電通百物語


其の七「ザ・合奏」 NEW
其の二十四「ホルクス・ホッホシューレ」

其の五十五「三人祭り」
其の八十二「幻の劇」 
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其の七「ザ・合奏」

作者・弟子1号

 その日はある指揮者の合奏の日であった・・・ 新譜も渡され、その初見合奏だった。
 各人が練習をし、いよいよ合奏の時間になった。 中会を合奏体系にし、各々でチューニングをはじめた。 目の前にはハーモニーディレクターが鳴っている。 さぁ合奏だ!
 例のサブ指揮(寒指揮)がハイテンションで入ってきた。 別名 空回りのホッ・・・・・ぐほぉ・・・・・
 まず例にもよってチューニングから始まる・・・・
 みんな真剣にB♭の音を合わせる。普段おちゃらけている者でさえ合奏という空間にはいってしまえばそこはもう戦場のように意識を研ぎ澄まし、真剣になるのだ。
『先輩!それ高いっす!いやいや、もっと低めに!』
 寒指揮から指示が飛ぶ!みんな必死であわせようと試みる合奏ならではの風景だ。
 そしてひととおりパートごとのチューニングは終了し全体で音を出すように指示がはしった! みなに緊張がはしる! どのパートを見ても緊張で顔はこわばり、脂汗をかいてる者までいるくらいだ。
 されど容赦なしに寒指揮は
『じゃあ2つでB♭ください!』
 と指示を出す!テンション!
 みなが指揮棒に注目する!
『1!』
 時間が止まる!
 かえる跳ぶ!
 ・・・・いや、それはいい。
『2!』
 みなが一斉にブレスをとる! その瞬間、B♭の音が中会に鳴り響いた!! かえる跳んだぁ〜〜〜!!! いや、それはいい。 いいのだ。
 みな音をだしきり安堵の表情を浮かべているものすらいる。 しかし寒指揮は何かひっかかったような、それでいて不服そうな表情をしていた。
 空気が重い。 みなから安堵の表情が消える。 そんな注目を寒指揮は一身に受けついに重たい口を開いた。
『違いますよ・・・』
 一瞬何が違うのか訳がわからずにメンバーは動揺してしまった。
 自分達がなにかミスでもおかしたのか?! いいや違う。それはないはずだ! ではなぜ?!
 寒指揮は言った。
『僕がB♭(べェー)の音ください!っていったらみなさんべぇーーーー!っていわなきゃ!!』
 その瞬間その寒指揮がどうなったかは知る由もない・・・ ただそこに、かえるが跳んでいた・・・・

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其の二十四「ホルクス・ホッホシュ-レ」

作者・888
 ドイツのドの字も無かった彼の一回生の話。
 電通大R学科として入ってきた彼は純粋に吹奏楽が好きで夜間学校という無理をしてまでクラブにはっいてきた。自分のTpを持ち将来有望(?)な新入生だった。
 そんな彼が自分を開花させたのが合宿。ここで「神様降臨」という流行語まで作り合宿先の図鑑を読み漁ったりとにかく酔ってからは予想外の行動にでまくった。
 その年の大学祭「のんきや」でもコンパで酔って魔人ビブラに多大な迷惑をかけたがそれよりもここでは彼のゴキブリの知識が盛んに広められ伝説となっている。
 そんな彼にもR学科魔の手が忍び寄る。第23回定期演奏会と授業が重なってしまうという悲劇にあい、編入の勉強もあってクラブをやめてしまった。
 第38期が壊滅しかけていた2回生の話 彼の代である38期生は人数と人材に貧しかった。38期生が役職につく時に救世主が舞い降りた。それがホッホシュ-レである。彼がまた入部するというのだ。
 38期は大いに喜び大学祭「のんきや」に突入した。しかし彼はここで肺に穴をあけるという病魔に侵される。その病気で吹奏楽を続ける事を親が許してくれるはずも無く演奏会には出なかった。
 しかしパーカッションというパートにつくことで続けることを許される。その翌年の第3回合同演奏会では彼のパーカッションの名演が見られるだろう。
 このころから彼のドイツ魂が過剰に見られた。この魂によって内部戦争が勃発したがなんとなくしゃれにならないのでここではこの話は避けよう。
 この後のホッホシュ-レはドイツ魂と愛国心により誰にも忘れられないほど有名になったので話はいらないだろう。
 合宿のバスガイドに「はじめて軍歌を歌った人を見た」と言わせたり、彼のデビュー曲「大和魂」も作られている。なかでも彼が指揮をした「喜歌劇 スペードの女王」は名演である。
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其の五十三「三人祭り」

作者・JACK
 これは2001年の夏の出来事です。  
 D大学の吹奏楽団は兵庫のハチ高原に合宿に来ていました。
 恒例行事のパートや学年ごとの演奏発表でにぎわっているさなか、突如『ソレら』は現れました・・・・・・
  『ソレら』は腰などにビニールを巻き付けただけのほぼ半裸の変体で 怪しげな曲にあわせてドジョウ掬いの様な踊りをしており。
「ちゅちゅっちゅちゅちゅ・・・・・」
 と、呪いの様な歌を口ずさみながら、暴れるだけ暴れて何処へともなく 消えて行ったそうです。
 D大学の吹奏楽団のメンバーに『ソレら』は三人祭と名づけられ 数年に渡って蔑まれ・封印されたそうです。
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其の八十二「幻の劇」

作者・ぽっチョムキン独楽

 劇といえば何を思い浮かべられるだろうか。
 劇の初代というとルパンであり他にスターウォーズ、ギャバン、最近ではクリスマスイブイブイブが挙げられる。これらはビデオに記録されていていつでも見ることができる。
 惜しくも記録に残らない入学式でもしばしば劇を公演していた。そのなかで就職難をテーマにひとつの劇が企画されている。
 当時のH主将は年初めから就職活動をしていたがなかなか決まらなかった。これを団で取り上げたらうちわでは面白いだろうということで次のような劇が実演された。

アナウンサー「ここは、とあるバー・・・」
男(H主将)「あー、仕事決まらねーなー。ここのバーでも行くか」
マスター「いらっしゃいませ」
「マスター、仕事がきまらないんだよ。何かいい仕事無いかなー」(本番ではここで噛んだ)
マスター「まあそれよりお酒でもどうですか?」
「そうだな、じゃあテキーラを」
「テキーラ」演奏
マスター「そういえば電通大の学生会館に自治会吹奏楽団というところがありますよ」
「ほう」
マスター「楽器も豊富で・・・(以下楽団を説明するセリフ)」
「じゃあそこへ行ってみるよ。ありがとう」
終わり

 さらに前の年は踊る大捜査線をテーマに劇がされている。
 就職難を提案した当時の毒舌企画は
「まさか本当にやるとは思わなかった」
 と語っている。
 台本もH主将に考えていただきこんな企画を持ち出した当時のサブ達はとんでもない仕事をしたといえる。
 なおマスターとアナウンサーはBOXの住人と390831のご両人である。

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