★ただの豚からポルコへ


 思い返せば、ほんとスキーをしない”タダの豚”でした。2002年になるまで、ゲレンデにに行ったのは、5回ほどしかありませんでした。社会人になってからは、1回位であったはずです。緩斜面で辛うじてボーゲンは出来ます。でもその姿たるや、サーキットに自転車が入り込むようなものでした。
 
 しかも学生時代に痛めた古傷があります。左に比べて右膝が弱いです。1日そんなことをやろうものなら、翌日は体がガタガタになり動けなくなってしまいます。なんとも情けない体でした。体重も多く、日頃の運動不足もそれに拍車を掛けました。


 転機は突然訪れました。訳があり、15キロほど減量できたのです。この結果、膝に対しての負担は減りました。何より身のこなしが軽くなりました。その時にスキーに誘われました。でも、スキーには苦い思い出があります。信州のとあるスキー場で、無理矢理上級者のゲレンデに連れて行かれたのです。心中には、募る不安と、数年ぶりにスキー場へ行ってみたいという思いが交錯します。

 その日が、すべての始まりでした・・・・・。

 ”ポルコ”とは

 映画 ”紅の豚” に出てくる、”元人間であった飛行機乗りの豚”の名前です。
 ホテル アドリアーナ でジーナとの台詞が、このページタイトルの元になったのです。


★特訓 1回目は”冒険”

 
 特訓は2002.2月頭からスタートでした。車で40分も走れば某かのゲレンデに着けてしまう所に住んでいるのです。ロケーション的には恵まれています。とある小さなAスキー場に行き、板を借りて緩斜面をリフトで登りました。

 約8年ぶりの板です。昔はボーゲンもどきが出来たのですが、今や点々が2個ない状態になっています=”ぼーけん(冒険)”です。リフトを降りて、すぐには転けなかったものの、やっぱり怖いのです。何が怖いって、板をコントロールしきれない体力が怖いのです。頭を過ぎるのは、”骨折”とか”激突”とか、ろくでもないワードばっかりです。

 ●●が縮みあがるとよく表現されますが、ほんとにそうなのです。ゲレンデ下には、心配そうに妻が見ています。妻は昔からスキーに行きたがっていました。今回、特訓を言い出したときの嬉しそうな顔!

”一緒にゲレンデに行けるなんて考えられなかった”と、はっきり言われました。 何度か斜面を滑って降りているうちに、妙な板を履いたスキーヤーを見つけました。それは子供の板のようなショートスキー、それよりさらに短いファンスキーでした。でもその時はそれが何かは知りませんでした。

 翌日は早々と、スキーウェアを買いに出かけました。妻にしてみれば、これは”外堀を埋める作戦”です。私の気が変わらないうちに既成事実を作ってしまえば、結果、自分もゲレンデに行けるのですから(笑)。

 ※以降 ボーゲン不完全レベルの滑りをさして、”冒険”と呼ぶことにする。


★特訓 2回目は”カービングスキー”


 ウェアを買ってしまうと、やっぱりゲレンデへ行かねばならないような気がします。単独で向かっても良いのですが、非常事態になったときに不安があります。結局滑れないS氏と、これまた近所の国境スキー場に行きました。
 
 ここでゲレンデの混雑の洗礼を受けることになりました。スキー場まであと3キロ、これが辿り着けないのです。結局ついたのは11時過ぎ、既にゲレンデは人・人・人っ! 150センチのカービング板(この板も知らなかったので、S氏に聞いた)を借りてリフト待ち25分にもめげず、ひたすら待ちます。午後&ナイター券+板+靴+ブーツ+メシ、あっという間に財布から1万円が消えて行きました。
 
 カービング板というのは意外にも取扱がしやすいものです。”冒険”レベルでも何とかなります。曲がることも容易です。これならスキーも昔ほど苦にならないでしょう。しかしゲレンデコースを全て滑れても、なぜか好きになれません。Aスキー場で見た、ショートスキーやファンスキーが試してみたいと思いました。


★特訓 3回目は”ファンスキー”


 凝りもせず翌週、同じ国境スキー場に出かけます。目的はファンスキーを履いてみる為です。先週の洗礼が怖くて、早朝からあの手この手を使って迂回します。ところがどっこい、所詮はKスキー場なのです。空いている! 私の苦労は何だったっんだぁ。
 
 同じゲレンデで違う板を履いてみます。大きく異なるのは、”板の違いだけ”です。この短い板の取り回しの容易さは、カービングの比ではありません。また爆弾を抱えた膝への負担も少ないです。カービング板の扱いに困った斜面でも、板の短さゆえ板の扱いには困りません。ただ怖いのは、外れないビンディングです。妙な転け方をして、スキーが斜面に突っ込んだ時、無理矢理外そうとしてアキレス腱を痛めてしまいました。まぁ、この程度で有れば、被害のうちには入れられないでしょう。複雑骨折している方も居られるのですし。
 
 コブを注意して滑ります。転けるときに考えて転けることさえ出来れば、この板は好きになれそうな気がしました。昔の雪嫌いはどこへやら、この時点で板まで買おうとしている自分が、妙におかしかったです。雪に勝とうとは思わないが、少なくとも共存しようとしている自分が不思議でした。


★選んだ板はファンスキー


 自分の体力と板の特性が分ければ、もう迷うことはありませんでした。HP上で資料を漁り、スキー用品店に板を探しに行きました。Kスキー場で痛めたアキレス腱は疼いています。そりゃ、そうだ。怪我をしたのは昨日なんだから(実話)。足を多少引きずりながらも、車で他府県まで板を購入しに行ったのには、理由がありました。

 狙いは、”解放機能付きビンディングのあるファンスキー”です。何故この板なのかというのは、 Yukio さんのHPで詳しく書かれているとおりです。事実、私も危ない目にあった一人なんだから。Yukio さんのHPはこちらからどうぞ!

Snowman-Yukio's homepage.

http://www.est.hi-ho.ne.jp/snowman-yukio/index1.html


 私が怪我をしなかったのかは、いくつかの理由があるからなのです。


 2月後半ともなると、在庫一掃セールで安くなります。簡易ビンディングではない板を買うつもりでしたが、既に在庫切れでした。その時に見かけたのが、S社の板です。土踏まずの所に靴の調整用のドライバーが内蔵してあり、板を履いたままでも締め付け具合が調整できるモノと言えば、判る人も多いのではないでしょうか?

 ”ちゃちな簡易式ビンディングはものが悪い”とスキー場のレンタル屋さんは言っていました。こういう奴なら多少ともましではないでしょうか? ただそれだけの理由です。

 結局、わずか3回のスキー場通いで、滑れるようになりました。それ以外、特別何かトレーニングをしたわけではありません。これも、選んだ板がファンスキーだったからです

 素晴らしいことばかりのような、この板なのですが・・・・・ 


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