ホームには乗客のための白いベンチが一脚有る。小さな屋根が有るが、殆ど吹きさらしに近い状態だ。ホームの端の『日本最南端の駅』のポールが無かったら、この駅は惨めな駅だろう。ポールと開聞があるから味の有る風景になっている。1日の列車本数は上下合わせて14本だ。残念ながら他に誰も居ないので、風景だけを撮る。私のカメラは久しぶりにレンズ越しに時を切り取った。


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