機 種
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ファミコン |
ジ ャ ン ル
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戦略シミュレーション的な側面をほんの少しだけ持ったアクション |
クリア所要時間
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4時間くらいやったかなぁ |
ス ト ー リ ー
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狭い地域に密集して立ち並ぶ12の道場。道場主達の血で血を洗う戦いの火蓋が、今切って落とされた!! |
はじめに、このゲームをクリアしたのは、毒ガスドラマーことびぶらであり。私は横で見ていただけである事をお断りしておく。
名前のとおり、いち道場主となって周りの道場に喧嘩をふっかけて自分の領地を広げていくという「信長」的なアクションゲーム。
道場は
空手
少林寺
太極拳
棒術
剣道
二刀流
手裏剣
棍棒
ヌンチャク
ムチ
居合い抜き
鎖ガマ
の計12流派(だったはず)。これだけの多様な(多様過ぎる気がするが・・・)武術の道場が、決して広くない一地域内に軒を連ねているのだから、そりゃぁ仲違いもしようってもんである。
プレイヤーは最初に、空手、少林寺、太極拳の内から自分の流派を選ぶことになる(びぶらはスタンダードに空手を選択)。しかし、最初に選べる3流派は構えが微妙に異なるくらいでそんなに大きな差は無いと思われる。しょせんはファミコンそんなモノである。
ゲームは自分の道場の前から始まる。道場にはいると「おかえりなさいませ。何をしますか?」と弟子が迎えてくれて、自分の特訓、弟子に稽古を付ける、現在の情報を見る、といった行動がとれる。
しかし、じゃあまず特訓でもするか、と特訓を選ぶと、『まずはながれものをたおしてから』と何故かタメ口で言われて実行できない。じゃあ、いっちょう弟子をもんでやるか・・・と稽古を付けるを選んでも『まずはながれものをたおしてから』とくる。どうやらこの世界では、流れ者を倒さなくては何もできないらしい。その事も驚きだが、弟子が突然タメ口になるのはもっと驚きである。もし破門のコマンドがあれば迷わず選ぶところだ。
現在の情報では、自分を含めた全ての道場主と門下生のステータスを見ることが出来る。他の道場主達は、どいつもこいつもむやみに個性豊かな面々である。男、女、日本人、中国人、坊さん、忍者、でぶ、等々世界観も時代背景もあったもんじゃないメンツが揃っている。が、自分以外の道場主達は結構勝手に潰し合うので、実際に相対するのはこの内の半分くらいである。後は自然淘汰される。
あと、道場では弟子にアドバイスを聞くこともできる。このコマンドを選ぶと、道場主(自分)が弟子に「なにをすればよいのかおしえろ」と、高圧的に弟子に意見を求め、それに対して弟子が「にしをせめましょう」などと、やたらアバウトでおざなりな意見を返す、というほほえましい師弟の会話が交わされる。どうにもギスギスした雰囲気の道場である。
さて、そんな道場を出て外を歩くと、問答無用で流れ者が襲いかかってくる。流れ者には三種類がいて、その名も、裏空手、裏少林寺、裏太極拳。
そう、流れ者はこの三流派しかいない。この事実から、この三流派の道場の門下生の管理のずさんさがうかがえる。しかし、彼らが何故敵意むき出しで襲いかかってくるのか?それは全くの謎である。
流れ者を倒してから道場に戻ると、やっと念願の特訓をする事ができる。こうして自分自身や門下生を鍛え上げて行くわけだが、一回特訓をするとまた流れ者を倒すまで特訓できないわけで、
流れ者を倒す
↓
道場に戻って特訓
↓
流れ者を倒す
↓
道場に戻って特訓
という行動を地道に繰り返さなくてはならない(特訓をせずに流れ者を二人連続で倒したとしても、特訓は一回しかできない)。しかも、一度倒した流れ者は基本的には復活しないので、
おのずと流れ者出現地点と道場の距離は広がっていく。強くなるのは大変なのだ。
そこそこ強くなってくるといよいよ出陣である。
敵道場の近くまで行くと(道場の周辺には診療所と民家と武具屋があり、ちょっとした集落になっている)次から次へと門下生が襲いかかってくる。しかし、そいつらをなぎ倒して道場にたどり着いても、またしても門下生との戦いになる。おそらく、外にいたのは「あんなヤツ俺がブッ倒してきますよ!」とか言って道場を飛び出した血気盛んな若手達に違いない。
さらに、門下生を数人倒すと次は師範代が登場する。師範代といっても、門下生と色が違うだけでそんなに強くは無い。言ってしまえば、「次は道場主が出てきますよ」という目印に過ぎない。
そして最後に道場主を撃退(他に道場を持っている場合はある程度体力が減ると逃げだす)すると、その道場が自分のモノになるわけである。つい数分前、殺気をみなぎらせて襲いかかってきた門下生達は素直に門下に下り、近くの診療所や武具屋の態度も一変する(診療所など値段が半額になる)。この世界は、力が全てなようだ。
道場を制圧した後、武具屋で武具を買うと、その流派が使えるようになる。そう、衣装を変えるだけで剣だろうが棍棒だろうが鎖ガマだろうが自由自在に操り出すのだ。並の技量で出来ることではない。まるでなりきりし(某ゲームに出てくる職業。知らんかな・・・?)である。
さて、他の流派が使えるとなると、気になるのは「どの流派が一番強いのか?」と言うことだろう。そこで、全12流派のラインナップを見てみると、見るからに強そうな流派があることに気付くだろう。そう、手裏剣である。唯一の飛び道具である手裏剣は、間合いが全てとも言えるこのゲームの戦闘では恐るべき強さを発揮する。実際びぶらが最も苦戦したのは手裏剣の道場主(確かハンゾウだったと思う)だった。
手裏剣道場を落とした時点で、ゲームの難易度は急落する。
しかし、手裏剣でばったばったと敵を葬り続けるびぶらは、その後さらに強力な流派を発見する。その流派とはムチだ。
手裏剣には唯一、連射が効かないという欠点があった。かわされて懐に飛び込まれると、ちょっと厄介なのである。しかし、ムチは射程範囲こそ手裏剣に劣るが、連射していれば接近されることはない。結果敵は近づく事も出来ずに連打を浴び、瞬殺されるのだ。まさに無敵!革命的な強さである。
空手→手裏剣→ムチこのようにバージョンアップするのが最強への近道だろう。敵のムチはあまり怖くないので、辛いのは手裏剣を倒すまで。つまり、このゲームの最大の焦点は「徒手空拳でいかに飛び道具に打ち勝つか」これに尽きる。
そんなこんなで12の道場を全て支配下に置くとゲームクリアである。エンディングでは、何故か12人の道場主達が紹介され、一言ずつ自分をアピールする。 何故いまさら道場主を紹介するのか!?
最後の最後で大きな謎を我々に与え、このゲームは幕を閉じたのだった。